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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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10_A__02_02  第10話 Aパート 分割 2 / 2

第10話 Aパート 分割 2 / 2


【 第10話 概要 】

サブタイトル:これでも楽器なのか。

OP曲前:ミッツの家にハル。小学生時代。台所でグラスハープ。

Aパート:芸術のアイディアの練習。ト長調の音階は「C」で始まらない。タイミングの縦を合わせる。オーケストラ、ビッグバンドの編成の定義。ステラの恋と、ミッツのコブラツイストと、ステラの失恋。ハルがステラを泣かす。

CM明け:ステラ、就寝儀式、マシュマロとチョコレート、自室のコルクボードの写真を、トロンボーン先輩から、ハルに交換。

Bパート:オルゴール館。様々な自動演奏装置の紹介、レコードの原理。現在、最も普及している自動演奏装置は何か。手作りコーナーでカリンバ。ハル、ステラに謝罪。楽器の定義、ノイズ音楽、雑草。そっとティッシュは鉄則。

Cパート:オルゴールの櫛は、同じ櫛を連続するとビビリがある。同音が2本あることも。調律の方法。

予告:ミッツが音楽の先生を引き連れて、湖の水の上にピアノが置かれ、ヤッ子先生は甘すぎですよ。もうやめてよ、お父さん。


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

▽ 場面変更 ● ── ●


音楽室。さっきの続き。コブラツイストで転んだ後。


ミッツ。ピアノで『月の光』( )ドビュッシー)を弾いている。


ハル。後ろから楽譜を見ている。「これって、Bさんの声部が、左手から右手に担当が移動するんだろう?」左手の速いアルペジオが始まった箇所を指す。


ミッツ。手を止める。「そういうのって、曲が終わってからにしてくれない?」機嫌が悪くなったミッツが、急にペダルを離した「ガコ」という音があっても良い。


ハル「あ、悪い。気になって」


ハルが楽譜に見入っているのを、ミッツが「仕方ないなぁ」という顔で見ている。


ヤッ子が入って来る。「おお、女心はわかったか?」


ハル「あ、ああーんと、痛いってこと」


ヤッ子「よしよし。それも女心の部品のひとつだ」


ヤッ子。心の声。「( )良かった。もう、普通に仲良くしている。やはり、トラブルではなかったんだな)」


ハル「ヤッ子先生に見てほしい楽譜があるんです」ポケットから、コピー1枚の楽譜を出す。


ハル「これって、間違いですか? 父が、中学生の頃に先輩からもらったという楽譜なんですが」


見せた楽譜は、市販の流行歌の楽譜集の1ページ。歌とギター伴奏の2段。タイトルなどは活字だが、楽譜部分は手書き原稿から作成したらしい。


ハル「歌とギターで、タイミングが合っていないんですが」


下段のギターは、8分音符が8つのアルペジオ。上段の歌は、16分音符が8つ、続けて2分音符が1つ。


下段は1小節の横幅を、8等分したような書き方。上段は、16分音符が密集しているので、横幅の半分を超過している。そのため、2分音符の位置が、小節の横幅の半分よりも、右に押されてずれている。


このため、上段の2分音符の位置は、下段と比較し、右にずれている。


ヤッ子「これは、許容しよう。この時代の手書きであり、廉価ということで」


ヤッ子「本来なら、歌とギターに限らず、オーケストラのスコアでも、同時であれば、縦を揃えるのが正しい」


ヤッ子「揃えるのは、手拍子のタイミングだけでなく、音符なら「音が鳴り始める瞬間」、休符なら「音を止め始める瞬間」、どちらにしても、同時であれば、楽譜では縦を揃えて書く。無論、下書きならば、その限りではない」


ヤッ子「合奏では、全員が手拍子を合わせるのが大前提だ。手拍子を合わせるというのは、楽譜では、全員分の楽譜が、同じ進み具合をする。手拍子だけでなく、音符も休符もだ」


