表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42歳独身サラリーマン、異世界で小さな幸せを掴む  作者: もふもふ大好き
第3章 王都再建
54/66

053 ピルッカの種族進化

いつもお読みくださり誠にありがとうございます。


スミマセン。力尽きたので後ほど補追します……

王都の都市機能の多くはハード面でいうならほぼ復興は終わっていた。

だが、多くの人材を失い、しかも建物の倒壊により多くの者が怪我を負っていた。

エルミとエレオノーラは「癒し」を用いて、その怪我人を癒していった。

本当は淳一が瓦礫撤去と共に命に関わる怪我を癒してあり、エルミたちが癒していく者たちは比較的軽傷の者たちであった。

だが、エルミたちが癒していく、という行為が大切であり、それにより彼女らの英雄としての地位は確固なものとなっていく。

特にエルミは聖女であり王族なのだから、余計にその人気は高まっていく。


「ふーっ。これで怪我はほぼ癒えたわね」

「エルミ、お疲れ様。エレオノーラも大変だったよな」


エルミが一息ついた頃に、淳一が転移で戻ってきた。

そしてりんごジュースを取り出し、コップに挿れて2人に手渡す。


「美味しいっ!いつ飲んでもりんごジュースは美味しいわ」

「りんごをジュースにしようって考えるのはジュンイチ様くらいですわ」


2人は一気に飲み、お代わりをリクエストしてきたので今度はコップになみなみに挿れてあげる。

それを嬉しそうに受け取り、今度は味わうように飲んでいた。


「そう言えば、ピルッカはどこに行ったの?今日、全然見てないのよね」

「確かにそうだわ。由香ちゃんと麻衣ちゃんも見ていないのよね」

「ああ、3人は森のオーガの集落に行ってるよ。ついでだからピルッカの種族進化をさせようかと思ってね」


ピルッカをエルフの戦闘職としてより上位職であるソルジャーエルフからマーシャル(元帥)エルフにしようと考えていた。

そのためにはひたすらモンスター狩をさせるのが一番であり、由香と麻衣にそれを頼んでおいたのだ。


「ちなみにエレオノーラもハイエルフからエーデル(高貴)エルフになってもらうつもりだけどね」

「えっ?エレオノーラだけズルイんですが!」


エレオノーラの強化プランを話したらエルミが少しむくれ顔になった。

それも少し可愛いのでほっぺを軽く突くのだが、


「エルミの存在自体、この世界の女性の最高峰の存在だからね?そんなエルミを護る存在なんだからそれ位の種族進化をしないと釣り合わないんだよ」


俺は尤もらしい事を口にするが、1番の目的は俺自身が目立たなくなるためだ。


「で、もう少しでハルムスタッドが攻めてくるから、ピルッカに国境警備隊を指揮させて戦争に勝たせようと思ってね」


ユヴァスキャラ王国にも職位としての将軍はいるけど種族としてはノーマルエルフなのだ。

初等部5年であっても、種族が伝説の中だけの存在だったマーシャルエルフであれば、ピルッカが将軍になっても誰も文句は言ってこないだろう。

エレオノーラは今日、只管、「治癒」を行っていた事もあり、もう少しで種族進化しそうだった。

3人が有名になれば、俺はのんびりと庭いじりができると画策していたのだ。

正直、俺は小さな幸せを掴めれば良く、小さな家に、可愛い嫁さんと可愛いペット、そして子供たち。

そんな生活が送れれば最高だと思っているのだ。

だけど、このまま行けば、王族になり様々な面倒ごとに首を突っ込まざるを得なくなる。

それを回避するためにピルッカとエレオノーラに育って貰いたいのだ。


「さて、ピルッカたちを迎えに行くかな。先に王城へ戻っていて。今日の晩御飯は初めての料理を作るから」


俺はそういうと麻衣を目標に転移を行った。

すると、最後のオーガキングとピルッカが対峙していた。

ピルッカは満身創痍。

それに対してオーガキングは万全の状態でピルッカに向かっていた。


「由香、麻衣、お疲れ様。ピルッカはどんな感じだい?」

「お兄ちゃんっ!」

「お兄様っ!」

「おっと、急にどうしたんだい?」

「「(お兄ちゃん成分)(お兄様成分)の補給です(わ)っ!」」


2人はそう言いながら俺の胸に飛び込んできて、顔を埋めていた。

俺はそんな2人をギュッと抱きしめながら、ピルッカの戦いを見守る事にした。

彼は神力剣に自身の魔力を通す。

今のピルッカは魔力もほとんど尽きかけており、疲労度もマックスだろう。

だが、神力鎧もあり、彼がオーガキングに遅れを取ることはない筈だ。


「おりゃあぁぁぁぁっ!」


ピルッカが雄叫びを上げながらオーガキングに斬りかかる。

疲労困憊な筈の彼の足取りは何十年と戦場で戦っている猛者のように力強く、そして疾い。

オーガキングはその疾さに驚き、迎撃の初手に失敗し、剣で受け止めようとするが弾かれる。

だが、そこはオーガキング、すぐ様体勢を整えて追撃を躱す。


ガァァァァ!


