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苦手な方はご注意ください。

最後のクリスマス

作者: 素面ニオ

私は、子供の頃から死ぬことばかり考えていた。

存在を認めてもらうため、 居場所を無くさないため頑張ってきた。

それでも、誰も認めてくれず 高校の卒業式の日に家を追い出された。

そんな私が今は幸せ。

辛くて死ぬより、幸せなうちに死にたい。


人生最後のクリスマスを過ごす。

20歳、初めて彼氏が出来た。

誕生日当日、生まれてきてくれてありがとうって言ってくれて嬉しかった。

「あなたは失敗作だから生まれて来なければよかったのに。」親戚が集まる度に、私に向かって言っていた。

どれだけ頑張っても優秀になれない私を許せなかったのだと思う。


人の3倍以上頑張って取った80点でも怒られた。

100点以外許されないから、テストが返って来た日は線路に飛び込んで死のうと思っていた。


辛い、もう無理。気持ち悪い…。

トイレに駆け込んだ。

彼とのクリスマスデートの日なのに私は、フラッシュバックして朝から吐いた。

楽しみにしていたクリスマスデートの日の朝がこんな朝なんて嫌だよ…。

フラッシュバックで吐いただけだから、会えなくなるわけじゃないけれど。


「会いたかったよ、今日は沢山楽しもう!」

「初めてのクリスマスデートだからすごく楽しみだよ~。」

なぜか、ここから全く記憶が無い。

気づいたら夜で、家に帰るために駅にいた。

彼は反対方向だから反対側のホームにいる。

笑顔でこっちを見ている。

こっちの電車がもうすぐ来る。

幸せなままで死にたい。

だから、最後に叫ぶの。

「今日は楽しかったよ、いつもありがとう。」

叫んですぐ、私は線路に飛び込んだ。

その瞬間彼の声が聞こえたけれど何を言っているのかわからなかった。


さようなら。










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