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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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05_B__04_09  第5話 Bパート 分割 4 / 9

第5話 Bパート 分割 4 / 9


【注意事項:楽典以外の余談に、児童には不適切な生々しい描写や、心的負担の箇所があります】


【 第5話 概要 】

サブタイトル:ゲオルギア。

OP曲前:ステラが引っ越して来た日。平日で、母親と買い物、学校の近くを通る。メルヘンの服装のステラに、グランドにいたショージが一目惚れ。

Aパート:楽語はイタリア語が多い、ローマ字読み、イタリアの首都がローマ。ローマ数字は音階、和音、大文字小文字は長短。メトロノームとベートーベン。速い6/8拍子。モーツァルトの『鏡』。俳句は4拍子。

CM明け:音楽の先生が自動車免許の更新。今朝の星占いは最悪。ここにいるのは、ほとんどが同じ星座。この場所は、最悪の星座の人の集まりで、びくびく。

Bパート:トロンボーンの楽譜が2声、音符の下に休符。「♯」「#」の違い、紛らわしいカタカナ。ドイツ語の音名「H」の由来。音楽理論を用いた非難は、いじめの構図と似ている。デタラメの効用。新手法の否定。憲法の自由。

Cパート:クラシックギターでは、3声を1段に書いている。

予告:ヤッ子の姉には夢があり、ステラは海老逃げし、ハルはみんなから「好きー!」って抱き着かれる。宇宙人には、どう説明すればいいんだ?


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

ヤッ子「ひどい風邪で苦しんでいる者に、「栄養が必要だから、買い物に行き、自炊しろ」と言うのと同じだ。買い物する店は遠くにあるのに、「それをするのは、自分自身で」とは、言うだけただの凶器だろう」


ヤッ子「蜜霧君( )ミッツ)は、料理ができないだろう。そんな君がひどい風邪で苦しんでいる時に、「栄養のために、自炊しろ。自炊しないお前が悪い」とは、不可能の強要だろう」


ミッツ「常日頃からの自炊でも、料理が下手だから、結局は、いつも同じメニューになり、余計に栄養が偏りそう」


ヤッ子「精神的に余裕のある者が、潤沢な時間を使って得たアイディアを基準として、渦中でもがき苦しんでいる者を責めてはいけない。後知恵が凶器になる」


ヤッ子。姉の美音が、大人に何かを懇願している姿を想像する。


ハル「テレビで、ハプニング映像が放送される時がありますね」


ヤッ子「あるな」


ハル「すると、まさかと思う理由でハプニングが起こります。でも、別番組で同じ動画を見たり、類似のハプニング動画を見ると、何に気を付けるべきかが、ハプニングの前に気付けます」


ヤッ子「その通りだ。子供の頃に様々な失敗をすると、類似の状態で、何に気を付けるべきかの予測ができ、ハプニングの防止に役立てる」


ミッツ「ハプニング動画を見るのは、失敗の疑似体験になりますね」


ヤッ子「ハプニング動画を見た後なら、気付けることがある。子供が何かを失敗して、「それぐらい、気付け。気付かないお前は迷惑だ、何もするな」と叱責すると、子供は精神的に委縮する」


ミッツ「そもそも、ハプニングは、予測していないから起こるんでしょ。大人の方がハプニングを予測できるんだから、注意喚起しない大人の方が、責任は重いはず」


ハル「あとは、ことわざの「岡目八目( )傍目八目、おかめはちもく)」のようなことが、ありますね」


ミッツ「おかめ、はちもく?」


ヤッ子「囲碁や将棋で、対戦している本人は、気にしている箇所ばかりに集中しているから、良い方法を思い付きにくいことがある。おかめ、つまり、近くで見ていると、盤面の全体を見渡せて、良い方法を思い付くことがある」


ハル。ヤッ子に向かって。「ハプニング映像でありましたが、ハエを追っていた人が、ハエタタキを使って、バシッて叩いたら、大型テレビが壊れたんです」ヤッ子に向かっているので、丁寧な口調。


ミッツ「えっ? テレビにとまったハエを叩いたら、気付くでしょう」


ハル。ミッツに向かって。「俺もそう思うが、ハエを追っている当人なら、気付かなかったんだろうな」ミッツに向かっているので、平易な口調。


ヤッ子「無論、そんなことが珍しいから、ハプニング映像として使われるんだろう。そして、ハプニング映像の番組を見ている視聴者は、ハエを追っていない、だから、テレビをハエタタキで叩いたら、いけないことに気付く」


