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42歳独身サラリーマン、異世界で小さな幸せを掴む  作者: もふもふ大好き
第2章 学院生活
32/66

032 Bランクに

いつもお読みくださり誠にありがとうございます。

実習4日目。


俺はいつもの様に自宅と王城に転移してそれぞれに食事を与えて、それから自分の食事の準備だ。

朝はトマトを使ったミネストローネとロールパン。

それにベーコンエッグ。

ハイオークで作ったベーコンとコカトリスの卵で作ったベーコンエッグは元の世界で食べたベーコンエッグよりも旨味が段違いだ。

ベーコンを噛んだ時の脂肪の旨味、甘さは絶品だ。

だからベーコンだけを炒めたものも用意しておいた。

これをロールパンに挟めて食べたら……最高だろう。


「おはよう!ジュンイチ!」

「エルミ、おはよう!皆んな起こしてきてくれる?食事がそろそろできるから」

「うん、いつもありがとうね!今日もとーってもいい匂い!」


エルミはそう言うと各部屋に行き、起こしに行った。

もちろん、ピルッカとエレオノーラの部屋は鍵を閉めて、猿にならない様にするためで当然2人の了解を得ている。

まあ、ジト目で見られたけどね。

セラフィーナは……豪快な寝相の様で、エルミの声で何となく予想できた。

起こしに行ったら上半身だけが床の上に落ちていて、ドアを開けたら足がベッドから生えている様に見えたらしい。

由香と麻衣は起こしに行った時は起きて部屋の掃除をしようとしていた。


「おはよう!ジュンイチの食事を食べたらもう家のご飯は食べられないよ!」

「ジュンイチ様、おはようございます。いつもすみません……」

「なんだ、この旨そうな匂いはっ!」

「お兄ちゃん、おはようございます!」

「お兄様、おはようございます。次からは私もお手伝いさせて頂きますので宜しくお願いします」

「エルミ、呼んできてくれてあふぃがとうな。それじゃあ、朝ご飯を食べようか」


テーブルの上にはロールパンにミネストローネに、そしてベーコンエッグに野菜サラダとリンゴジュース。

ミネストローネは具たっぷりで以前の俺ならこれだけでお腹一杯になっていただろう。

そして厚切りベーコンを使ったベーコンエッグ。

メニューだけ見たなら、いつもの朝食より軽めに感じるが、実際はボリュームたっぷりの内容だ。


「主神オーヴァージェンに感謝して」


エルミの一言に皆も呼応して、由香と麻衣も俺がするので真似をして「感謝して」と呟いて朝食の時間となった。

まだ、俺の料理に慣れていないセラフィーナはそれこそ一心不乱に食事をしている。

俺がベーコンエッグをロールパンに挟んでいるのを見て、セラフィーナも、いや、全員が真似をして食べる。


「うっま〜〜っ!!」


俺の声に全員がコクコク頷きながら食べていた……


朝食後、食器類などを収納して後片付けをして、地上に転移する。

そして、セラフィーナは同僚のマルック先生とオラヴィ先生に、


「この子たち、このヤルヴェンパー迷宮を踏破したみたいなので職業ギルドに行ってきますね」

「はい!?迷宮討伐っ?初等部がか?」

「いや、3階層くらいまでなら確かに難易度も低いが……」

「じゃあ、行ってくるわね!」


そう言うと、俺たちは王都まで歩いて……直ぐに転移で移動した。



職業ギルドというものがある。

この世界では成人を迎えれば誰もがギルドメンバーになり、そのギルドカードにより支払いや納税が行われる事になっていた。

そのギルド内には様々な部門があり、今回はその中でもハンターギルドと呼ばれる部門に行く事になる。

どの世界でも動物はいろんな部位が利用されるが、モンスターは人的被害も齎す存在なので部位の買取だけでなく討伐ポイントも手に入るのだ。

買取実績と様々なポイントを勘案して、ギルドランクというものが付けられていき、上から順に、S、A、B、C、D、E、F、Gとなっていて、初等部を卒業する頃には実習で得たドロップ品を買い取ってもらう事で上手くいくとFランクになっていた。


「いらっしゃいませ。職業ギルドにようこそ!」


受付にいるまだ20代前半の女の子が挨拶をしてくれた。

もちろん、俺たちも挨拶をしていく。


「学院のセラフィーナです。すみません、ハンターギルドのアウリス部門長をお願いします」

「あ、セラフィーナ先生ですね。いつもお世話になっています!それではアウリスを連れてきますので少々お待ち下さい」


ハンターギルドの受付でセラフィーナは名の知られている存在だったようだ。


「先生って、もしかして高ランクハンターですか?」


エレオノーラは受付でのやり取りを見て質問を投げかけた。

そういえば、セラフィーナは単独で5階層に来ていたっけ。


「そうね。一応、Cランクよ」

「Cランク?それってすごくないですか?」


ピルッカが驚きの声を上げるのも無理のない事で、Sランクはこの国には居らず、この国の1200万人の登録者の中でAランクは2人、Bランクは200人、Cランクでさえ10000人しかしない。

