第一話 追放
新作です。
本日、12時と17時に一話ずつ投稿します。
「おい、ユーグ! さっさと片付けとけよ!」
「明日までに《魔剣》を出しとけ!いいな!?」
目の前に乱雑に積み重なったアイテムを見て、憂鬱に思う。
「はあ」
俺は王城の倉庫の管理をしている、ユーグだ。
数千種類以上のアイテムが王城の倉庫に保管されている。
騎士団が使う武器、毎日のように持ち込まれるアイテム達。絶対に開けてはならない呪いの箱。
とにかく、途方も無い数のアイテムを俺は一人で管理していた。
とんでもない仕事量だ。
運び込まれるアイテムを整理して、次の日に必要なアイテムを準備し、壊れていないか、耐久度は大丈夫かを確認する。
「とりあえず、明日の準備をするか」
倉庫の整理は明日までに終わらないかもしれない。
だから先に《魔剣》を探すことにした。
《魔剣イフリート》は騎士団長のフランビーズが主に使っている剣だ。だが、仮にも魔剣。
魔剣封じの箱に入れておかないと、暴走する可能性もある。
「《魔剣》。お前も大変だな」
あの騎士団長は剣術がお粗末だ。力任せに振るって、剣がボロボロになってしまう。
魔剣イフリートだから耐えられるが、他の剣ではすぐに折れてしまうだろう。
「とりあえず耐久の確認を……」
「おい! ユーグ! 国王がお呼びだ!」
作業中と書いた名札を部屋の前に下げたのに、国王の近衛兵が入ってきた。
……ノックくらいしろよ。
そう思いながらも文句は言えず、《収納魔法》に魔剣を仕舞って、国王が待つ
「ユーグ。お前をクビにすることにした」
「……は?」
王が待っている部屋に入ると、いきなりそう告げられた。
その部屋には王以外に宰相と騎士団長がいた。
「聞こえなかったか? お前をクビにすると言ったのだ」
「納得できません」
本当に納得できない。
俺は特に失敗もしてないし、国王に粗相をした覚えもなかった。
「ふむ。お前達。説明してやれ」
「お前、前々からうざかったんだよ! たかが雑用係のくせに俺達現場の人間に指図するなんてな!」
「貴方の仕事は誰でもできる仕事です。しかも、他の仕事の片手間で、ね。貴方はただの給料泥棒だ。貴方のわがままも聞き飽きました」
それは違うだろ、思った。
指図だと? 忠告だ。剣をあんなに乱暴に使っていたら、すぐに折れてしまう。俺が鍛治師に頼んで打ち直してもらわなければ、剣はすぐに折れてしまう。
誰にでもできる仕事? 馬鹿を言うな。俺の一日の仕事量はお前らの数倍だぞ。休日もなく、給料も安い。最悪の仕事だ。
だが……。
「でも、いいんですか?」
「は?」
「俺がいなくなれば、国が滅びますよ」
一瞬、三人は呆けた顔をした。
次の瞬間ーーー。
「「「ふははははは!」」」
こいつらは笑い出した。
「何を言うかと思えば、言い訳にもならないではないか。無能、とはまさしく此奴のことか」
「お前がいなくなったくらいで国が滅ぶわけがないだろうが! この雑魚め!」
「給料欲しさで、滑稽ですね」
無能。雑魚。滑稽。
三人はそれぞれ、俺に罵声を浴びせてきた。
俺が身を子にして働いているのにも関わらず、こいつらは俺の仕事を評価してくれない。
いいだろう。やめてやるよ。
「じゃあな」
俺はこいつらに呆れて、その日のうちに王城から出た。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
「続きが楽しみ!」
と言う方は、ブックマークや評価(★★★★★)などよろしくお願いします。
そうすると作者のモチベーションが上がります。




