01_A__01_03 第1話 Aパート 分割 1 / 3
第1話 Aパート 分割 1 / 3
【 第1話 概要 】
サブタイトル:僕は余談が好きなんだ。/余談から始めてみないか。/(この中から1つだけ採用する)
OP曲前:初回なので、幾何学的なデザインから、混沌とした騒音。すっとOP曲に繋がる。
Aパート。初回なので、謎解きは少なめ、主に定義の議論。ハルが学校備品のクラシックギターで、ハワイアンギターっぽく遊ぶ。弦の中央で音色が変わるのはピタゴラスの倍音。2倍の2倍の……は同名。楽典は2次元、コードなど便利な道具を先にが面倒。
CM明け:転入したステラの、吹奏楽部の初日。トロンボーンの朝顔と、サックスのウツボカズラ。
Bパート:初回なので、謎解きは少なめ、主に音楽理論の利用方法。ハルに、倍音から音階の説明。ステラはトロンボーン担当、先輩から教わる、演奏のスライドのポジションはギターと同じ。謎解き気分の楽典を勧める。ステラはトロンボーン先輩に片想い。
Cパート:倍音を基準にした「純正律」と、ピアノの「12平均律」。トランペットはギターの倍音と同じ、ピストンで迂回は、ギターの1フレット。登場人物の簡単な紹介。
予告:玉がなぜだか傾いて、カレンダーは2か月間も足りなくて、ステラは自宅じゃこんなことをしてるんだ。ブイブイ鳴らすぜー。
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■■■■ 第1話。
▼ サブタイトル。 ▼── ──▼
僕は余談が好きなんだ。
余談から始めてみないか。
謎解きは余談から。
この中から1つだけ採用する。
▼ OP曲前。 ▼── ──▼
OP曲前の定型。他の登場人物は知らない、過去の出来事。
第1話なので、OP曲前の定型は用いない。画像と効果音。登場人物の会話や、ストーリーは無い。
舞台となる公立中学校の校舎の外観。タイトルの「ガクテン」の文字が、画面いっぱいに大きく表示され、第7話のピコピコハンマーの音と共に、文字が消える。校舎の外観だけに戻る。
学校の日常音、自動車の音、自転車の音、鳥の声など。アングルを空に向けながらズーム(大きく、または、小さく)。雲が少しある青空。
横一本の線が描かれる。Gペンの「kshksh」音、または、ジッパー(チャック)の高い「zzzz」音、または、アニメ『DEATH NOTE』でLとの通信画面に「L」が表示される際の低い「V--m」という音。
この線は、空の雲よりも向こう側にあり、青空に描く。雲は、邪魔にならない程度。
横一本の線が、上下に分身の術で分かれ、本数が増え、画面が埋められる。輪ゴムのようなビョン、ビョンが鳴る。
中央ドの線が赤く。ト音記号の基準の線と、ヘ音記号の基準の線が青く。線の色が変わる時、線が振動しながら、ブブブブと音が鳴る。
たくさんの線の、右側やや上にト音記号。ペン先からインクがボタッと落ちるような音で、インクのしずくがト音記号になっても良い。
たくさんの線の、左側やや下にヘ音記号。
たくさんの線の、中央にハ音記号。
音部記号が左側に寄る。甲高いが静かな「キュルキュル」した音や、そっと場所を渡すような音。
ここまで、楽音(音楽っぽい音)は無い。
中央ドの位置に全音符。全音符が、少し開いた唇に変わり、ドの音高で「あーーーーー」という歌声。
ドが鳴ったまま、ドの右上にレ、ドの左下にシの唇と声が加わる。同様に、階段状にミとラの唇と声が加わる。段々と加わる音が増えて行く。
歌声がやかましくなり、時々、うめき声や、足を踏まれて「キャー」という声が混じる。
青空なのに、画面の紙(ゴム膜のように、少し伸縮)の向こうから、たくさんの何かが押して、紙がついに破れると、たくさんの楽器が飛び出す。