ミッツ「なるほど。ハエに集中している当人と、落ち着いて番組を見ている視聴者の違いか」


ヤッ子「落ち着いて番組を見ているこっちから、注意喚起できないのは、もどかしいな」


ハル「とても珍しい大雪で、自宅の駐車場の屋根が壊れるニュースを見たんです」背景に、カーポートを表示する。大雪で壊れる。


ハル「そのニュースを見た後や、大雪に慣れている地域の人なら、屋根が壊れない対処を、事前に思い付いて、「こうしたら、壊れないで済んだのに」と言うでしょう」


ハル「でも、大雪が珍しい地域の人にとっては、屋根が壊れるのを避ける方法を、事前に思い付くのは、難しいと思います」


ミッツ「実験の前と後で、当たり前と思うかが、変わるってことだね」


ヤッ子「キャンプや山菜採りなどは、前提知識が無ければ、とんでもなく不便なことになる。だから、最初は先輩に教わりながらだな」


ハル「事前に、先輩から教わったり、調べたりして、それでも、実行すると、事前には思い付かなかった不備が見付かるでしょうね」


ミッツ「だから、ハルは実験を大切にするんだよね」


ハル「最低限の必要なもの、例えば、靴とかは、事前に思い付く。でも、何度も山に行くうちに、少しずつ、装備や心構え、それから、ハプニング対策も、経験でわかって来る」


ミッツ。ヤッ子に向かって。「誰からもサポートされずに、いきなり「やれ」と命令されたら、ひどいことになりますよね」


ミッツ「アドバイスは「普段の慣れた服装で」だから、サンダルだったら、靴擦れで血が出るだけでは済まない。すると、「慣れた服装の、意味が違う」「サンダルは非常識」とか責められて、もう、やる気が無くなる」


ヤッ子「何らかのイベント、部活動、目標に向かっている場で、積極的ではない者に対しては「やる気が無いなら去れ」と言うことがある」


ヤッ子「誰もが幸せを目標とする世間で、精神的に委縮している者に対しては、「やる気が無いなら去れ」と、明確に口には出さずとも、暗に態度に現れる。「暗に」だから、周囲は「被害妄想だ」と言う」


ヤッ子「後知恵より、ひどい叱責もある」


ヤッ子「後出しじゃんけんをされて、生きるのが苦しいのに、「相手がグーを出すのだから、パーを出すのが正解だ」というアドバイスは、正しいと思うか?」


ハル「いいえ。そんな無茶なアドバイスは、おかしいです」


ヤッ子「では、蜜霧君。第1話で、新聞紙を10回、折り畳むことはできないと聞いて、驚いたな」


ミッツ「そうです。あの時は、普通にできると思っていました」


ヤッ子「もしも蜜霧君が、それをまだ知らない時に、アドバイスとして、早坂君に「新聞紙を10回、折り畳みなさい」と言ったら?」


ミッツ「あ……」


ヤッ子「それを聞いた早坂君は、不可能をアドバイスされたと思うだろう」


ハル「はい。逆恨みではなく、何て言えばいいのか、言葉が見付かりませんが、溜息が出ます」


ミッツ「ハルは、不可能だと知っている。でも、あたしは、「やってみなくちゃ、わからないだろう」と言って、やらないハルを、怠けていると判断する」


ヤッ子「そうだ。アドバイスを言う側は、自分が無茶を言っている自覚は無く、「もっと頑張れ」の正しいことを言っている」


ヤッ子「何をどんなに頑張っても、粗探しで不完全な箇所を見付けられ、それを理由に頑張りが無駄になる」


ミッツ「漫画で、スポーツの部活のものでは、試合に負けた悔しさの中で、登場人物は、こんなことを思う。「どうして、練習の期間に、もっと頑張らなかったのか、もっと頑張れたはずだ」って」


ハル「そりゃそうだ。頑張れるのに、頑張らなかったんだから、試合に負けたんだろう」


ミッツ「そうなんだけど、練習を怠けてはいないよ。もう、これで限界だっていうくらいに頑張ったの」


ハル「だったら、何も後悔することは無い」


ミッツ「あたしが言いたいのは、実際に苦しさを経験した過去の自分にさえも、もっと頑張れたはずだって軽視すること。それだったら、経験したことも無い種類の、他人の苦しみには、もっと軽々しく「頑張れ」って言うんじゃないかな」


