03_A__04_04 第3話 Aパート 分割 4 / 4
第3話 Aパート 分割 4 / 4
【 第3話 概要 】
サブタイトル:コードネームは、スロットマシン。
OP曲前:幼少の頃のハル。シメジ婆さんの家で尾翼付き折り紙飛行機。現在、テスト中に、当時の紙飛行機を再現。先生から新たな紙飛行機の折り方の宿題。
Aパート:ギターのコードから、コードネーム、和音構成音はあちこちに。音程の「完全系」「長短系」。和音構成音「だらけ」。ウクレレを勧める、楽譜をきちんとと言われない、まず絵を真似。「風呂出で 詩へ寝る」。鍵盤ドーナツ。
CM明け:ショージ。テレビドラマのセリフ「学校で優秀でも、現場じゃ何にも役に立たない」に疑問。先生より生徒が、技術が高い例。
Bパート:ハルの父親の、古いスティール弦ギターを、楽器店で保守。コード「F」の押さえ方。コードを押さえて音符が用意されている。和音外音も使われる。カポとコード表、カポでハイコードをローコードに。ムギとトロンボーン先輩。
Cパート:OP曲前の紙飛行機の折り方。
予告:ようこそってここは何の部室か、この楽器の種類は何だろう? あの日のヤッ子は恋人にさよならだ。線が多くて、数えきれないよー。
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▽ 場面変更 ● ── ●
音楽室。さっきの続き。
コードネームと、和音構成音の話。
ハル「ちょっと気になったんですが、音程は「短」「長」「完全」だけなんですか? 3度の長と短がありますが、完全3度はありますか?」
音楽の先生「良いところに気付きましたね。実は、「短」「長」を使う場合と、「完全」を使う場合は、はっきりと分かれているんです」
ハル「はい」
音楽の先生「「完全音程」は、響きが良すぎて、味気無いのです」
ハル「あ、やっぱり、そうですか」
音楽の先生「実際に音を出して、確かめましたね。その通りです」
ハル「そこで、鍵盤モノサシに書いてくださった「長6度」などを確認すると、1オクターブの距離で、半音が6つ分の距離だけが無かったんです」
音楽の先生「丁寧ですね」
ヤッ子「早坂君は、このように丁寧な確認をするんです」
音楽の先生「そうですか。大切な長所ですね」
ヤッ子。ハルが持っている鍵盤モノサシの紙を横取りし、裏返す。そこには、書きかけの、表形式の音程があった。
ヤッ子「このように、きちんと……って、きちんとしていないじゃないか」
ハル「あ、それは、どんな形の表にしたらいいのか、試行錯誤の途中です。出来上がりはこっち」ポケットから、折り畳んだ紙を出して、広げる。
音楽の先生とヤッ子。見て感心する。
ヤッ子「カラクリを理解しようとして、結果的に、虱潰しの空白が見付かったんだな」
ハル「そうです」
音楽の先生。黒板に向かって歩きながら。「小さなことでも、丁寧に行うのも、謎解きでは大切ですね」
音楽の先生。黒板に音程の長短系の「重減-減-短-長-増-重増」と、その下に完全系「重減-減-完全-増-重増」で、「重減-減」「増-重増」が合流している。
音楽の先生「ここで二股に分かれていますね。2度、3度、6度、7度は、こちらです」図の上の「重減」から「重増」の道をマルで囲む。
音楽の先生「1度、4度、5度、8度は、こちらです」図の下の「重減」から「重増」の道をマルで囲む。
音楽の先生「鍵盤モノサシで、短3度がありましたね」
ハル「はい」
音楽の先生「短3度よりも、半音長いと、長3度です」指を「短」から「長」に移動する。
ハル「あ、その図は、半音長いと短いの並び順ですね」
音楽の先生「そうです、説明書きを忘れていました」図に大きな左右向きの矢印を記し、「半音短くなる」「半音長くなる」を添える。
音楽の先生「長3度よりも、半音長いと、増3度です」