楽器の音以外にも、紙鉄砲、走るランドセルの金具のカチカチ、歩道橋の柵を木の枝でカラカラ、川で石の水切りや川や滝の水音、草笛、鳥の声などなど。
32分音符の旗がプロペラのように広がり、回転する。音符の玉に人が腰掛けて、または、玉に両手でつかまってぶら下がって飛ぶ。
混沌とした、楽器の音や歌声が、すっとオープニング曲のイントロになる。すっと変わる箇所は、『ア・デイ・イン・ザ・ライフ(A Day in the Life)』(ビートルズ)の雰囲気で、まるで何事も無かったように。
オープニング曲のイントロの始まりが、すっと変わるようにできなければ、イントロの途中でも良い。
案として以上に書いたが、「だったら、こんな表現がかっこいい」があれば、それにする。
楽譜を連想させる幾何学的なデザインで、例えば以下のようなもの。第1話のオープニングは是非とも見るべきで、初回放送をリアルタイム(リアタイ)で見られなかったことを後悔させたい。
それと共に、白箱を見た時のスタッフを、苦労が報われたことと、いよいよ始まる期待で、喜ばせたい。
手間を掛けた壮大華麗ではなく、意外性(快い裏切りと驚き)があり、エッシャーの手法を用いたマグリットの「こんな表現があったのか」の、奔放な卓越したアイディア。
幾何学的であっても、精密機械のようなものではなく、シンプルな美しさ。
直線に限らず、台風の進路予想図のような、大きさの違う円を並べるなど、無機質の組み合わせで美しく。
A4サイズの大きな付箋を剥がすように、紙製の鏡を斜めに剥がす。今まで見えていた付箋の面と、付箋を剥がし終わった紙は同じ風景(色違い)で、付箋の裏(接着面)が鏡。
正三角形、正方形、星型(五稜星、輪郭だけの五芒星)が、回転しながら大きさが変わる様子のストロボアクション。
合わせ鏡の無限。テレビカメラをモニター画面に向けると、手前が動くと、一瞬遅れて奥が追随する。それとは逆に、奥が先に動いて、手前が追随する。ちょうど、空いた電車の前から4両目に乗車して、先頭車両を見ると、先頭車両から順に線路のカーブに従った曲がりが迫って来るように。
合わせ鏡の無限の追随は「手前から奥」「奥から手前」だけでなく、3方向に無限鏡があり、「奥から手前に続き、手前から別な奥」。手前と奥の重ね合わせを逆にし、「無限鏡攻撃(無限鏡ビーム)」など。
このオープニングの一部は、毎回のオープニング曲の導入でも使われる。
▼ Aパート。 ▼── ──▼
大時計が放課後を指している。画面が引き、中学校の校舎の外観。敷地内の人は、放課後の行動。
屋上で、部活動として、UFOを呼ぶ儀式を行っている風景。玄関の前で、玄関のガラス壁を大鏡の代わりに、ダンス練習をしている風景。このような小ネタを設けても良いが、視聴者が混乱する懸念がある。
外観は、ドローンカメラのように移動する。窓越しに見た廊下には、ヤッ子と、音楽の先生が、歩いている。音楽室では、ハルがギターで遊んでいる。外観なので、この3人が誰なのか、説明はしない。
音楽室。
外観から、ドローンカメラのように、音楽室の中に入る。
ハル。ギターで遊んでいる。備品のクラシックギターを机上に置き、ハワイアンギターのように弾く。左手には乾電池を持っている。
乾電池の位置を変えながら弾くので、「ビュィーン、ビャオーゥン」など、面白い音が鳴る。
背景に人物紹介。「ハル」「早坂春弥(はやさか・はるや)」「中学1年生」。
キャラクターデザインによっては、中学生か高校生か、判別が難しいものもあるので、これにより、舞台が中学校であることを明示する。この後ミッツとステラの人物紹介でも、学年を表示することで、舞台が中学校であることを印象付ける。
放課後なので、音楽室には、ハルだけがいる。
ハル。1本の弦で、乾電池の位置を移動し、音高を変えたり、隣の弦と交互に高速で鳴らしたり。
