06_A__02_04 第6話 Aパート 分割 2 / 4
第6話 Aパート 分割 2 / 4
【 第6話 概要 】
サブタイトル:音楽を自由に楽しんで、何が悪い!
OP曲前:ヤッ子の姉、鍵宮美音(かぎみや・みね)が、ポップスのバックバンドのコンサートに急遽の出演依頼を受け、失敗。クラシック音楽の基礎はあるが、ポピュラー音楽は経験が無いため。
Aパート:ジャズを簡単に書き直す。シャッフル記号とスウィング。フォルテシモでショージが抱き着く。sfz。長調と短調のジェンダーを宇宙人に教える。「シ、ド」でツナ缶効果。ロックは揺れる。教会旋法。ステラの海老逃げ。
CM明け:左手がテンポ、右手がメロディを叩くのができない。
Bパート:ステラがヤッ子に、吹奏楽の相談。ヤッ子が、姉である鍵宮美音(かぎみや・みね)の話をする。ピアノは好きではないが、継続を強制され、できない仕事を強制され、投身自殺。
Cパート:将来の夢は世界征服。若いなら何でも。シメジ婆さんが言ってた。夢がたったひとつなら、叶わなかったら悲しいね。夢がたくさんあれば、どれかひとつでも叶えば嬉しいって。
予告:猫の肉球がプニプニで、ハルは突然すごくギターが上手になり、ヤッ子がモーツァルトに一喝。酔っぱらっちゃったぜい、ぐでんぐでんだー。
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ヤッ子。軽く咳払いして、話を戻す。
ヤッ子「「ドシ」だけなら、物足りないし、響きが良くない。そこに、「ミ」と「ソ」を加えると、綺麗になる。でも、これは「CM7」というコードで、不協和和音に分類される」
ここで、「M7」の別な書き方「maj7」を紹介をしても良い。
ミッツ「綺麗なのに?」
ヤッ子「まあ、分類や命名と、使い方による実態が違うという例のひとつだな」
ハル「シクラメンは豚の饅頭、北極圏にあるのにグリーンランド、フルートは金属なのに木管楽器」
ヤッ子「ははは、さすがだな」
ヤッ子「ところで、ロックンロールの話に戻るが、ロックンロールのコード進行には、形式があるんだ」
ハル「自由な音楽って言いながら、形式があったら、窮屈じゃないですか?」
ヤッ子「破らずに守れという目的の形式ではない。作曲の初心者に、「好きなように作曲して」と言っても、難しいだろう。だから、こんな風に、コード進行の形式を提示して、そこから作曲すると、初心者でも楽しめる」
ヤッ子「譬えれば、猫の顔は、円形の顔の輪郭の上に三角の耳を2つ。犬の顔は、長い顔の輪郭の左右に、横に垂れた耳を添える。これだけで、絵を描き始められるから、ここから絵を発展することもできる」
背景に、猫と犬の、簡単な絵。
ハル「ここで、「犬の耳は、猫と同じように、上向きもある」ってツッコミは、無粋ですね」
ミッツ「初心者でも楽しめるって、いいですね」
ヤッ子「そうだ! 音楽は楽しむものだ。職業としてするのは、それなりの才能と努力が必要なんだろうが、職業じゃなく音楽を楽しんで、何が悪い!」
ハル「なんで怒ってるんですか」
ヤッ子「ただし、これはどんなジャンルでもそうだが、形式のせいで、「似たり寄ったり」の懸念がある」
ミッツ「それは確かに」
ハル「そうか?」
ミッツ「並べて比べたら、違うってわかるけど、1曲だけなら「曲名は知らないけど、ロックンロール」って気分」
ハル「それって、クラシックのオーケストラの曲でも感じる。聞きなれていないから」
ミッツ「そういえば、ハルが吹奏楽部の見学の後、言ってたもんね。クラリネットとオーボエの、音色の区別ができないって」
ヤッ子「さっきも言ったが、似たり寄ったりは、どんなジャンルでも、ある。ロックンロールは形式のせいで、クラリネットとオーボエは、木管楽器の、リード楽器という発音構造のせいで」
ハル「クラシックのオーケストラの曲なら、バイオリンとかが中心で、打楽器はあるけどドラムスは無くて、強弱の変化が大袈裟」背景に、「ハルは、「ストリングス」の意味で「バイオリンとか」と言っています」を表示する。