ハル「え? それって……」鍵盤モノサシを見ながら「……完全4度と同じ距離ですよね」
音楽の先生「そうです。でも、完全4度とは呼ばずに、増3度と呼びます」
ハル「あ、なるほど、同じ距離なのに、呼び方が違うんですね。ミ♭と呼ぶか、レ♯と呼ぶかの違いのように」ヤッ子を見る。
ヤッ子「察しがいいな。コードのCの仲間で、Cmのミ♭を、レ♯と書いたら、Cの仲間ではないという話と同じだな」
音楽の先生「素晴らしい。そこまで理解していましたか」
ハル「鍵盤モノサシに無かった、半音6つの距離は、ドから数えると……えーっと、この黒鍵ですね」鍵盤モノサシを指す。
ハル「これだと……」黒板と鍵盤モノサシを交互に見ながら「……増4度、または……」黒板と鍵盤モノサシを交互に見ながら「……減5度、ですか?」
音楽の先生。感心して唸る。「丁寧さに感心します」
ハル「ありがとうございます」
ヤッ子「実は、ファからシも、増4度だぞ」
ここからの、ハルの確認手順と独り言を、ヤッ子と音楽の先生は、微笑んで見ている。
ミッツが、ハルの手元を見たくて、近付こうとするが、ヤッ子が制する。振り返ったミッツに、ヤッ子が微笑みながら、唇に指で「静かにしよう」を示す。
ハル「え?……ファ、ソ、ラ、シ。だから、4度で……」指折り数えて、4度と知る。
ハル「頂いた鍵盤モノサシで、4度の見本は、これだ。高いドから、下に向かって、ソまでは、「完全4度」だ」鍵盤モノサシの、ソから上のドまでの「完全4度」が、ぼんやり色変わりする。
ハル「今、知りたいのは、ファからシまでの4度は、「なに4度」かで、そのために、見本の完全4度と比べる」
ハル「ファからシまでは、この距離」鍵盤モノサシの黒鍵側を、ファからシまで、指でトントンと辿る。トンと叩くと、鍵盤モノサシに赤い点が付き、点と点の間が赤い直線で繋がる。水平の折れ線グラフっぽく見える。
ハル「ソからドまでは、この距離」同じく、指でトントン辿る。さっきの赤い折れ線グラフの、少し下の位置に、同様にソからドまで、青い点と直線が描かれる。
ハル「見本と比べて、同じなのか、長いのか、短いのか……。1つだけ長い」
ハル「見本が「完全」だったので、それよい1つだけ長いのは……」黒板の、「完全」の右隣を見る。「増」と書かれている。
ハル「「増」だから「増音程」だ。今は、4度の話。「なに4度」かを知りたかった。「増音程」の「4度」だから「増音程」だ」
ハル。顔を上げて。「増4度です!」
音楽の先生「丁寧ですね」
ハル「ありがとうございます。これって、ややこしいから、「あれ? 今は何を知りたかったのか」を、時々、確かめながらしないと、迷子になります」
ヤッ子「ということは、シからファは、減5度だ」
ハル「もう、混乱します」
ヤッ子「その鍵盤モノサシは、音程の入門として、「下のドから上方向の白鍵は、長と完全だけ」「上のドから下方向の白鍵は、短と完全だけ」を、覚えたばかりの確認用だ。それ以外の範囲の確認は、これから自分でできるだろう」
ハル「はい、その話は、行く行く……」
音楽の先生「そうですね。ここからは、そのうちに親しんで来るでしょう。むしろ、ここで答えをお話しすると、「教わったから、今のうちに暗記すべき」といった気分になりそうです」
ハル「そうですよね。最初から全部じゃなくって」
ヤッ子「安心したまえ。学校の授業ではないから、成績に影響するテストも無い」
ハル「あっそうだった。頭が破裂しそうで、忘れていました」
4人で笑う。
ミッツ「じゃあ、あたしがテストを出そうか?」
ハル「よしてくれよ」
ヤッ子「とはいっても、早坂君が自ら、自信を得るために、「この理解で合ってますか?」と聞いてきたら、私も真摯に応えるからな」
音楽の先生「そうですよ。学ぶ楽しみには、応えたいと思っています」