ヤッ子。黒板に楽譜を書く。上半分には、ハルが持参したずれた楽譜を模写。下半分には、その楽譜を縦に揃えたもの。縦に揃えた方は、16分音符が密集した部分は横幅がやや広く、2分音符の部分はやや狭い。


黒板の上方と下方の2つの楽譜は、共に1小節だけ。小節の横幅は同じ。


ミッツ。下方の楽譜を指して。「そうなんですよね。1小節の中で、横幅が変わることがあるんですよね」


ハル「横幅が変わる?」


ミッツ。上方の楽譜の下段の、8分音符が8つある箇所を、指でまるく指す。「ハルが持ってきた楽譜では、ここが、小節の横幅を、8等分するようになっているよね」


ハル「そうだな。細かいことを言うと、余白があるから、数学の図形としての「正確な8等分」ではなく、等間隔に8分音符が並んでいるな」


ミッツ。下方の楽譜の下段の、8分音符が8つある箇所を、指でまるく指す。「でも、こっちは等間隔じゃないでしょ」


ハル「確かにそうだな。第2話では、音符が多い小節は横幅が広く、音符が少ない小節は横幅が狭いと言っていた。1つの小節の中でも、横幅は自由なのか」


第2話で話していた楽譜の例を表示する。16分音符が16個の小節は横幅が広い。全音符だけの小節は横幅が狭い。


ミッツ「そう。こっち、下の楽譜は、左半分と右半分で、間隔は違うけど、上段と下段、歌とギターでは、同時」


ハル「同時に鳴る音は、縦を揃えて書くのが、大前提か」


ヤッ子「その通りだ。では、進み具合が、どう違うのか、色を付けると、わかりやすい」


何度か、演奏を繰り返す。演奏の音と、楽譜の進み具合を、黒板に書いた五線の小節の長方形の、色が変わる方法で表示。


色が変わりながら、下段のギターのアルペジオの、8分音符の位置を色の変化が通過する時、細い縦線が置かれる。これにより、「時間の等間隔」と「音符のバラバラの間隔」が示される。


ハルが持参した楽譜では、16分音符が密集している上段では色の変わり具合は速いが、8分音符で等分された下段では遅い。これにより、「同時に」が崩れていることを、視覚的に表す。


ヤッ子。何度かの演奏のうち、色の進み具合の違いを説明する。「ホラ、ここ、ここで、進み具合がずれる。わかるか? ここ、今、ここだ」


ハル「ヤッ子先生。ちょっと邪魔です」


ヤッ子。静かになる。その後、繰り返し演奏を何度か行い、演奏を終える。


ハル「僕が持って来た楽譜が、いつの時代のものか、わかりませんが、廉価ということもあって、誤りに気付かなかった振りをします」


ヤッ子「楽器によって拍子が異なる曲もあるから、その楽譜は「おかしい」と思われそうな書き方をしている。しかし、そのような特殊な曲の場合、「同時の音符や休符は、縦を揃えて書く」を、とても気を付けているのだろうと、私は推測する」


ミッツ「拍子が異なるって、『カエルの合唱』が、4拍子だったり、2拍子だったり、いくつもの版があるっていう話ですか?」


ヤッ子「その話ではないんだ。最初から、合奏のAさんは4拍子、Bさんは3拍子で演奏するように、書かれている」


ハル「3連符ではなく?」


ヤッ子「3連符が含まれていても、拍子は同じだ。拍子が違うと、小節線が、AさんとBさんで違うんだ」


ミッツ。大きく驚く。「そんな楽譜は、演奏できないでしょう」


ヤッ子「ジャンルの名前で、「ポリリズム」などを調べると良いだろう」黒板に、「4/4拍子」と「3/4拍子」の2段が、同時に演奏する楽譜を書く。


ヤッ子「ポリリズムだけでも、いくつもの種類がある。定義や名前は、誰かが勝手に決めて、普及するが、知りたくなった時に、知ればいいだろう」


ヤッ子「ほら、小節線がずれているが、同時に鳴らす音符は、縦を揃えているだろう。それから、既に話したが、複数の五線があれば、五線の左端が縦線で繋げられていれば、同時に演奏する」


