表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガクテン  作者: 不定音高ふたつ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/75

01_A__01_03  第1話 Aパート 分割 1 / 3

第1話 Aパート 分割 1 / 3


【 第1話 概要 】

サブタイトル:僕は余談が好きなんだ。/余談から始めてみないか。/(この中から1つだけ採用する)

OP曲前:初回なので、幾何学的なデザインから、混沌とした騒音。すっとOP曲に繋がる。

Aパート。初回なので、謎解きは少なめ、主に定義の議論。ハルが学校備品のクラシックギターで、ハワイアンギターっぽく遊ぶ。弦の中央で音色が変わるのはピタゴラスの倍音。2倍の2倍の……は同名。楽典は2次元、コードなど便利な道具を先にが面倒。

CM明け:転入したステラの、吹奏楽部の初日。トロンボーンの朝顔と、サックスのウツボカズラ。

Bパート:初回なので、謎解きは少なめ、主に音楽理論の利用方法。ハルに、倍音から音階の説明。ステラはトロンボーン担当、先輩から教わる、演奏のスライドのポジションはギターと同じ。謎解き気分の楽典を勧める。ステラはトロンボーン先輩に片想い。

Cパート:倍音を基準にした「純正律」と、ピアノの「12平均律」。トランペットはギターの倍音と同じ、ピストンで迂回は、ギターの1フレット。登場人物の簡単な紹介。

予告:玉がなぜだか傾いて、カレンダーは2か月間も足りなくて、ステラは自宅じゃこんなことをしてるんだ。ブイブイ鳴らすぜー。


 ○ --- ○ --- ○


ここから本文です。

ご感想を頂けると嬉しい。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。

■■■■ 第1話。


▼ サブタイトル。   ▼──   ──▼


僕は余談が好きなんだ。


余談から始めてみないか。


謎解きは余談から。


この中から1つだけ採用する。


▼ OP曲前。   ▼──   ──▼


OP曲前の定型。他の登場人物は知らない、過去の出来事。


第1話なので、OP曲前の定型は用いない。画像と効果音。登場人物の会話や、ストーリーは無い。


舞台となる公立中学校の校舎の外観。タイトルの「ガクテン」の文字が、画面いっぱいに大きく表示され、第7話のピコピコハンマーの音と共に、文字が消える。校舎の外観だけに戻る。


学校の日常音、自動車の音、自転車の音、鳥の声など。アングルを空に向けながらズーム( )大きく、または、小さく)。雲が少しある青空。


横一本の線が描かれる。Gペンの「kshksh」音、または、ジッパー( )チャック)の高い「zzzz」音、または、アニメ『DEATH NOTE』でLとの通信画面に「L」が表示される際の低い「V--m」という音。


この線は、空の雲よりも向こう側にあり、青空に描く。雲は、邪魔にならない程度。


横一本の線が、上下に分身の術で分かれ、本数が増え、画面が埋められる。輪ゴムのようなビョン、ビョンが鳴る。


中央ドの線が赤く。ト音記号の基準の線と、ヘ音記号の基準の線が青く。線の色が変わる時、線が振動しながら、ブブブブと音が鳴る。


たくさんの線の、右側やや上にト音記号。ペン先からインクがボタッと落ちるような音で、インクのしずくがト音記号になっても良い。


たくさんの線の、左側やや下にヘ音記号。


たくさんの線の、中央にハ音記号。


音部記号が左側に寄る。甲高いが静かな「キュルキュル」した音や、そっと場所を渡すような音。


ここまで、楽音( )音楽っぽい音)は無い。


中央ドの位置に全音符。全音符が、少し開いた唇に変わり、ドの音高で「あーーーーー」という歌声。


ドが鳴ったまま、ドの右上にレ、ドの左下にシの唇と声が加わる。同様に、階段状にミとラの唇と声が加わる。段々と加わる音が増えて行く。


歌声がやかましくなり、時々、うめき声や、足を踏まれて「キャー」という声が混じる。


青空なのに、画面の紙( )ゴム膜のように、少し伸縮)の向こうから、たくさんの何かが押して、紙がついに破れると、たくさんの楽器が飛び出す。


楽器の音以外にも、紙鉄砲、走るランドセルの金具のカチカチ、歩道橋の柵を木の枝でカラカラ、川で石の水切りや川や滝の水音、草笛、鳥の声などなど。


32分音符の旗がプロペラのように広がり、回転する。音符の玉に人が腰掛けて、または、玉に両手でつかまってぶら下がって飛ぶ。


混沌とした、楽器の音や歌声が、すっとオープニング曲のイントロになる。すっと変わる箇所は、『ア・デイ・イン・ザ・ライフ( )A Day in the Life)』( )ビートルズ)の雰囲気で、まるで何事も無かったように。


