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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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05_B__06_09  第5話 Bパート 分割 6 / 9

第5話 Bパート 分割 6 / 9


【注意事項:楽典以外の余談に、児童には不適切な生々しい描写や、心的負担の箇所があります】


【 第5話 概要 】

サブタイトル:ゲオルギア。

OP曲前:ステラが引っ越して来た日。平日で、母親と買い物、学校の近くを通る。メルヘンの服装のステラに、グランドにいたショージが一目惚れ。

Aパート:楽語はイタリア語が多い、ローマ字読み、イタリアの首都がローマ。ローマ数字は音階、和音、大文字小文字は長短。メトロノームとベートーベン。速い6/8拍子。モーツァルトの『鏡』。俳句は4拍子。

CM明け:音楽の先生が自動車免許の更新。今朝の星占いは最悪。ここにいるのは、ほとんどが同じ星座。この場所は、最悪の星座の人の集まりで、びくびく。

Bパート:トロンボーンの楽譜が2声、音符の下に休符。「♯」「#」の違い、紛らわしいカタカナ。ドイツ語の音名「H」の由来。音楽理論を用いた非難は、いじめの構図と似ている。デタラメの効用。新手法の否定。憲法の自由。

Cパート:クラシックギターでは、3声を1段に書いている。

予告:ヤッ子の姉には夢があり、ステラは海老逃げし、ハルはみんなから「好きー!」って抱き着かれる。宇宙人には、どう説明すればいいんだ?


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

ヤッ子「誰かから強制されたアドバイスで、自分の墓穴を掘り始める気持ちは、どう思う?」


ヤッ子「たどたどしいながら作曲して、作曲に限らず、楽しいことが、ことごとく邪魔されたら、楽しもうとする前に、条件反射で「どうせ駄目だ」と厭になる」


ヤッ子「「自分はまだ、本気を出していない」と言う人を、「ダメ人間」なんて揶揄することがある。これまで、どんなに頑張っても無駄だった、成功どころか厭な思い出が誘発される」


ヤッ子「すると、本気を出すのが厭になる。そんな人を、「本気を出さないダメ人間」と揶揄し、努力を強要しても、本人は、努力して成功した経験が無いから、結局は失敗する。そして、失敗を責められる」


ミッツ「本人が頑張って、成長して、言動を訂正しても、「できるんなら、なぜ今までしなかったんだ、なぜ最初からしなかったのか」って、責められそう」


ミッツ「それから、イベントとか何かにクレームを出したら、「貴重なご意見として、次回に向けて」なんて答えがあったら、それ以上は言えないけど、虐めを受ける人は、そんな回答をしたら、もっと責められる」


ハル「その人には、「失敗しても、頑張ったことに意味がある」とか、「失敗することだってある、いちいち気にすることではない」って言葉は、励ましにならないようですね」


ヤッ子「決して、励ましにはならないだろう」


ヤッ子。感情的な言い方を演技する。「ああっ、また駄目だ。まただ、くそっ、くそっ、駄目なんだよ、また駄目だ、あああ゛ーーっ、くそったれがぁ!」何かを蹴飛ばす仕草。


ヤッ子。演技として、机の上に何も無いのに、机の上の何かを持ち上げて、投げつける仕草。


ヤッ子。演技として、机を持ち上げる仕草( )何も持っていない)。食いしばった歯を見せ、怒りの表情で、高々と持ち上げる。


ヤッ子。眉の力を抜き、強い恨みの目つき( )三白眼)。下顎を前に出し、下唇は下の歯を隠す。上唇を上げ、上の歯を見せ、鼻の横に皺ができる。ほんの少しの時間、停止した後、上唇だけで嗤い、机を落として壊す仕草。


ヤッ子。うずくまる。「もう……、やめてくれよ」段々と、語気を強めながら。「いつも、いつもよぉ。いつもいつも、いつもいつも!」立ち上がり、眉間に皺があるが、怒っているのではなく、打たれ続けた精神的疲弊。


ヤッ子「早坂君。君は、実験や工作が好きだな。実験する前の、机上の空論のうちは思い付かず、実験して初めて知る事実もある。そうして、試行錯誤しながら、完成に近付くのは、嬉しいだろう」


ハル「そうです。うまくいかない理由を、1つずつ解決するのが楽しいです」


ヤッ子「試行錯誤の実験は、失敗も多い。他者との関りで失敗が多いと、評価が下がる。評価が下がった人、能力が低い人であれば、楽しい場に呼ばれるのも少ない。すると、他者との関りで楽しい時間を過ごす練習もできない」


