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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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10_B__03_03  第10話 Bパート 分割 3 / 3

第10話 Bパート 分割 3 / 3


【 第10話 概要 】

サブタイトル:これでも楽器なのか。

OP曲前:ミッツの家にハル。小学生時代。台所でグラスハープ。

Aパート:芸術のアイディアの練習。ト長調の音階は「C」で始まらない。タイミングの縦を合わせる。オーケストラ、ビッグバンドの編成の定義。ステラの恋と、ミッツのコブラツイストと、ステラの失恋。ハルがステラを泣かす。

CM明け:ステラ、就寝儀式、マシュマロとチョコレート、自室のコルクボードの写真を、トロンボーン先輩から、ハルに交換。

Bパート:オルゴール館。様々な自動演奏装置の紹介、レコードの原理。現在、最も普及している自動演奏装置は何か。手作りコーナーでカリンバ。ハル、ステラに謝罪。楽器の定義、ノイズ音楽、雑草。そっとティッシュは鉄則。

Cパート:オルゴールの櫛は、同じ櫛を連続するとビビリがある。同音が2本あることも。調律の方法。

予告:ミッツが音楽の先生を引き連れて、湖の水の上にピアノが置かれ、ヤッ子先生は甘すぎですよ。もうやめてよ、お父さん。


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

▽ 場面変更 ● ── ●


先生ちゃん。ガーシュウィン。パイプを銜え、スマートな笑顔。


説明用の別世界。背景は無地。


先生ちゃんで、ガーシュウィンが重複しているので、別な人が良さそう。自動演奏ピアノの、演奏を記録したピアニストが良いかも。


先生。『ラプソディー・イン・ブルー』の「♪ドミソッソーソー」の部分を弾いている。


先生「この紙は「ピアノロール」で、列と鍵盤が対応しているんだな、これが」


先生「このピアノロールのアイディアを使って、これと似たデザインの、パソコン画面がある」


先生「本物のピアノに演奏させる代わりに、パソコンに演奏させる時も、ピアノロールのような画面を使うことができるんだよね」図形。MIDIアプリのピアノロール画面。


先生「鍵盤には白と黒の色分けがされているけど、ピアノの中の弦がずらりと並んでいる状態では、弦には白と黒の色分けはされていないんだな」鍵盤と弦の関係が繋がっているような模式。


ここで、実物のピアノ( )アップライトでもグランドでも、どちらでも良い)を開いて、鍵盤部分の白と黒の色分けが、弦のハンマーまでの途中で色分けが終わっていることを見せても良い。


先生「楽譜には縦線があって、ピアノロールには縦線がないよね。だから、これを人間が読むのは難しいんだな、これが」


先生「しかし、コンピュータにとっては、これが見やすいんだな」


先生「このようなデータは、MIDI( )ミディ)と呼ばれる」


先生「これから、MIDIに関する話をするけど、パソコンを買う時、MIDIに関することの、どれができるのか、どれが別売りなのか、お店の人に相談しよう」


先生「「音源モジュール」は、パソコンの中に入っていることもあるが、念のため確認しよう」


先生「正しくは、MIDIは規格なんだな。手旗信号の表のように、こういう約束ってことだ」手旗信号の表、モールス符号の表、点字の表など。


先生「MIDIという規格では、例えば「楽器番号のゼロはピアノの音色」とか、「音の高さの番号60は中央ド」というように決まってるんだな」


先生。キーボード、ケーブル、弁当箱サイズの音源モジュール、スピーカーを出す。


先生「このキーボードは、MIDIの信号を出す機能がある。でも、このキーボードには、音を出す機能が無い。そこで、このケーブルで、音源モジュールに指示を出す」


先生「音源モジュールには、スピーカーを付けよう。これで、全部の準備ができた。後は、MIDIの信号を出すだけだ」


画面の左半分には、鍵盤を操作する指が表示される。画面の右半分には、配線図の絵が表示される。


先生。キーボードの鍵盤を押す。音色はトランペット。「音を出せ。ホラ、音が出ているね」指令書の「音を出し始めろ」が、キーボードから、ケーブルを伝わって、音源モジュールに移動する。音が出始める。


