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22歳の記憶 私の願いは・・(全部ほんとうの事)

ある日電話が鳴った

「ミーさんですか?」


すぐ誰かわかった。

私の事をミーちゃんと呼ぶのは彼だけだった。

あの女の子だ

「一度会ってもらえないかと思って・・

 私、嘘をつかれるのがもう我慢できなくて」


新宿で会うことにした。

最初に会ったとき

あ、やっぱりこの娘だと思った。

ショートカットの・・なんとなく私に似ている、と思った。


懐石料理を食べた

普通、食事をしながら

浮気されていると思っている2人が話したりしないだろう・・

なぜか私たちはまるで友達のようにおしゃべりした。

「良かったー私、ミーさんの事すごく怖い人だと思っていて・・

 でもどうしてもお互いはっきりさせたほうがいいのかなと思って・・」


彼女が怖がるのも仕方がない。

私はすごく直感が働く

ある日、彼の洗濯物を

片付けようとしていた時に服の間からメモが落ちた


「今日も7時にいつものローソンで・・」とあった

ふーん、と思った。

今日の事だ、と思った。

ローソンもあそこだと直感が働いた

私は即ローソンに向かった

本棚のところで雑誌をパラパラとしていると3人の女の子が

やってきて隣に並んだ。


「あっ、来たよー」と外の甲州街道を見て言った。

私も見た、車に乗った彼だった。

その車に駆け寄る3人の女の子たち

私は後ろからその3人を追い越して車の助手席を開けて乗り込んだ。

何も言わずに彼を足で蹴った・・

驚いた彼はそんな風になった私は手が付けられないのを知っているから

即ドアを開けて逃げた。

私はそのまま車に乗り込んで家まで一人で帰った。


私の印象は恐ろしく怖い女、だろう。


初めて話した日から

私と彼はもう4年一緒に暮らしていた。


車を乗っ取って帰った夜に私は2人の思い出になりそうなものを全部捨てた。

一緒に買ったものも全部捨てた。

そしてさっさと

高校時代から仲の良かった友達と共同生活を始めた。

もう二度と会うことは無いと思っていた。


又記憶が・・はっきりしない

電話も住所も何にも教えていなかったのに

なぜ私は又会うことになってしまったんだろう。

なぜ連絡を取り合ってしまったんだろう。

あの日鎌倉に行こうとしていた。

一緒に住んでいる友達には知られたくなくて

こっそり出ていこうとしていた。

でも来なかった。

もうほおっておいてほしかったのに。


そして二人が高速道路を走って

あのパーキングで彼が電話をして。

という話をあの娘と私は確認しあったのだ。

私が話すことをあの娘は彼から聞いた話だと思ったんだろう、


「そうそう、その日母と姉がお葬式でいなくて

 私一人で家にいるのが怖くて、どうしても私の家に来て欲しいって頼んだんです

パーキングでトイレって言って彼が降りていって・・ホントはミーさんに電話していたんですね」と


「だから家に行ったんだねー」と納得する私

やっぱり私の見た通りだったんだ。


「私はもう彼とは会わない・・

そのつもりで私はあそこを出たんだから、、もう彼を信じることは無いよ」


あの娘は

「私は別れません、一生償ってもらう。彼を絶対許さない」と言った。

「でも私・・最初に誘ったのは私からだったんです・・。

 私彼女がいるって知っていました・・ごめんなさい」と言った。


帰る時、私はほっとしていた。

もう悩むことは無いんだ、私はこれからどこへ行くのも誰と出会うのもすべてが自由だ・・

電車を乗り継いで、ガラスに映る自分の顔を見ていた

駅から友達と住むアパートへ・・長い道のりを歩きながら

そんな気持ちがだんだんと

急激に怒りへと変わっていった

彼を心配して一晩中待ったあの時の様に・・心配が徐々に怒りに変わっていったあの時と一緒だ。


「ああ、なぜあの娘は彼を誘ったの・・彼女がいると知っていて誘う気持ちって何?」

「私は彼と結婚すると思ってきた、ずっと一緒だよという言葉を信じて会った日から

 4年間ほとんどの日を一緒に過ごしてきて、それ以外は考えられなかった」

急に数時間前まで友達の様に話していた事に嫌悪感を感じた。


「死んで、死んで、ほんとに、死んでほしい・・」とつぶやいていた。


私はこんなことを願うくらい許されると思っていた、

その時は・・













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