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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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01_B__02_04  第1話 Bパート 分割 2 / 4

当作品はR15です。暗い部分を削除したものは『ガクテン♪ソフト版』を、ご覧ください。人間ドラマなどを削除した楽典のみのものは『ガクテン♪要するに版』をご覧ください。


第1話 Bパート 分割 2 / 4


【 第1話 概要 】

サブタイトル:僕は余談が好きなんだ。/余談から始めてみないか。/(この中から1つだけ採用する)

OP曲前:初回なので、幾何学的なデザインから、混沌とした騒音。すっとOP曲に繋がる。

Aパート。初回なので、謎解きは少なめ、主に定義の議論。ハルが学校備品のクラシックギターで、ハワイアンギターっぽく遊ぶ。弦の中央で音色が変わるのはピタゴラスの倍音。2倍の2倍の……は同名。楽典は2次元、コードなど便利な道具を先にが面倒。

CM明け:転入したステラの、吹奏楽部の初日。トロンボーンの朝顔と、サックスのウツボカズラ。

Bパート:初回なので、謎解きは少なめ、主に音楽理論の利用方法。ハルに、倍音から音階の説明。ステラはトロンボーン担当、先輩から教わる、演奏のスライドのポジションはギターと同じ。謎解き気分の楽典を勧める。ステラはトロンボーン先輩に片想い。

Cパート:倍音を基準にした「純正律」と、ピアノの「12平均律」。トランペットはギターの倍音と同じ、ピストンで迂回は、ギターの1フレット。登場人物の簡単な紹介。

予告:玉がなぜだか傾いて、カレンダーは2か月間も足りなくて、ステラは自宅じゃこんなことをしてるんだ。ブイブイ鳴らすぜー。


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

ステラ「同じ間隔ではないんですか?」


トロンボーン先輩「そうなんだよ。スライドを伸ばすのは、トロンボーン全体の管が長くなる」


ステラ「はい」


トロンボーン先輩「トロンボーンの管の伸ばし方は、比率なんだ。わかりやすく言うと、ゴム紐を伸ばすのと同じ」


ステラ。少しわからないという顔。


トロンボーン先輩「ギターの、ここの刻みの幅が、少しずつ違うのと同じなんだ……」ギターを弾く仕草。「……ギターは、弾いたことがあるかい?」


ステラ「いいえ」


トロンボーン先輩「ギターの刻み、「フレット」っていうんだけど、この幅は、ゴム紐が伸び縮みするように、変わるんだ」ギターの弦の伸縮を表す。右手は固定。左手が伸縮で移動。