ヤッ子「他者との関りでは、すれ違いや勘違いで、上手くいかないこともある。他者がいなくても、天気がたまたま思惑と違う運の悪さもある。しかし、狙って邪魔されることが多ければ、偶然の悪いことさえも恨めしくなる」


ヤッ子「そもそも、自分が楽しもうとしたのが悪かった。楽しもうとしなければ良かった。楽しく生きようとしなければ良かった。そもそも生きていなければ良かった」


ヤッ子「試行錯誤だけでなく、自分が認められたい渇望や、様々な理由から、失敗が多い。後になって、「ああすれば良かった、こうすればよかった」の後悔をする、「なぜ、上手くできなかったのか」の後悔をする」


ヤッ子「精神的な渇望により、制御できない、抑制できない。だから、ほぼ確実に失敗することを、またやってしまう」


ヤッ子「自分で自分を制御できないことは、多くの人が経験したことがあるだろう。言うべきことが言えないだけでなく、すべきことではないことをしてしまうこともある」


背景に、「恋の告白ができない」「ゴルフクラブを買ってしまう」などの、日常的な例示をする。


ミッツ「そうですか?」


ヤッ子「日常生活でさえ、緊張して、下手な人なら、日常生活のコントロールもうまくいかない。他人から見たら、さぞかし滑稽だろうな」


ヤッ子「何かをする度に、黒歴史が増える。増えすぎた黒歴史は、日常のあらゆることをきっかけに思い出され、生きるだけで苦しい」


ヤッ子「フィクションの青春物語なら、「行動しないで後悔するなら、行動して後悔するのがいい」なのだが、どっちにしろ駄目ならば、何もしない方がいい、これが、日常生活にも臆病ということだ」


ハル「動物を飼うと、精神的な効果があるらしいからって、動物を、例えば、室内犬を飼うことを勧められたとしたら」


ヤッ子「セラピーの効果だな」


ハル「そう、それです。室内犬なら簡単だと教わって、飼い始めた後になってから、実は大変だったと知らされる」


ミッツ「動物に詳しくて、動物を飼うことに慣れている人なら簡単なことでも、セラピーとして必要な人なら、飼うのが大変なんだね」


ハル「だから、「何もしなければ、何も良くならない」ではあっても、「何かしたら、もっと悪くなる。何もしない方がいい」になる」


ヤッ子「スポーツでの「切り替えろ」は、これからのプレイのための言葉だが、失敗ばかりの経験から、次への期待はできない」


ヤッ子「『生きているということは』( )デューク・エイセス、永六輔)という歌をもじって言うなら、生きているということは、厭な思い出を増やすこと。生き続けるのは、後悔に埋もれ続けること」


ヤッ子「人間は生物として、生き続けようとするものだが、生きていたくない、死ぬのが怖いから生きている。その原則をも上回った行動を、自らした事例は、数え切れない程にある。目の前の人がそうなることもあり得る」


ヤッ子「逃れることができない苦しみ。地獄では、人はおかしくなる。どうやら、自分だけが地獄のようだ。ひもじくても、差し出されるパンは無い。凍えても、差し出される毛布は無い」


ここで、「おかしくなる」を「狂う」と表現するのは、強すぎる。


ヤッ子「誰も知らない、その人が地獄にいることを。誰もが知っている、少なくとも気付いている、その人が、おかしな悪人だと」


ヤッ子「戦争でもないのに、災害などで、不本意に亡くなることはあるだろう。しかし、物理的なことではなく、自らの意思で( )意志で)不本意に亡くなることもある」


ハル。ヤッ子の「自らの」の意味に気付くまで、少しの間が必要。「自殺してしまうのも辛いですし、選択肢に自殺を含めたまま、死の恐怖との板挟みの人生も辛いですね」


ヤッ子「他人に掛けた迷惑の後悔が、絶え間なく思い出され、死をもって償い、死んでお詫びが、いつか行うべき義務の残作業。どこで、どう死ねば、お詫びだと伝わるのか。自殺により、他人への迷惑を重ねることも辛い」


ヤッ子「「自殺」「自死」「尊厳死」「犬死に」。いくつもの言い方があるが、私は、見ず知らずの人であっても、目の前の人が救いようが無くても、死は悲しい。そのような状況になることは悲しい」


ヤッ子「ある芸能人が、テレビで告白したことがある。自殺を考えていた時期があったと。未遂だったが」


ハル「自殺、ですか。芸能人で、未遂も含めて自殺の話は聞いたことがあります」


ヤッ子「その芸能人が選んだのは、餓死だ」


ハルとミッツ「餓死!?」


ヤッ子「それを聞いた時は、私は子供だったこともあり、「壮絶ではない、情けない方法」と思った。後に、「生き続けることが正しいと疑わない」のが、生物である、少なくとも、人間であると気付いた時、その芸能人の話を思い出し、息をのんだ」


