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第五話 薬草採取と《毒見の指輪》


 初めて受ける依頼は薬草採取。

 クエストの中でも、一番簡単な部類だ。


 俺とメリッサさん、二人の臨時パーティは街の近くの山に入った。


「すみません、メリッサさん。俺の研修に付き合わせちゃって……」

「私が来たくて来ただけだからな。問題ないぞ」


 ルンルンっ、と手を振って歩いている。その姿はご褒美に欲しいオモチャを買って貰った子供みたいだ。


 まあ、その背中にはゴツい大剣が背負われてあるんだけど。


「それで、どの薬草を採取するんだ?」


 今回、俺が採取してくる薬草は三種類だ。

 アイリーンさんから支給された資料を見る。

 

 ハカマオリーブ。

 ポーションの材料になる。


 タツノぐさ

 目薬や痛み止めの材料になる。小さいからよく地面を探さないといけない。


 シロブナそう

 ブナの木の根元に生える薬草で、主に軟膏の材料になる。名前の通り、白い草だから目立つ。

 

 どれも簡単に取れる薬草が多い。

 これらを三束ずつ納品することで、クエストは達成される。


「あ、これがハカマオリーブですね」


 早速、一つ目のハカマオリーブを見つけることができた。

 三束摘んで《収納》に保存しておく。


 《収納》の中では生物なまものは腐ることがない。だから新鮮な状態でギルドに納品することができる。


「こちらにタツノ草があるぞ!」


 嬉しそうに走っていくメリッサさん。

 そこに生えているのは、タツノ草だった。


 俺がタツノ草を手に取って、《収納》しようとすると薬指の指輪が赤く光った。


「あっ、これは毒がありますね」


 書類の写真とそっくりなんだけど。

 なんでだろう。


 ……あっ。


「これ、見た目は似てますけど毒草ですね」

「そうなのか?」

「はい。資料に載ってます。「《ウソツキタツノ草》と言う、タツノ草にそっくりの毒草で、間違えることがよくあるから注意が必要」と書かれてます」


 この資料、字が綺麗だな。

 アイリーンさんが書いたのかな。


「むう。ウソツキとは、その通りだな」


 ぱぱっ、と手に持ったウソツキタツノ草を捨てるメリッサさん。


「それにしても、その指輪はなんなんだ?」


 俺の指輪に興味が移ったみたいだ。


 薬指の指輪を外して見せる。


「これは《毒見の指輪》と言って、毒があると光って知らせてくれる魔道具です」

「ほう。便利なものだな」

「はい。重宝してますよ、ご飯食べる時とか」

「ご飯を食べる時にか?」

「いやあ、前にあったんですよね。食堂で飯食べたら、毒が入ってて死にかけたこと」

「……苦労してるんだな」


 何年前だったっけな。

 あの時は泡を吹いて倒れたっけ。


 生死の境を彷徨って、なんとか生き返れた。


 騎士団長が舌打ちしてたけど、今思えばあの頃から恨まれてたんだな。


「さて。残りはシロブナ草だけです! 頑張りましょう!」

「うむ!」


 そして、俺とメリッサさんは森の少し奥に向かって進んだ。



ここまで読んでいただきありがとうございました。


「メリッサ暴れてるな〜」

「おっ、新しい魔道具だ!」

「続きが楽しみ!」


と言う方は、ブックマークや評価(★★★★★)などよろしくお願いします。


そうすると作者のモチベーションが上がります。

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