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005 食材探しと

いつもお読みくださり誠にありがとうございます。


ヒロインが登場します。

4日目の朝を迎えた。


熊五郎とにゃん太といったもふもふ系と一緒に寝たのでとても気持ちよく目を覚ますことができた。

キッチンに行って水を飲む。

うん。

魔法の水はとっても美味しいし、適度に冷えているので身体がめざめる。


靴を履いてから家の外に出ると外は日の出を迎えたばかりで空はまだ群青色と黒の間の色をしていた。


「熊五郎、にゃん太、今日は食べられる食材と鳥の卵が欲しいんだ」


「がうっ!」


「にゃんっ!」


2匹は俺の意向を理解できたのか元気に返事をしてくれる。

俺は「身体強化」を使って夜目が効くようにして森の中に向かう。

そして「全マップ探査」を使い、食材を調べると、人参に似たもの、玉ねぎに似たもの、とうもろこし、トマト、大豆、自然薯、長ネギや小麦、りんご、梨、柿、みかん、苺、野苺、小桑、栗、小松菜、白菜などにそれぞれに似た食材が多数見つかった。

他にも手許になかった薬草やポーションに使う素材、綿花や蚕に似た繭などもある。

異世界だからか、正直季節感が狂っているような一覧だ。

その上、サトウカエデに似た木もあり、上手くいけばメープルシロップが採れてデザートもつくれるよね?

それに川には魚がおり、森には食用にできる鳥、それに……巨大狼がいた。

まぁ、この狼には近付かないようにマーキングしておこうか。


近くにある食べ物をどんどん採取していく。

人参と玉ねぎが手に入れば、カレー粉があるからカレーライスも作れるし、ベシャメルソースを作ればクリームシチューだってつくれる!

自然薯は掘り出すのが少し面倒だったけど、これは熊五郎が得意のようで、本当に綺麗に掘り出してくれた。

大豆や小麦も採取。

しかも!未成熟の大豆が採れたんだよね。

未成熟の大豆は枝豆として食べられる。

これで今夜のおつまみは決定だな!


トマトは野生種なんだろう。

あまり大きくはないが香りがとっても良く、1か所で30個ほど採取できた。

長ネギや小麦も。

小麦は雑草と一緒に生えていたので、小麦を選別しないといけなかったけど、フスマ部分を取り除いて3キロ程度の小麦が収穫できた。

種として取っておくもの以外は「収納」内で「解体」して小麦粉にして複製を行った。

サトウカエデの木には傷を付けて樹液採集ができるように容器を括り付けておく。

果物など最初に見つけた素材を一通り収穫でき、一気に生活の質が良くなるだろうなと思わず笑みを浮かべていた。

するとにゃん太が何かに気がついて一気に駆け出した。


「おい、にゃん太っ!」


にゃん太が走っていった先に俺も急いで向かうと、にゃん太は鳥を2羽、捕獲していた。

それもオスとメスの番い。

首筋を噛んで動けなくしているのがオスで前足で押さえつけられているのがメスだ。

どう見ても鳥の方が大きいのだが、抵抗する事なく「タスケテ」とでも言う感じに俺のことをじっと見ている。

鑑定で見るとお腹を空かせているようなので、そのまま殺さないでりんごを与えてみると凄い勢いで啄んでいく。

1羽につきりんご2個。

結構な食欲だ。

2羽が食べている間ににゃん太に「良くやった」と褒めて喉からお腹までわしゃわしゃと撫でてあげると目をトロンとさせて喉をゴロゴロ言わせている。

熊五郎はそれを羨ましそうに見ながら俺の周りを行ったり来たりするので熊五郎も一緒にわしゃわしゃ。

2羽が食べ終わった頃に、


『「従属化」もしくは「眷属化」できます。 眷属化/従属化』


と出てきた。

やっぱり餌付けが条件なのかな?

で、今回は眷属化とどう違うのか知りたいので「従属化」を選択する事に。

名前はオスが「コケ」にメスが「コッコ」。

見た目が2回りほどでかいニワトリだからって事でのネーミングだ。

本当はコカトリスっていう種族らしいんだけど、コカとトリスにしたらクスリと酒っぽいので却下だ。


「それじゃあ、そろそろ帰るか。熊五郎、にゃん太、それにコケとコッコ、行くぞっ!」


「がうっ!」


「にゃん!」


「「こけっ!」」


んー?眷属化と従属化はあまり変わらないのか?

そう思いながら自宅へと帰る事にした。

その間にステータス画面右横の「説明」を押して眷属化と従属化の違いを調べる。

「眷属」は従う者で「従属」は支配を受ける者。

大きな違いは眷属にすると生活の保証をしないといけないらしい。

それ以外はここで大きな違いはないんだとか。

俺は暫くは従属でいいかな?

と思いながら帰り道は行きと違うルートで帰る事に。

食材をゲットしながらなのできっと帰りは9時前かな、そう予測を立てながら歩いていた。

すると、30分ほど食材をゲットしながら歩くと牛らしき動物が草を食んでいるのが見えた。


「熊五郎……」


俺は熊五郎に指示を出して牛が逃げられないように退路を塞ぐ。

そして、りんごを2個手に取り、それを持って牛のところに行くと、牛は驚くのと同時にりんごに目が行っていた。

恐らく、驚きよりも食欲が勝ったのだろうか、「もぉー」と鳴きながら俺に近寄ってきた。

図体がでかい。

鑑定では体重が1500キロ!

