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かわいいおなかは誰のもの?

「はぁ~、可愛い~…」


小春日和のあたたかな日差しの中、自宅のベランダで日向ぼっこするちっちゃな丸くてモフモフなもの。


目を細め、お手々をしまって箱座りをしている。

ちょっとずつ、ちょっとずつ、雪だるまか、丸いチーズがとろけていくように

しっぽや、肉球をさらけ出して、最終的にはおなかを出して眠ってゆく。


それを延々と眺めているだけで、日々の傷たちが癒えていく。

マンションの一階で良かったと、こんな日ばかりは思う。


あの、口元のモフっとしたところに、ピンクのお鼻。

ツンツンしたくなる。

というか、気づいたときにはもうしちゃってるんだけど。


みぃ~とかいいながら、耳をパタパタ動かす。


「はぁ~、本当に可愛い」


このちびっこい三毛猫まりもは、先週末に公園に捨てられていた。

雨なんか降ってなかったのに、濡れて汚れて、震えていた。


口を開けて、パクパクしているのに、声なんて出ていない。

ぽてぽて歩いては転んで、ぽてぽて歩いては転んでた。


汚いし、触りたくないと思った気がしたのに、気が付いたら、着てたパーカーを脱いで、包んでた。

一瞬だけ、触れたときに、全然あったかくなくて、なぜか、涙があふれて止まらないままに、近所の動物病院へ駆け込んだ。


たぶん、大の大人が泣きながら、しゃっくり上げてるし、で、何言ってんのかもわからなかったと思うけど、看護師さんは、優しくて、私が抱いていた汚れたパーカーを大切なものを扱うように預かってくれた。


笑顔でもう大丈夫ですよって言われた時に、もっと何言ってるかわからないくらい泣いてしまった。


落ち着いてから見た子猫は、やせてたけど、きれいになっていて、もけもけしていた。

先生が抱っこさせてくれたけど、ちょっと暖かくなっていて、軽いけど、ピンと足を延ばして、もぞもぞ動いていて、安心してまた泣いてしまった。


こんなに泣かされたんじゃ、責任を取ってもらわないととぼんやりした頭で考えて、そのまま管理人さんへ電話した。


「猫を飼いたいけど、飼ってもいいですか?」

「無問題。ここのアパートは、ペット可アルヨ」


・・・嬉しさで、その時は気にならなかったけど、なんか管理人さんの口調変だったな。


数日たっただけなのに、もけもけは、もふもふになって、大あくびして、寝転んでいる。


責任もきちんと果たしてもらっていて、私の日々のストレスで痛む胃を

猫から出ている何か良くわからないものが、ゆっくりと、じんわりと、癒してくれている。


控えめに言って、最の高である。



ぽかぽかのお日様にあてられた真っ白なおなかに、吸い寄せられていく。


きっと、ぽかぽかで、お日様の香りなんかしちゃうんだろうなぁ~・・・。



モフっとした感触を期待した私は、スカっとした感触に目を開ける。


「あれ?」


そこは、古びたアパートのベランダじゃなくて、異国情緒があふれまくりの世界だった。


「へ?」



後ろには黄色いお花畑が広がっているし、

前には、大きな壁と大きなアーチがかった開けた門が、門の中は、中世ヨーロッパを思わせるような作りの建物が立ち並んでいる。町ゆく人は、よく見るような人であったり、獣のようなモフっとした人だったり。


同じなのは、ぽかぽかしたお日様のあたたかさだけ。




「・・・へ?」





































書いているときに、飼っている猫が膝に乗ってきて、キーボードを踏んでいって、めちゃくちゃにされたんですが、そんな事、初めてされて、最高すぎて、更新しました。

そんな事、夢物語化と思った。実際にこんなことあるんですね。


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