不定音高で、「しゃべるバイオリン」のように、「謡い」を再現。
石焼き芋「♪いぃーしー、やーーーきぃ、いんもーーー」などの辻売り。
鉄道の、駅のアナウンス、車内アナウンス。
相撲の呼び出し「♪ひがーぁしいいい」
時々、弦の中央位置(12フレット目)に乾電池があると、音色が変わるのを面白がって確認する。クラシックギターなので、12フレット目はボディの端、ここからネックだけが飛び出す区切り。
この、音色が変わる謎を、ヤッ子に尋ね、倍音の話になる。当アニメでは、「知りたいから尋ねる」「知らないから勘違いしている」を発端にしている。
ハルは、弦の長さの半分ということに気付かず、クラシックギターの構造が原因なのかと推測している。電池の位置を移動しながら、弦の長さが半分の位置に来ると、ボディとネックが色分けされる。
ドローンカメラのように、音楽室の中から、場面が廊下に移動する。
ヤッ子と、音楽の先生が、並んで廊下を歩いている。何かの会話をしていても良い。
背景に人物紹介。「ヤッ子」「鍵宮靖子(かぎみや・やすこ)」「理科教師(専門は化学)」。
ヤッ子のいつもの服装は、白衣で、すらりとしたパンツ姿。
背景に人物紹介。「音楽の先生」。
音楽室から、ハルのギターの音が聞こえる。
ヤッ子と、音楽の先生。廊下で立ち止まり、音楽室の後ろの戸の窓から、中を覗く。
小柄な音楽の先生が、中を見ることができるように、窓が大きい。
音楽の先生「面白いことをしていますね」これは、当アニメの記念すべき、最初のセリフ。
なお、当アニメの最後のセリフは、ヤッ子の言葉が遮られて終わる。
ヤッ子「許可もとらずに、勝手に」
音楽の先生「面白いからいいでしょう」歩き始める。
ヤッ子。音楽の先生の後を追う。「ギターが痛みます」
音楽の先生「2人以上いたら、そのうちに悪ふざけが過ぎることもあるでしょう。でも、あの子は、試行錯誤しながら音を楽しんでいます」
ヤッ子「でも」
音楽の先生。立ち止まってヤッ子を見上げる。優しく諭すように。「鍵宮先生、音楽は、学校の科目の中で、唯一「楽しい」という文字が入っています」
音楽の先生。再び、歩き始める。「楽しみを邪魔するのは、無粋ですよ」
ステラ。学校の中で、迷子になっている。
背景に人物紹介。「ステラ」「星山空見(ほしやま・くみ)」「中学1年生」。
ステラ。ヤッ子と音楽の先生に話し掛ける。「あのぉ、すみませんが、吹奏楽部はどこですか? 音楽室だと思ったのですが」
ステラ。メルヘンの小物が、鞄に付けられている。
ヤッ子「吹奏楽部は、別館だろう。体育館を通って、その向こう側だ」
音楽室の入り口に貼り紙。「吹奏楽部は部室棟です」と、案内の大きな矢印。
ステラ「あ、体育館……って、えーっと。あ、本当だ、ここに貼り紙がありますね」
ステラ。心の声。「(吹奏楽部は、ぶしつれん……か)」背景に、「部室棟」と、フリガナの「ぶしつれん」にバツ印、「ぶしつとう」が正しいと添える。
ミッツ。別な方向から来て、音楽室の前の戸の窓から覗く。ハルがいるのが見える。
背景に人物紹介。「ミッツ」「蜜霧多岐(みつきり・たき)」「中学2年生」。
人物紹介が連続しているので、ここで少し遊びを入れても良い。人物紹介で、「謎の少女」と出し、ミッツが二頭身で睨むと、「謎の美少女」に変わる。その後、正しい人物紹介になる。
ミッツ。ヤッ子と目が合い、笑顔で軽く会釈。
ミッツ。ステラを見て、心の声。「(かわいい子だな。1年生かな?)」
ミッツ。音楽室の中に入る。「ハル、何やってんのぉ?」
ミッツの胸ポケットには、ボールペンがある。この場面でボールペンが使われるため。ボールペンは、尻をノックすると、ペン先が出たり引っ込んだりするタイプ。