オーガキングの持つメガバスターソードは斬るというより叩き潰すといった感じの使い方をしている。

ドワーフ兄弟はが使っていたメガグレートソードは20キロ程の重量のあるものだったが、このメガバスターソードは推定40キロ。

初等部のドワーフとは比較にならない膂力を有するオーガキングだからこそ使える武器だ。

それを構えてピルッカに斬りかかってくる。

そろそろマーシャルエルフに届こうかというピルッカの太刀筋にも負けない鋭い剣撃。

神力剣故に折れる事はないが、下手に受け止めると吹き飛ばされる事になるだろう、重くて鋭い剣撃をピルッカは正確に見切って躱していく。


「……そろそろピルッカに限界が近づいてきたな」

「ピルッカ、上品じゃないけど必殺の剣撃があるからそれを使う隙を狙ってるんだと思うよ」

「そうね。あれはなかなかの威力があるわね」


オーガキングの剣撃を躱しながら、アキレス腱に剣を入れるとオーガキングは体勢を崩す。

その瞬間、ピルッカは高く飛び上がった。

人間であればせいぜい1メートルも跳び上がれれば良い方で身体強化を使っても2メートルほど。

エルフは魔力による身体強化を使えば4メートル近いのだが、ピルッカは10メートル近くまで跳べるのだ。


「断頭台!」


少し物騒な必殺技の名前を叫び、オーガキングの首筋に魔力を込めた剣を振りかざすと、そのままオーガキングの首は跳ね飛び、真っ赤な血飛沫を噴水にように5メートルほど撒き散らし、自ら作った血溜まりに沈んでいった。


「……もう立てねぇ」


ピルッカは勝った喜びよりも疲労が勝り、そのまま地面に座り込む。

彼は今日だけで1000近いオーガと戦っていた。

1時間に100というとんでもない数だ。

そして、彼がへたりこんだ瞬間、種族進化が始まった。

彼の身体は僅かに大きくなりステータスも爆上がりした。

ピルッカのステータスを確認してみると……


ピルッカ

種族 エルフソルジャー → マーシャルエルフ

性別 男性

年齢 15歳

身長 172センチ

体重 59キロ

視力 右 2.0 左 2.0

健康状態 疲労困憊

疲労度 90

精神状態 思考力低下(疲労に伴う)

体力 260/3900

魔力 150/2100

知力 2350

賢力 1600

攻撃力 4500

軽快さ 3550

防御力 4100

器用さ 3000

抵抗力 2450

幸運度 500

魅了 130

回復力 1950


攻撃力は伝説の勇者並み、要するにバケモノと言われるステータスに変化していた。


「これなら王国側もピルッカが将軍になるのに異を唱えないだろう」


確認後ピルッカに「回復」を行い、戦闘による血飛沫や泥の汚れなどを「洗浄と浄化」を掛け汚れを取る。


「ピルッカ、頑張ったな。これで今日からマーシャルエルフ、元帥になったぞ」

「ああ、これも由香ちゃんと麻衣ちゃんのお陰だよ。彼女らのサポートがなければ数の暴力で蹂躙されていたよ」


由香と麻衣はオーガたちを牽制してピルッカに向かう数をコントロールしていたようだ。

それを戦いながら理解していたピルッカも随分と成長したな、と俺は感心する。


「さあ、王城へ帰ろうか。ピルッカは明日ら少し大変になるからな」


オーガたちの死骸は由香と麻衣が回収しており、血液の海だけが残っていたので転移で戻る前に浄化しておく。

由香の同族という事もあり、俺はその場で手を合わせると由香も俺の隣で手を合わせる。


「お兄ちゃん、ありがとう。この群は近いうちにスタンピードを起こしていたから滅ぶ運命だったんだけど、それでも……やっぱりね」


俺は由香の頭を軽く抱え込みながら彼らと別れを告げて王城へと転移するのだった。


感想を頂けると、書くときのエネルギー源になります。

ぜひぜひ、いろいろお待ちしております!!

ブクマ、レビュー、評価なんかは涙が出るくらい頂けたら嬉しいです。

応援のほど宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