ステラ「そうなんですか」


トロンボーン先輩「刻みの幅も、ゴム紐のように、広がったり、狭くなったりする」


トロンボーン先輩。左手をチョキの形でフレットの幅を表す。ギターを持った姿勢で、弦の短い位置から、長い位置まで、チョキの幅を変えながら、何度も往復する。


トロンボーン先輩。弦の短い位置のチョキで言う。「刻みの幅が狭い」


トロンボーン先輩。弦の長い位置のチョキで言う。「刻みの幅が広い」


チョキの幅を広げたり狭くして、何度も往復する。ゴム紐が、かなり短い位置からの往復なので、チョキの幅が大袈裟に見える。


狭いチョキと、広いチョキの、それぞれに「幅が狭い」「幅が広い」の文字を表示。両方向の矢印の表示でも良い。


指の間隔が変わっているのが、よりわかりやすくするために、分身の術、ストロボアクションのように、手が4つくらいになる。


ステラ「なるほど。この幅は、比率で変わるんですね」


トロンボーン先輩「そう! そういうこと」


トロンボーン先輩「第3ポジションは、ベルを目安にしてもいいな。これが第3ポジション」第3ポジションにする。


ステラ「あ、目安だから、少し違いますね」


トロンボーン先輩「今日は、曲じゃなく、好きに鳴らしていいから」


ステラ「はい。え? 個人練習だから、廊下に出ますか?」


トロンボーン先輩「いやいや、ここでいいよ」


ステラ「でも、変な音なら、みんなの練習に迷惑でしょう」


トロンボーン先輩「いいから、いいから。みんなが演奏している時に、何となく拍が合っていたら大丈夫。一人くらい音程が違っていても、大したことないから」


トロンボーン先輩「みんなの演奏を聞きながら、体で拍を刻む……」上半身を、少し上下に揺らす。「……拍のタイミングに合わせて、音を出す」


トロンボーン先輩「どんな高さの音が出るのか、よく分からなくても、いい」


ステラ「そうなんですか?」


トロンボーン先輩「拍のタイミングが合っていないと、違和感が大きいけど、拍のタイミングが合っていれば、高さがデタラメでも、違和感が少ないんだ」


トロンボーン先輩「楽器の初心者がいるって、みんな知っているよ」


トロンボーン先輩「息を出してから、実際に音が鳴るまで、ちょっとの時差があるんだ。今日は、思った通りのタイミングで、音を鳴らすのを、練習しよう」


トロンボーン先輩「それから、後で教則本を渡すから」


ステラ「ありがとうございます」


トロンボーン先輩「楽譜は読める?」


ステラ「あ、はい。でも、学校で習った程度ですが」


トロンボーン先輩「十分だよ。普通の人は、日頃から楽譜を読んでいないから、習ったこともほとんど忘れていて当然だよ」


ステラ「はい」


トロンボーン先輩「必要なことはその都度、教えるよ。小学生の頃から、ちょっとだけど縁があったんだから、思い出しやすいしね」


ステラ「ありがとうございます」


トロンボーン先輩。少しゆっくり、思い出しながらのように話す。「あとは、えーっと、これは今すぐでないけど、大切なことがあるんだ」


ステラ「はい」


トロンボーン先輩「どんな音を出すかを、思い描きながら、演奏する」


ステラ「は、はい?」


トロンボーン先輩「ピアノだったら、思い描いた音の高さと、弾いた鍵盤が違ったら、弾いた鍵盤の音が鳴るよね」


ステラ「はい( )そうですねの意味)」


トロンボーン先輩「でも、さっきのように、唇の具合で音の高さも、音色も変わるよね。デタラメに音を思い描いたら、それによって唇の具合も変わって、鳴る音もおかしくなる」


ステラ「え? スライドのポジションが正しくても、正しい音が出ないことがあるんですか?」


トロンボーン先輩「そう、出ないんだよ」


ステラ「不思議ですね」


トロンボーン先輩「慣れたら感じると思うけど、唇の具合で「この音を出せ」と思って吹いたら、楽器が振動して、楽器の振動が唇に帰って来る」


ステラ「あ、確かに、さっき感じました」


トロンボーン先輩「( )喜んで)おっ、素晴らしい。その、帰って来た振動と、唇の具合が、ぴったりだったら、音色がいい」


ステラ「そうですか」


トロンボーン先輩「唇の具合は……」第1ポジションで倍音をいくつか吹く。「……飛び飛びの、どれにするかを選ぶだけでなく……」中央ドの下のシ♭( )4倍音)から、スライドを伸ばしてファまで順番に吹く。「……スライドを伸ばしながらも、唇の具合が変わる」


ステラ「ええーっと、それは、楽器から帰って来る振動も変わるから? ですか?」


トロンボーン先輩「その通り! そして、さっき……」同じく、シ♭からファまで下がる。「……この、最後の音は、第1ポジションのこれ……」ファ( )3倍音)を吹く。「……と、同じ高さ」


ステラ「あれ? ちょっと、音色が違います」


トロンボーン先輩「そうなんだ。ギターだって、5フレット目を弾くと……」ギターを持ち、フレットを上がる仕草。「……隣の高い弦と、音の高さは同じで、音色が違う。トロンボーンでも、音の高さと、音色を思い浮かべて吹く」


ステラ「難しそうですね」


トロンボーン先輩「そう、難しいんだよ。だからそれは、今すぐではない。これから感性を磨いて、身に付くことだから」


ステラ「はい」


トロンボーン先輩「大袈裟に「感性を磨く」って言ったけど、慣れというか、馴染んだら自然にできるようになるよ。住み慣れた家なら、壁にある電灯のスイッチを、見ないで押せるだろう?」


ステラ「あ、そうですね」


トロンボーン先輩「まあ、言葉で説明するのが難しいよね。どんな音を出したいかを、思い描くって、音感とか、色々とあるから、いつの間にか、わかるものだよ」


ステラ「はい、ありがとうございます」


▽ 場面変更 ● ── ●


ここからは、第1話ということもあり、「定義」「評価の基準」を話題が多い。アニメのテンポに合わせ、大幅に情報の取捨選択と、各話に分散、会話に忍び込ませるなどの表現にする。


