07_A__02_02 第7話 Aパート 分割 2 / 2
第7話 Aパート 分割 2 / 2
【 第7話 概要 】
サブタイトル:教えて、先生ちゃん。
OP曲前:出演者の控室。特別回。小ネタ集。質問メールと回答。スタジオ収録のテレビ番組。雛壇では、歴史上の人物が2頭身。
Aパート:五線の名前、加線。拍子記号の「C」「¢」の意味。ウンポコ・モッソ。ネウマ譜のノート。音符の玉が太い線。ピアノの指番号、指遣い。移動ド、固定ド。大切な休符。bis。ヴェクサシオン。
CM明け:無し。
Bパート:終止線が無い。ランキングに不服。音波は縦波。絶対音楽とは。紙の楽譜とタブレット。クラシック音楽は安くしてほしい。「%」に似た記号と、笑うな。シンコペーション。「Op.」と「Kv.」の意味。
Cパート:カオス。
予告:ギュウ詰めになったり、こっそり忍び込んだり、いつまでも続いたり。人魚の噂をしよう。
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▽ 場面変更 ● ── ●
司会(音楽の先生)「「楽典を習っているんですが、どっちの意味か、わかりません」というご質問です」
司会(音楽の先生)「具体例が書かれていますので、読ませていただきます。「説明の言葉で、ドレミと聞いた時、移動ドなのか、固定ドなのか、迷っているうちに、説明の言葉が続きます」ということです」
エッシャー「1つの絵の中に、2つの意味があることもある。まるで、だまし絵、隠し絵のようだな」
司会(音楽の先生)「エッシャーさん、お願いします」
エッシャーの著作権の関係で、作品の紹介ができなければ、同じ手法を例示する。『ルビンの壺』『妻と義母』など、著作権に問題が無いか確認して例示する。
エッシャー「例えばこんな風に、魚と鳥の2つの意味が、1枚の絵に存在することもある」
エッシャー「魚かと思えば、徐々に鳥に見え始めて、鳥にしか見えない手法もある」
エッシャー「最初は冷たい人かと思ったら、何度も会っているうち、優しい人だと思ったり」
エッシャー「そんな変遷を、何度も行うのも、面白いだろう」エッシャーの『メタモルフォーゼ』を例示。
エッシャー「実生活の中でも、現実こそが真実だと、納得できる解釈が見付かったら、それ以外に意味は無いと決定するのは、危険だ」
司会(音楽の先生)「どのような場合ですか?」
エッシャー「妊婦の乗車拒否をした、バスの運転手の例がある」
エッシャー「それを見た人が、バス会社にクレームを出した。バスに乗ろうとした妊婦を乗せなかったのは事実だからな。運転手は悪人だ」
司会(音楽の先生)「2つの意味があるのですか?」
エッシャー「そうだ。その停留場は、あちこちから複数の路線が集まり、次の停留所は終点で、大きな駅なんだ。だから、すぐ後ろにも、バスが続いている」
エッシャー「そのバスは満員だが、すぐ後ろのバスは空いて(すいて)いることは、運転手にはわかっていた。満員であれば、風邪だけでなく、何らかの感染症の危険が大きい」
エッシャー「だから、妊婦には「お急ぎでないなら、空いている後ろのバスに乗りますか?」と尋ね、妊婦も了承したのだ。妊婦自身も、感染症を回避すべきと知っていたのだろう」
エッシャー「事実の一部を無視すると、気遣いをした運転手を、悪人だと判断してしまう。「妊婦を乗車拒否した」という事実を根拠に、「運転手は悪人だ」と判断するのは危険だ」
司会(音楽の先生)「危険なのですか?」
エッシャー「危険だ。「そうとしか思えないから、それが真実だ」と、自分を過信していたら、「思いもよらぬ方法」で、詐欺に騙されるだろう」
背景に、詐欺の寸劇。詐欺師がスマホを手に「会社に電話するよ。ああ、社長ですか」。被害者は「会社に電話したから、この人は本物」と思う。
司会(音楽の先生)「ありがとうございました」
司会(音楽の先生)。心の声。「(そういう場合があるというだけで、ご質問の相談は、何も解決しませんでした)」
▽ 場面変更 ● ── ●
司会(音楽の先生)「「休符って、大切なんですか?」というご質問です」
司会(音楽の先生)「クラシック音楽の生徒は、「無駄な音符は、一つも無い」と教わることも多いですが、休符の重要性を教わることは少ないと、僕は個人的に思います」