ハル「ありがとうございます」
ヤッ子「では、早坂君の興味に沿った、おもちゃを紹介しようか」
ハル「おもちゃ?」
ヤッ子「鍵盤モノサシが、このように曲がって、更に曲がって、円形になったものだ」黒板に、1オクターブ(ドからシまで)の鍵盤モノサシを書く。鍵盤モノサシの奥側(黒鍵側)を内側にして少し湾曲した絵。もっと湾曲した絵。
この、湾曲した絵は、途中経過なので、鍵盤モノサシっぽいという略した絵にする。最後はドーナツの形になる。ドーナツの内側が黒鍵側、外側が白鍵側。
ヤッ子「こんな風に、鍵盤モノサシが曲がって、円形になった、鍵盤ドーナツだ」
ヤッ子「パズル、組み合わせ、パターンといったものが好きだろう?」
ハル「はい。コードもそれっぽいなと期待しています」
ヤッ子「半音6つ分の距離だけが無い、ということに、自分で地道に気付いたんだ。このおもちゃも楽しめるだろう」
ヤッ子。黒板に、ドーナツの輪郭のように、大小の同心円を書く。
ヤッ子「私が書くので、君も真似してくれ。きれいな図は、家に帰ってから、改めて再現するのが望ましい」
ハル「はい」
ヤッ子。話しながら、黒板に改めて、鍵盤ドーナツの絵を描く。
ハル。紙、または、ノートの1ページに、ヤッ子の絵を真似る。
出来上がりが、三重の同心円になる。内側が鍵盤の付け根、外側が白鍵の手前側、中間の円は黒鍵の手前側なので、途切れ途切れになる。
内側の円に、時計の文字盤のような12等分の刻みを、チョンチョンと書く。このチョンチョンは、はっきり目立つ程度に、内側の円と交差するように。
12等分の刻みから、外側の円に向かって、放射状の線を書く。放射状の線は、外側の円までは届かず、内側と外側の中間位置までで止まる。
12等分の刻みは、湾曲した鍵盤モノサシが円形になったもの。黒鍵を表すように、放射状の線を繋ぐ。これにより、円は3種類。内側の円、外側の円、中間の線は黒鍵の縁を表すために途切れ途切れ。
黒鍵を書き終わった後、12等分の刻みのうち、シとドの境界線は、内側の円から外側の円まで届くように延ばす。
少し寂しい感じに見えるのは、ドとレの境界線が足りないためので、付け加える。
ヤッ子「円形にしたから、黒鍵の形に違和感があるが、大切なのは、ここだ」内側の円の、12等分の刻みを指す。
ヤッ子「ギターのフレットが、12までで1オクターブの区切りになり、13番目からは、最初の1番目からと同じだな。だから、12等分なんだ」
音楽の先生「その刻みは、キーにも役立ちますよ」
ハル「キー?」
音楽の先生「ハ長調、Cメジャーキーなどです。ト音記号とセットで書かれている、♯や♭に関係します」背景に、調号の例をいくつか。
ミッツ。ピアノに駆け寄り、『メヌエット ト長調(♪レーソラシド、レーソーソー)』(バッハ)を、ちょっと弾く。
ミッツ「これの話をしたでしょ。その時、全部のファに♯が付くのは、強い絆って言ったよね」
ハル「だから、その、強い絆って、何だよ」
ミッツ「これが、キーの話」
ヤッ子「謎解きの予告編みたいなもんだな。楽しいじゃないか」
ハル「ありがとうございます」
ハル。気付いて、鍵盤モノサシを出す。
ハル「これって、右回りと左回りは、こういうことですか?」鍵盤モノサシで、低いドから上に向かってラまでの長6度。高いドから下に向かってラまでの短3度。
ミッツ「そんなこと、ピアノを弾く人なら、みんなやってるよ。さっきの『花のワルツ』の「ラ、ド♯、ミ、ソだらけ」のところで」
ミッツ。黒板に、コード「A7」の、基本形と転回形を書く。
ミッツ「『花のワルツ』は、これを弾いているの。ホラ、根音は、ここでは一番下だけど、次は一番上になって、そしたら、さっきは下から2番目だったのが、一番下になるでしょ。次は、これが一番上になる」