先生「トランペットの音だ。「音を出せ」の指示はしたけど、そのままだから、まだ音が出たままだね。人間なら、息が続かないけど、音源モジュールは、次の指示待ちなんだ」


先生。キーボードの鍵盤を離す。「音を止めろ。ホラ、音が止まったね」指令書の「音を止めろ」が、キーボードから、ケーブルを伝わって、音源モジュールに移動する。音が止まる。


先生「この約束を守って、順番に指示を出せば、指示を受けた方はその順番で音を出す。音のデータを順番に並べたら演奏になる」


先生「要するに、MIDIのデータはコンピュータ用の音の指示。それを順番に並べたら曲になるから、コンピュータ用の楽譜データってことだ」


先生「ちょうどいいタイミングで「音を出せ」「音を止めろ」というMIDI指示を、事前にパソコンに保存したいね」


先生「事前に順番を決めておいたものは「プログラム」だね。運動会のプログラムもあるね。テレビ番組表は「テレビプログラム」って呼ぶでしょ」


先生「パソコンで、MIDIのプログラムを作るには、パソコンの「シーケンサー」を使うんだ。「順番」を英語で「シーケンス」と言うから、「シーケンサー」は、MIDIの指示のタイミングを、順番で記録するものだ」


ここでは「アプリ( )アプリケーション)」という呼び名は、使わない方が良いかも。パソコン用語を嫌いな人もいるため。スマホを使う人は、「アプリ」に馴染みがあるが、シーケンサーは主にパソコン用。


「記録する」は、SMF( )スタンダードMIDIファイル)として保存。編集は、「ワープロ( )ワードプロセッサ)で、削除、コピーなどが簡便」と同様の便利さがある。


先生「自動演奏ピアノのピアノロールでは、「音を出せ」の範囲に穴があるね。MIDIでは、穴の始まりと終わりのデータ「音を出し始める」と「出している音を止める」のデータがあるんだ」


ここまでの説明を、視覚化するために、シーケンサーのイベントリストと、ピアノロールを表示する。


先生「音を出す順番を記録する場合、テンポや小節番号なども、指示できるようになるんだ」


先生「キーボードなら、さっきは、1つの楽器しか鳴らせないような説明をしたけど、色々な楽器を、いくつも同時に合奏できるんだ。そしたら、テンポや小節番号も、全員が合わせるよね」


先生「ということは、「各々の楽器のためのデータ」と「全員に共通するデータ」という、2種類がある」


先生「まあ、あまり詳しく書くと、MIDIを知らない人は、こんがらがるよね。でも、MIDIって、あれこれ指定できるってことは、わかったよね。やってみようって気持ちにもなるかな?」


先生「そこで、さすがコンピュータだから、このデータを機械的に、ピアノロールの形に変換することができる。ちょうど、数値の表をグラフに変換するのと似ているね」


簡単な数値の表を、棒グラフにする例を表示し、「数字などの表は、グラフに変換できる」を添える。


簡単な数値の表が、画面上部に圧縮される。画面下部には、シーケンサーのイベントリストとピアノロールを表示し、「文字でMIDIの命令を記録したものは、ピアノロールに変換できる」を添える。


先生「しかも、さすがコンピュータという機能は、イベントの中には、小節番号や拍子記号、テンポの指定もできるんだ。自動演奏ピアノでは、ピアノロールの紙の進むスピードは一定だけど、MIDIなら、演奏中にテンポの変更ができる」


先生「音符の棒の向きや、符桁の繋げ方、リピート記号などを指定することは、MIDIデータではないんだ。シーケンサーの銘柄によっては、MIDIデータとは別に、見やすい楽譜のデータも記録できるものがあるよ」