オープニング曲のイントロの始まりが、すっと変わるようにできなければ、イントロの途中でも良い。


案として以上に書いたが、「だったら、こんな表現がかっこいい」があれば、それにする。


楽譜を連想させる幾何学的なデザインで、例えば以下のようなもの。第1話のオープニングは是非とも見るべきで、初回放送をリアルタイム( )リアタイ)で見られなかったことを後悔させたい。


それと共に、白箱を見た時のスタッフを、苦労が報われたことと、いよいよ始まる期待で、喜ばせたい。


手間を掛けた壮大華麗ではなく、意外性( )快い裏切りと驚き)があり、エッシャーの手法を用いたマグリットの「こんな表現があったのか」の、奔放な卓越したアイディア。


幾何学的であっても、精密機械のようなものではなく、シンプルな美しさ。


直線に限らず、台風の進路予想図のような、大きさの違う円を並べるなど、無機質の組み合わせで美しく。


A4サイズの大きな付箋を剥がすように、紙製の鏡を斜めに剥がす。今まで見えていた付箋の面と、付箋を剥がし終わった紙は同じ風景( )色違い)で、付箋の裏( )接着面)が鏡。


正三角形、正方形、星型( )五稜星、輪郭だけの五芒星)が、回転しながら大きさが変わる様子のストロボアクション。


合わせ鏡の無限。テレビカメラをモニター画面に向けると、手前が動くと、一瞬遅れて奥が追随する。それとは逆に、奥が先に動いて、手前が追随する。ちょうど、空いた電車の前から4両目に乗車して、先頭車両を見ると、先頭車両から順に線路のカーブに従った曲がりが迫って来るように。


合わせ鏡の無限の追随は「手前から奥」「奥から手前」だけでなく、3方向に無限鏡があり、「奥から手前に続き、手前から別な奥」。手前と奥の重ね合わせを逆にし、「無限鏡攻撃( )無限鏡ビーム)」など。


このオープニングの一部は、毎回のオープニング曲の導入でも使われる。


▼ Aパート。   ▼──   ──▼


大時計が放課後を指している。画面が引き、中学校の校舎の外観。敷地内の人は、放課後の行動。


屋上で、部活動として、UFOを呼ぶ儀式を行っている風景。玄関の前で、玄関のガラス壁を大鏡の代わりに、ダンス練習をしている風景。このような小ネタを設けても良いが、視聴者が混乱する懸念がある。


外観は、ドローンカメラのように移動する。窓越しに見た廊下には、ヤッ子と、音楽の先生が、歩いている。音楽室では、ハルがギターで遊んでいる。外観なので、この3人が誰なのか、説明はしない。


音楽室。


外観から、ドローンカメラのように、音楽室の中に入る。


ハル。ギターで遊んでいる。備品のクラシックギターを机上に置き、ハワイアンギターのように弾く。左手には乾電池を持っている。


乾電池の位置を変えながら弾くので、「ビュィーン、ビャオーゥン」など、面白い音が鳴る。


背景に人物紹介。「ハル」「早坂春弥( )はやさか・はるや)」「中学1年生」。


キャラクターデザインによっては、中学生か高校生か、判別が難しいものもあるので、これにより、舞台が中学校であることを明示する。この後ミッツとステラの人物紹介でも、学年を表示することで、舞台が中学校であることを印象付ける。