ハル「それって、鍵盤ドーナツでは、こういうことか?」
ハル。黒板に鍵盤ドーナツを模したドーナツ型(二重の同心円)を、4つ横に並べて書く。
左端のドーナツ型の、12時の位置に区切り線。その区切り線から、ドーナツを一周するように矢印を加える。
左から2番目のドーナツ型の、9時の位置に区切り線。その区切り線から、ドーナツを一周するように矢印を加える。
同様に、6時の位置に区切り線と矢印。3時の位置に区切り線と矢印。
ミッツ「区切りの位置が違う」
ヤッ子「位置が違うのは、この図が、正確なドーナツを主旨としているのではないからだな。理屈は正しい」
音楽の先生「『花のワルツ』の、今の箇所の和音構成音は、後でじっくり、確認してください」
▽ 場面変更 ● ── ●
川原。
会社の昼休み。ここは、会社(東海林商事)のすぐ近くの川原。
東海林商事は、ショージ(東海林翔児、しょうじ・しょうじ)の自宅。
1人は、兄役。東海林商事の社員で、CM明けに東海林商事のピアスを付けている社員として登場。昼休みなので、弁当を食べながら、社屋の近くの川で、のんびり釣りをしている。東海林商事の作業服を着ている。
1人は、弟役。兄役の友達で、会社とは無関係。屋外だが、正座して兄役の方を向いている。
兄役と弟役は、本当の兄弟ではなく、かつて一緒に行動していた頃に、弟役が「アニキ」と呼んでいたことから。2人共、ショージとの血縁関係は無い。
弟役「アニキ。今のアニキは、情けないです」
兄役。竿を上げ、餌を付け直す。「俺は自分で、情けないとは思ってないぞ」また、糸を川に投げる。
弟役「また、あの頃のように、バリバリ活躍しましょうよ」背景に、暴走族やら、何か暴れていた思い出。
兄役「無理を言うなよ」
弟役「なんで、あんなに所帯じみた生活をしてるんですか?」背景に、兄役の、現在の家庭を持った生活。
兄役「家族が大切だからさ」
弟役「だから、そんな考えがおかしいんですよ。アニキがそう考えているのは、許せないです」
兄役「誰が何を考えていても、それは自由だ。憲法で保障されている」
弟役「だったら、昔のように、一緒に思い切り暴れましょう。自由なんだから」
兄役「憲法の自由は、わがままは駄目だって。自由はを使うのは、みんなの幸せのためにって」
弟役「そんな難しいことは、わかりません。とにかく、こんな昼間から働いているなんて、信じられません」兄役の作業服の、「東海林商事」の文字を見る。
兄役「昼でも夜でも、家族を養うために働くのは、当たり前だ」
弟役「だから、なんで働いているんですか! 昔は、学校も行かず、朝まで暴れまわったじゃないですか!」
兄役。時計を見て、釣り道具を片付け始める。「そうやって暴れていられたのは、親が働いていたからだ。そのために、存分に暴れていても、衣食住は用意されていた」
兄役「他人に迷惑を掛けているくせに、自分が怪我をしたら助けてもらえる。他人を危機に追い詰めても、自分の危機は助けてもらえる。随分と自分に都合のいいシステムだな」
弟役。意味がわからない顔をしている。
ここから、兄役の話が続くので、弟役のセリフを適宜挿入する。
兄役「快適な生活のために、金を出して買った設備、その設備を作るために働いた人、運んだ人、その人達のお陰で快適に生きているのに、無駄に壊したら、勿体無いよな」
兄役「家族と夕飯を食いながら、テレビでニュースを見るんだ。戦争や紛争で、せっかく作ったビルも、壊される」
兄役「普通に(「ふつーーーに」のような言い方)暮らすだけでも大変なのに、もっと大変にすることに、何の得がある?」
兄役「お前は、自分が被害者だから、声にならない叫びの代わりに、物を壊しているんだろうが、普通に暮らしていた住民は、八つ当たりを受けている。とばっちりだ」