さっきの、音楽室の続き。


ハル、ミッツ、ヤッ子。音楽室から出て廊下を歩いている。


ハル「そういえば、音楽で勉強っていえば、音楽理論ってありますよね」


ヤッ子「あるな」


ハル「音楽理論と楽典は、違うものですか?」


ヤッ子「別ではあるが、一部は重なっている。譬えれば、楽典は国語辞典や漢字の字典で意味の説明、音楽理論は作文など文筆のアドバイス、「読本」とも言える」


背景に「読本」のフリガナ「とくほん」と、その意味「文書表現の技術の教科書」を添える。


ハル「音楽理論がアドバイスなら、守らなければいけないんですか?」


ヤッ子「そうでもない」


ミッツ「でも、「音楽理論に反している」なんて聞くけど」


ヤッ子「芸術だから、やってはいけないのは、誰かに迷惑を掛けること。迷惑でなければ、何をやってもいいんだ。まあ、音楽理論に反することが迷惑なら仕方ないが」


ミッツ「シメジ婆さんが言ってたよ。「遊びでも何でも、やってはいけないのは、人に迷惑を掛けること。迷惑でなければ、何をしてもいい」って」


ハル「あれ? 「迷惑を目的としちゃ、いけない」じゃなかったっけ? 工事は、騒音と悪臭が迷惑だけど、必要だからって」


ミッツ「あ、そうだっけ。工事現場の近くを通り過ぎたら、もううるさくないし、臭くない。でも、工事の人は、一日中、うるさくて臭い場所にいるって」


ヤッ子「大切なことだな。研究や実験も、時には迷惑を伴うこともある。机上の空論という言葉があるが、やってみることで気付くこともある。実験と思考を繰り返して、ルールを導き出すのは、科学と芸術にも共通しているな」


ハル「でも、音楽理論って大切なんですか? 音楽は感性だから、理論じゃないと思うんですが」


ヤッ子「「理論」なんて名前が誤解されるのだろうな。かっこいいアイディア集だと思えばいい。作品がつまらなければ、勉強しろと言われる」


ヤッ子「先人の研究による報告書のようなもので、先人が経験上「これは失敗する」というのは、アドバイスとして「禁止」と記した」


ヤッ子「音楽理論で紹介されている「直進行」「反進行」「斜進行」は、アイディアの参考になる」


ヤッ子「合奏で、2人がメロディを鳴らす場合、2人とも上がる、2人とも下がるという方法や、2人が逆方向に行くか、片方が同じ高さのままで、もう片方が上がったり下がったり」


ヤッ子の言葉に合わせて、2人のメロディを2本の折れ線グラフ、または、ピアノロール( )長方形の帯)で表示し、音を鳴らす。それぞれに「直進行」「反進行」「斜進行」の文字と、フリガナを添える。


ヤッ子「これは、音を鳴らしたままの例だが、2人が交互に音を出す方法もある」


さっきの折れ線グラフを、2人が交互に音を出していることがわかる、ピアノロールにする。直進行で「ド、ミ、レ、ファ、ミ、ソ」、斜進行で「ド、ミ、シ、ミ、ラ、ミ」などを演奏。


ハル「話を聞いただけでは、よくわからないですね」


ヤッ子「だったら、美術で譬えよう。絵を描くのが好きだった姉が教えてくれたんだが、遠近法を知っているか?」


ミッツ「知っています」


ヤッ子「子供が街並みの絵を描いたら、建物を正面から見た絵を描くだろう。建物によって大きさは違うが、遠近法ではない」


ハル「子供の絵って、10件くらいの建物の全部が、正面から見えるように描くんですよね、すごく遠くから見ないと、あんな風には見えませんよね」


ミッツ「子供って、見たものを描くんじゃなく、知っていることを描くから……って、美術の授業で教わった」


▽ 場面変更 ● ── ●


回想。美術の授業。


先生はトロール将軍だが、ここではまだ、トロール将軍の全身( )ジャージと笛)は描かない。トロール将軍は、第6話で体育の先生と勘違いしていたという話があるので、ここでは「トロール将軍は美術教師」の紐付けはしない。