先生「見やすい楽譜のデータの保存は、MIDIではできなくて、それぞれのシーケンサーの銘柄の、独自データなんだ。MIDIは世界基準の規格で、見やすい楽譜データは銘柄の独自データだね」


画面に、MIDIデータだけを楽譜に変換した例と、シーケンサー独自のきれいな楽譜を並べる。ただし、MIDIデータだけを楽譜に変換した例も、シーケンサーの独自変換なので、どちらも、当アニメ用の創作となる。


先生「さっきは、キーボードの鍵盤を押した時と、話した時に、キーボードから音源モジュールに、信号が送られたね」


先生「シーケンサーを使えば、プログラムの通りに、タイミング良く、信号が送られる」


キーボードからスピーカーまでの、配線図の絵を再表示する。パソコンが新たに表示される。キーボードからのケーブルが消え、パソコンからのケーブルになる。


先生「MIDIのデータは指示だけ。実際に音を出すのは、指示を受ける「音源モジュール」だよ。シーケンサーが、順番にタイミングよく指示を出して、音源モジュールは指示に従う」


先生「ピアノの音といっても音色は様々だし、トランペットの音色の微調整をしたいことはあるよね。でも、MIDIでは残念ながら、音色の指定は、ほとんどできないんだな」


先生「音の強弱の、「フォルテ」や「ピアノ」の指定と、音量の「ボリューム」の指定は、MIDIでできる。音源モジュールが、音の強弱で音色を変えてくれるなら、「強い音色の小さな音」なんてことは可能だよ」


先生「楽器を指定する「音色プログラム」、演奏の強さを指定する「ベロシティ」など、いくつかの設定があるけれど、限界はあるんだな」


先生「音源モジュールも、銘柄によって音色が違うよ。だから、曲によって音源モジュールを選ぶ人もいるんだ」


先生「自宅に2つの音源モジュールがあって、片方の音源モジュールで良い演奏になるように調整しても、もう1つの音源モジュールでは、つまらないこともあるんだな、これが」


先生「とはいえ、難しい曲のサンプル演奏はできるし、ゆっくり演奏させることもできるのが、MIDIの利点なんだな」


先生「合奏の練習に、自分のパートの音だけ消せば、コンピュータと自分の合奏ができる。さっき、「ゆっくり演奏もできる」って言ったよね。合奏練習でゆっくり演奏は役立つね」


先生「しかも、本物の楽器演奏ではできない、ピアノでチョーキングといった、遊びもできる」ギターのチョーキングでビブラート。ピアノでスラーの演奏は、チョーキングではない。MIDIでチョーキングする。「ウィンウィン」も分かりやすい。


先生「サックスなら、鳴らしながら右左と歩き回ることはできるが、ピアノではできない。でも、MIDIなら歩き回れるんだな。それどころか、瞬間移動もできる」ステレオ効果( )パン)で、ピアノが左右に動きまくる、瞬間移動する。


パンの変更では、ピアノに人間の脚( )すね毛ボウボウ)が出て、歩き回るのも良い。


先生「ピアノのグリッサンドは、白鍵だけ、黒鍵だけはできる」演奏例。グリッサンドの手に合わせ、鍵盤が赤くなる。


先生「白鍵と黒鍵の全部をグリッサンドは、MIDIならできるんだな。しかも、第4話の吹奏楽部の見学で、ピアノと、ダブルアクションハープでは、得手不得手( )えてふえて)があったけど、MIDIならどっちもできるんだな」


ピアノロールとピアノの鍵盤を表示し、グリッサンド。間隔を設けて3回、段々速くし、3回目は人間では不可能な速さ。


先生「ところで、第8話では、メンデルスゾーンの『春の歌』で、装飾音符の演奏をしたね。どこかの隙間に、そっと潜り込ませるのが、装飾音符だ」背景に、第8話でミッツが演奏する場面と、楽譜を表示する。