兄役「もし、俺が精魂込めて作ったものが壊されたらと思ったら、しかも、自然災害でもなく、戦争でもなく、ただ壊されたらと思ったら、正気でいられない」
兄役「物を作る立場の俺が、そう思うのだから、物を使って普通の生活をしていた人にとっては、自然災害でもない、楽しみで壊されたら……」息継ぎ。「……壊した俺たちが得た楽しみより、遥かに大きな、絶望と憎しみが創られるだろう」
兄役「インフラやら、物が壊れて楽しいのは、フィクションだけだな」
兄役が考えているフィクションの例。ジャッキーチェンが、商店街を壊す。ルパン三世が、ビルなどを壊す。『ガールズ&パンツァー』の戦車が、町を壊す。
兄役「暴れなくてはいられなかったことは、俺自身だから理解できるが、そんな過去は、今も俺を苦しめている」
兄役「俺は、あの、暴れていた時期を、黒歴史と思っている。お前は、武勇伝と思っているんだろうがな」背景に、「黒歴史」の下に「悔やむ思い出」、「武勇伝」の下に「誇らしい思い出」を左右に配置し、間に不等号記号「≠」を記す。
兄役。歩き始める。「今は、俺にも家族がいる。あの頃、俺が好き勝手できたように、今度は俺が、家族の安穏を維持する」
弟役。立ち上がり、兄役を見送る。
兄役。振り返り、弟役に言う。「生きていると、好きなことが増えて行く。暴れるのは今も好きだが、迷惑を掛けないアウトドアのスポーツがしたいな。とはいえ、最も大切なのは、家族を支える側でいること。その喜びを覚えたんだ」
兄役。優しい口調。「暴れ疲れた体で帰宅して、雨風(あめかぜ)をしのげる部屋には、疲れた体を投げ出す布団があり、腹が減ったら冷蔵庫に何か食べ物がある。そんな生活を維持しているのは、誰なのか、考えてごらん」
兄役「洗濯機に投げ入れた下着は魔法のようにきれいになり、風呂場のシャンプーは永遠に空っぽにならない。感謝感謝ー」
兄役「小学校に入学したばかりの頃、朝は起こしてもらい、何時に家を出れば学校に間に合うかのスケジュールを決めてくれるのは親。子供は、よくわからないまま、従っていれば平穏にいられた」
弟役「そんなの、親だったら当たり前ですよ! 親は勝手に子供を産んだ責任がある。親は子供の奴隷なんだ」
兄役「故郷(ふるさと)である、ここを離れて、しばらく遠くに就職していた頃、年に一度の帰郷で、金が無いから、家に着くのはいつも夜中だ。玄関を開けると、みんな笑顔で、悪態を言われながらも、風呂を沸かして待っていてくれている」
兄役「慣れない生活で疲れて、悩んで帰っても、いつも風呂が沸いている。仕事を辞めて、泣いて逃げ帰った時も、風呂が沸いていた……」
兄役「責任を取る者は、奴隷ではない」再び社屋に向かって歩き始める。
兄役「親になる自由、結婚しない自由、俺にできることのうち、俺は親になったんだ」
これ以外の話。冗長になるので、用いない方が良さそう。
兄役「SFっぽい話だが、もしも、自分以外の全人類が消えたら、俺は寿命まで生きていられるのかと、考えたりする」
兄役「電気や水道は停止し、夏の猛暑の日も、冬の極寒の日も、快適に過ごせる場所に変えることはできない」
兄役「店舗にある食品は、冷蔵庫中のものは腐る。食べ終わったら別な店舗というように、日本中を旅しても、生鮮食品はすぐに尽きる」
兄役「移動は、ほぼ歩きだ。ガソリンスタンドにあるガソリンは、電気が無ければ取り出せない。太陽光発電の自動車があっても、故障したら修理ができない」
兄役「建物の中も外も、誰も掃除せず、汚れたまま。衣服の洗濯は季節を問わずに手作業。洗濯をしないなら、食べ物と同様、あちこちのデパートを旅する」
兄役「太陽光や風などがあるが、それを、使えるエネルギーにする方法はわからない。エントロピーは増え続け、エネルギーは枯渇する」
弟役「「えんこもぴー?」って、何スか?」