ミッツ「馬を見て、「美人だねー」って言う人がいるけど、馬に慣れていないから、何が美人なのか」
ヤッ子「さっきの、犬や猫を、簡単に描く方法を話したが、動物も楽器も、どんなジャンルでも、特徴がある。ロックンロールにはロックンロールの特徴がある」
ヤッ子「作曲する時、ロックンロールの雰囲気を考えながら、スリーコードを使う。「スリーコードのせいで、似たり寄ったり」とは言ったが、似たり寄ったりの大きな理由は、ロックンロールの雰囲気を思い描きながらだな」
ハル「逆に言えば、ロックンロールの雰囲気を持って、スリーコードを使わないこともあるんですか?」
ヤッ子「あるぞ、あるぞ。きっとある。多分ある。あってもおかしくない」
ミッツ。軽く噴き出す(笑う)。
ハル「それを、スリーコードを使っていないから、定義から外れているから、ということがあるんですね」
ヤッ子「ジャンルには、ジャンルの特徴があるが、粗探しで「定義から外れている」とは、言いたくないな。猫には猫の特徴、馬には馬の特徴。慣れれば、個性も見分けられる」
ハル「犬って、すごいですね。チワワと、えーっと、名前は知らないけど、大型犬で、耳の垂れたものって、見た目はあんなに違うのに、犬だってわかるのがすごいですね」長毛種の例は、コモンドール、アフガン・ハウンド、ボルゾイ、などがある。
ミッツ「すぐには思い出せないけど、「これも、あれの仲間なのか?」って、驚くことがあるよね」意外な例は、クリオネが貝の仲間。タラバガニはエビの仲間。
ハル「ジャンルは、特徴があるからジャンルなのかな? 明確じゃないけど、大きな書店に行って、ジャンル分けがされているから、探しやすい。時々、同じ本が、別なジャンルの両方に置かれていたりする」
ミッツ「あっそうか。旅行のコーナーに、旅行の漫画が置かれていたりするもんね」
ヤッ子「このコード進行、スリーコードは、ロックンロール以外でも使われている」演奏例。ブギウギ、ブルースなど。『子象の行進』もスリーコード。
ヤッ子「さっきの演奏で、スウィングしているのとしていないのは、こんな違いがある」黒板に、必要な部分だけの簡単な楽譜を書く。
または、ミッツが持っているジャズピアノの教則本から、サンプルになりそうな曲を探して開く。
ミッツ。楽譜の先頭のシャッフル記号を指す。「これが、シャッフルですね」
ヤッ子「そうだ。「シャッフルした演奏で」の指示だ」
ハル「でもこれって、イコールではありませんよね」
ミッツ「イコールじゃないのを、イコールとしてってことでしょ」
ハル「イコールとしてって?」
ヤッ子「記号として略しているから、言葉にするのは難しいな」
ヤッ子。イコールの左を指して。「この書き方があったら……」イコールの右側を指して。「……このように演奏してくれという指示だ」ヤッ子が指すタイミングに合わせ、セリフと同じことを吹き出し表示する。
ハル「曲の全体が、こんな、タララタララ……の雰囲気でってことですね」背景に、8分音符の3連符が、いくつか、画面を横に流れて行く。
ハル「なぞなぞで、ありますよね。「科学(かがく)」をキーとして、「買い物(かいもの)」を読むと、「食い物(くいもの)」になるって」
ハル。黒板に「かがく」と書き、その右下に「かいもの」と書く。
ハル「「かがく」だから、「か」と書いてあると、「く」と読みなさいというなぞなぞ」黒板の「かいもの」の「か」に消し線を加え、「く」にする。
ミッツ「ハル、天才!」
ヤッ子。ハルが書いた「かがく」の、すぐ上に、シャッフル記号を書き加える。位置的にこのような意味を示すように、「8分音符2つ」と「か」を囲み、「=」と「が」を囲み、「4分音符と8分音符の3連符」と「く」を囲む。
ハル。ヤッ子の書き加えたシャッフル記号を見て。「なるほど。欄外に、こんな書き方をするのか。地図とかの凡例のようだ」背景に漢字の「凡例」と、ひらがなの「はんれい」を表示する。
ミッツ「丁寧に、4分音符から書くと、こうなるよ」