ハル「もしかすると、「正常性バイアス」の一種なのかも。台風などの天候被害の危険があるって、テレビで言っていても、家の中からガラス窓を閉めた状態で外を見ると、自分は風を受けていない安全な状態」


ハル「自分が家の中で無風だから、軽く考えてしまう。それに似ているのかな」


ヤッ子「夏と冬を繰り返す経験があれば、猛暑の夏には「冬の方が楽だ、なぜなら」と思い、極寒の冬には「夏の方が楽だ、なぜなら」と思う」


ハル「失礼な意味ではないけれど、夏と冬を繰り返した回数が少ないので、よくわかりません」


ミッツ「最初の何年かは、親が環境を整えてくれていたから、夏も冬も、それなりに快適だったよね。辛かった記憶も少ないし」


ヤッ子「落ち込んでいる者に、「完璧な人間は存在しない。完璧を目指さなくても良い」と言うことがある。しかし、完璧でなければ、玉に瑕の、ほんの僅かな瑕疵を責められる。プロではない、子供の日常生活の中で」


ヤッ子「拒絶をしないのは容認と同じだってのは、元気な者にだけ通用する。非難され続けて、精神的に疲弊している者は、何もかも無駄だから、アドバイスを断る気力も無い。アドバイスを断ったその場で非難されたことを思い出す」


ヤッ子「音楽理論を教わる側は、相手に嫌われたら終わりだ。よくわからない音楽理論の推奨を断ると嫌われるから、断れない。しかし、よくわからない音楽理論に従った作品も批難される。嫌われることを怖れ、臆病になる」


ヤッ子「だから、自分の精神状況を早坂君に教えても、どうせ無駄だ、逆に、余計に否定されるだけだと諦める」


ハル「そんなことはありません。僕は、大丈夫です」


ヤッ子。しばらく黙ってから。「既に、早坂君のような言葉を信じて、駄目だった経験があれば、どうせ嘘を信じたのが悪いと言われるだろう。詐欺師の「大丈夫だから信じろ」の言葉を信じたお前が悪いとな」


ヤッ子「今度こそは、今度こそはと期待して、ほぼ100%の確率で駄目だった。やがて「どうせ駄目に決まっている」という態度が、周囲の人の不興を買う」


ヤッ子「想像してみろ。どうせ駄目だと思いながら、生き続ける人生。そんな人が目の前にいる状況。虐めを受けた当人のせいで、周囲の人が厭な気分になる。周囲の人は、改善を求めるだろう」


ミッツ「もう、うんざりした気持ちが態度に出そう。ねえ、ハル。もしハルがアドバイスして、うんざりした態度を返されたら、どう思う?」


ハル「そりゃ……。いい気分ではないな」


ヤッ子「虐めを受けている当人だって、虐められない人生を願っている。決して、今のまま虐められることを望んではいない、しかし、受けたアドバイスは、歩けないのに階段を使えという不可能なことや、からかいの嘘のアドバイスばかり」


ミッツ「役に立たないどころか、害になるアドバイスばかりなら、うんざりする。アドバイスしたのにうんざりした態度を返されたら、勧善懲悪の気持ちで、アドバイスを強要する。それは攻撃にならないかな」


ハル「勧善懲悪で、「お前のために、言っているんだ」って」


ヤッ子「勧善懲悪をするのは気持ちいい。しかも、感動した名言を言うのも気持ちいい。名言は、万事に有効なものもあれば、状況を選ぶものもあるのだが、感動したことを言う気持ち良さのためかは知らないが、状況的に無効であっても、言いたい」


背景に注意書き表示、または、ここにいる登場人物のセリフ。「当アニメの中に、名言と思えるセリフがあっても、誰かのお説教になりそうな紹介は避けるよう、お願いします」


ハル「状況的に無効でも、言いたい気持ちで言われたら、手助けではなく、いいように利用されてる」


ヤッ子「ことわざの「損して得取れ」は、当てはまらない」


ミッツ「漫画の主人公では、無邪気で変わり者なのに、人徳が高い人もいますよね」


ミッツの思い描いている例は、『シティーハンター』『浮浪雲』『俺物語!!』など。


ハル「それは、漫画だからだろう。現実に、そんな人がいたとしても、珍しい」


ヤッ子「人徳が高いのは、昭和の「ガキ大将」のような存在だな。誰かの困りごとには、無垢に奔走する。誰かが悪いことをしていたら、やめさせる。体が丈夫であることを、他人のために使うように、教わったのだろうな」