放課後なので、音楽室には、ハルだけがいる。


ハル。1本の弦で、乾電池の位置を移動し、音高を変えたり、隣の弦と交互に高速で鳴らしたり。


不定音高で、「しゃべるバイオリン」のように、「謡い」を再現。


石焼き芋「♪いぃーしー、やーーーきぃ、いんもーーー」などの辻売り。


鉄道の、駅のアナウンス、車内アナウンス。


相撲の呼び出し「♪ひがーぁしいいい」


時々、弦の中央位置( )12フレット目)に乾電池があると、音色が変わるのを面白がって確認する。クラシックギターなので、12フレット目はボディの端、ここからネックだけが飛び出す区切り。


この、音色が変わる謎を、ヤッ子に尋ね、倍音の話になる。当アニメでは、「知りたいから尋ねる」「知らないから勘違いしている」を発端にしている。


ハルは、弦の長さの半分ということに気付かず、クラシックギターの構造が原因なのかと推測している。電池の位置を移動しながら、弦の長さが半分の位置に来ると、ボディとネックが色分けされる。


ドローンカメラのように、音楽室の中から、場面が廊下に移動する。


ヤッ子と、音楽の先生が、並んで廊下を歩いている。何かの会話をしていても良い。


背景に人物紹介。「ヤッ子」「鍵宮靖子( )かぎみや・やすこ)」「理科教師( )専門は化学)」。


ヤッ子のいつもの服装は、白衣で、すらりとしたパンツ姿。


背景に人物紹介。「音楽の先生」。


音楽室から、ハルのギターの音が聞こえる。


ヤッ子と、音楽の先生。廊下で立ち止まり、音楽室の後ろの戸の窓から、中を覗く。


小柄な音楽の先生が、中を見ることができるように、窓が大きい。


音楽の先生「面白いことをしていますね」これは、当アニメの記念すべき、最初のセリフ。


なお、当アニメの最後のセリフは、ヤッ子の言葉が遮られて終わる。


ヤッ子「許可もとらずに、勝手に」


音楽の先生「面白いからいいでしょう」歩き始める。


ヤッ子。音楽の先生の後を追う。「ギターが痛みます」


音楽の先生「2人以上いたら、そのうちに悪ふざけが過ぎることもあるでしょう。でも、あの子は、試行錯誤しながら音を楽しんでいます」


ヤッ子「でも」


音楽の先生。立ち止まってヤッ子を見上げる。優しく諭すように。「鍵宮先生、音楽は、学校の科目の中で、唯一「楽しい」という文字が入っています」


音楽の先生。再び、歩き始める。「楽しみを邪魔するのは、無粋ですよ」


ステラ。学校の中で、迷子になっている。


背景に人物紹介。「ステラ」「星山空見( )ほしやま・くみ)」「中学1年生」。


ステラ。ヤッ子と音楽の先生に話し掛ける。「あのぉ、すみませんが、吹奏楽部はどこですか? 音楽室だと思ったのですが」


ステラ。メルヘンの小物が、鞄に付けられている。


ヤッ子「吹奏楽部は、別館だろう。体育館を通って、その向こう側だ」


音楽室の入り口に貼り紙。「吹奏楽部は部室棟です」と、案内の大きな矢印。


ステラ「あ、体育館……って、えーっと。あ、本当だ、ここに貼り紙がありますね」


ステラ。心の声。「( )吹奏楽部は、ぶしつれん……か)」背景に、「部室棟」と、フリガナの「ぶしつれん」にバツ印、「ぶしつとう」が正しいと添える。


ミッツ。別な方向から来て、音楽室の前の戸の窓から覗く。ハルがいるのが見える。


背景に人物紹介。「ミッツ」「蜜霧多岐( )みつきり・たき)」「中学2年生」。


人物紹介が連続しているので、ここで少し遊びを入れても良い。人物紹介で、「謎の少女」と出し、ミッツが二頭身で睨むと、「謎の美少女」に変わる。その後、正しい人物紹介になる。