ミッツ。音楽室の中に入るので、廊下からは退場。
音楽の先生。ステラに向かって。「僕が案内しましょう」
ステラ「ありがとうございます」
音楽の先生にとっては、これまでとは逆方向に歩き始める。
ステラ。音楽の先生の行き先を変えたことで、申し訳ない気持ち。
音楽の先生「転入生ですか?」
ステラ「はい、今日からお世話になる、星山空見(ほしやま・くみ)です」
音楽の先生。ステラと並んで歩き去りながら。「音楽が、お好きなんですね」
ステラ「はい、楽器が初めてなので、何を担当するのか、わかりませんが」
音楽の先生「好きなことがあるのは、幸せですね」
ステラ。申し訳なさそうな表情だったが、明るい笑顔になって。「はい!」
ヤッ子。ステラと、音楽の先生を見送る。
ヤッ子。音楽室の中を覗く。
音楽室。
ミッツ。片足ケンケンのように、体を傾けながら、ハルに近付く。
ミッツ「ねーえ、なーにをしているの?」
ハル「ああ、ミッツか。ちょっと、音楽に目覚めてな」
ハル。様々な演奏を楽しんでいる。
ミッツ「ちゃんと弾かないのに、鳴らして遊んでるだけじゃ、音楽じゃないでしょ」
ハル「音楽は、音で楽しめばいいんだ。ほーら、こんな弾き方でも、楽しければいいんだ」ギターを乱暴に扱う。
ヤッ子。ドアを開けて入って来る。「こらっ! 乱暴にしない」
ハルの、驚いている顔、申し訳なさそうな顔に被せて、ヤッ子のセリフ。
ヤッ子「ところで早坂君、勝手にギターを使っているようだが、音楽の先生に許可はとったのか?」
ハル「いいえ」
ヤッ子「勝手に借りて、もしも大きな傷が付いたり、壊したら」
ハル「でもこれ、音楽の先生の私物じゃない」
ヤッ子「個人の所有ではなくても、管理している。教室で、君が使っている机も、個人所有じゃないだろう」
ハル「そうだけど」
ヤッ子「もし、教室の君の机の上に、ゴキブリの死骸が」
ハル「ゴキブリの死骸が」想像する。
ヤッ子「並べられて」
ハル。ズラーっと並んでいるのを想像する。
ヤッ子「並べられて「アホ」と書かれていたら?」
ハル。想像する。「いやだぁー!」
ヤッ子「しかも、死骸だと思っていたら、うじゃうじゃと動き始めたら?」
ここの表現を柔らかくするために、セリフの「ゴキブリ」を電子音[ピー]にし、ゴキブリの姿を、アルファベットの「G」にする方法も良い。「G」にする場合、特徴的な触角で、ゴキブリだとわかるようにする。
ヤッ子「楽器には、適した扱い方がある」
ハル「ごめんなさい」
ミッツ。『幻想即興曲』(ショパン)を弾こうとする。
ハル。ミッツの最初の1音を聞いたところで大声。「ショパン! 幻想!」
ミッツ「弾こうとしているんだから、邪魔しないの! いつまで経っても、ガキなんだから」
ハル「たった1歳だろう」
ハルとミッツの2人が画面に入る程度の遠景で、2人に指し棒の字幕。画面左側のミッツに「ミッツ・中学2年生」、画面右側のハルに「ハル・中学1年生」と指し、「従姉弟」と、フリガナの「いとこ」を添える。
これにより、登場人物の印象を深める。ハルとミッツの関係性の紹介。ミッツがハルを「ガキ」とし、ミッツが年上と明示。アニメでは、中学校と高校の判別が、わかりにくいこともあるので、中学校であることの明示にもなる。
ヤッ子「ところで、何を言い合っていたんだ?」
ハル「せっかく楽しんでいたのに、ミッツが「そんなの音楽じゃない」って言うんだ」
ヤッ子「それは定義の問題だな。いわゆる西洋音楽かどうかと言えば、その鳴らし方は西洋音楽じゃない」
ミッツ「ほーら、音楽とは言わないでしょ」
ヤッ子「西洋音楽ではないというだけだ。世界中には、西洋音楽以外にも、様々な音楽はある」
ミッツ「でも、変な民族音楽みたい」
ヤッ子「「変な」というのは、気を付けたいな」
ハル「欧米のファッションを、奇異に感じる国もあるって聞いた」
