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ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


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01_A__02_03  第1話 Aパート 分割 2 / 3

第1話 Aパート 分割 2 / 3


【 第1話 概要 】

サブタイトル:僕は余談が好きなんだ。/余談から始めてみないか。/(この中から1つだけ採用する)

OP曲前:初回なので、幾何学的なデザインから、混沌とした騒音。すっとOP曲に繋がる。

Aパート。初回なので、謎解きは少なめ、主に定義の議論。ハルが学校備品のクラシックギターで、ハワイアンギターっぽく遊ぶ。弦の中央で音色が変わるのはピタゴラスの倍音。2倍の2倍の……は同名。楽典は2次元、コードなど便利な道具を先にが面倒。

CM明け:転入したステラの、吹奏楽部の初日。トロンボーンの朝顔と、サックスのウツボカズラ。

Bパート:初回なので、謎解きは少なめ、主に音楽理論の利用方法。ハルに、倍音から音階の説明。ステラはトロンボーン担当、先輩から教わる、演奏のスライドのポジションはギターと同じ。謎解き気分の楽典を勧める。ステラはトロンボーン先輩に片想い。

Cパート:倍音を基準にした「純正律」と、ピアノの「12平均律」。トランペットはギターの倍音と同じ、ピストンで迂回は、ギターの1フレット。登場人物の簡単な紹介。

予告:玉がなぜだか傾いて、カレンダーは2か月間も足りなくて、ステラは自宅じゃこんなことをしてるんだ。ブイブイ鳴らすぜー。


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

ヤッ子の背景に、出身地が様々な、複数の男の思い出。もう、過去の男で、惚れっぽいヤッ子が片想いしただけなので、顔も服装もうろ覚え。それぞれ、「蚊に刺される」「蚊に食われる」「蚊に咬まれる」など、様々な言い方。


ミッツ「言い方の違いを指して、「蚊には歯が無いから、咬むことはできない。言うことがデタラメ」と非難することじゃないんですね」


ヤッ子「例えば、アメリカの寿司は、日本では見たことも無い形のものも、あるらしい。それを「寿司」と呼ぶか、誰かが定義するんだろうな」


ハル「日本の寿司と区別するために「アメリカ寿司」って呼ばれたりして」


ミッツ「そんなに名前が増えるから、覚えるのも大変なんだよ」


ヤッ子「学校の授業時間も限られているからな」


ミッツ「ちょっと名前が違うだけで、「それ違う」なんて言われるし」


ハル「「アメリカ寿司」と似てるけど、「広島風お好み焼き」なんて言うと、不機嫌になるらしいですね」


ヤッ子「広島かあー」少し静かになる。「広島県の男は……いいなあ」


ミッツ。心の声。「( )ヤッ子先生って、どんな恋愛遍歴をして来たんだろう)」


ハル「寿司とは逆に、日本の菓子パンに違和感がある人もいるらしいですね」


ミッツ「そうだね。音楽に限らず、食べ物や風習も、地元ならではってありますね」


ハル「そもそも、「あんなもの、食べ物じゃない」ってことは、文化によって大きく異なりますよね」


ヤッ子「それを、昔の人は「口に合わない」とか、ご馳走する側は「お口に合えば良いのですが」って言ったな。互いに、相手の文化を尊重する言い回しだ」


ヤッ子「正しさを決められないことも、あるってことだ」


ハル「ミッツ。栗と、トマトと、イチゴと、リンゴ。それぞれ、果物か野菜か、どっちか知ってるか?」


ミッツ「それは知ってる。木に生るのが( )なるのが。実るのが)果物で、草に実るのが野菜。クイズ番組で出題されそうだけど、知っていることを自慢する以外に、実益も無いし、実害も無い」