メンデルスゾーン。挙手する。
司会(音楽の先生)「手が挙がりました。メンデルスゾーンさん、お願いします」
メンデルスゾーン「休符の有用性の説明には、「休憩も必要だ」「音が鳴り続けるとうるさい」がありますが、積極的に休符が用いられることもある」
司会(音楽の先生)「例をお願いします」
メンデルスゾーン「ロックだけでなく、「ブレイク」といって、意図的に無音の時間を設けることがあります」ブレイクの演奏例。または、シンバルを、叩いてつまんでを繰り返して、「鳴る」「止まる」の繰り返し。
メンデルスゾーン「『鳩』という歌は、「♪ぽっぽっぽっ」と、休符を含めて歌い始めますが、これを、休符を無くして「♪ぽーぽーぽー」にすると、鳩っぽくありません」
メンデルスゾーン「ブレイクという程ではありませんが、私の作曲した『結婚行進曲』も、重要な休符があります」
演奏例2つ。『結婚行進曲』のイントロ3小節。楽譜の五線内が、演奏に従って色が変わる。4分休符が明確な演奏と、不明確な演奏を、交互に何度か演奏。
司会(音楽の先生)「なるほど。雰囲気の違いがわかりますね」
メンデルスゾーン「素晴らしいピアノ曲で知られている、我が友人のショパンの例では、『英雄ポロネーズ』があります」楽譜。『英雄ポロネーズ』の、2回目のAメロの2小節目32分休符。
メンデルスゾーン「ここに、32分休符があります。こんな短い時間ですが、重要です」
メンデルスゾーン「前の小節から歌うと、休符が無ければ、なだらかな起伏のある地面の上を「♪タリラーラターラーラー」と滑ります」
メンデルスゾーン「休符があると、ウキウキした気持ちで宙に浮く「♪タリラッタターラーラー」で、地面から自由になります」
雰囲気を表すために、スケートボードが起伏を、飛ばずに進む、一瞬だけ飛ぶの2種類を表示。スケートボード以外にも、何かあれば良い。バレリーナが回転する、回転しながらちょっと飛ぶなど。
メンデルスゾーン「左手は音が鳴っているのに、右手は一瞬だけ休符です。または、左手はスタッカートですが、右手が休符なのは変わりません」演奏例。休符の有無を、交互に数回。
メンデルスゾーン「音楽では、「無駄な音符は、一つも無い」ばかりではなく、ショパン君の曲には、「無駄な休符は、一つも無い」と言えます」
司会(音楽の先生)「ありがとうございます」
司会(音楽の先生)「ところで蜜霧さん。本編では『結婚行進曲』をお弾きになる予定ですが、練習はできていますか?」
ミッツ「はい、できています。「久し振りだから失敗する」の練習もしています」
▽ 場面変更 ● ── ●
司会(音楽の先生)「「友達との言い合いに、決着がつきません」というご質問です」
司会(音楽の先生)「「作曲したのですが、その楽譜を見た友達が、音楽理論に反しているから、認められないと言います。認められないというのは、おかしいと思うのですが、決着がつかず、困っています」という内容です」
織田信長。豪快に笑う。「異文化よね。生い立ちが違ったら、それまで教わった情報が違う。情報が違ったら、選択も違う。違うことは当たり前」
司会(音楽の先生)「織田信長さん、お願いします」
織田信長「ファッションと同じよ。対位法と和声楽って、ジャンルが違うでしょ。だから、対立することは少ないよね。ファッションでは、髪型と服飾のように、ジャンルが違う」
織田信長「音楽理論ってさ、クラシック音楽だけじゃないし、書籍になっていない音楽理論だって、たくさんあるのよ。基準が違えば、お互いの矛盾もあるのよ」
織田信長「髪型のファッション理論は、時代や国によって、変遷するよね。服飾だって変遷するよね。僕たちにとっての、髪型や服飾の指南に、今のみんなが従うことはないよね」
織田信長「僕が登場する時代劇を作るなら、現代日本のファッション指南に従ったら、おかしいよね。「認められない」って言われるか、ギャグ時代劇かって言われるよね。やっぱり、僕の時代の指南に従うでしょ」
織田信長「古代ローマの劇を作るなら、やっぱり、その国の、その時代のファッション指南に従うよね」
織田信長「クラシック音楽の指南に従うのは、その指南書が書かれた頃の曲を作る場合だよ」