ミッツ。黒板に説明。同時に鳴る音符は、縦に揃えるように。
一番上に、(1)4分音符が1つ。
その下に、(2)8分音符2つを符桁で繋げる。
その下に、(3)8分音符の3連符を符桁で繋げる。
その下に、(4)同じく8分音符の3連符だが、1番目と2番目がタイで繋がる。
その下に、(5)4分音符と8分音符に、3連符の印があるもの。
その下に、(6)8分音符2つを符桁で繋げる。(5)と(6)をまとめて囲む。
ミッツ「最後の、これだけが、シャッフル用の特別な書き方」
ヤッ子「気付くだろうが、(2)と(6)が同じだ」
ハル「わざわざ書き方を変えると、ややこしいだろう。頭の中で「このように書いているから」ってのを、「演奏はこのように」って変換するのが面倒だ」
ミッツ「知らないよ、昔の人が考えたことなんて。だって、これを考えた人に会ったこともないし」
ヤッ子「イコールは、左側と右側は同じはずなのにという気持ちがあるから、シャッフル記号の説明のために、丁寧に6つも段階を経たわけだ」
ヤッ子「蜜霧君の教え方が優れているのは、早坂君が「わかり切っている」と思うことで、証明されている」
ハル「え?」
ヤッ子「もしも、これを、もっと簡素にすると、「わからないから質問したい」になるか、もっと悪いことに「やっぱり楽典は面倒だ」となるだろう」
ハル。疑わしそうにミッツを見る。
ヤッ子「イコールを使う書き方と、使わない書き方の、どちらの書き方でも正しい。自分が書く時には、自分の好きな方を書けばいい。ただし、シャッフルの書き方に慣れている人もいるのは、承知しておくと優しいな」
ハル「まあ、そうですね」
ヤッ子「シャッフルの書き方も、あちこちに連符を示す「3」があれば、見づらいから、これが良いと感じる人もいれば、演奏の時に頭の中で3連符に変換するのが面倒だから、「3」があるのが良いと感じる人もいる」
ハル「うーん、確かに、3連符だってわかってるから、うんざりするかも」
ミッツ「あたしも、最初はシャッフルの書き方に違和感があったよ。でも、何曲か弾いているうちに、慣れちゃった」
ハル「ふうん、そんなもんかな」
ヤッ子「ところで、シャッフルの書き方で、ちょっと惑うのがある」黒板に音符を書いて説明。
さっきの、ミッツの(1)から(6)とは別な位置に書く。
一番上に、(1)8分音符、4分音符、8分音符。
その下に、(2)8分音符4つを、2つずつ符桁で繋げる。中央の2つの8分音符(符桁は違うセット)を、タイで繋げる。
その下に、(3)8分音符の3連符だが、1番目と2番目がタイで繋がる。これを左右に並べて2セット。左のセットの右端と、右のセットの左端を、タイで繋げる。
ヤッ子「基本は「タンタタンタ」だが、これがタイで繋がっているので、「タンタアンタ」となる」手拍子しながら、タイで繋がっている歌い方と、繋がっていない歌い方の中間のように、「タンターンタ」ではなく「タンタアンタ」と歌う。
ハル「複雑だ」
ヤッ子「このように、手拍子とずれているのが、シンコペーションだ。シャッフルしていても、していなくても、このようなずれがシンコペーションだ。きっと、何気無く聞いている曲の中にも、こんな曲はあると思う」
ハル「それなのに、楽譜を読むとこんなに複雑だったんだ。楽譜って、いやだな」
ヤッ子「時によって、人によって、場面によって異なるだろうが、楽譜を読めないから、誰かに模範演奏をしてもらってばかりなら、いつまでも楽譜を読めないままだぞと、非難する意見がある」
ヤッ子「確かに、模範演奏が無く、楽譜だけを資料とするなら、困ることになるだろう」
ヤッ子「将来を見据えて、真剣に音楽をするのなら、自分で楽譜を読み解く技術は欲しい」
ヤッ子「しかし、早坂君のように、演奏の練習を目的としていないなら、こうなるだろう」
ヤッ子。2頭身で、髪の毛だけハルと同じに、または、髪の毛と制服だけハルと同じになり、寸劇。
ヤッ子「知っている曲の楽譜を読んで、「へえ、楽譜では、こう書くのか」と面白がる」
ヤッ子「よっしゃ、「楽譜のままやってみようか」と、ゆっくり読む」