ハル「やっぱり。「ただ分類しただけ」としか、思っていないんだ」


ハル。ヤッ子に向かって。「ヤッ子先生は、関税のことを、知ってますよね」


ミッツ「関税? 何かの税金?」


ヤッ子「関税とは、ゆーしゅーつーにゅうに掛かる税金だ」背景に「輸出入」の、漢字とフリガナを表示する。


ミッツ。面白がる。「ゆーちゅーちゅー」


ハル「ミッツの方が、間違ってる。「輸出入、輸出入、輸出入!」だろ」


ハル「税金が違うから、どっちに分類するのかで、裁判もあったらしい。でも、そもそも、そんな分類をしなければ、「ただ、分類しただけ」なんてことにも、ならなかっただろうに」


ヤッ子「さすが、余談が好きな、早坂君だな。一般に、知識の取得は「広く、浅く」と「狭く、深く」のどちらかと言われる。広い範囲で手の平で押すのと、狭い範囲の指先で押すことの比較だ」


ヤッ子「早坂君は、指先よりも、もっと狭い範囲として、竹串を、あちこちに刺している。その、穴と穴の間は、「未確認であることを認識した推測」だから、勉強も上手くいくだろう」


ハルとミッツ。褒められているのか、どうか、ちょっとわからず、茫然とする。


ハル「ヤッ子先生。ギターで、不思議なんですが」


ヤッ子「どうした」


ハル「ギターのここの区切りの位置に、電池があると、音色( )ねいろ)が違うんです。ホラ」鳴らしてみる。指盤は、ボディとネックに亘ってあるが、ボディとネックの境目で、音色が変わる。


ハル「ギターの本体から外れた範囲と、本体の範囲で、何か違いがあるんですか?」ギターの「ボディ( )本体)」「ネック」の部分が色変わりし、指し棒で名称を表示する。


ヤッ子「それは、ギターの構造ではなく、弦の長さの由来する。その場所は、弦の長さの、ちょうど半分の位置だ」


ハル「半分の位置ですか。目の錯覚があるのか、よくわかりませんが、モノサシを使えば、ちょうど半分なんですね」


ヤッ子「2分の1の場所で、音色が変わるのは、倍音だな」背景に「倍音」と表示。


ミッツ「あ、知ってる、倍音!」


ハル「「バイオン!」って、アニメのタイトルか?」背景の「倍音」に、「ばいおん」を添える。


ヤッ子「早坂君の興味に寄り添うと、ピタゴラスが発見した、うーん、音の幾何学かな?」


ハル「音楽が幾何学?」


ヤッ子「そう。音の高さは、振動の速さで決まる。2つの音が同時に鳴った時、振動数の比が近ければ響きが良い、遠ければ響きが悪い」


ハル「振動数が近いと響きが良いって、調律が少しずれていると、響きがいいんですか?」


ヤッ子「振動数ではなく、振動数の比だ。「比が近い」というより、「比が簡単」と言う方が適しているか。振動数の最小公倍数が小さいと響きが良い、大きいと響きが悪い」


ヤッ子「弦がこう振動する」左手を上下する。


ハル「ふむふむ」


ヤッ子「もう1本の弦が、こう振動する」右手も上下する。


ヤッ子「すると、同時に振動が始まり、次に同時に戻って来るのが、いつか」


ヤッ子の手の動きに従い、2本の波線が並ぶように出現して比較される。両手の位置とそれぞれの手の動く向きは、オシロスコープの波の比較のようにするなど、見やすい向きにする。


波線は、太い方が望ましい。細いと、学術的な硬さに感じる。太い方が、説明を受ける側としては、優しく感じる。


ヤッ子の手が上下する動きに、揺れる弦の中央位置が重なる。手と一緒に揺れる弦の中央位置に、点が出現する。弦と手が消えて上下する点だけになる。点の動きを記録するように左に流れ、オシロスコープの波形になる。