ヤッ子「日本国内でも、山や坂の町や、海に面して舟に馴染みのある町など、地域によってリズム感が違うらしい。これは、地域の音楽観にも関係する」
ヤッ子「ついでに言えば、このリズム感のために、靴下の、踵(かかと)か、爪先(つまさき)か、どっちが先に穴が開くかも違うそうだ」
ヤッ子「糸井重里は「あらゆる音楽は民族音楽である」と言ったぞ。いわゆる西洋音楽も、私達が慣れ親しんでいる民族音楽とも言える。自分が慣れ親しんでいる文化だけが、世界の標準と思うのは、おこがましいじゃないか」
ヤッ子「西洋音楽の中で、早坂君のような演奏を取り入れることがあっても、主役ではない。まあ、これまでの西洋音楽に無い手法が、どの程度なら西洋音楽ではなくなるかは、定義の問題だから、誰かが勝手に決めるんだろうな」
ヤッ子「早坂君は、ギターを机に置いた「ハワイアンギター」という西洋音楽の手法だが、さっき私は、西洋音楽ではないと言った。しかし、西洋音楽の何の定義から外れているかは、よくわからない」
ミッツ「じゃあ、なぜ「西洋音楽ではない」って、言ったんですか?」
ヤッ子「本当は、定義や境界線は、ひとつではなく、曖昧だというのが、目的だ。音楽の定義の話で、言い合いをしたのが、ギターを乱暴に扱った原因だからな」
ヤッ子「早坂君と蜜霧君の、どちらの定義が正しいかと、言い合いをしていた。「どちらかだけ」ではなく「どちらも」というのが、私の目的だったのだ」
ヤッ子「そこで、方便として「音楽の定義」と「西洋音楽の定義」の、ふたつの境界線があると話したんだ。とはいえ、明確な境界線ではなく、ぼんやりしたものだがな」
ミッツ「方便ですか」背景に「方便」と、そのフリガナと、意味の「難しい話をする前の、仮の教え」を添える。
ハル「晴れと曇りの境界みたいですね」
ミッツ「なあに?」
ハル「空に雲が無ければ快晴、空の全部に雲があれば曇り、じゃあ、空の何パーセントが雲で隠れていれば、晴れから曇りになるのか」
ミッツ「半分じゃないの? だって、完全な晴れ……」
ハル。ミッツの言葉にかぶせるように。「快晴な」
ミッツ「そう、快晴、100パーセントの晴れと、100パーセントの曇りの中間、50パーセントが、区切り」
ここで、全天球カメラの画像を使うのも良い。画像は円形で、円の中心が天頂。円周が地平線で、円周の地面から、円の中心の天頂に向かい、山や鉄塔、建築物が建っている。
全天球カメラの画像を3つ用意し、両端は快晴と完全な曇り。中央の画像で、雲が増えたり減ったりし、半分になって止まり、文字の「ミッツの推測」を表示する。
ミッツ「だって、6割も7割も雲で隠れていたら、「曇り空で、晴れ間がのぞく」って言うでしょ。だから、境目は半分に決まってる」
ハル「それがな、気象庁の基準では、8割までが晴れで、9割から曇りなんだ」
ミッツ「8割までが晴れなんて、おかしい。だってさ、8割まで雲があるのに、「今日は晴れているね」なんて言ったら、「曇りだろう」って返される」
ヤッ子「良い例を出してくれたな。早坂君や、蜜霧君以外にも、それぞれの理由をもって、それぞれの定義を言うだろう」
ヤッ子「ところで、君達は学生かい?」
ハル「もちろん」
ミッツ「中学生です」
ヤッ子「ところが、「学生」と呼ぶのは大学生だ。中学生と高校生は「生徒」で、小学生は「児童」だ」
ハル「そうだったんですか?」
ヤッ子「これは、文部科学省の基準だな。中学校では「生徒会」だが、小学校では「児童会」だっただろう?」
ミッツ「確かに、そうですね」
ヤッ子「これとは別に、厚生労働省の基準では、18歳未満を児童としている」
ハル「定義なのに、ひとつじゃない」
ヤッ子「ついでに言えば、幼稚園は文部科学省で、保育所は厚生労働省だ」