ヤッ子の書いた2段の楽譜の左端は、カッコでまとめられていない。


ミッツ「本当ですね」


ハル「それって、こんな書き方をしませんか?」黒板に「4/4拍子」の楽譜に、8分音符3つを符桁で纏めたセットを書く。小節を跨る符桁もある。


ヤッ子「そうだ。代表となる拍子を、拍子記号で表して、それ以外の拍子を書くこともある。早坂君の書き方以外には、このような書き方のものもある」


ヤッ子。ハルと同じ楽譜で、符桁の繋げ方が違う、いくつかを書く。


ミッツ「ハルのお父さんも、第7話で言ってたでしょ、「読めるから、まあいっか」って」ここで、第7話のテレビ番組のスタジオ収録の場面を表示しても良い。


ヤッ子「同じタイミングで、縦を揃えるのが正しいが、全休符だけは例外だ」


ハル「全休符って、使い方がおかしいですよね」


ヤッ子「全休符がおかしいことに、気付いたか、さすがだな。全休符は、何拍子の小節であっても「この小節の全体が休み」にも使われて、その場合だけは例外的に、小節の横幅の中央に書かれる」


ハル「全休符は、小節の中央に書くのに、全音符は他の楽器と揃えるんですよね」背景に、3段の楽譜。1段目は全休符。2段目は全音符。3段目は4分音符が4つ。全音符は、1拍目の4分音符と縦が揃っているが、全休符は小節の中央にある。


ハル「全休符は除いて、オーケストラの楽譜も、全部の楽器で縦が揃っているんですか?」


ヤッ子「そうなのだ。楽譜浄書に、コンピュータが使われていなかった時代からそうだった」背景に「浄書」と、そのフリガナ。説明で「とてもきれいに楽譜を書くこと」を添える。


ヤッ子「ただし、これは推測だが、流行歌ではなく、クラシックのように販売期間が長いものだからなのだろう」


ハル「じゃあ、クラシック曲の楽譜は、誤りは無いんですか?」


ヤッ子「実は、あるんだ」


ハル「以前、話を聞いた、ドビュッシーの『月の光』の、連符の誤り以外にも、ありますか?」背景に、第8話の、連符のギュウ詰めを思い出すものを表示。


ヤッ子「珍しいと思うか、意外と多いと思うかは、人によるのだろうが、それなりに、見付かる。クラシックの分野で、楽器を続けている人に聞いてみると、参考になるかもな」


ハル「そうですか。例えば、どんな誤りがありますか?」


ヤッ子「例に出したら、出版社に対するクレームになるから、例は出さないでおこう」


ハル「え? 『月の光』は教えてくれたでしょ?」


ヤッ子「『月の光』は、昔からの誤りが引き継がれているから、どの出版社も同じだ。しかし、出版社の個別の誤りもあるから、ここでの紹介は望ましくない」


ハル「個別の誤りですか」


ヤッ子「楽譜の作成は、永く手作業の時代だったから、確認漏れを完全に無くすことは、難しい。出版社も、誤りを認知しておきながら、修正が難しい事情もあるだろうから、アニメで挙げるようなものではないだろう」


