22歳の記憶 私の願いが・・叶うとき(全部ほんとうの事)
ごめんなさい。
あなたは今どうしていますか?
確かに私は願った。
「死んで!死んで!本当に死んでほしい!」
早足で夜の道を歩きながら、口に出して願った。
季節が変わったころ電話が鳴った。
「二人で会ったんだって?」
彼だ・・
何が言いたいんだろう、言い訳?なぜ電話してくるの?
ああ、本当に馬鹿にされている・・。
私の気持ちなんて全く無視、今さら何が言いたいんだろう。
「あいつ事故にあって、もう普通の生活は送れないって・・」
「なに?」
「あいつのお母さんから電話があって
もう娘は普通に生活することはできないだろうから、もう別れたほうがいいって言われて」
「なにその話・・」
「首都高でタクシーに乗っていて・・事故したんだ。
結構大変な事故で・・命に別状は無かったけど車いすの生活になるだろうって」
私は確かに彼女の死を願った。
仲の良い友達の様に一緒に彼のことを非難して
二人で暴露大会をして、
これでせいせいしたわと気分爽快で帰ったのに、
私はその帰り道に、突然嫌悪感に襲われて
急に怒りがこみあげて
彼女の死を願った。
「今、あいつリハビリ専門の病院に長期入院してるんだ・・」
本当に?
そんな願いが届くのだろうか。
きっと彼女は私のこと
思ったよりいい人だと思ったかもしれない。
だって本当に一緒にいるときは私も楽しかった。
どうしようもない彼の事を思う存分話せるのは
ある意味、彼女だけだったかもしれない。
私は「別れる、もう一緒にはいられない。いたくない」と言った。
彼女は「別れない、何度も嘘をつかれたこと許さない」と言った。
一度死んだ心は戻らないことを、私は知っているから
引き返すことは無いと確信していた。
この決心に揺らぎは無かった。
だけどどうしても、彼女との出会いがなかったらどうだったんだろうという思い
彼と家族としての未来があったかもという思いが
私を悪魔にした。
死を願う悪魔に。
私はそして、また彼女と会うことになる。