波の比較で、「2:3」の2つの波( )色違いにして重ねる)のセットと、「15:16」の2つの波( )色違いにして重ねる)のセットで、2セットを並べる。


2つの波が同時に戻る頻度が多いセットに「響きが良い」、頻度が少ないセットに「響きが悪い」と示す。


オシロスコープの、2つの波を並べ、同時に戻って来た箇所に印を付け、文字で「同時に戻って来た」を表示。このセットを2つ表示し、「同時に戻る頻度が多い」「同時に戻る頻度が少ない」を表示する。


ヤッ子「振動数が2対3なら良い響き、15対16なら響きが悪い。その振動数の比を、簡単に出したのが、早坂君、君のアイディアなのだよ」


ハル「僕のアイディアですか」


ヤッ子「ハワイアンギターでは、普通は、その乾電池の左側は、振動しないようにと、指で押さえるものだ」


演奏者の臍の位置から、ギターの左手を映す角度。左手を移動させ、持っているスライドバーの右側の弦の長さが変わりながら「この範囲が振動する」と指す。


スライドバーの左側は、「この範囲は振動しないように、指で触っている」と指す。


ヤッ子「早坂君は、電池の左側を押さえていなかったから、弦の全体、電池の右側も左側も、両方が振動したんだ」


ヤッ子。黒板の左下に図を書く。1倍音の弦を表す、縦に一本の線。弦の振動を表現するための、マルカッコのような実線と点線。


ヤッ子「普通に弾いたら、弦はこのように振動するが、君が乾電池で、弦の中央を触ると、このように振動する。普通のギターの演奏なら、乾電池ではなく、指で触る演奏を「ハーモニクス」と呼ぶ」


ヤッ子「ギターの演奏は、普通は「弦を押さえる」という方法だが、ここでは弦を押さえず、軽く触るだけだ」


ヤッ子。黒板に、1倍音の右隣に、2倍音の弦の振動が8の字になる表現を、実線と点線で。


ヤッ子「3分の1の場所ならこう、4分の1ならこう」黒板の、更に右隣に図を追加。指で触ることが分かるように、手のイラストも添える。


ハル。黒板の図のように、ギターを机上に置いたまま、指で弦を触って鳴らしてみる。カメラアングルは、黒板の図と同じ、弦が上下方向の縦線。画面上部に糸巻き( )ペグ)。


画面左側が黒板、画面右側がハルの演奏。


ギターの弦の振動が、大袈裟に表現され、8の字に見える。


ヤッ子「こうして、弦の触る場所を、2分の1、3分の1と変えることで、弦の振動するスピードが変わる。スピードが、2倍、3倍と早くなる。これが倍音で、これを発見したのが、ピタゴラスだ」


ヤッ子。指をパチンと鳴らす。先生ちゃんの画面に変わる。


▽ 場面変更 ● ── ●


先生ちゃん。ピタゴラス。


説明用の別世界。背景は無地。先生ちゃんは、今後も2頭身、または、顔だけ。


初めての先生ちゃんなので、場面変更は、視聴者に優しい表現にする。


先生「私はピタゴラスだ。音楽のアニメだが、倍音の説明は、この私がしよう。楽譜が読めるのかって? 心配するな」


画面上部に、左から右に向かって「ド、レ、ミ、……」をカタカナで3オクターブ並べる。ドが4つ。


先生「この弦は、ドが鳴るように、私が調律した」バイオリンの弓のような形の弦を、ビヨンビヨン鳴らす。「ホラ、これがドだ」


先生「まず、普通に弦を弾いたら、最も低い「ド」が鳴る」


振動する形を、少し大袈裟に浮かび上がるように表示。振動の音はすぐに止まるが、振動の形は、マルカッコのような実線と点線で残ったままにする。


先生「これが1倍音だが、これを基準とするから「基音」と呼ぼう」背景に「基音」と、フリガナの「きおん」。


先生「「ド」に合わせたから、これを「ド」の場所に置こう」弦を、黒板の左端の「ド」の下に、磁石のようにくっ付ける。文字の「基音」も黒板に表示する。


先生「同じ弦を用意した。鳴らすと、さっきと同じ「ド」に調律されているだろう」ビヨンビヨン鳴らす。


先生「弦の2分の1の場所を、指でそっと触って弾くと、このように8の字に弦が振動する」実線と点線の8の字の形を、大袈裟に表示。振動の音はすぐに止まるが、振動の形は残ったまま。