ハル「お願い、教えてください」


ヤッ子「もう、早坂君は、知りたがりだなあ。じゃあ、こっそり教えよう」


ヤッ子。画面に向かって。「早坂君は、余談が好きな性格だから、知りたがっているのだよ」


ハルとヤッ子が、こちらに背を向け、内緒話。


ヤッ子「ここは、和音の流れから、ここは「レ♭」ではなく、「シ♭」が正しい」


ヤッ子「ここの繰り返しの1番かっこは、1小節多い。オーケストラを聞きながら、この楽譜を読むと、この誤りがわかる」


ミッツ。待ちくたびれている。「ねえ、ピアノを弾いていいかなあ」


ハル「あ、ごめん。『月の光』だったよな」


ハル。思い出したように。「そういえば、AさんとBさん」ピアノの譜面台から、『月の光』の楽譜を取る。


ミッツ。不機嫌。


ハル。ヤッ子に向かって、楽譜を指す。「これって、右手だけで、AさんとBさんの演奏ですよね。この「ウンポーコ・モッソ」から」


ミッツ。鼻で笑う声。ハルとヤッ子が、声につられて見ると、ミッツが背中を向けている。ピアノの上には、ポケットティッシュ。


ヤッ子。改めて楽譜を見る。「ああ、ここか、「ウンポーコ・モッソ」の……」


ミッツ。こらえきれず、大きな笑い声が破裂する。「ぶはっ!」


ハルとミッツが、驚いて振り返る。


ミッツが、笑って涙を出している。


ハル。表現豊かに。「ウゥーン、ポコッ。モッソモソ。ウッ! ポコッ! ウンポコウンポコ、ウンポコウンポコ」おかしな踊りを始める。


ミッツ。床に頽れる。


ヤッ子「話が進まないから、笑いを止めなければな」


ハル「これは、止まらないでしょう」


ヤッ子「蜜霧君。今の言葉を、東海林君が言ったと、想像してごらん」


ハル「?」


ミッツ。笑いが止まる。


ハル「魔法だ」


ヤッ子。少し得意気な顔。改めて、楽譜を見る。「どれどれ? ああ、そうだな」


ハル「ここ、BさんがAさんを邪魔しているようですが」


ヤッ子「そうなんだ。Bさんの最後の音と、Aさんの次の音が同じだから、邪魔になるんだな」


画面に楽譜を表示する。右手だけのAさん、左手から右手に渡されるBさん、左手だけのCさんを色分けし、指し棒で「Aさん」「Bさん」「Cさん」を示す。


ヤッ子「しかも、このテンポで、左手がこの跳躍をするのは、ああ、跳躍というのは、遠い距離にジャンプするのを、音楽では跳躍と言うのだが」


ハル「はい」


ヤッ子「この跳躍は無理だから、左手のBさんの最後の音符は、右手で鳴らして、続けてAさんの最初の音も右手だ。右手が同じ鍵盤を連打する演奏になる。これを、演奏で「違う声部だ」と表現するのは難しい」


ミッツ「それって、暗にあたしのピアノが下手だってこと?」


ハル「そう、聞こえたのか」


ヤッ子「この曲は、そんな曲だからって言ってしまえばそれまでだが、工夫することもできるな」


ハル「工夫って?」


ヤッ子「メロディが明確になるように強くする。または、メロディを別な楽器で演奏する」


ミッツ「別な楽器って、ずるい!」


ヤッ子「ずるいって……」


ミッツ「じゃあ、あたしがこれまで頑張って来たのが、無駄っていうこと?」


ヤッ子「そんな風に考えるのは勝手だが、他人の工夫を「ずるい」と言うのは気を付けたいな、芸術なんだから」


ミッツ。静かに「はーい」


ハル「静かな曲だから、静かな笛みたいな音色がいいかな」


ミッツ「笛?」


ハル「なんていうか、こう、ほわほわーんっていう」


ミッツ「コップの縁をこするような」


ハル「コップの縁?」


BGMで、『月の光』をイントロから演奏を始める。時間に合わせて、半分以上は省略するのが良さそう。


ミッツ「ほら、ずっと前、ウチでやったじゃない、台所で。コップを洗ってて、ハルがやったじゃない」


ハル「ああ、あれか」


ヤッ子「何の話だ?」


ミッツ「ハルが、コップをおもちゃにして、面白い音を鳴らしたんです。コップを水に浸して、濡れたコップの縁を指で、こう、くるくると」指を動かして表す。


ヤッ子「それは、グラスハープだな。楽器だぞ」


ハル「楽器なんですか?」


ヤッ子「楽器だ。ワイングラスをいくつもテーブルに置いて演奏することもあるし、機械化しているものもある」


ハル「機械化?」


ヤッ子「自転車のベルのようなドーム型のガラスが、大小たくさん重なるように並んで、串刺しになっている。「横向きに積み重なっている」とでも、言おうか。その串が電動で回転して……」思い描く様子。