ヤッ子「そうしたら。「おおっ、本当だ、確かに聞いたのと同じ演奏だ」と喜ぶ」
ミッツ「ヤッ子先生の寸劇だ」
ヤッ子。2頭身が終わり、いつもの姿になる。シャッフルの「タンタアンタ」が2小節分、全部がシンコペーションの音符を書く。
ヤッ子「これを歌うと……」手拍子しながら歌う。「……こうなる」
ハル「いい感じですね。どこかで聞いたことがあるような」
ヤッ子「では、これを、シャッフルしなければ、どうなるか」シャッフルせずに、『木星』(ホルスト)の一部を歌う。『木星』だが、誤魔化しの歌い方で、全部をシンコペーションにする。
ミッツ「あ……」
ハル「『木星』だ」
ヤッ子「そうだ。今は見本を示す理由から、ちょっと誤魔化しながら歌ったがな」
ハル「シャッフルするのとしないのとで、比較したいので、両方をやってくれますか?」
ヤッ子「私がしなくても、自分でできるだろう」
ハル。やってみる。何度か試行するうちに、できるようになる。「ああ、なるほど、こんな感じなんだ」
ヤッ子「私の姉は、シャッフルに慣れていなかったから、シャッフルしていないのなら演奏できたが、シャッフルしていたらできなかったんだ」
ミッツ「そうですか? あたしは、少し惑うけど、できますよ」
ヤッ子「蜜霧君は、ポピュラー曲もしていたから、慣れているのだろう。姉は、クラシック以外は禁止されていたから、大人になってから、急に楽譜を渡されたから、その場での演奏は無理だったんだ」
ハル「禁止って、そんなことが、あるんですか」
ヤッ子「意外と思われるだろうが、3連符のクラシック曲に慣れていても、姉にとっては、シャッフルは違うものだった」
ヤッ子「シャッフルは「タンタタンタ」で、クラシック曲は「タラタタラタ」だ」
ハル「違いがわかりません」
ミッツ「全然、違うでしょ」
ヤッ子「この違いだけでなく、シャッフル記号を見て、頭の中で3連符に変換するのも不慣れ、踊れるように裏拍のアクセントなんて、経験が無かった」
ミッツ「その場で、急にってのは、無理ですね」
ハル「ところで、この楽譜で演奏したら、どうなるんですか?」さっき、ヤッ子が黒板に書いた、必要な部分だけの簡単な楽譜。または、ジャズピアノの教則本から、サンプルになりそうな曲。
ヤッ子「そうだな。話が横道に逸れたか。この楽譜のまま演奏すると……」平坦な演奏をする。「……単に、ああ、演奏しているんだなっていう感じだな。シャッフルしているが、スウィングの感じがしないだろう」
ハルとミッツ「うんうん」
ヤッ子「ここに、強弱記号を付けると」楽譜に、色違いのチョークで、フォルテ、ピアノ、アクセント、sfz、フレーズを記入。「こうなって、演奏すると」演奏。
黒板の楽譜なら、色違いのチョークを使う。教則本の楽譜なら、ミッツから了解を得てから書き込む。
ハルとミッツ「ほぉー」
ヤッ子「普通は、楽譜にこんなに強弱記号は書かれていないが、演奏の工夫でこうなる」
ヤッ子「「楽譜の通りに演奏しても、面白くない」というのは、強弱記号の無い楽譜の通りにってことだ」
ヤッ子「ゴチャゴチャと強弱記号が書かれた楽譜を渡されたら、楽譜の通りに演奏しているうちに、強さの加減も工夫できるようになる。見本を示すことで、いわゆる「発想の殻を破る」の、きっかけが期待できる」
ハル「これがフォルテ、これがピアノ。フォルテやピアノは、「ここから」の場所に書くけど、「ここまで」の印は無いんですね」
ヤッ子「そうなんだ。新たな強弱記号が現れたら、「そこまで」が明確だな。AメロからBメロになる箇所までということも、あるだろう」
ハル「これは?」sfzを指す。
ヤッ子「スフォルツァンド。アクセント記号のひとつだな」
ハル「フォルテよりも強いんですか?」
ヤッ子「これは、フォルテやピアノの仲間ではなく、アクセント記号だ。アクセントは、「この音符だけ」だろう」アクセント記号を指す。
ヤッ子「スフォルツァンドは文字だから、フォルテの仲間のように思えるが、音符に付くアクセントだ」背景に、フォルテ「f」と、スフォルツァンド「sfz」を並べる。