ミッツ「え? 名前が違うだけで、どっちも同じだと思っていました」
ハル「なぜ、2種類あるのか、不思議だなとは思っていました」
ヤッ子「その違いは、幼稚園は小学校の前に、早いうちに学校に通うのに似ている。一方、保育所は、保育に欠ける子供のために、家庭の代わりをするのだ」
ハル「保育に、「欠ける」って?」
ヤッ子「何らかの事情から、子供の世話が難しいということだ」
ハル「ああ、びっくりした。まともに子育てされていないのかと思った」
ヤッ子「「まともに子育て」とは、誤解だな」
ミッツ。特に興味の無い顔をしている。
ヤッ子「それから、「保育園」は、正しくは「保育所」と呼ぶ」
ハル「あれ? うちの近くには、「保育園」がありますよ」
ヤッ子「固有名詞として、個別の保育所で「保育園」と命名することは、ある」
ヤッ子。ハルの、興味を持っている表情を見て、心の声。「(早坂君は、こういった余談が好きなんだな)」
ハル「ヤッ子先生。どうしてそんなに詳しいんですか?」
ヤッ子「私は、せっかくピアノを弾けるという利点から、保育士か、幼稚園教諭という進路も、視野に入れていた」
ミッツ「やっぱり、進路は広く考えていた方がいいですよね」
ハル「でも、中学校の先生になったんですね」
ヤッ子「そう。今から思えば、どういう訳だか、こうなったな」または「幼児教育に、自信が無かった」
ヤッ子「ところで、幼稚園の先生も、中学校の先生も、職業の名前としては、「教員」の中の「教諭」、「教え諭す」なんだ」
ハル「あ、そういうことだったんだ」
ミッツ。ハルを一瞥する。
ハル「テレビで昔の小学校の校内を見たら、教室のドアの上の札に、「マルマル教諭」って書いてあったんだ」背景に、校内風景。「○年○組」の札には、2行目に「○○教諭」と書かれている。
ヤッ子「そんな名前の職業に、私がなるとは、身が引き締まる思いだ」
ハル「「保育所」と「保育園」とか、「教諭」と「先生」とか、定義は定義としてあるけど、それとは別な名前を付けることは、あるんですね」
ヤッ子「定義は、誰かが勝手に作って、でも、それを知らなくても、困らないのであれば、定義を強要することもないだろうし、「お前の言ってることは、デタラメだ」と非難する必要も無い」
ヤッ子「単なる言葉の認識、用語の定義の違いだからな、相手の言葉の主旨を汲み取ろう」
ミッツ「それでも定義なのかな?」
ヤッ子「定義だと思って話す人はいる。自分のいるコミュニティで、当たり前に通じているから、てっきり世界標準、少なくとも日本標準だと勘違いすることはある」
ここで、アニメとして長くならなければ、以下の話を挿入しても良い。
映画『華麗なるヒコーキ野郎』。「自在レンチを貸してくれないか」「モンキースパナのことか?」「ああ、こっちでは、そう呼ぶのか」
工事で使う「一輪車」「ネコ」「ネコ車」。直角に曲がった物差し「曲尺(かねじゃく)」「さしがね」。排水口の「ドレン(ドレイン)」「ピーコック」。
台風は、沖縄に「上陸」しない。「上陸」という呼称は、北海道、本州、四国、九州のみに用いる。沖縄には「通過」の呼称をする。
ものによっては、よく似た違うもので、その違いを表すために単語が別々にあったりする。「プラスドライバー」と「マイナスドライバー」など。
ハル「方言もありますし。あ、「自分のいるコミュニティ」って「自分のいる方言」と同じか」
ミッツ「違うでしょ」
ハル「そりゃ、違うけど、主旨が同じってこと」
ヤッ子「そうだぞ。「蚊に刺される」「蚊に食われる」「蚊に咬まれる」。あれこれあるが、これまで自分が使っていた言い方が方言だと知ったのはいいが、慣れ親しんでいない言い方には、違和感が残ったりする」
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