先生「装飾音符に限らず、人間が演奏するなら、「ジャラーンと演奏」といった、雰囲気で伝わるけど、コンピュータには、細かなタイミングも、正確に指示する必要がある」


背景に、『春の歌』楽譜( )装飾音符が無い)と、その下にピアノロールを表示する。ピアノロールと楽譜が分身の術で左右に分かれる。


右側の楽譜に、装飾音符が付加され、『春の歌』の楽譜になる。右側のピアノロールが、装飾音符が付いたものになる。楽譜とピアノロールが同時に、装飾音符が付いたことを目立たせるように点滅する。


指し棒で、「装飾音符を、そっと潜り込ませるタイミングを、しっかり指定する」を表示する。


先生「さっき話した「シーケンサー」では、このタイミングを簡単に「良きに計らえ」で指定できる機能があったりするよ。嬉しいね。もちろん「良きに計らえ」を、人間が調整することもあるよ」


先生「こうして、ピアノロールのアイディアは、コンピュータ用のデータに活用され、MIDIという規格を添えて、パソコンが演奏指示するように発展したんだな、これが」


▽ 場面変更 ● ── ●


先生ちゃんの説明が終わり、さっきの続き。


案内「先程のクイズの答えです」


案内「現在、最も普及している自動演奏装置は、パソコンです」


背景に注釈「最も普及しているのはパソコンというのは、案内の人の推測です」を表示する。


▽ 場面変更 ● ── ●


その他のオルゴール。


手回しオルガン。


水琴窟。


オルゴール館には無いので、動画で紹介するもの。「玉がレールを伝い、木琴などの上に順番に落ちて演奏」


▽ 場面変更 ● ── ●


自動演奏ではないが、科学実験。


太陽光で発電するもの( )広い意味での太陽電池)があれば、光通信ができる。


スピーカーに鏡を置く。鏡に光を当てる。音声を鳴らすスピーカの振動に合わせて、鏡が振動し、反射する光も振動する。


振動している光を、太陽光発電機で受け止める。光の振動に合わせて、発電される。これが、マイクの代わり。発電されたものを、アンプを通してスピーカーに繋げば、音声が再現される。


これで、光通信になる。


▽ 場面変更 ● ── ●


手作りコーナー。お土産店も兼ねている。


ここには、案内の人は店員も兼ねているので、複数の人がいる。手作りコーナーの案内もする。手作りの指導は、専門の人がいても良い。


案内。カリンバの模範演奏をしながら、手作りを紹介。


カリンバには8本のピンがあり、調律は、左から順に「ド、ラ、ファ、レ、ド、ミ、ソ、シ」で、両端が高く、中央のドが最も低い。


カリンバの演奏は、両手で本体を持ち、両手の親指でピンを弾く( )はじく)。親指は、1本のピン、または、隣り合った2本のピンを弾くので、最大で同時に4つの音を鳴らせる。