先生「振動は2倍速いから2倍音だな。2倍音は、ここだ」弦を、黒板の左から2番目の「ド」の下にくっ付ける。文字の「2倍音」も黒板に表示する。


先生「また、同じ弦を用意した。4分の1の場所を触ると、2倍の2倍で4倍音だ」弦を、黒板の左から3番目の「ド」の下にくっ付ける。文字の「4倍音」も黒板に表示する。


先生「また、同じ弦を用意した。8分の1の場所を触ると、2倍の2倍の2倍で8倍音だ」弦を、黒板の右端の「ド」の下にくっ付ける。文字の「8倍音」も黒板に表示する。


先生「どうだ、「2倍の2倍の」とすると、どれも「ド」だろう。同じ名前の音は、全部こんな関係なんだ」


先生「2倍と4倍の中間の、3倍なら「ソ」が鳴る。3倍の2倍は、同じ名前の「ソ」だ」新しい弦を出して、それぞれ、3倍音、6倍音のソの下にくっ付ける。


先生「5倍なら「ミ」、7倍なら「シ♭」だ」同様にする。


先生「これは、「ド」に調律した弦の場合だ。「レ」や「ミ」に調律したら、別な音になるが、原理は同じだ」


先生「これが、音階の基礎のひとつにも役立ったんだ」


先生「どうだ、楽譜を使わずに、ちゃんと説明できたぞ」


先生「自宅の工作で、倍音を出して遊ぶこともできるぞ」


丈夫な糸、できればタコ糸。厚紙。しっかり座れる椅子。


厚紙は、クッキーなど、お菓子の箱を開いて、円柱状に丸める。これは、糸の両端のために、2つ用意する。


糸を、自分の身長と同じくらいの長さに切る。糸の両端を、円柱状に丸めた厚紙に結ぶ。糸の両端を厚紙に結んだので、長さは椅子に座った高さと同じくらいになる。


糸は、決して、自分の指などに巻かないこと。もしも、糸を指に巻くと、急にくしゃみが出たら、大怪我をしたり、指が切断されるなど、笑えない事故になる。


椅子にしっかり座る。糸の端を結んだ厚紙を、両足で踏み、糸は両足の間を通す。足で糸を触らない。両足で厚紙を踏むから、しっかりと椅子に座るのが大切。


糸の反対側の端を結んだ厚紙を、高く掲げて、糸をピンと張る。ここでも、手で糸を触らないのが大切。


糸の長さを変えるのは、厚紙に糸を巻く回数を変えて行う。決して、糸を指に巻かないこと。


糸を弦のように弾く( )はじく)と、ビヨンビヨン鳴る。糸の張り具合で、音の高さが変わる。


厚紙を持った手を、頬に当てると、聞こえやすい。この時、厚紙が顔に刺さらない角度にしよう。急にくしゃみが出たら、頬だけでなく、目や耳を傷付けることもある。


糸を弾く手の親指で、糸の長さの中央を、そっと触る。別な指で糸を弾く。この時、親指も一緒に動くけど、できれば親指の動きを小さくする。


親指が、上手に糸の長さの半分の位置なら、倍音( )ハーモニクス)が鳴る。


親指が、上から3分の1か、下から3分の1でも、倍音( )ハーモニクス)が鳴る。


音が聞こえにくいなら、厚紙を持った手の指を、耳の穴に入れる。音がとても大きく聞こえることがあるから、糸を弾く力は弱くしよう。


▽ 場面変更 ● ── ●


先生ちゃんの説明が終わり、さっきの続き。


黒板には、ピタゴラスが書いた、階名「ド、レ、ミ、……」が残っている。


ハル「同じ名前が、2倍の2倍のっていう関係だったら、えっと、例えばこれの2倍は……」ピアノの低い範囲の、何かの黒鍵を弾く。「……これで、その2倍はこれで」1オクターブずつ、上がって行く。