ここでは、トロール将軍は、手と声と、後頭部の特徴的な禿( )ハゲ)だけの出演。クレジットでも、声優紹介は「トロール将軍」ではなく「美術教師」としておく。


先生「小さな子供は、対象物を見て確認しながら絵にするということはできませんね。例えば、これを見てください」


子供の描いた、象の絵を見せる。首が象よりも長い。馬か犬のような体形に、長い鼻が付いているようなもの。


先生「子供が知っている象の知識は、いくつかあります。「動物なので、四足歩行する」「鼻が長い」「耳が大きい」「脚が柱のように太い」などです」


先生「それに加えて、絵本などで見た、象のキャラクターの表現方法です」


先生「これらの知識を集めると、この絵は、知識に従っていますから、正しいのですが、なぜか、おかしいですね」


ここまでの説明の間は、子供の描いた象の絵と、教室内の風景を、交互に。


先生「では、みなさんに、3つの課題を出します」


先生「まずは、資料を見ないで、象を描いてください」


先生「次に、資料を見て、象を描いてください」


先生「最後に、とんでもなく面白い象なのに、ちゃんと象だとわかる象を描いてください」


▽ 場面変更 ● ── ●


回想が終わり、さっきの続き。


ハル、ミッツ、ヤッ子。廊下を歩きながら、音楽理論の話をしている。


ヤッ子「音楽理論を、美術の遠近法に譬えると、遠くのものは小さく見えると教わった子供は、正面から見た建物のまま、大きさだけを変えるだろう」


ハル「ああ……そうなんですよね」


美術の授業の回想の、すぐ後に、先生ちゃんになるので、この「さっきの続き」は、もう少し長くても良い。または、構成を変える。


▽ 場面変更 ● ── ●


先生ちゃん。


説明用の別世界。背景は無地。


先生ちゃんは、ピカソ、または、エッシャー。


ピカソはキュビスムで知られている。


エッシャーは、著作の中で、消失点に収束する平行線の線路は、足元で幅が最も広く、後ろ側で消失点に収束するとある。直線の平行線の線路が、直線でなく平行でもない見え方になる。


先生「色んな角度から立体を見て、平面に表現することなら任せなさい」


先生「図面の等角図なら、平行線は平行に書くが、絵画では平行線の遠くの方を狭く書く。遠くまで真っすぐに続く線路は、無限遠距離に向かって、1点に集まる」


線路に立つ人。ドローン画像のように、その人を正面から、頭上から、後ろからと移動し、その人の視線で、遠くまで続く線路を見る。


先生「線路の脇に立つ電柱があれば、電線も同じ消失点に収束する」さっきの風景に、電柱と電線を加える。背景に「消失点に収束する」の文字と、そのフリガナ。


先生「平行線は、どれも同じ点に収束するんだな」


先生「ところで、サイコロには3組の平行線があるな。ということは、消失点も3つある」


2つのサイコロが出現。


先生「左のサイコロは等角図だから、平行線は平行に書いている。右のサイコロは絵画として、平行線は収束する」左右に2つのサイコロ。平行線を補助線として、薄い色の線で延長し、平行の線と、収束する線。


右のサイコロの消失点は、3つとも画面内にある。これにより、遠近感が大袈裟になり、消失点の具体的表示になる。


平行線とサイコロの出現の順番は、サイコロが先にある。左右のサイコロの、x軸の平行線( )片側のサイコロで3本、左右のサイコロで計6本)が点滅しながら現れる。次に、y軸の平行線が同様に現れる。次に、z軸の平行線が同様に現れる。