無地の画面に、次々と記号が入って来る。範囲を示すフォルテ「f」などの仲間と、音符に付くアクセント記号などの仲間。スフォルツァンドが登場し、どちらの仲間か迷いながら、アクセント記号の仲間に合流する。
ヤッ子「これ……」別な箇所のアクセント記号を指す。「……と同じ意味だが、私はここでは、「とても強く」の意味で用いた」
背景で「sf」「fz」「sfz」の3種類の書き方を表示する。
ハル「あっ、そうだったんだ」
ヤッ子「楽譜には、音符だけでは表せない作曲者の気持ちを、様々な記号や、時には言葉を添えて伝えることがある」
ミッツ「「堂々と」とか、「元気よく」とか、短い単語が多いよ」
ヤッ子「「ねばしてね!」「歯痛で悩むうぐいすのように」「舌の上にのせて」「迷信的に」なんてのもある」
ハル「なんですか? それ」
ヤッ子「かと思えば、それらの記号などをほとんど書かない作曲者もいる。曲想は演奏者に委ねるのか、細かく書かなくても伝わると思っているのか、それは作曲者に聞かなければわからない」
ハル「作曲者の意図が明確なら、それに従うのが、「正しい演奏」なんですね」
ヤッ子「正しいかは、誰が判断するかは、わからない。私はただ、自分の好みに合うかということと、何らかの資料を紹介するだけだ」
ヤッ子「料理の書籍にカレーライスの作り方として、牛肉が書かれていても、地域という大雑把なことだけでなく、細かく個人の好みがあるのと似ている。「正しいカレーライス」じゃなくても、美味しいの感覚はそれぞれだ」
ヤッ子「カレーライスでは、豚肉が好きだという人もいるし、個人の好みで、私には信じられない食べ方をする人もいる」
ショージ。饒舌になる前の、紳士的な立ち居振る舞いで登場。
ショージ「何をしているんだい?」
ハル「ショージさん。今、フォルテとかの話をしていました」
ショージ「フォルテか。フォルテシモもあるな」
ハル「fを2つも3つも書いたものですね。ちょっと、一覧は、ありますか?」
ショージ「これだ」画面左側に、最上段の「fff」から、最下段の「ppp」まで。「mf」「mp」も含めて8つ。
ショージ。セリフに合わせて、画面に説明文が出現。「mfはちょっと強く、fは強く、ffはもっと強く、fffはもっともっと強く」
ここの説明は、「f」を「強く」、「ff」を「強く強く」、「fff」を「強く強く強く」でも良い。
「fff」の読み方は、「フォルテシシモ」と「フォルテフォルテシモ」の2つを書く。「ppp」も同じ。
ハル「弱くの方も、同じように、「ちょっと」から「もっともっと」までですね」画面の弱くの方には、全部が同時に文字が出現する。
ミッツ「前から不思議に思っていたけど、「普通の強さ」って無いのよね」
ヤッ子「知っていると思うが、楽器の「ピアノ」の名前は、この強弱が由来になっている」
ヤッ子「よく比較されるチェンバロは、キールという出っ張りが弦を弾く(はじく)から、キールの大きさで、音の強さが決まる。鍵盤を強く叩いても、ゆっくり押しても、鳴る音の強さは同じだったんだ」
画面を2分割し、鍵盤を押す手元と、キールが弦を弾く箇所。キールの先端に差し棒で「キールがここまで弦を押して、キールが移動すると急に弦を離すことで音が鳴る。キールの移動スピードは、音の強さと無関係」と示す。
キールが元の位置に戻るまでの1連の動作を、3回程度。
説明文が長いので、セリフと協力して、読めるように工夫。
キールが弦を押す絵では、弦が遠近法で手前を太く、奥を細くするなど、立体的にわかりやすく。
ハル「テンポを指示する「ゆっくり」とか「歩くような速さで」と似ていて、音の強さも、人によって基準が違うのかな」
ショージ。ここから、調子に乗って饒舌になる。「教えてやろう。fなら……」急にテンションが上がり、ハルを抱きしめ「……ハルくん、好きー! これがフォルテ」
ショージ「続けて、フォルテシモは」
ショージ。ミッツを手招きして、二人で。「ハルくん、好きー!」ミッツは、少し及び腰。