ハル「虐められ癖があれば、「面倒なことや、いやなことは、あいつに押し付ける」ってされるから、「損して得取れ」には、なりませんね」


ミッツ「誰かがする必要があるのに、誰もやりたがらないことを、率先しても、人徳が積まれることは無い」


ヤッ子「それだけでなく、わざわざ、面倒なことを作って、押し付けることもある」


ハル「それだったら、誰も見ていないところで、ゴミを拾ったり、片付けをしたり、徳を積むことも、無駄になる。徳を積むのが目的ではなく、誰かのためにという気持ちであっても」


ミッツ「男の子は、わざわざ、駆け寄って来て、通せんぼするよね。あれって、何の生産性も無い、虐めが目的だよね。駆け寄って来て、無効なアドバイスをするのも、何の生産性も無くて、虐めを目的としているみたい」


ヤッ子「私の知る限りでは、通せんぼのような、わざわざ駆け寄って来ての攻撃を受ける被害者が、年長者に相談すると、ほぼ確実に「放っておくのが、一番だ」とアドバイスされるらしい」


ヤッ子「しかし、私の知る限りでは、放っておいて解決したことは、一例も無い。むしろ、逆効果だ」


ヤッ子「虐められている本人は、状況を変えようと頑張っても、都合の良い基準を持ち出され、否定され続けたら、心が荒んでしまうだろう。心が荒むと悪い人に見られる」


ハル「「都合の良い基準」って、例えば、どんなのですか?」


ヤッ子「政治政党が複数あるのは、複数の基準、例えば経済では「家庭」と「会社」、インフラでは「環境保全」と「災害対策」といった基準で、どちらを優先するかだ。勝手に決められないから、選挙を行う」


ヤッ子「インフラ建設を、「肯定したら環境破壊」「否定したら災害軽視」という、攻撃に使える基準を用いるのが、都合の良い基準だ」


ヤッ子「選挙を戦いに譬えることもある。スポーツは「スポーツマンシップ」というように、「互いに全力を尽くす」だが、スポーツ以外では「互いに邪魔する」もある」


ヤッ子「音楽では、第3話で、ジャズではコードの利点として、「意味はわからなくても、とりあえず演奏に参加できる」を挙げたな。しかし、コード理論の知識を競う話もしたな」


ハル「はい」


ヤッ子「私は子供の頃から、実践の作曲をして来た。そこに、理論を後追いした。鳴らしたい音符を書いていた」


ヤッ子「ところが、ある人は「ジャズの曲だから、コードネームを書かないと、楽譜としては不全だ」と言われた」


ミッツ「クラシック曲の楽譜には、コードネームは書いていませんが、ジャズでは必須なんですね」


ヤッ子「そうだ。そこで、目安としてコードネームを添えた。蜜霧君、『花のワルツ』( )『くるみ割り人形』、チャイコフスキー)では、A7というコードがあるだろう。A7の和音構成音は、何だ?」


ミッツ「「ラ、ド♯、ミ、ソ」です」


ヤッ子「そうだ。ジャズの楽譜では、「A7」と書いてあるのに、鳴らしている音は「ソ、ド♯、ミ」「ソ、ド♯、ファ」「ソ、ド♯、ファ♯」ということもある」


ミッツ「本当ですか? それなら、A7ではないでしょう」


ヤッ子「そう。蜜霧君は、クラシック音楽の基準を知っているから、違和感があるだろう。しかし、ジャズの基準では、このようなことがある」


ヤッ子「そこで、私は「ソ、ド♯、ファ♯」の箇所に「A7」と書いた。すると、「和音として鳴っている音を、きちんとコードネームに含めないと、誤りだ」と言われた」


ハル「今度は、そっちの基準ですか」


ヤッ子「私は、右手が和音を弾きながら上向きに進み、左手が和音を弾きながら下向きに進むという曲を作り、すると、簡易的なコードネームの表現が無理だ。全部をコードネームに含めると、ぱっと見て、わからない書き方になった」


ハル「はい」


ヤッ子「すると今度は、「難しいコードを使えばジャズだなんて、大間違いだ」と言われた」


ミッツ。少し声を大きく。「今度は、そっちの基準ですか!」


ヤッ子「私にとっての音楽は、人生を楽しむ彩りだ。芸術の基準は、互いに異なった評価になることもある。私の楽譜表記を否定した、それぞれの人達は、それぞれ自身の基準を用いただけだ」