ヤッ子「その通りだ」


ハル「だったら、これの2倍はこれ、その2倍はこれ……」


ミッツ「ピアノって、白鍵と黒鍵の並び方が、同じパターンの繰り返しだもんね」


ハル「褒めない言い方だな」


ヤッ子「すぐに理解できるとは、大したものだ。リコーダーだって、1オクターブ上は、似た指遣いだろう」背景にリコーダーの絵。


ハル「「オクターブ」って?」


ミッツ「同じ名前、さっきの「2倍の、2倍の」の関係だよ。1つ隣の、同じ名前なら、「1オクターブ高い」といった、言い方をするよ」


ハル「なぜ、「オクターブ」なんだ?」


ミッツ「名前の由来は、第2話で出て来るから」


ヤッ子「サックスも1オクターブ上は似た指遣いだが、クラリネットは違うんだ。更に、バンドネオンは、規則性があるのか無いのか、わからん。あれを演奏できる人は、私にとっては超能力者だ」


ハル「いえいえ、ピアノを弾く先生も、僕にとっては超能力者ですよ」


ミッツ「ピアノが弾けるんなら、あたしもでしょ」


ハル。気が乗らない調子で。「あ、ああ……」


ヤッ子「このように、倍音を並べたものを「倍音列」と呼ぶ。せっかく、こんなに、いくつもの音があるのだから、ちょっと演奏してみようか」


ヤッ子。ギターのハーモニクスで、進軍ラッパのようなサンプルを演奏する。画面には、黒板の、ピタゴラスが書いた階名と「2倍音」「3倍音」が表示され、ヤッ子の演奏に合わせて、対応する文字が色変わりする。


ハル「それって、倍音列だけで演奏したんですか?」


ヤッ子「そうだ。この倍音列に選ばれていない音を使うためには、基音、1倍音を変える」


ヤッ子。第6弦の開放弦を鳴らす。第6弦の12フレット目を触り、2倍音を鳴らす。


ヤッ子。第6弦の1フレット目を鳴らす。第6弦の13フレット目を触り、2倍音を鳴らす。


ヤッ子。第6弦の2フレット目を鳴らす。第6弦の14フレット目を触り、2倍音を鳴らす。


この、フレットを左手で押さえたまま、右手で2倍音の箇所を触りながら弾くことは、クラシックギターの奏法にある。


ヤッ子「音の高さを変える、弦の長さは、比率だ。弦の長さの、「半分の半分の」だからな」


ヤッ子「このように、基音を変えると……」開放弦、1フレット目、2フレット目の順で、普通に弾く。「……2倍音を鳴らすために触る場所、弦の長さの半分の位置……」ハーモニクスを弾く。「……も変わる」


ヤッ子「こうすれば、黒板の例とは違った倍音列を使える、つまり、全部の音を使える」


ハル「あれ? あっそうか、たまたま、半分だってことか」


ヤッ子「何が、偶然なんだ?」


ハル「僕は、てっきり、ギターの本体から外れる境界線だから、音色が違うと思っていました」


クラシックギターの場合、12フレット目が、ボディの縁であり、そこからネックが生えている形。


ヤッ子「ああ、そうか。多くのクラシックギターは、このデザインだな。しかし、エレキギターでは、ボディがもっと小さいデザインのものもある。クラシックギターのデザインで、勘違いを誘われたんだな」