ショージ「フォルテシシモは、ヤッ子先生も一緒に」
三人で。「ハルくん、好きー!」
ショージ。ここがチャンスと、とっさに判断し、ヤッ子の胸の方に顔を向ける。
ヤッ子「こら、ショージ、どさくさに紛れて、顔をうずめるな」
ミッツ「やだー」
ショージ。少し悔しそうなハルを見て、耳打ち「勃起してるだろう」
ヤッ子。ショージの言葉が聞こえていることを表すため、片方の耳が巨大になる。ショージの股間を見て、ショージも勃起しているのを確認。
ヤッ子。心の声。「(やっぱり中学生の男の子は、こういった下品な冗談が好きなんだな)」
ヤッ子「お前達は、アニメではなく、漫画の『ドラゴンボール』を知っているか? フォルテは「!」のようなもので、『ドラゴンボール』では、戦っている時のセリフに「!」がいくつも付けられているものがある」
ショージ。ヤッ子の言葉を無視して、ハルに再び、耳打ち「勃起してるだろう」
ミッツ「何言ってんの?」
ショージ「あの日の夜を思い出してな。俺達の、熱い夏の夜。俺を眠らせてくれなかった」
ハル「誤解されるようなこと、言わないでください」
ショージ「布団の上で、おねだりしただろう、ねえ、もっともっとって。親に見つかって、大変だったんだ」
ハル「手品の、トランプの……」
ステラが入って来る。「なんだか、楽しそうですね」
ショージ「あ、ステラ、ステラ様。実は、ハルとの、布団の上での熱い一夜の話をしていたんだけど、俺は決して、男好きじゃないよ、女好きだよ」
ヤッ子「そうか。セックスするなよ」この「セックス」の部分には、ピーを入れても良い。
恥ずかしがっているステラの肩を、ミッツが抱き、「ゴメンね、慣れてね」と言う。
ハルがショージの口をふさごうとする。逃げようとするショージを、ハルが床で抑え込もうとする。
ミッツ。ハルとショージが、やや暴れている状況を見て。「ねえねえ、シメジ婆さんが言ってたけど」
ミッツ。ハルとショージの動きが、まだうるさいので、大声になる。「子供が走って遊ぶと、大人は嬉しいけど、そうじゃない時もあるって。ねえ、聞いてるー?」
ハルがショージを抑えつけて、ようやく動きが静かになる。
ステラ「ヤッ子先生、長調と短調の話を聞きたいのですが」
ヤッ子。顔と手元のアップ。眼鏡を外して、レンズを拭きながら、落ち着いて「長調と短調か。その前に……」眼鏡をかけたら、眼鏡がキラリと光る。画面を引くと、ショージとハルの上にヤッ子が腰掛け、脚を組んでいる。
ヤッ子。やはり落ち着いた口調で、座ったままステラの方に顔を向ける。「……屁をこいてもいいか?」
ハル。ヤッ子の尻の下で「やめてくれー!」
▽ 場面変更 ● ── ●
校内のどこかで、雑談。
生徒A「ねえねえ、これできる? 1、2、3……」片手で10まで、指折り数える。閉じた状態から開いて行き、「5」でパーの形。「6」から折り返して、「10」でグーになる。
生徒A「これを、両手で同じ動きで数える。1、2、3……」両手が同じ動き。
生徒A「これなら簡単だけど、片手だけ、1つずらして数える」片手だけ、2から始まる。
生徒B「なあに? 1つずれで、10まで数えるの?」やってみるが、できない。
生徒B「いつの間にか、両手が同じ動きになっている」
この場面の動きは、アニメでは難しいなら(自然にならないなら)、実写でも良い。
生徒A「そうでしょ。あたしもできない。最後は両手が同じになるの」
生徒C「あ、あたしはそれができるよ」
生徒A「ホントにぃ? やって見せてよ」
生徒C。ピアノを弾くように、指で机をトントン叩き、できる。
生徒B「あ、できている……ような気がする」
生徒A「もう一回やってみて。スマホで撮影するから」撮影する。
生徒AとB。スマホでスロー再生し、確認。「すごーい、本当にできている」
生徒B「ピアノ弾けるの?」
生徒C「うん、ちょっとだけ習っていた」
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