ヤッ子「もしも、それぞれの人が、子供の頃の私の人生に、大きな影響を持つ人であったら、「どんな指示やアドバイスに従っても、自分の曲は否定される」と、心に刻まれたかもな」


ヤッ子「幸いなことに、それぞれの人達は、私にとっては、人生を左右するものでもなく、多くの音楽愛好家のうちの、ほんの少しの人達だ。否定されたとしても、私は単に「ああ、基準の選択を誤ったのだな」と思うだけだ」


この話は、第8話の「外反母趾の子供」と、関連した意味を持つ。


ハル「でも、いい気分には、ならないでしょう」


ヤッ子「そうだな。がっかりする。人によっては「うんざりする」と思うだろうし、人生の中で音楽を優先して、頑張っている人ならば「八方塞がり」で、大きな精神的苦痛だろう」


ハル「あらゆる事柄を完全解決するなんて、無理です。それなのに、何をやっても、都合の良い基準で、あちこちから否定されたら、それって攻撃でしょう」


ミッツ「そもそも、攻撃した人達って、責任を取らないんですか?」


ヤッ子「無理だな。譬えれば、駅前の放置自転車。みんなが自転車を放置しているから、それを禁止する看板があっても、無視する人がいる」


ヤッ子「旅行者が、予想を超えた人数なら、「オーバツーリズム」といって、困った状況になる。観光客が多いのは嬉しいがな」


ヤッ子「現地のマナーを知らずに、マナー違反する人もいれば、旅行の楽しさでマナー違反をする人もいる。旅行する前に、現地のマナーを勉強するにも、限界はあるからな」


ヤッ子「自転車の放置と共に、人数が多いと、一斉に禁止にしたいが、迷惑集団の中からは、都合の良い理屈が出ることもある」


ヤッ子「マナー違反の集団を取り締まることが難しいのだから、勧善懲悪の気持ちで虐めをするものを取り締まることは、もっと難しい」


ヤッ子「勧善懲悪の気持ちだから、責任を問うと「責任? 誰が誰に責任? 何を責任?」となる」


ミッツ「開き直りですね。あっ、違うか。悪いと自覚していたら開き直りですが」


ヤッ子「そう、開き直りではなく、勧善懲悪は良いことだから、責任を問われるはずがないんだ」


ヤッ子「勧善懲悪の対象の悪人は、反撃をしなくても悪い行動と判断される。攻撃されないように逃げても、攻撃を防御しても、悪人だけが非難されて、そもそも攻撃をした周囲を非難することは無い」


ヤッ子「そもそも、悪人らしく見えるからと、平穏に過ごしている者を攻撃するのは、善良ではないだろう」


ハル「その人が悪人だと勘違いされていても、話せばわかるんじゃないですか?」


ヤッ子「最初から、その人が悪人だと決めていれば、何を言っても悪い意味に解釈する準備をしているから、「こいつはやっぱり悪人だ」の証拠が増える」


ヤッ子「政治や、仲の悪い夫婦で、話し合いができないのは、わざと悪い意味に解釈する準備をしているからだろう」


ミッツ「「話せばわかる」「問答無用」より、悪い状態ですね」


背景に、五・十五事件の、犬養毅の暗殺の場面。歴史が主題ではないので、「五・十五事件」の文字と、セリフを吹き出しで表示のみ。これがあれば、調べたい視聴者への、調べる糸口になる。


ヤッ子「嫌われ者は、自分を攻撃するために結託した集団の中にいる。小さなゲームでも敵の集団の奸策で負かされる。誰もずるいと言う者はいない。しかし、嫌われ者がフェアに勝ったら、ずるいと言われる」


ハル「そんな特殊なことは、珍しいでしょう。集団心理ですか?」


ヤッ子「決して、稀なことではない。第1話で話しただろう。クラシック曲の中には、音楽理論に反したような箇所は多くても、努めて正しいの理屈を探す。目の前の凡人なら、努めて悪い解釈をする」