織田信長「クラシック音楽の音楽理論だけ、時代も国も超越して有効だってことは、ないでショ」
織田信長「現代の日本で、音楽を作るのに、クラシック音楽の音楽理論を勉強してないってのは、現代日本の演劇を作るのに、僕の時代のファッションを勉強していないってのと、似てるよ」
織田信長「日本刀は「かたな」と呼ばれるように、片方にだけ刃があるよね。西洋には剣(つるぎ)があって、諸刃(両刃、もろは)だから両方に刃があるよね」
織田信長「ということは、武術を習うと、「こうすれば、より良く戦える」という方法は、刀と剣では違うよね」
織田信長「これまで、刀のための武術しか教わって来なかった人が、剣を持つと、これまで教わったこととは違った方法が、より良く戦えるってことになるよね」
織田信長「これまで教わった、正しい方法と誤りの方法が、逆になることもあるよね」
背景に、刀を使った斬り付ける方法と、剣を使った突く方法。刀では、刺身包丁のように擦って切る。剣では、出刃包丁のように、力で壊す。出刃包丁よりも、適した包丁があれば、それを例とする。
織田信長「場合によっては、正しい方法を疑うことを禁じたり、誤りの方法を憎むように教えたりするよ」
司会(音楽の先生)「思想的な話になりました」
織田信長「みんなだって、聞いたことがあるよね。1945年8月15日。刀と剣の譬えのように、多くの「正しさ」の基準が変わったよ」
織田信長「多くの日本人が迷ったね。子供が大変だったのは、例えば軍歌しか知らないから、それを歌ったら、平和な時代に軍歌は駄目だと叱られたね」
織田信長「相手が、意地悪で反論しているのでなければ、「これ以外は正しくない」とだけ、教わったのかも知れないよ」
司会(音楽の先生)「相手が何を思っているのか、推察しましょうということですね」
司会(音楽の先生)心の声。「(音楽の話なのかなあ?)」
織田信長「そうなのよ、そうなのよ。自分の思っていることは、全員も同じに思っているなんて、勘違い」
織田信長「終戦が近い頃の話を、戦争経験者が話すことがあるよね」
織田信長「ある人は「この戦争は正しい。日本は勝つ。これは、自分だけでなく、あの当時は日本中の全員が、そう思っていた」と話した」
織田信長「別な人は「この戦争は誤りだ。日本は負ける。これは、自分だけでなく、あの当時は日本中の全員が、そう思っていた」と話した」
織田信長「現在のネットでは、個人を相手にした「お前、みんなから嫌われている」や、政治を相手にした「民意に反したから、国民全体を敵に回した」といった攻撃がある。自分が考えていることだけが正しいと、勘違いするのよね」
織田信長「音楽理論だって、正しさは様々なのね。自分の知っていること以外にも、基準はあるのよ」
織田信長「これまでの手法には無かったけど、作品が面白ければいいよ。戦国時代だって、勝つためには、これまでに無かった手法で、いかに相手を驚かせるかが、勝利に繋がったんだもん」
宮本武蔵「その通り!」
司会(音楽の先生)「おや、宮本武蔵さん」
宮本武蔵「勝つためには、どんな方法でもいい、驚かせろ!」
バッハ。意味が分からないというように、首をかしげている。
▽ 場面変更 ● ── ●
司会(音楽の先生)「次のメールです。「楽譜に「bis」と書いてありました。どういう意味でしょうか?」です」
司会(音楽の先生)。にやりと笑う。「サティさん、お願いします」
サティ(エリック・サティ)「なぜ、楽典の回答者として、俺を呼んだんだ? 俺の楽譜は、デタラメだと言われているのに。嫌がらせか?」
ハル。隣に座っているダリ(画家)に、小声で聞く。「デタラメなんですか?」
ダリ。眉毛を、ヒョイと上げるだけ。
サティ「そうだ、デタラメだともーーー!」楽譜の紙を、どっさりと宙に撒く。スタジオ内を、紙が舞う。
何枚か、紙がカメラ前に来て、ゆっくりとなり、説明の文字や矢印などを表示。紙が去り、別な紙が来る。
カメラの前に来る、紙の例。『グノシエンヌ 第1番(Gnossienne)』小節線が無い。
カメラの前に来る、紙の例。『LES TROIS VALSES DISTINGUEES DU PRECIEUX DEGOUTE』小節線が無い。2段目以降、音部記号が無い。4分休符の書き忘れ?