サイコロが角ばっていると、無味乾燥で絵画っぽくないので、面取り( )料理で大根の角を丸めるように)する。


先生「これを、街並みの風景画に取り入れると、それぞれ、建物の大きさは違うが、平行線は1つに収束する」街並みの絵に、補助線を加える。


街並みの絵は、交差点の中央から、右方向の道路沿いの街並み、左方向の道路沿いの街並み、上方向には柱の鉛直線。


先生「理想の絵にならなかったら、遠近法に限らず、絵画の理論が役に立つかも知れませんよ」


▽ 場面変更 ● ── ●


先生ちゃんの説明が終わり、さっきの続き。


ハル、ミッツ、ヤッ子。廊下を歩きながら、音楽理論の話をしている。


ここでは、第1話であるので、当アニメのテーマのひとつである「定義は様々」「知らない者が置き去りは寂しい」を、会話で表現する。


ヤッ子「街並みを描いた絵なら、ごちゃごちゃしているが、そこに遠近法を示す線を加えると、なるほどと思うだろう」街並みの絵に、遠近法を示す補助線を加える。


ヤッ子「譬えた言い方をすれば、「音楽理論」に対して「絵画理論」があるなら、遠近法は絵画理論のひとつだな。うまくいかないなと思ったら、理論を参考にするのも、役に立つ」


ヤッ子「音楽理論の書籍の解説に、納得できない理由のひとつは、遠近法の補助線だけで解説しているからじゃないかな」遠近法を示す補助線だけの図に、解説文「平行線は、消失点に向かって収束する」を添える。


ハル「補助線だけで説明されても、街並みの絵を想像するのは、難しいです」


ミッツ「学んでいる方は、わからないから勉強しているんですから」


ヤッ子「そうなんだ。絵画で、遠近法に従った例と、従わない例を並べて説明されればわかるだろう。音楽理論も、従った例と、従わない例を並べてくれれば、わかりやすいのにな」


ミッツ「理論書から、音が出ればいいのに」


ハル「理論を知った上で、逆らうってことは、ありますか?」


ヤッ子「遠近法を知らなければ思い付かなくても、遠近法を知っているからこそ、それを利用して逆らったトリック写真もできるな」


ハル。喜んで「トリック写真?」


ヤッ子「遠くの自動車が小さく見えることを利用して……」スマホから、目的の写真を探す。「……この写真が出来上がる」スマホの写真を見せる。トリック写真。モデルの女の子の、手のひらの上に、自動車が乗っている。


モデルの女の子は、子供の頃のヤッ子。


自動車に乗ろうとしている人がいると、自動車がおもちゃでないことを知らせられる。絵では不思議さが小さいことも考えられるので、実際の写真を用いるべきか。


トリック写真のモデルの視線は、自動車を乗せた手のひらを見る。自動車は、本当は遠くにあるので、小さく見える。写真の枠を、手の厚みの半分の位置にすると、手のひらに、自動車が乗っているように見える。


ミッツ「あ、可愛い。誰ですか? この子」


ヤッ子。顔を赤らめ、咳払い。「私だ」


ヤッ子の子供の頃の話は、第6話にあるので、キャラデザインを合わせる。


ミッツ。想像を絶する嬌声。「ええー!」


ハル「おおーっ。ヤッ子先生!」スマホを奪い取り、ヤッ子に詰め寄る。


ハル「僕、今からこっちの趣味になります!」


ヤッ子「そういうことは、大声で言うな!」


ここに、料理の譬えを入れても良い。


カレーライスを作る際、肉と野菜の、どっちを先に入れるかは、世界の各地で似ていて、肉が先。しかし、ジャガイモが溶けるほどに煮込む場合など、バリエーションもある。


料理の種類によっては、調味料の順番や分量も違う。世界中で同じことと、違うことがある。ジャガイモの芽をとる。同じ名前で地域が違えば、毒の有無も違う。


電子レンジの登場で、天ぷらも電子レンジで作れる。


いつでも新発売される、料理の本は、これらを踏まえている。


掃除でも、順番や洗剤の選び方など、多くの工夫がある。


掃除なら、洗剤で「まぜるな危険」があるが、音楽では、危険は無い。


ヤッ子「音楽理論に逆らってはいけないのは、例えば課題がある場合とかだな」


ハル「課題?」


ヤッ子「美術で、鉛筆画の課題なのに、絵の具を使ったら、どうだ?」


ミッツ「ルール違反」


ヤッ子「そうだな。この場合は、「音楽理論に逆らう」ではなく、「課題のルール違反」だ」


ハル「じゃあ、自分で自由に作曲するなら、音楽理論に逆らっても、いいんですか?」


ヤッ子「当たり前だ。音楽理論は法律ではない。ただし、せっかくのアドバイスを無視するのだから、責任は自分にあるぞ」


ハル「そうですよね」


ヤッ子「音楽理論は、文化に依存する。ある時代の、ある地域での、……何に譬えればいいか、そう、ファッション誌や、マナーの本だと思ってくれ」


ミッツ「ファッション誌って?」


ヤッ子「フランス革命の頃の、マリー・アントワネットの物語で、貴族の髪型に、チョンマゲ人がいたら、おかしいだろう?」背景に、ルイ16世などの社交パーティーで、チョンマゲの人が、数人いる。