ヤッ子「これほど、壮絶な自殺が、あるだろうか」


ヤッ子「その芸能人とは別な話だが、実際に餓死した人はいる。押し入れに大量の缶詰があったが、若い女性が餓死した。どのような経緯で、そのような生活になったのかは、不明だが」


ヤッ子「死を望んだとは思いたくない。望んだ幸せが得られないという、プラスが無いと思ったからなのか。人生がマイナスだけのせいで、ゼロを選択したのか」


ヤッ子「「死にたくない」「生きていたい」は、環境に依存する」


ハル「確かに。地球が滅んで、宇宙空間を漂う状態でも、死ねないのは、SFでありそうですね」


ミッツ「そんな、あり得ない状況じゃなくても、現代の地球上で、戦争で、夜中の眠っている時でも爆弾が飛んで来る環境や、極寒の中、熱帯ジャングルで危険生物が、うじゃうじゃいる」


ハル「死なないけれど、痛みや苦しみがあるのなら、地獄だな。自分の好きな年齢を選べて、不老不死であっても、環境が悪かったら、生きるのが苦しい」


ヤッ子「説教の言葉には、「自分が変われば、環境も変わる」があるが、神様でもなければ変えられない環境もある」


ヤッ子「ビートルズの『レット・イット・ビー』という歌がある。広くヒットしたが、あれを非難する意見もある」


ハル「あの名曲を、非難するんですか?」


ヤッ子「「自分の人生は自分が決める。何もしなければ、何も解決しない」という意見だ。しかし、人によって絶望の度合いが違う、ある人にとっては、他人が嘲笑するようなことで絶望する人もいる」


ヤッ子「肉体ならば不可能はあるが、精神力なら自分次第と主張する人は、何を基準としているのだろう」


ヤッ子「精神力が無限ならば、心頭滅却すれば火もまた涼しで、火事の中でも涼しく感じながら焼死するのか」


ヤッ子「寒いなら、体を動かせば温かくなるが、求めているのは、寒くない状態なんんだ」


ヤッ子「ある人は、最後の精神力を、自分が死ぬ行動に費やすだろう」背景に、第6話( )次回)でヤッ子の姉の美音が投身自殺する場面を表示する。


ヤッ子「ある人は、最後の精神力を、自分が死ぬために費やすこともできず、生きるために必要な「食べること」にも使えない人もいるだろう」


ヤッ子「亡くなった人のことは、推測しかできないが、信頼できる人もいない、宝くじは必ず外れくじばかり買わされる、地図も無く迷路を彷徨い、自分の進む道は無益でもわざと通行止めにされる」


ヤッ子「これまで、どのコミュニティでもそうだった。ということは、これからも同じだろう。そう断定するに足るのなら、未来に希望は無い」


ヤッ子「どうせ、何をしても否定されるのなら、死を選ぶのも自由だと思うのは……やはり、悪いことかもな」


ヤッ子「推測しかできないが、飢えの苦しみを耐えたのか、飢えの苦しみを軽減することもできなかったのか……。死ぬ程の空腹は……」深い溜息。「……苦しかっただろうな」


ハル「食べ物と言えば、シメジ婆さんは、料理を作る時、食べる人が喜ぶ顔を、思い浮かべるようにって、言ってましたよ」


ハル「料理の小さな工夫をする時、「食べる人は、喜んでくれるかな、笑顔になるかな」って、思いなさいって」


ミッツ「料理を教わる時、どうしてあたしを呼んでくれなかったの?」ちょっと不満な顔。


ヤッ子「料理を、誰かとの良いコミュニケーションとしたんだな。すると、料理が楽しくなる」


ヤッ子「逆に、料理を労働として教えると、例えば叱りながら「ほら、そこは、ああしなさいって、教えただろう」と言うと、料理が苦痛な労働になる」


ミッツ「さっきの宝くじの話だけど、宝くじは当たったら嬉しいと思うけど、そもそも興味は無いし。卓球おじさんに似てるかな」


ハル「卓球おじさん?」


ミッツ「こっちの方の親戚だけど、卓球が大好きで、自宅のガレージに卓球台があるの」背景に、小さな家系図。父方母方の区別はせず、ミッツとハルが従姉弟同士、ハルとは違う方の親戚のおじさんに、「卓球おじさん」の指し棒。