ハル「そうか。評価の目的は、事前に決まっているんだ。音楽理論の扱いと、虐めの構図ですね」


ヤッ子「周囲から邪魔され、攻撃されて来たから、工夫して防御をするのも無駄だ」


ハル「防御が上手になるのが無駄なんですか? 防御するだけで、反撃しないと意思表示しても」


ヤッ子「無駄なんだ。なぜなら、周囲の目的は、そいつが駄目になることだ。駄目にならないと、余計に攻撃がひどくなる」


ヤッ子「攻撃をする者に対して、反論できない正論を言うのも無駄だ。「ああ言えば、こう言う。自分が悪いことを反省しない」と、攻撃の理由が増える」


ハル「正しいことを言っても、悪人の理由が増えるんですか!?」


ヤッ子「ことわざに「屏風と商人は、曲がらなければ立たない」とあるように、現在もルール違反が黙認されることがある。しかし、正論を言って誰も困らない、面倒は増えない、悪いことは何も無いのに、正論を言うだけで、攻撃の理由になる」


ハル「信じられない」


ヤッ子「軍人( )兵士)ならば、世界の約束の白旗に従うだろう。攻撃は終わりだ。防御するだけで、反撃しないと意思表示しても、攻撃を続けるのは、軍人ではない、攻撃そのものを目的とする[ピー]だからだ」


この「白旗は世界の約束」は、「白旗の少女」に由来する。


ミッツ「性格が、「おとなしい」「おどおどしている」「暗い」を理由に、わざわざ駆け寄って来ての通せんぼや、攻撃そのものを目的とするのなら、周囲の誰かが助けてくれると思います。それが友達だと思いますけど……」


ミッツ。ちらりとヤッ子を見る。この先の言葉を続けても良いのか、思案している様子。


ヤッ子「確かに、そのような物語は、綺麗ごとの青春もので、飽きる程に存在する」ミッツを見て、「肯定している」の表情。口角を、少しだけ上げている。


ミッツ「その人が、消極的な性格になった理由の、もうひとつ、嘘情報で悪人に育てられたら、助けてくれる人はいないかも。助けてくれた友達も、悪人と一緒に遊ぶのが面白くない。そのうち、「誰からも相手にされない」となります」


ヤッ子「仲間外れにされるのは苦しいだろう。いたずらの対象にされることはあっても、結託していたずらする側( )がわ)に入れられることは無い。自分だけ知らない話題で周囲が盛り上がる。自分にだけ情報が来ない。自分にだけ何かが届かない」


ミッツ「仲間外れって、絶対に許せない。ひどい精神的攻撃」


ヤッ子「なぜ、自分にだけ、情報が来ないのか。周囲の人は「たまたまだ」と言うが、たまたまだからと、誰も謝罪しない。苦情を言う方がおかしい、被害妄想だと。精神的に、ひどく鬱になっているのにだ」


ヤッ子「周囲から好かれている人、少なくとも嫌われてはいない人ならば、情報は念のためにと、あちこちから届くだろう」


ヤッ子「しかし、嫌われ者は、「誰かが情報を渡していると思っていた」と、意地悪ではない、意地悪と思われるのは不本意だ、逆恨みだとなる」


ヤッ子「君たちは、部活動をしていないが、部活動の先生や、クラスの担任からの発表で、「既にみんな、知っていることだが」の前置きで、何かの情報発表を始めたら、どう思う?」


ハル「まあ、寂しいですね」


ミッツ「あたしは、許せません!」


ヤッ子「しかも、先生が、既にみんなが知っていることを前提とした話し方、その情報を知らなければ理解できないような話し方、主語を省いて、何の話をしているのか、わからない話し方だったらどうだ?」


ハル「それは、困ります。手を上げて、何の話かを聞きます」


ミッツ「あたしは、泣いちゃうかも」


ヤッ子「泣く程に辛いのに、被害妄想だと言われるんだ」


ミッツ「どうして、そんなことに?」


ヤッ子「様々な原因があるが、そのうちのひとつは、明確な虐めではなく、からかいだ。年少者など、自分より劣っている者をからかうのは楽しい。からかわれた本人も楽しんでいる。教えた嘘を信じる無邪気さをからかう」


ハル「からかいって、普通にありますよね。子供って、からかわれて育ちますよ」


ヤッ子「からかいだらけで、嘘情報だけを与えていたらどうだ? 教わる者は子供だから、教えてくれた事柄は正しいと信じるようにできている。特に、最初に教わった事柄が正しくて、後で教わった事柄は誤りだと思うのも、よくあることだ」


ここで、背景に、戦時中の数人の子供の絵を表示する方法もある。子供は、防空頭巾をかぶり、竹槍を持っていて、風景内には「鬼畜米英」の貼り紙がある。「教わったことは、正しいと信じるようにできている」には、このようなことも含まれる。



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