案内。カリンバでジングル( )「ソラシドー」、または、コード「G7、C」)を演奏。


コード「G7、C」の、「G7」は左手で「ファ、レ」、右手で「ソ、シ」、「C」は左手で「高いド」、右手で中央の「ド、ミ」。


または、当アニメのBGMの、馴染みのある部分でも良い。


案内の言葉の区切りで、ジングルを演奏する。


案内「こちらは、シリンダー式オルゴールを、自分で組み立てます。ドライバーを使って、この形から、完成形がこちらです」


案内「ご自宅で組み立てられますし、ここで組み立て案内を受けながら、組み立てることもできます」


案内「組み立ては、ゼンマイ式と手回し式が、あります」カリンバでジングルを演奏。


案内「私が持っているのは、櫛歯のピンに代わる棒を自分で差し込んで作る「カリンバ」という楽器です」カリンバでジングルを演奏。


ミッツとステラは、小さなシリンダー式の、ゼンマイ式オルゴールの組み立てを選択。


ミッツ「ねえ、ステラちゃん、何だか、馴染みのある曲が聞こえない?」


ステラ「はい、きっと、妖精ちゃんが、何かをしてくれてるんですよ」


ミッツ「そうね」


ミッツとステラは、オルゴールに夢中。


ハルは、案内が持っているカリンバに興味が出て、カリンバを選択。


ハル「そっちは、出来上がったカラクリを組み立てる方か、いいねえ。こっちは、自分で演奏するものだ」


ミッツ「へえ」


案内「どの曲にいたしますか? クラシック曲、映画音楽、近年のポップスなど、いろいろございます」


ミッツとステラ。様々な曲名を見て歓喜。ジャンル別に並んでいないので、じっくり探す。


ミッツとステラ。棚を見ていたが、案内から、パソコン、または、タブレットで探す方法も紹介される。タイトル順( )日本語、外国語)、発表年順、ジャンル別( )映画音楽、外国曲など)といった並べ替えや、検索ができる。


ハル「これは、オルゴールはなく、カリンバですか」


案内「はい。「カリンバ」という楽器です」


ハル「あ、これは、独立した楽器ですか」


案内「棒の調律は、ご自由にできますが、ここでは「ドレミファソラシド」を、ご案内します」


ハル。ミッツとステラが組み立てているのを一瞥。


ハル。案内の人の説明に従い、棒を装着。


ハル「この棒は、針金ですか?」


案内「ここでは、ピアノ線を使っています」


ハル「形は長い靴ベラのようですね」


案内「切ったままですと、こちら側ですが、指を怪我することもあるため、演奏側は成形してあります」ピアノ線の片方の先端は単に丸められていて、もう片方の先端は靴ベラの形。手前側、指ではじくのは、靴ベラの形の方。


案内「調律をする前に、大体の長さにしておきます」左側から右側に向かって、段々と短くなる。


ハル。長さを合わせているうち、ちょっと音が鳴る。


案内「おわかりのように、短くすると音が高くなるので、長さを変えて調律します。低い音から合わせましょう」


お土産店の一隅に、調律用の機械がある。「ド」のボタンを押すと、「ド」が断続的に「プー、……、プー、……、プー、……」と鳴る。「オフ」のボタンを押すと止まるが、放置しても10回で止まる。


ハル。案内の人と一緒に、聞きながら、調整する。


ミッツとステラは、ゼンマイ式のオルゴール。選んだ曲の箱の中には、シリンダーだけでなく、櫛歯も入っている。


組み立ての案内の人もいる。案内の人と、机を挟んで向かい合う席に、ステラとミッツが座っている。


ステラの方が上手に組み立てている。


案内「もしかして、ドライバーのご経験が、おありですか?」


ステラ「はい。家で色々作っていますので」背景に、自宅でメルヘンの小物を作っている姿。組み立てには、接着剤だけでなく、針金やネジも使う。


案内「そうでしたか」


ハルは調律ができた。


案内「調律ができましたね、お疲れ様です。では、でたらめに鳴らしてみましょうか」鳴らす。


ハルも鳴らす。


案内「この調律は、「ドレミファソラシド」なので、デタラメに鳴らしても、それっぽく聞こえるんですよ」


ハル「あ、音階だ」


案内「そうです。音楽のことはよくわかりませんが、ピアノの白鍵だけなら、このようにできるそうです」


案内「こちらのように……」中央が長く、左右が短いカリンバを手に取る。「……中央から左右交互に、ドレミ……」案内の言葉に合わせて、棒にドレミ……が表示。「……とすると」左右交互に、デタラメに鳴らす。