ヤッ子「うーん、言葉で説明するのが難しいので、絵に描こうか」黒板に向かう。


ミッツ。ヤッ子が描き始めたところで「あ、そんな形ななんだー」


ヤッ子「どうして、私が思い描いた形がわかるんだ! ……」振り返って「……さては貴様、エスパーだな」


ミッツ。ハルがスマホで検索した画像を見ている。


ヤッ子。脱力し、スマホを見て。「エスパーの道具」


ハル「グラスハープって、傾けたりすると、音の高さが変わりました。そんな仕掛けは無いんですか?」


ヤッ子「あるかどうかは知らないな。グラスハープで『月の光』のメロディ担当か。それもいいな」


BGMが前面に。『月の光』の、「ウンポーコ・モッソ」に入る。メロディを、グラスハープ( )シンセサイザーで代用可)で演奏。7小節目のE♭mまで。楽譜の、グラスハープの音符の色が変わり、音が鳴り続けていることを、玉から延びた色で示す。


▽ 場面変更 ● ── ●


夕方、ステラの家。CM明けは、夜の場面になるので、夕方であることを強調する。まだ電灯は点けずに、夕焼け色が部屋に満ちている。


ステラ。自宅で勉強中。しかし、教科書を開いたまま、イタリア語の音名「レ」の巻き舌の発音を練習。


メルヘンの小物を飾っているコルクボードには、トロンボーン先輩の写真( )デコレーションされている)も貼っている。


この、トロンボーン先輩の写真の場所は、わかりやすくするために、コルクボード全体を見せ、目立つ何かがあり、その隣というようにする。


巻き舌の練習は、少し休憩。ふと、思い立ち、電灯を点ける。カーテンを閉める。


くるりと振り返り、コルクボードの、トロンボーン先輩の写真を剥がす。剥がした後のコルクボードには、日焼けの跡がある。転校後の短期間なので、日焼けの跡があるのは非現実的なので、無くても良い。


手に持った写真に向かって、あかんべぇをする。


写真を、手持無沙汰で団扇のように動かして、部屋の中を見渡す。


ステラ。独り言。「さあーってと、どうしようかなー」


押し入れから段ボール箱を出し、小学生時代の教科書の間に写真を挟む。段ボール箱は、元々はメルヘンの梱包箱、または、書籍取次店の梱包箱でも良いが、情報過多の懸念があれば、無地でも良い。


段ボール箱には、貼り紙で「教科書 小学校」「小学校の思い出」などと書いてある。


ステラ。独り言。「いつか、教科書を開いた時が、お楽しみっと」


ステラ。段ボール箱をしまい、押入れを閉めて、襖に向かって、腰に手を当て、仁王立ち。「ふー」っと、大きな息。泣き声。額を襖に付けてもたれる。


ステラ。回れ右し、立ったまま襖にもたれる。腕を顔に当て、顔は上を向いて、泣いている。涙が流れている。


この、襖にもたれて顔を上に向けることで、未来に向かう印象になる。額を襖に付けて、そのまま座り込む程には、失恋の疵は深くない。


机の上の教科書。隙間に、紙片が挟まっているが、ステラは気付いていない。


▼ CM明け。   ▼──   ──▼


CM明けの定型。他の登場人物は知らない、自宅などの場面。


夜、ステラの家。


ステラ。自宅の台所。就寝前のパジャマ姿。


ステラの自宅の台所は、第9話で、大人の女性と料理を作る場面がある。


パジャマの例。パジャマなのに、ヤバいTシャツのように、文字が書かれている。大きな文字「さわるな危険」や、耳なし芳一のような小さな文字で四字熟語がたくさん。錯視でぼんやり動いて見える、陰影のある柄。


