何気ない日常の非日常
家に帰ったとき両親はまだ起きていて、思い切り私を叱った。日付はもう変わっていたらしいから、当然だった。
あんなにも感情を出している両親を見るのは初めてだった…もっと言うと、彼らは自分に興味なんて少しもないのだと思っていた。
ぜんぜん、そんなことはなかったんだ。彼らはどこまでいったって親で、私はどこまでいっても子供だったから。
親子というのは、よほど破綻していない限りは”そう“なのだから。
だから、そうだ。少しだけ、素直になりきれない私は、けれど。
「ありがたい」と…思ったんだ。
親不孝で馬鹿な私を、それでも思ってくれるのだから、それは、どうあったって…。
私はわんわんと泣いて、いくらか、その場所にうずくまっていた。
そのうち二人も泣き出しちゃって、もう何がなんだか分からなくなった。
…そのあと、私たちはすぐ、寝た。
遅くに帰ってきた理由を私は碌に話さず、また両親も聞かなかった。互いに、そのほうがいいと思ったから。
…布団の中で私は、ずっと考え事をしていた。
あの子は、どうなんだろう?
彼が学校に行く時間は、あの時なかった。普通なら、あとで怒られるんだろう。
けれど、普通じゃなかったなら。
彼に、親はいる?いたとしたら、どんな人?その人とあの子は、どういった会話をするんだろう?
…わからない、何も知り得ない。
あの、全てが突拍子もない非現実性の塊のような彼は、結局、どういう人間なんだ?
例えるなら、今日は風邪のときに見る悪夢のような日だった。その、象徴のような人物が彼だ。
なら、彼は悪夢の主か?…ばかばかしい。中二病くさい。
悪夢は巡り、そして終わらないものだろう。今頬をつければきっと痛みがする。それは、つまりここが現実の世界である証左だ。
しかし、ふと疑問に思う。とびきり阿呆で無意味な、希望的観測を思う。
もしかしたら、ここは夢の世界なのでは?と。
掛け布団から手を伸ばし、頬をつねる。
…痛。
…はあ。
瞼を閉じる。深く息を吸う、意識を溶かす。
今日は寝よう。何もかも、未来に放り出してみようじゃないか。
大丈夫だ、何があったって死にはしない。
なら、それでいいだろう。てか、ふつうにねむい。
その日の布団は、いつもよりふかふかしていて温かい気がした。
すんませんサボってました