ミッツ。ヤッ子と目が合い、笑顔で軽く会釈。


ミッツ。ステラを見て、心の声。「( )かわいい子だな。1年生かな?)」


ミッツ。音楽室の中に入る。「ハル、何やってんのぉ?」


ミッツの胸ポケットには、ボールペンがある。この場面でボールペンが使われるため。ボールペンは、尻をノックすると、ペン先が出たり引っ込んだりするタイプ。


ミッツ。音楽室の中に入るので、廊下からは退場。


音楽の先生。ステラに向かって。「僕が案内しましょう」


ステラ「ありがとうございます」


音楽の先生にとっては、これまでとは逆方向に歩き始める。


ステラ。音楽の先生の行き先を変えたことで、申し訳ない気持ち。


音楽の先生「転入生ですか?」


ステラ「はい、今日からお世話になる、星山空見( )ほしやま・くみ)です」


音楽の先生。ステラと並んで歩き去りながら。「音楽が、お好きなんですね」


ステラ「はい、楽器が初めてなので、何を担当するのか、わかりませんが」


音楽の先生「好きなことがあるのは、幸せですね」


ステラ。申し訳なさそうな表情だったが、明るい笑顔になって。「はい!」


ヤッ子。ステラと、音楽の先生を見送る。


ヤッ子。音楽室の中を覗く。


音楽室。


ミッツ。片足ケンケンのように、体を傾けながら、ハルに近付く。


ミッツ「ねーえ、なーにをしているの?」


ハル「ああ、ミッツか。ちょっと、音楽に目覚めてな」


ハル。様々な演奏を楽しんでいる。


ミッツ「ちゃんと弾かないのに、鳴らして遊んでるだけじゃ、音楽じゃないでしょ」


ハル「音楽は、音で楽しめばいいんだ。ほーら、こんな弾き方でも、楽しければいいんだ」ギターを乱暴に扱う。


ヤッ子。ドアを開けて入って来る。「こらっ! 乱暴にしない」


ハルの、驚いている顔、申し訳なさそうな顔に被せて、ヤッ子のセリフ。


ヤッ子「ところで早坂君、勝手にギターを使っているようだが、音楽の先生に許可はとったのか?」


ハル「いいえ」


ヤッ子「勝手に借りて、もしも大きな傷が付いたり、壊したら」


ハル「でもこれ、音楽の先生の私物じゃない」


ヤッ子「個人の所有ではなくても、管理している。教室で、君が使っている机も、個人所有じゃないだろう」


ハル「そうだけど」


ヤッ子「もし、教室の君の机の上に、ゴキブリの死骸が」


ハル「ゴキブリの死骸が」想像する。


ヤッ子「並べられて」


ハル。ズラーっと並んでいるのを想像する。


ヤッ子「並べられて「アホ」と書かれていたら?」


ハル。想像する。「いやだぁー!」


ヤッ子「しかも、死骸だと思っていたら、うじゃうじゃと動き始めたら?」


ここの表現を柔らかくするために、セリフの「ゴキブリ」を電子音[ピー]にし、ゴキブリの姿を、アルファベットの「G」にする方法も良い。「G」にする場合、特徴的な触角で、ゴキブリだとわかるようにする。


ヤッ子「楽器には、適した扱い方がある」


ハル「ごめんなさい」


ミッツ。『幻想即興曲』( )ショパン)を弾こうとする。


ハル。ミッツの最初の1音を聞いたところで大声。「ショパン! 幻想!」


ミッツ「弾こうとしているんだから、邪魔しないの! いつまで経っても、ガキなんだから」


ハル「たった1歳だろう」


ハルとミッツの2人が画面に入る程度の遠景で、2人に指し棒の字幕。画面左側のミッツに「ミッツ・中学2年生」、画面右側のハルに「ハル・中学1年生」と指し、「従姉弟」と、フリガナの「いとこ」を添える。


これにより、登場人物の印象を深める。ハルとミッツの関係性の紹介。ミッツがハルを「ガキ」とし、ミッツが年上と明示。アニメでは、中学校と高校の判別が、わかりにくいこともあるので、中学校であることの明示にもなる。


