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東京からの帰省2(全部ほんとうのこと)

帰省するといつも

夕食の後は姉ととりとめのないおしゃべりをしながらお茶碗を洗った。

姉は何の脈絡もなく思いついたことを次々と話し続ける。

「昔さー、いじめられてさー、100円払わないと教室に入れてもらえなかったんだー」

「うん、聞いたよー、お父さんが知ってすごく怒ったんでしょ」

この話は何度も聞いている。

姉にはただの思い出のひとつになっている。

「女の子だったんでしょ、ひどいよね」

姉はにこにこして

「うん、でもその子交通事故で死んだんだー

 よかったー」と言った


「死んだの?交通事故で?・・」

「うん学校に行ったら昨日交通事故で死にましたって言われて、

よかったー」


「・・・・・」

「そうしたら先生が私に、お葬式にクラスの代表で行きましょうって言って

行ったんだー」

「その子のお葬式に行ったの?」

「うん、なんでいじめられたのに行くんだろって・・

でもお葬式に行ったら涙が出て、なんなんだろ・・」と笑った


え、え、

あのお母さんはきっとその子のお母さんだ。

何年もお姉ちゃんに100円払わせて、制服をハサミで切って、

いすにくぎを刺して座らせた

弁償のしようもないと玄関で土下座したけどお父さんは許さなかった、

その女の子のお母さんだ。


お姉ちゃんがお葬式に行って泣くのを見たんだ


いじめってそういうことなんだ。

お姉ちゃんが笑った。

いなくなってよかったーって笑った。

だけど、泣いたんだ。







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