背景に、いくつかのギターを、左右に並べる。弦の長さが同じであることを、補助線で示す。弦の上端、弦の下端、弦の長さの中央の、3本の補助線。補足として、「ボディの大きさや形は様々」を表示する。


ミッツ「単純に、弦の長さでしょ、当たり前だよ」


ハル。ミッツに苦情を言う。「うるさいなあ。知らないから推測したんだ。推測だから、外れることは、あるだろう」


ヤッ子「弦の長さが比率だから、半分の、半分のという箇所に、印を付けると、幅は一定じゃない。「比率」と言うと堅苦しいが、ゴム紐が「ビュゥイイーンウウゥ」と、伸び縮みするようなもんだ」


机に置かれたギターは、左側が糸巻き、右側がボディ。


ヤッ子が、「弦の半分の半分の」の位置を、指で触ると、それぞれの箇所に、赤い逆三角形の印が配置される。赤い逆三角形は5つ配置される。


ハル「ゴム紐のようですね」


ハル。ギターの向こう側からギターに近付き、弦の1本だけ、魔法のように持ち上げる。赤い逆三角形も弦に付いている。


ハル。左手( )向かって右側)の位置は固定、右腕( )向かって左側)が異常に伸縮して、弦が伸縮する。


弦の伸縮説明の画面。上段の右端に弦。分身の術で画面中段に複製し、やや、ゆっくり、ビヨーンと伸びる。分身の術で、画面下段に複製し、やや、ゆっくり、ビヨーンと伸びる。


この伸び方は、ハルの紙人形を机上に置いた、実写が、面白くて印象的になりそう。アニメで、比率を表現するのは、難しいかも。


上段の弦の、「全体の長さの位置」「半分の長さの位置」「半分の半分の長さの位置」から補助線を下に書き、中段と下段の弦と同じことを表す。赤い逆三角形があるので、視覚的に比較しやすい。


ヤッ子「「半分の半分の」という関係だけでなく、全部が比率で伸縮するのを、確認しよう。早坂君、これを使ってみてくれ。ギターの弦の、半分の長さだ」


1本のゴム紐を渡す。


ハル「ヤッ子先生、いつもゴム紐を持ち歩いているんですか?」


ハル。ヤッ子の手引きで、ゴム紐を弦に沿う位置に持つ。ゴムの右端を、弦に合わせる。ゴムの左端は、12フレット目の位置。ゴム紐には、ギターの12フレット目から24フレット目までの位置に、赤い逆三角形が付いている。


ハル「赤い逆三角形が、ギターとぴったり、合っていますね」


ヤッ子「ゴム紐を、ギターの刻みの1つだけ、伸ばしてくれ」


ハル。ゴム紐をゆっくり伸ばし、11フレット目に合わせる。


ハル「あ、赤い逆三角形が、ぴったりだ。ということは、次に伸ばすと、また合うのかな」


ハル。ゴム紐をゆっくり伸ばし、10フレット目に合わせる。


説明用画面。画面上部の右半分に、赤い逆三角形のあるゴム紐。その下には、ギターの絵の略図。ギターの弦は、画面の横幅全体。ゴム紐は、右端から、ギターの12フレット目までの長さ。