ハル。少し跳ねて、紙を1枚、手に取る。
司会(音楽の先生)「キャスティングについては、申し訳ありません、存じ上げません。ご質問の「bis」の回答をおねがいします」
サティ「「2回演奏する」の意味だ」楽譜。画面上部は「bis」の表記。画面下部はリピート記号の表記。繰り返し部分は、3小節程度で表記。「これは、どちらも同じ意味だ」
ハル。楽譜の紙で、紙飛行機を折っている。第3話で、ハルが考案した、垂直尾翼があるもの。
司会(音楽の先生)「ではなぜ、「bis」の表記をするのでしょう?」
サティ「既にリピート記号を使っていたら、その中には使えないだろう。リピート記号の入れ子(ネスト)はできないんだ」楽譜。画面上部も下部も、もっと広い範囲のリピート記号。
サティ「画面下部の楽譜では、リピート記号が入れ子になっている、セットが崩れている。だから「bis」にする。嫌がらせか?」
司会(音楽の先生)「ありがとうございます」
紙飛行機が、司会者席に飛んで来る。さっき、ハルが折ったもの。
司会(音楽の先生)「おや、この独特な折り方の紙飛行機は……開いてみましょう」サティの作曲した『ヴェクサシオン』(Vexations)の楽譜。紙飛行機は、第3話で、ハルが考案したもの。
司会(音楽の先生)「1枚だけの短い曲のようです」
司会(音楽の先生)「サティさんの作品ですね。この曲を聴きかせいただけますか? 曲の終わりと共に、CMに入りたいと思いますので、演奏をお願いできますか?」
サティ「嫌がらせだ!」
司会(音楽の先生)「なるほど、この曲のタイトルが『ヴェクサシオン』、日本語では『嫌がらせ』と訳されています。おや? 繰り返しを840回と書いてあります。CMまでに、弾き終えていただければと思います」
サティ「嫌がらせだ!」
司会(音楽の先生)「では、当アニメとして初放送です。『ヴェクサシオン』を、作曲者本人による演奏の、抜粋ではない、ノーカット完全演奏で、お送りします」
サティ。演奏を始める。
実際にこの曲を演奏すると、数時間になるので、この曲を知っている視聴者は、司会(音楽の先生)の冗談に、にやりと笑う。
▽ 場面変更 ● ── ●
字幕「5分経過」または、「数時間経過」を表示。
司会(音楽の先生)「えー、演奏終了と共にCMに入ろうと思いましたが、まだ続いています。予定を変更して、サティさんの演奏をBGMとして、次のご質問です」
司会(音楽の先生)「「家具の音楽って、何ですか? 大型のオルゴールですか? それともポルターガイストですか?」ということで、家具の音楽を提唱した、サティさん」
サティ。ピアノを弾いている。
司会(音楽の先生)「サティさん、申し訳ありませんが、ご回答をお願いします」
サティ。手を止める。「せっかく弾いていたのに、嫌がらせかっ」
司会(音楽の先生)「申し訳ありません。家具の音楽のお話を」
サティ「家具の音楽は、オーディオが無かった頃の言い方だ。今の時代でBGMのことだ。家具のように、日常生活の中で、ただそこにあり、気に留められることも無い音楽だ」
ここで、すぎやまこういちの言葉である「ゲーム音楽は、聞き減りしないのが大切」を引用しても良い。
司会(音楽の先生)「大型のオルゴールとは違う話でしょうか?」
サティ「オルゴールとは、自動演奏装置だろう。家具の音楽は、音楽そのものだ」
司会(音楽の先生)「ありがとうございます。自動演奏装置については、また機会があればお話しすることになるでしょう」
ここで、字幕で「第10話でオルゴール館に行きます」などの予告をしても良い。
司会(音楽の先生)「では、サティさん、曲の続きの演奏をお願いします」
サティ「続きだと? 繰り返しの何回目だ? 覚えているわけないだろう!」
司会(音楽の先生)「840回のうち、838回目が終わったところです。あと2回、お願いします」司会者に指し棒で「ウソを言っています」の文字を表示する。
サティ。弾き始める。そっと「嫌がらせだな」と呟く。
演奏が終わる前に、CMになる。
▼ CM明け。 ▼── ──▼
無し。
CMが終わり、すぐにアイキャッチがあり、そのままBパートに。
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