ミッツ「想像させないで!」


ヤッ子「フランス革命の前後で、男性の髪型が変わったんだ」


ハル「本当ですか? フランス革命って、身分制度とか、政治的なことですよね。髪型が変わるなんて、意味がわかりません」


ヤッ子「簡単に言えば、貴族の見栄っ張りのファッションから、平民の気楽なファッションになったんだな」


ミッツ「そういえば、かつらを使わなくなったのは、フランス革命が境目ですね」


ミッツ。両手に数枚ずつのカードを持っている。両手とも、ババヌキのように、カードを扇状に持っている。片方に「フランス革命前」、もう片方に「フランス革命後」と指し棒。


カードは、クラシック音楽の作曲家達の肖像画が多いが、より一般に知られている人がいれば、音楽家以外でも良い。馴染みのある人が含まれることで、当アニメの敷居を下げる。


ミッツが両腕を挙げると、カードが宙を舞い、カードが「フランス革命前」「フランス革命後」の2つの円形に並び、ミッツの頭上を廻る。やがて、二列に直線状に並ぶ。


ハル「それぞれの作曲家の活動した時代を、覚えているのか?」


ミッツ「一応、これでも、片足だけクラシック畑に入っているからね」


ヤッ子「チョンマゲは、頭のこの辺りを剃るが、フランス革命の頃のファッション誌には、「男が髪の毛を剃るのを禁止」と書いてある」


ハル「本当ですか?!」


ヤッ子「譬え話だ、そんなファッション誌は、知らない。譬え話で、音楽理論に禁止とあるのは、そういった意味だろうってことだ」


ヤッ子「昭和の頃は、看護師は女ばかりで「看護婦」と呼んでいた。頭に「ナースキャップ」を載せていたのは、混雑した場所で、ナースだと見分けるための目印だったらしい」背景に、昭和の、これぞ看護婦という姿をしたヤッ子を表示する。


ヤッ子「看護師にしても、飛行機のパイロット、メイド服、忍者。その服装を見ただけで、思い描く印象は、多くの人で似ている」


背景に、ヤッ子がコスプレしたような姿を、いくつも表示する。ヤッ子以外の、主要な登場人物でも良いし、音楽の先生や、トロール将軍が含まれていても良い。


ヤッ子「音楽も、映画のBGM、流行歌のイントロ、サウンドスケープとしての日常音も含め、思い描く印象は、多くの人で似ている」


ヤッ子「似た印象になるのは、同じ文化にいる人であり、文化に依存しているからだ」


ヤッ子「我々の日常にあるファッションや音楽とは、異なった文化のファッションや音楽を日常としている人に、クラシックの音楽理論に従った曲を聞かせると、思い描く印象も、違うのだろう」」


ハル「では、江戸時代の、町内の風景を描いたとして、人物の服装も髪型も正しい、長屋には井戸があって、平屋だってことまでは正しいのに、玄関が引き戸ではなくドアだったら、違和感がある」


ヤッ子「そうだ。目的の雰囲気があって、それに似ているが違和感があるのはなぜか。目的が達成できないのはなぜか」


ハル「その答えを探すための資料が、音楽で言えば音楽理論なんですね」


ヤッ子「そうだ」


ハル「楽譜に「公共交通機関」とあって、現代では乗合馬車は無いですね。ショパンの時代では、電車は無いけれど、蒸気機関車が商用として営業されていたと聞きました」


ミッツ「ハル、詳しいねえ」


ヤッ子「音楽理論は、「時代考証の資料」ではない、つまり、「正誤の判断」には使わないことは、覚えていてくれ」


ハル「どういうことです?」


ヤッ子「昭和の日本の、街並みを描いた絵があったとしよう。自動車が右側通行している。誤りか?」


ミッツ「誤り……ですよね」


ハル「テレビで見ましたが、電車の路線の都合で、自動車が右側通行している時間帯があるそうです」



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