兄役「落差、簡単に言えば、水が落差で落ちることで、水車を回せる。水が全部落ちて、落差が無くなれば、エネルギーの枯渇になる」
通常、エントロピーは「でたらめさ」と説明されるが、兄役が理解できたのは、「でたらめさが増える」を言い換えた「落差が減る」ことをエネルギーに利用できることまで。
兄役「店舗には、どうせ店員がいないから、万引きができる。しかし、必要なものが店舗から枯渇しても、誰も補充しない」
兄役「店に商品を補充するために運送する人がいない。安全安心な商品を作る人がいない。商品を作る原料を作る人がいない。原料から商品を手に入れるまでのシステムを保守する人がいない」
兄役「これらは、通常の状態だが、俺が寿命まで生きているうちには、地震もあれば、豪雨もあるだろう。街が壊滅したら、被災していない地方がどこなのか、誰も教えてくれない」
兄役「自分がどんなに、気を張って生活していても、病気にもなる、怪我もする。しかし、医者はいない。寿命に至らないかもな」
兄役「「災害があった時こそ、このビルに」という施設があっても、俺の寿命までは生活できない。水も食糧も、寿命までは無理だろう。せいぜい、雨水を飲むだけだ」
兄役「お前の好きな、タンメンも、コーンスナックも、もう食べられない。お前の好きな消費と破壊も、それを支える衣食住が無い」
▼ CM明け。 ▼── ──▼
CM明けの定型。他の登場人物は知らない、自宅などの場面。
ショージの自宅。夜8時頃。
外観に、「東海林商事」の看板。
父親は東海林商事の社長。
居間で、数人の従業員と、賑やかな夕食。
ショージは、従業員から親しみを込めて「お坊ちゃん」と呼ばれている。
社員。若い男「お坊ちゃんは、見た目だけは、大社長だな」この社員は、CM前の兄役。見た目は、ビジュアル系ロックバンドっぽい。
社員。おばちゃん「見た目「だけ」ってのは、失礼じゃない?」
社員。おっちゃん「見た目なら、おめぇだって、エレキバンドっぽいじゃねぇか」背景に「エレキバンド」に差し棒で「昔は、エレキギターを含む4人程度のバンドを、こう呼んでいました」など。
社員。若い男「いやー、これ……」顔や体の、あちこちのピアスを指す。「……があると、女の子に、人気が出るんで」
社員。おっちゃん「それで、ここ……」股間を指す。「……にも付けてんのか?」
大人が酒を飲みながらなので、下品な冗談も出る。ショージも少し参加する。
何らかの批判にならなければ、テロップ「ショージは、こうして、下ネタに慣れ親しんだ」があっても良い。
夕食が終わり、ショージは自室に移動し、テレビを見る。
部屋のポスターなどに、駄洒落、パロディ、その他、あれこれと小ネタをたくさん用意する。
自室には、AKBのようなアイドルのポスターやグッズなど。
ショージ。独り言の癖は無いが、アニメなので、わざとらしく独り言。
ショージ「吹奏楽部で、時々は流行歌もするけど、アニソンやアイドルはしないんだもんなー。つまんないや」
テレビドラマの声「あんたが学校で、どんなに優秀だったとしてもね、現場じゃ何にも役に立たないんだよ」
ショージ「何だ? このドラマのセリフは。学校は役に立たないのに、どうして行くんだろう?」
テレビドラマの声「何やってんだい! 学校で何を教わって来たんだ!」
ショージ「何だ? このドラマのセリフは。学校で教わることって、必要なのかな?」
ショージ「そもそも、先生は必ず、生徒よりも技術が上であるべきってのは、誤りだよな」
ショージ「オリンピックの選手だって、コーチがいるし。コーチの方が技術が上なら、コーチがオリンピックに出るんだろう」
ショージ「もし、生徒が必ず、技術が劣っているんなら、どんな分野でも、時代と共に、どんどん技術が落ちるだろう」
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