案内「ちょっと面白い曲っぽくなります。曲っぽいとは言い過ぎでも、違和感はありませんね」


ハル「え? それって、デタラメにしているんですか?」


案内「デタラメです。箱の中に、並べ方の例があります。このカリンバは、例( )2)の並べ方をしました」


ハル。購入したカリンバの箱に入っている紙の、並べ方の例を見る。「ド」から「ド」までの1オクターブの、8つの縦長の長方形が、カリンバのピンを表す。8つの長方形の並べ方の例が印刷されている。


( )1)「ド」から「ド」までが、順番。


( )2)左から順に「ド、ラ、ファ、レ、ド、ミ、ソ、シ」で、両端が短く( )高い音)、中央のドが最も長い( )低い音)。


( )3)左から順に「シ、ラ、ファ、レ、ド、ミ、ソ、ド」で、右半分がハーモニカの吹く音( )ド、ミ、ソ)、左半分がハーモニカの吸う音( )レ、ファ、ラ、シ)の調律。


ハル「これって、共鳴箱と棒があれば、自宅でもできそうですね」


案内「工作が好きな方は、たくさんお作りになるそうですよ」


ハル「前に、家でクリップを弾いてみたら、クリップを、こう少し開いて弾いてみたら、結構いい音が出たんです。机に置いて指で押さえたら、カリンバみたいに」背景に、小学生の頃に実験した姿を表示する。


案内。笑顔で聞いている。


ハル「面白い音が鳴るなあって、1本だけで終わらせたけど、何本もやってみれば良かったなって。その時は、楽器としての発想を、思い付かなかったので」


案内。笑顔。


ミッツとステラ。早速、作ったオルゴールを鳴らして、喜んでいる。同時に鳴らしているから、混ざると、よくわからない。2人の曲は、当アニメのオープニング曲とエンディング曲でも良い。


ミッツ。ハルに向かって。「あたし達のは楽器だけど、そっちは楽器じゃなく、おもちゃでしょ」


ハル「じゃあ、楽器の定義は?」


ミッツ「そりゃあ、遊びじゃなく、ちゃんとした曲で使うものでしょ」


ハル「ちゃんとしたって言ったら、視聴者から文句が来るぞ」


ステラ「『おもちゃの交響曲』では、おもちゃのラッパや、カッコウ笛が使われてますよ。『パリのアメリカ人』では、自動車のクラクションとか」


ステラは、自動演奏ピアノで、ガーシュウィンが誰だか思い出せなかったことと、中学生がガーシュウィンを知っているのは珍しいこともあり、『パリのアメリカ人』は非現実的かも。


ハル「ギターは楽器だが、弦を擦って音を出すこともあるぞ。弦のギザギザを、ギュゥイーン……とか、爪でキュッキュッ……とか」弦の長さいっぱいに擦る。弦の一部を擦る。ベンチャーズっぽい。


ステラ「プロのオーケストラでも、特にパーカッションは、手作りのおもちゃみたいなものを使いますよ」


ハル「ウォーターフォンは、不気味なシーンで大活躍するし、モリコーネは口笛とか、口琴を主役にした映画音楽を作っている」背景に、ウォーターフォンの演奏例と、口琴の演奏例。口琴は、短い演奏と、ギャグの「ボヨヨーン」の両方を。