ヤッ子「ところで、何を言い合っていたんだ?」


ハル「せっかく楽しんでいたのに、ミッツが「そんなの音楽じゃない」って言うんだ」


ヤッ子「それは定義の問題だな。いわゆる西洋音楽かどうかと言えば、その鳴らし方は西洋音楽じゃない」


ミッツ「ほーら、音楽とは言わないでしょ」


ヤッ子「西洋音楽ではないというだけだ。世界中には、西洋音楽以外にも、様々な音楽はある」


ミッツ「でも、変な民族音楽みたい」


ヤッ子「「変な」というのは、気を付けたいな」


ハル「欧米のファッションを、奇異に感じる国もあるって聞いた」


ヤッ子「日本国内でも、山や坂の町や、海に面して舟に馴染みのある町など、地域によってリズム感が違うらしい。これは、地域の音楽観にも関係する」


ヤッ子「ついでに言えば、このリズム感のために、靴下の、踵( )かかと)か、爪先( )つまさき)か、どっちが先に穴が開くかも違うそうだ」


ヤッ子「糸井重里は「あらゆる音楽は民族音楽である」と言ったぞ。いわゆる西洋音楽も、私達が慣れ親しんでいる民族音楽とも言える。自分が慣れ親しんでいる文化だけが、世界の標準と思うのは、おこがましいじゃないか」


ヤッ子「西洋音楽の中で、早坂君のような演奏を取り入れることがあっても、主役ではない。まあ、これまでの西洋音楽に無い手法が、どの程度なら西洋音楽ではなくなるかは、定義の問題だから、誰かが勝手に決めるんだろうな」


ヤッ子「早坂君は、ギターを机に置いた「ハワイアンギター」という西洋音楽の手法だが、さっき私は、西洋音楽ではないと言った。しかし、西洋音楽の何の定義から外れているかは、よくわからない」