パジャマは、メルヘンのフード付きでも良い。旅館で着るような浴衣でも良い。


ステラ。怒った口調と表情。心の声。「( )ふん! 男なんて、男なんて、男なんて!)」


背景で、2頭身のステラが、2頭身のトロンボーン先輩に背を向けて、怒っている。2頭身のショージも現れ、ステラは向きを変え、ショージに背を向けて、怒っている。


ステラ。マグカップにマシュマロを5つくらい入れている。背景に、「ステラ、就寝儀式中」を表示する。


ステラ。独り言。「マシュマロって、口にポイポイと放り込んで食べるより、温めた方が、断然おいしいんだよね。キャンプの焚火で焼いて食べるのも、楽しそう」


マグカップに、廉価の一口チョコ( )「アルファベットチョコ」のようなもの)を、3つくらい追加する。電子レンジで温める。


ステラ。待っている間に、独り言。「もちろん、ガスレンジで焼いてもいいよね。焼き方は2種類。割りばしにマシュマロを刺して」背景に、空想で説明。


ステラ。独り言。「方法その1。焦げ目あり。燃えない程度に、焦げ目が付いたら、少し硬くなった表面をむくように。中はまだ温まっていないから、もう一度焼く」背景に、玉子焼きの「だし巻き」をほどくような絵。


ステラ。独り言。「方法その2。焦げ目無し。ガスを弱火にして、少し離れた高い位置で、ゆっくり温める。全体がまぁるく膨らんだら食べる」


ステラ。独り言。「どっちの方法も、熱いから火傷しないように」


ステラ。独り言。「もっと怖ろしいのは、衣服の、意外なところに、火がつくこと。長い時間、火のそばに手を出しているから、本当に、衣服の意外な所に、着火することがあるよ」


ステラ。独り言。「マシュマロは温めたら柔らかくなるので、割りばしからポトリと落ちる。小皿を用意しておくといいよ。ここで慌てたら、さっき言った事故の危険があるので、慌てないでいられるように、とっても気を付けてね」


ステラ。独り言。「あたしは、今は安全のために、火は使わない」


電子レンジが「チン」と鳴る。


ステラ。独り言。「我が家の電子レンジは、ピーじゃなく、チンって鳴ります」


マグカップから、スプーンでマシュマロを持ち上げる。チョコがからまって、伸びて、頬に少し付く。


ステラ。独り言。「あちち……。電子レンジでも、火傷に注意だよ」


口に入れて、この上ない幸せな表情。


食べ終わったら、マグカップの内側に、チョコとマシュマロが付いている。牛乳を入れて、再び電子レンジで温める。スプーンは、口にくわえている。


ステラ。スプーンをくわえながら、独り言。「このスプーンは金属なので、電子レンジには入れません」


自室に持ち帰り、のんびりと飲む。特に何も作業をしていない。部屋の中の風景。勉強机の椅子に座り、足で机を押して、椅子が少し後ろに傾いている。


ステラ。嬉しい口調と表情。心の声。「( )ふん! 男なんてさっ、男なんて、男って……)」


ステラ。独り言。「さて、歯磨きを、もう一回しなきゃ」ステラが歩き去ると、コルボードのトロンボーン先輩の写真があった位置に、ハルからの手紙が貼られている。


この、手紙を貼る場所が、かつてトロンボーン先輩の写真があった場所であることを、わかりやすくするために、コルクボード全体を見せ、目立つ何かがあり、貼る場所に画面が寄って、目立つ何かの隣というようにする。


第12話にも、マシュマロの話があるので、ここでは別な就寝儀式でも良い。


第10話と第12話の、どちらであっても、ガスレンジの注意、電子レンジの注意は、しっかり伝える。



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