ギターの絵が、少し下に移動する。開いた空間に、ゴム紐が分身の術で複製。ゴム紐が、ゆっくり伸びて、11フレット目までの長さになる。


ギターの絵が、少し下に移動する。開いた空間に、ゴム紐が分身の術で複製。ゴム紐が、ゆっくり伸びて、10フレット目までの長さになる。


ここから動きが早くなり、ギターの絵は簡素化され、ゴム紐が、ギターの0フレット目まで、分身の術で並ぶ。


画面に、ハルの手首から先の手が出現し、ハルのセリフに合わせて動く。


ハル「ということは、この刻みの幅は、こっちの幅の、半分なんですね」


説明画面で、セリフの「この刻みの幅」の時に、ハルの指が13フレット目を、上から下になぞり、薄いピンク色になる。


説明画面で、セリフの「こっちの幅」の時に、ハルの指が1フレット目を指し、薄いピンク色になる。


ヤッ子「そういうことだ。「比率」とはゴム紐、または、虫眼鏡で大きく見たり、小さく見ることと同じだ」


ハル「なるほど」


ヤッ子「それから、さっきの話だが、振動数の比が近い音を、同時に鳴らしたら、響きが良い。協和している音だから「協和音」と呼ぶ」


ハル「でも、1本の弦で、どうやったら同時に鳴らせるんですか?」


ヤッ子「ギターには、弦が6本あるから、それが利用できるのだよ」ギターを手に取り、調弦する。机に腰掛け、左脚を上に脚を組み、クラシックギターの構え。フレットを押さえない、倍音を使わない。


ミッツ「ヤッ子先生、ギターも弾けるんですか?」


ヤッ子。調律しながらなので、返答は途切れ途切れ。「いつもはピアノだが、音楽活動をしていると、他の楽器に接する機会もある」


ヤッ子「高い音にするには、「弦が軽い」「弦が短い」「弦の張りが強い」だ。ギターには、それが全部揃っているのだよ」


ヤッ子の説明に先んじて、背景に、弦の「軽い、重い」「短い、長い」「張りが強い、弱い」の、それぞれに、音が「高い、低い」を表示。ヤッ子のセリフに合わせ、文字の色が変わる。


ヤッ子「調律できたぞ」


ここでは「調律できたぞ」よりも「調弦できたぞ」が良いかも。


ヤッ子「さっきの先生ちゃんは、多くの人に馴染みのある「ド」を基音にして、説明したな。「ド」が基音、「ド」が1倍音。どっちの言い方も同じだ」


ヤッ子「ギターでは、一番太い弦を「ミ」で調律する。これを「基音」、「1倍音」として、説明する」


ハル「基音が「ミ」なら、2倍音も、4倍音も、「ミ」なんですね。じゃあ、3倍音は、えーっと……」


ヤッ子「ここでは、倍音と響き具合の関係が主題だから、具体的な音名は、触れないでおこう。聞いている方は、話のどこが大切なのか、どこが補足なのか、わからないから、全部を覚えようとして、大変だろう」


ハル「確かに」


ヤッ子「一番太い弦が1倍音、細い2本は3倍音と4倍音だ」


ヤッ子「一番太い弦の3倍音はこれだ」ハーモニクスで第6弦の3倍音を鳴らす。「これと同じ高さは、これだ」第2弦を鳴らす。「音色は違うが、同じ高さだ」第6弦のハーモニクスの3倍音と、第2弦を、交互に何度か鳴らす。


ヤッ子「一番太い弦の4倍音はこれだ」ハーモニクスで第6弦の4倍音を鳴らす。「これと同じ高さは、これだ」第1弦を鳴らす。「音色は違うが、同じ高さだ」第6弦のハーモニクスの4倍音と、第1弦を、交互に何度か鳴らす。


ヤッ子。第6弦、第2弦、第1弦の開放弦を、順番に鳴らす。同時に鳴らす。


ハル「本当だ、響きがいい」


ヤッ子「2つの音を同時に鳴らした響き具合は、大雑把に3種類ある」


ハル「響き具合? いや、単に2つの音が聞こえるだけでしょ」


ヤッ子「音色が似ていると、響き具合がわかる」


ミッツ「完全音程とかですか?」


ヤッ子「そうだ」


ヤッ子。指を1本出す。「響きが良すぎて味気ない」


ヤッ子。指を2本出す。「響きがちょうどよく濁っている」


ヤッ子。指を3本出す。「響きが悪い」


指の出し方は、手話のように、横向きに3本指を出し、上から順に反対の手で摘まむのも良い。


ヤッ子の説明の時に、例として、2本のトロンボーンで鳴らす。完全5度。長3度。短2度。



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