ミッツ「じゃあ、なぜ「西洋音楽ではない」って、言ったんですか?」


ヤッ子「本当は、定義や境界線は、ひとつではなく、曖昧だというのが、目的だ。音楽の定義の話で、言い合いをしたのが、ギターを乱暴に扱った原因だからな」


ヤッ子「早坂君と蜜霧君の、どちらの定義が正しいかと、言い合いをしていた。「どちらかだけ」ではなく「どちらも」というのが、私の目的だったのだ」


ヤッ子「そこで、方便として「音楽の定義」と「西洋音楽の定義」の、ふたつの境界線があると話したんだ。とはいえ、明確な境界線ではなく、ぼんやりしたものだがな」


ミッツ「方便ですか」背景に「方便」と、そのフリガナと、意味の「難しい話をする前の、仮の教え」を添える。


ハル「晴れと曇りの境界みたいですね」


ミッツ「なあに?」


ハル「空に雲が無ければ快晴、空の全部に雲があれば曇り、じゃあ、空の何パーセントが雲で隠れていれば、晴れから曇りになるのか」


ミッツ「半分じゃないの? だって、完全な晴れ……」


ハル。ミッツの言葉にかぶせるように。「快晴な」


ミッツ「そう、快晴、100パーセントの晴れと、100パーセントの曇りの中間、50パーセントが、区切り」


ここで、全天球カメラの画像を使うのも良い。画像は円形で、円の中心が天頂。円周が地平線で、円周の地面から、円の中心の天頂に向かい、山や鉄塔、建築物が建っている。


全天球カメラの画像を3つ用意し、両端は快晴と完全な曇り。中央の画像で、雲が増えたり減ったりし、半分になって止まり、文字の「ミッツの推測」を表示する。


ミッツ「だって、6割も7割も雲で隠れていたら、「曇り空で、晴れ間がのぞく」って言うでしょ。だから、境目は半分に決まってる」


ハル「それがな、気象庁の基準では、8割までが晴れで、9割から曇りなんだ」


ミッツ「8割までが晴れなんて、おかしい。だってさ、8割まで雲があるのに、「今日は晴れているね」なんて言ったら、「曇りだろう」って返される」


ヤッ子「良い例を出してくれたな。早坂君や、蜜霧君以外にも、それぞれの理由をもって、それぞれの定義を言うだろう」


ヤッ子「ところで、君達は学生かい?」


ハル「もちろん」


ミッツ「中学生です」


ヤッ子「ところが、「学生」と呼ぶのは大学生だ。中学生と高校生は「生徒」で、小学生は「児童」だ」


ハル「そうだったんですか?」


ヤッ子「これは、文部科学省の基準だな。中学校では「生徒会」だが、小学校では「児童会」だっただろう?」


ミッツ「確かに、そうですね」


ヤッ子「これとは別に、厚生労働省の基準では、18歳未満を児童としている」


ハル「定義なのに、ひとつじゃない」


ヤッ子「ついでに言えば、幼稚園は文部科学省で、保育所は厚生労働省だ」


ミッツ「え? 名前が違うだけで、どっちも同じだと思っていました」


ハル「なぜ、2種類あるのか、不思議だなとは思っていました」


ヤッ子「その違いは、幼稚園は小学校の前に、早いうちに学校に通うのに似ている。一方、保育所は、保育に欠ける子供のために、家庭の代わりをするのだ」


ハル「保育に、「欠ける」って?」


ヤッ子「何らかの事情から、子供の世話が難しいということだ」


ハル「ああ、びっくりした。まともに子育てされていないのかと思った」


ヤッ子「「まともに子育て」とは、誤解だな」


ミッツ。特に興味の無い顔をしている。


ヤッ子「それから、「保育園」は、正しくは「保育所」と呼ぶ」


ハル「あれ? うちの近くには、「保育園」がありますよ」


ヤッ子「固有名詞として、個別の保育所で「保育園」と命名することは、ある」


ヤッ子。ハルの、興味を持っている表情を見て、心の声。「( )早坂君は、こういった余談が好きなんだな)」


ハル「ヤッ子先生。どうしてそんなに詳しいんですか?」


ヤッ子「私は、せっかくピアノを弾けるという利点から、保育士か、幼稚園教諭という進路も、視野に入れていた」


ミッツ「やっぱり、進路は広く考えていた方がいいですよね」


ハル「でも、中学校の先生になったんですね」


ヤッ子「そう。今から思えば、どういう訳だか、こうなったな」または「幼児教育に、自信が無かった」


ヤッ子「ところで、幼稚園の先生も、中学校の先生も、職業の名前としては、「教員」の中の「教諭」、「教え諭す」なんだ」


ハル「あ、そういうことだったんだ」


ミッツ。ハルを一瞥する。


ハル「テレビで昔の小学校の校内を見たら、教室のドアの上の札に、「マルマル教諭」って書いてあったんだ」背景に、校内風景。「○年○組」の札には、2行目に「○○教諭」と書かれている。


ヤッ子「そんな名前の職業に、私がなるとは、身が引き締まる思いだ」


ハル「「保育所」と「保育園」とか、「教諭」と「先生」とか、定義は定義としてあるけど、それとは別な名前を付けることは、あるんですね」


ヤッ子「定義は、誰かが勝手に作って、でも、それを知らなくても、困らないのであれば、定義を強要することもないだろうし、「お前の言ってることは、デタラメだ」と非難する必要も無い」


ヤッ子「単なる言葉の認識、用語の定義の違いだからな、相手の言葉の主旨を汲み取ろう」


ミッツ「それでも定義なのかな?」


ヤッ子「定義だと思って話す人はいる。自分のいるコミュニティで、当たり前に通じているから、てっきり世界標準、少なくとも日本標準だと勘違いすることはある」


ここで、アニメとして長くならなければ、以下の話を挿入しても良い。


映画『華麗なるヒコーキ野郎』。「自在レンチを貸してくれないか」「モンキースパナのことか?」「ああ、こっちでは、そう呼ぶのか」


工事で使う「一輪車」「ネコ」「ネコ車」。直角に曲がった物差し「曲尺( )かねじゃく)」「さしがね」。排水口の「ドレン( )ドレイン)」「ピーコック」。


台風は、沖縄に「上陸」しない。「上陸」という呼称は、北海道、本州、四国、九州のみに用いる。沖縄には「通過」の呼称をする。


ものによっては、よく似た違うもので、その違いを表すために単語が別々にあったりする。「プラスドライバー」と「マイナスドライバー」など。


ハル「方言もありますし。あ、「自分のいるコミュニティ」って「自分のいる方言」と同じか」


ミッツ「違うでしょ」


ハル「そりゃ、違うけど、主旨が同じってこと」


ヤッ子「そうだぞ。「蚊に刺される」「蚊に食われる」「蚊に咬まれる」。あれこれあるが、これまで自分が使っていた言い方が方言だと知ったのはいいが、慣れ親しんでいない言い方には、違和感が残ったりする」



◆ ご感想を頂けると嬉しく思います。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。


◆ 「評価」はログイン必要ですが、「感想」はログインせずに、どなたでも書けます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