セラフィーナは公爵令嬢でありながらCランクなのだから、ギルド内では知られた存在なのだ。


「それほどでもないわ。今日はハンターギルドの部門長との顔合わせと買取ね。20階層踏破したんだから相当な量になるから、下手したら全員Aランクに上がるかも知れないわね」


そんな話をしていたら、受付の女性に連れられて、部門長のアウリスがやってきた。


「お待たせしました!セラフィーナ様、今日は……生徒たちの登録ですか?」

「それもあるんだけど、実は、この子たちヤルヴェンパー迷宮を踏破しちゃったのよ。それでその報告と買取をお願いできれば」

「えっ!ヤルヴェンパーを踏破?あそこは……20階層までしかありませんが、難易度はAからS相当の迷宮ですよ?」


アウリスが思わず叫んでしまった事で、多くのハンターがこちらに視線を送ってきた。


「ヤルヴェンパー迷宮が踏破?」

「あそこって12階層までしか踏破されていないよな?」

「ヤバいモンスターがハウスのように湧き出る迷宮だろ。嘘に決まってるだろ」


そんな声があちこちから聞こえてくる。


「すみません、魔核などたくさんあるので別室でも良いですか?」


俺が提案すると、アウリスはハッとして、自分の失言で今の状況があまり好ましくない事に気が付き謝罪した。


「それでは別室に参りましょう。悪いが鑑定士を数人呼んできてくれ!」


そう言うとアウリスは別室に俺たちを連れて行った。

そこで、迷宮で得られたものを出せる範囲で出してくれと言うので、手もとに残しておきたい素材以外は出すことにした。


魔石小から特大まで得られた魔石は全部。

迷宮核の1部分やエルダードラゴン、オーガカイザーやオーガキング、ジェネラルなどの素材なども出していく。

もちろん、複製済みだ。


「何ですか、これ……」

「ですからこの子たちは迷宮を踏破したんですって」

「すみません、森で狩ったモンスターも良いですか?」


アウリスは迷宮だけでも驚愕の出来事だというのに、森……恐らく深淵の樹海だろう、そこのモンスターの素材まで出してきたと言うのだから、驚愕を超え虚無感を覚えているような顔で俺たちを見ていた。


「……それではこれから査定を始めたく」


アウリスと鑑定士3人がこの膨大な量を鑑定していく。

量が多すぎるので昼過ぎにもう一度来てもらえないかという事で、取り敢えずギルドカードを持っていない俺と由香、麻衣のカードを作り、それから王都観光をする。


……ただ、料理関係は屋台から有名店までどれも美味しくなかった。


エルフらしい服装を売っているお店に行き、エルミ、セラフィーナ、由香と麻衣の服を見て買っていく。

まだ鑑定が終わってはいないが、取り敢えず金貨10枚ずつを先に受け取っていたので服を買うことができたのだ。


「エルミのそのスカート可愛いな」

「セラフィーナのキュロットは脚が綺麗に見えるな」

「由香の花柄ワンピースは……うん、可愛い」

「麻衣のパンツルックは凛々しくて素敵だな」


1人1人褒めていくと、皆、顔を真っ赤にしながら嬉しそうに洋服を抱きしめていた。

そして昼過ぎにギルドに戻り、受付でギルドカードを渡し、ハンター部門長室に向かう。

非常にシンプルな実務机と簡易な応接セットが置かれている部屋で書類が机の上に山積みとなっていた。


「このパーティーリーダーはイトウ・ジュンイチくんで良いかな?今回は大量の魔石や素材をありがとう。今回は1人金貨35000枚で討伐ポイントを加味するとギルドランクはBが妥当だと判断させて頂きました」


「えっ?Bランク?」


セラフィーナは自分の上のランクに初等部の学生が来た事で驚くが、それが俺だと言う事で納得し、


「ダーリンがBランクっっっ!!」


大喜びして俺に抱きついてきた。

結局、由香と麻衣はBランクになったが、買取のお金は金貨100枚以外は俺のものにして欲しいという要望を出し、エルミ、ピルッカそしてエレオノーラも金貨5000枚だけ受け取り後は俺の収入となった。

感想を頂けると、書くときのエネルギー源になります。

ぜひぜひ、いろいろお待ちしております!!

ブクマ、レビュー、評価なんかは涙が出るくらい頂けたら嬉しいです。

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