ミッツの姓「蜜霧」が、母方の姓ということは重要ではないので、家系図は簡素に。


ハル「ミッツは卓球が好きなのか?」


ミッツ「全然、好きじゃない。むしろ、苦手。でも、あたしが下手だからって、特訓だとか、1000本ノックとかされて。最悪の夏休みだった」


ミッツ「厭だったけど、気を遣って最後まで付き合った」


ハル「まあ、そうだよな」


ミッツ「付き合いたくなかったけど、いやなことを、言うんだよなぁ」


ハル「いやなこと?」


ミッツ「せっかく、ここま頑張ったのに、今、やめたら、これまでのことが全部、無駄になる。お前だって大人の仲間だろう、努力から逃げるのは、卑怯なことだ」


ハル。大人のずるい言葉を嫌悪する表情。


ミッツ「そもそも、最初に買い物をしたのが、間違いだったのかな」


ハル「買い物?」


ミッツ「卓球道具を、一緒に買いに行ったの。買ってくれるって言うし、お昼もご馳走してくれるからって、それに騙されたんだ」


ミッツ「ラケットが、いくつかの種類があって、裏と表の色違いや、ツルツルしていたり」


ハル「へえ」


ミッツ「それで、おじさんが「これを見て、どう思う?」とか、「どれがいいか」って聞くから、わからないって答えたの」


ハル「そうだよな。ラケットを見せられて「どう思うか」って、「ラケットだなあ」としか思えない」


ハル「「どれがいいか」って聞かれても、「ピアノを自由に弾け」っていうのに似ている。並んでいる鍵盤の、右側が高い音だってのはわかるけど、音楽は自由だから好きな鍵盤を弾けって言われても、区別ができない」


ハル「それなのに、自由には責任が伴うだなんて」


ヤッ子「ピアノの「責任が伴う自由」は、そんな無茶なものではない。楽譜や打ち合わせなどの予定があり、その通りに演奏できるのに、それとは異なった演奏を、わざとするのなら、責任をということだ」


ミッツ「そう、まさに、それ。わかってて逆らう自由なら自己責任だけど、わからないって答えたら、「ラケットを、全部同じだと思っているのか。ほら、このゴムは何だかんだ、この形は何だかんだ。区別できるだろう」って」


ハル「あはは。だから、それは見たらわかるけど、だからどんな効果があるのかって、興味が無ければ面白くない」


ミッツ「だから、初心者だからわかりません、選んでくださいって言ったの」


ハル「それ以外に、言いようは無いもんな。初心者だから」


ミッツ「そうしたら、「自分の持ち物には、責任をもって、こだわらないといけない」って」


ハル「「何々だったらいい」じゃなく、「何々じゃないと駄目」の言い方なんだ」


ミッツ「結局は、おじさんが見繕ったんだけど、その時に「これからしっかり、卓球道を教えるからな、覚悟しておけ」って」


ハル「多分、おじさんは、ミッツのことが可愛いんだよ」


ミッツ「買い物が終わって、早速、特訓だ! とか言って、1000本ノック。やめたかったけど、「もう少しだ」が、……何時間、続いたのかなあ。「嫌なことから逃げるな」「ここまでの努力を無駄にするな」とか言われて」


ミッツ「やっと終わって、おじさんの家で夕食もごちそうになって。おじさんはご機嫌で、どうすれば卓球が上手くなるか、今日の課題は、これから克服だとか、ずーっとしゃべってた」


ハル「最悪だな」


ミッツ「帰る時には、「( )おじさんの声真似で)夏休みだから特訓だ。明日も来い」だってさ」


ハル「それで、行ったのか?」


ミッツ「行かないよ」


ヤッ子「それは、おじさんには申し訳ないが、正解だろう」


ミッツ「やっぱり、そうですよね」


ヤッ子「来なかったから、どうせ子供の気紛れだろうと判断し、しつこく誘いはしなかったんだろう?」


ミッツ「はい」


ヤッ子「ここから、架空の話として聞いてくれ。「子供は、大人には従順であれ、大人には逆らうな」と教え込まれていれば、翌日も行っただろう」


ミッツ「うん」


ヤッ子「すると、大人は「( )おじさんの声真似で)そうか、君は卓球に興味があるのか、卓球が好きなのか」と喜んで、いつまでも特訓は続く」


ミッツ。うんざりした顔で「ああ……」


ヤッ子「新しいラケットを購入し、卓球用の靴や衣服を買い、卓球仲間に紹介し、尽力する。ある日、「もう卓球はやめる」と言えば、「お前のために、どれだけ尽くしたか」と責められる」