ハル「ミッツには、馴染みは無いだろうけど、「ノイズ音楽」ってのもある」


ミッツ「ノイズって、雑音でしょ。そんなの、音楽じゃないでしょ」


ステラ「それは誤解です」


ミッツ「え?」


ステラ「私、植物も動物も、人気の偏りがあるのは仕方ないとは思っていますが、人気が少ないからって、邪魔者扱いするのが、堪えられないんです」


ミッツ「え?」


ステラ「普通は、パンジーは花で、タンポポは雑草って言われます。でも、タンポポ畑では、タンポポが花で、パンジーは雑草です」


ミッツ「え?」


ステラ「パンジーの花畑では、ヒマワリが雑草です。どんなにヒマワリが多くても、ヒマワリが見事でも、パンジーの花畑では、ヒマワリは雑草です」


ステラ「ヒマワリ畑では、パンジーもバラも、雑草です」


ミッツ。やや茫然としている。


ハル「畑によっては、望まない植物は「その他の植物」って扱いってこと。「雑」ってのは「バラエティ」ってことだからな」


ハル「ステラが言いたいのは、「ここではその他」の扱いはあっても、「いつでも邪魔」の扱いは許せないってことだ」


ステラ。ハルの加勢に乗る。「ノイズ音楽は、「音楽じゃない」というのではありません。普段は楽器の使い方をしないもので、音を楽しんでいます。何の花畑か、指定しないで楽しむようなものです」


ハル「「楽器」と「楽器以外」で分けたら、ノイズ音楽は「楽器以外」も面白ければOK。電話の発信音も、雷の音も、面白ければOK。しかも、リズムやテンポも無く、西洋音楽の楽譜で表現できない曲もある」


ミッツ「そんなの、コントロールできない」


ハル「要するに、ただ「音が鳴る」はおもちゃで、「コントロールできる」ってのが、楽器だって、言いたいのか? 「音」という要素の全部ではなくても、「納得できるコントロール」ってのが、ミッツの言いたいことなんだろう?」


ステラ。ハルが、またミッツとの仲良しが始まると思い、ミッツが答える前に割り込む。


ステラ「そうです。楽譜でドレミを表せなくても……」


ミッツ「わーかった、わかったって」


ハル。さり気なく、ステラの後ろに立つ。


ミッツ「ステラちゃんまでひどいよー」ステラに抱き着く。


ステラ。慌てて「あ、申し訳ありません」


ステラ。ミッツが急に抱き着いて来たので、よろけて倒れそうになる。ハルが素早く、後ろで抱き止める。ステラの肩を、両手でがっしりと。


ステラ。驚いて、声が出ない。顔が、一瞬、ハートマークの風船のように膨らむ( )髪の毛が無い)。湯気が出る。


ミッツ「ハル、えらいっ。よく受け止めた」


ステラ「あ、ありがとうございます」


ハル「せっかくのオシャレだろ、転んで台無しにはできないからね」または、「せっかくのオシャレだろ、転びたくないもんな」でも良い。


ハルの言葉に合わせて、ステラが自室で身支度する様子。振り向きざまに鏡に向かい、髪の毛の揺れ具合を確かめる。化粧ののり具合を確かめる。前屈みになり、鏡で胸元( )首元)を見て、ブラウスのボタンを留めたり外したり。


この描写は、オルゴール館の入り口で落ち合った時に、ミッツが寸劇のようにした。重複になるので、ここでは省いても良いが、ステラの恋心を強化するために、ここでも描写するのも良い。


ハル「今日は、楽しい思い出の日なんだから」


ステラ「はい……」少し頬が赤らむ。


ハル「ミッツの性格から、やばいなあと思って」


ステラ。心の声。「( )え? あたしより、蜜霧先輩を気にしてたってこと?)」


ステラ。ハルを見ていたが、視線をそっと、ミッツの足元に移動する。


ミッツ。ステラの視線に気付く。元気よく。「よっしゃー! どっさり楽しんだし、帰ろうか」


ハル、ミッツ、ステラ。案内の人に挨拶し、外に出る。


ステラ「家に帰るまでが遠足!」


ハル「よく聞くけど、それって、どういう意味なんだ?」


ミッツ「もしも、家に着く前に事故があったら、遠足で事故があったってことになるでしょ。帰宅後に、改めて外出しての事故なら、遠足のあった日の事故だから、遠足では事故が起こってないてこと」