1個ずつあげていたら大変そうなのでりんごを20個ずつ用意した。

……食べるのが、遅い。


熊五郎たちは俺の脇で蹲って寝始める。

30分ほどしてりんごがなくなった頃、


『「従属化」もしくは「眷属化」できます。 眷属化/従属化』


と出てきたので迷わず「従属化」。

オスは太郎、メスは花子と名付け家に向かった。


「いやぁ、結構なパーティーだな」


俺の右側に熊五郎、左側ににゃん太。

後ろには太郎と花子はエアレーという牛型モンスター。

その背中にはコカトリスのコケとコッコが乗っていた。

俺は鼻歌を歌い、それに合わせて「がうがう♪」「にゃーん♪」「こっこっこ♪」「ぅもぉ〜♪」と一緒に歌う。

ちょっと幸せな気分に浸りながら歩いていると、


「きゃーっ!」


とどこからか女の子の悲鳴が聞こえてきた。

全マップ探査で調べると500メートルほど離れているところで10頭ほどの何かに囲まれている人?がいる事が分かった。

俺は矢と矢が20本入った矢筒を背負い、急いで森を駆け抜ける。

するとそこには腕を怪我した女の子が木を背にして狼らしい動物に囲まれていた。

俺はすかさず弓を構えて矢を連射する。

矢には速度だけ「付与」したもので、それが狼の頭を射抜く。


「助けに来たぞっ!」


俺はそう叫ぶと、再び矢を連射する。


ドス、ドス、ドス


先程2頭の狼を、そして3頭。

残り5頭だ。

じりじり俺との距離を詰めてくるがこの距離なら弓矢の方が有利だ。


ドス、ドス


残り3頭。

そこに熊五郎がやってきて1頭を始末。


俺はそのまま矢を放ち、2頭を始末し「収納」した。

俺は急いで女の子のところに向かう。

女の子は木に寄り掛かるように地面に座り込んでいた。

右腕からは血が流れており、太ももなども抉られていた。

すぐに治療を開始しないと!


「洗浄!」「浄化!」


急いで彼女の傷口を消毒し、「治癒」と「回復」を掛ける。

するとポワッと傷口が光り、傷口が消えていく。


(すげーっ、魔法ってホント、ファンタジーだな)


俺はそう思いながら女の子に声を掛ける。


「大丈夫か?」


女の子は薄い桃色の髪で、その毛先は地面に触れるほど長い。

何より見た目で目を引くのは耳で、10センチほど真横に伸び先端が少し尖っていた。

鑑定をすると、


疲労度 : 90

状態 : 貧血、気絶


回復は体力だけで流出した血液までは回復しないようだった。

ただ、快復を掛けて疲労度90ってどれだけ疲れていたんだ……

俺はそんな彼女、いや、鑑定で分かったけど、エルミをお姫様抱っこして家に向かった。

家に帰ると家具が一切ないので、木工スキルでもゲットしてベッドでも作ろうかと思ったけど、試しに創造で作れるかやってみた。


「創造」


すると寝室に木製のダブルベッドができた。

だが、俺の想像力がチープだからかあまり見た目が良くない。


「やっぱり後から作り直すとするか……」


そうはいうものの、今はこれしかない。

一応、ベッドマットもあったのでそのまま彼女を寝かし、寝るときに苦しそうなので革鎧と剣は外しておいた。

そしてキッチンに向かい、少し遅くなった朝ごはんを作り始める。


「野菜類がたっぷり手に入ったから、豚肉のポトフとご飯にしようか」


米を洗って作っておいた土鍋に入れてコンロにかける。

コンロは火魔法を付与しており中華も作れるほどの大火力だ。

初めてキッチンでの料理に少し興奮しながら、芋、人参、玉ねぎを切っていく。

豚肉も切って塩・胡椒をして油を敷いた鍋で軽く炒め、そこに野菜を投入して炒める。

それから水を入れて中火で煮込んでいく。


「これだけだと足りないからニジマスでも焼こうか……」


ニジマスを取り出し塩焼きにしてグリルの中に。

ホーンラビットの肉を4キロを適当な大きさに切ってオーブンの中に入れてそれぞれ焼き始める。


「熊五郎とにゃん太ももう少しでできるからな!」


「がぅ!」


「にゃ!」


そう言って俺の側で座って待っている。

なんてイジラシインダ!

料理ができる間に取り敢えず創造で4人用のダイニングセットを創造する。

今度は材質からデザインまで細かく創造したら少しはマシなものができた。


「そろそろご飯も炊かさるかな?」


そう思ったら、寝室から叫び声が聞こえてきた。

急いで寝室に向かうと、エルミは部屋の隅で震えながら蹲っていた。

感想を頂けると、書くときのエネルギー源になります。

ぜひぜひ、いろいろお待ちしております!!

ブクマ、レビュー、評価なんかは涙が出るくらい頂けたら嬉しいです。

応援のほど宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「創造」で何でも作れるんならわざわざ足りない食材探しに行かないで完成された料理を生み出せば良いんじゃないの? [一言] あまりにも万能過ぎる能力を主人公に持たしたらよっぽど構成力無いと…
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