ハル「おじさんが、勝手に盛り上がったんだろう……なんて言ったら、どんな仕打ちをされるか」


ミッツ「身勝手な善意」


ヤッ子「蜜霧君にとって、その特訓の日は、厭な思い出ではあっても、心に大きな傷としては、残っていないだろう?」


ミッツ「はい」


ヤッ子「それは良かった。もしも、そのようなことを、複数の大人から受けたら、どうだろう。しかも、継続的だから、時には日程が重なったりするし、いつも「こちらを最優先にすべき」と強要されたら」


ミッツ。絶句する。


ハル。斜め下の床を見て、激怒の表情。


ヤッ子「蜜霧君の体験も含め、それぞれの事柄は、人生を変える、大きな出来事ではない。日常的に、継続的に、刑事事件にならないような嫌がらせを受け続ける」


ヤッ子「小さな事柄だから、誰に相談しても、「そんな小さなこと、忘れなさい。覚えているなんて、陰湿だ」と否定される」


ヤッ子「確かに害を受けているから、被害妄想ではない。しかし、相手の親切心を思い遣らないからと、被害妄想だと否定される。「陰湿だ」と、性格の悪さを指摘される」


ヤッ子「精神的虐待の後遺症であっても、性格が悪いと思われたら、多様性を認め合うダイバーシティの対象外にされるんだ」


ミッツ「多様性を大切にすることから、対象外だなんて、矛盾しています」


ヤッ子「理想の理屈とは別に、現実では、「認識される」「認知される」「市民権を得る」が必要だ」


ヤッ子「「他人から嫌われるという病気です」と言ったところで、信じる者は皆無だろう。残念ながら、怒って説教している者が、「お前がが勝手に、嫌われていると感じているだけだ、被害妄想だ」と言う」


ハル「矛盾していませんか? 静かに教えるのではなく、怒って説教は、嫌っているんでしょう?」


ヤッ子「そう、矛盾している。わかりやすい表現として「病気」と言ったのだが、他人から嫌われる「病気」は存在しないと思っているからだ。だから「お前が自分を改善すべきだ」と言うが、それができないことも信じない」


ハル「それも矛盾しています。存在しない「病気」を自己治療しろってのは。それに、どうすれば「病気」が治るか、わからないから、現状のままなのに。「病気だとわかっている」と「病気を治療できる」は違います」


ヤッ子「ここでまた、主旨から逸脱し、勝手な定義付けが行われる。「怒って説教」と「嫌っている」は、同じではないと。すると、定義の押し付け合いが始まり、本題の解決を邪魔する」


ハル「そりゃ……、確かにイコールではありませんが、主旨は同じなのに。説教する人は、偽の( )ニセの)プライドがあるから、矛盾を指摘されるのを回避したいのかな」


ヤッ子「「精神的虐待の後遺症」と、結び付けない。「精神的虐待の後遺症」に対しては同情しても、「他人から嫌われる」は、本人の努力不足で、要するに、本人が悪いと判断される」


ミッツ「すると、どうなるんですか?」


ヤッ子「本人が、どんなに説明しても、相手は「君の話を、随分と長い時間、聞いていたが、総合的に判断すると、やはり、君が悪い」「最初に思った通り、君が悪い」と結論付けられる」


ヤッ子「どんなに理論武装して、どんなに正しいことを言っても、「結論が先にありき」、つまり、答えが決まっている者との話し合いは、嫌われ者にとっては、不遇な状態を解決する見込みにならない」


ヤッ子「嫌われ者を排除しても、世間的に許されるから、嫌われ者が申告した苦情すらも「性格が悪い」の理由にされるんだ」


ヤッ子「音楽理論でも、納得できないことを強要され、従わないことで非難され、従うことで作品の良さが失われて、別な人から非難され、「アドバイスに従った」と言えば非難が強くなる」


ミッツ「音楽の世界って、そんなに虐めがあるんですか?」


ヤッ子「音楽の世界というより、虐めの構図は日常的にあり、それは音楽理論を用いた虐めの構図もある、ということだ」


ミッツ「じゃあ、音楽をしない方がいいのかな」


ヤッ子「どうすればいいのか、残念ながら、私は迂闊に何かを言うことはできない。万能薬を持ってはいないのでな」


ヤッ子「私ができるのは、文化の違い、それぞれの人が、それぞれの考えを持つに至った理由は、生い立ちにあるのだろう、そう推測するだけだ」


ミッツ「音楽の先生も言っていました、あ、仰っていました、曲の感想が人それぞれなのは、聞いた人の持っている情報に左右されて、情報には、人それぞれの生い立ちも含まれるって」



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