3人。バスに乗り、思い出話。


スマホには、3人がオルゴール館の前で、3人の記念写真を3枚連続で。1枚目は口を尖らせて「す」、2枚目は「て」、3枚目は「き」で、それぞれ目の表情も変える。


▼ Cパート。   ▼──   ──▼


先生ちゃん。オルゴール館の案内の人。


説明用の別世界。背景は無地。


先生「手のひらに載せるような小さなオルゴールは、みなさん、よくご存知でしょう」


先生「小さいので、櫛歯の本数が少なく、使える音数が限られます。この限られた中で、メロディだけでなく、伴奏も演奏します」ここでは「音数」は「おとすう」と読むが、聞いてわかりやすい「音の数( )おとのかず)」でも良い。


先生「そのため、櫛歯に使う音の高さの選択は、とても工夫します」


先生「シリンダーを交換すれば別な曲になるかと思えば、そうではありません。曲によって使う音が違うので、櫛歯の調律も曲によって違うためです」


背景で、シリンダーを交換してもダメの説明。2つのオルゴールで、「この曲で使う音は「ドレミ」、この曲で使う音は「レソシ」」の説明と、楽譜。


先生「音の鳴る部分、櫛歯には、調律の工夫がされています」


先生「櫛歯は、1枚の板に切れ込みを入れていますから、1本の切れ込みの深さを変えると、隣の調律にも影響します」絵を表示する。


指し棒で「( )1)これの調律をしようと」、差し棒で「( )2)ここの切れ込みを深くすると」、差し棒で「( )3)こっちにも影響する」。


先生「切れ込みを深くすると、櫛歯が長くなるので、音が低くなります」


先生「音を高くするのは、櫛歯の先端の、この部分を削って、櫛歯を軽くします」絵。櫛歯の先端は厚くなっていて、重みがある。厚い部分の、削る箇所を、猫が爪とぎするように引っ掻き、削られる。


削る部分は、明朝体の漢字の「一」の、右端のウロコ( )▲)の内側。


先生「櫛が長いと低い音、短いと高い音です。櫛が重いと低い音、軽いと高い音です」


先生「どちらの調節にしても、削る方法なので、削り過ぎてはいけません」


先生「調律はこのように、ひとつひとつに、手作業で行います」


先生「このタイプのオルゴールには、実は苦手な演奏がありますそれは、同じ音の連続です」


先生「櫛歯が、まだ振動しているうちに、次のピンが触ると、ビビリ音が鳴ってしまい、美しくありません」動画で、振動しているうちに、次のピンが触り、ビリビリ鳴る説明。


先生「そのため、同じ音高の櫛歯を2つ用意して、交互に弾くようにしています」


先生「櫛歯の本数が少ないのに、同じ音高を2本も用意するので、音数は減ってしまいます」


先生「ピンのあるシリンダーを変えれば、別な曲も演奏できるかと思ったら、シリンダーと櫛歯の、両方がセットになっているのです」


先生「ですから、お客様が選ばれた曲の箱には、シリンダーと櫛歯がセットで入っているのです」


先生「音を出す本数が限られて、曲によって調律が異なるのは、箏( )琴)と似ていますね」


先生「ただし、箏と異なるのは、箏は曲によって調律を変えたり、時には、曲の途中で調律を変えたり、ギターのチョーキングのようなこともできます。シリンダーオルゴールにとっては、羨ましいです」


箏の機能、あれこれ。特に、シリンダーオルゴールとの違いがわかるように。


先生「オルゴール館へのご来場、お待ちしています」


先生。お辞儀。


ここでは、「櫛歯」「櫛」「歯」「ピン」「棒」など、表現が統一されていない。どの箇所で、どの表現が相応しいか、決めることが必要。


▼ 次回予告。   ▼──   ──▼


ミッツが、音楽の先生を引き連れて、


湖の水の上に、ピアノが置かれ、


ヤッ子先生は、甘すぎですよ。


もうやめてよ、お父さん。


▼ 1コマ漫画。   ▼──   ──▼


トロール将軍が、グラスハープを演奏しようと触ったら、ワイングラスが割れた。


「あ……。軽く触っただけなのに」



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