第5話-刻-
相手は通常個体が10体に新型(飛行型)が1体…
こちらは主戦力が5人、サポートが1人、回復が1人…
しかし、暇だ。みんな強い。強すぎる。
誰も怪我をしない。
だが、通常個体は半分くらいになったのに新型のエイリアンはびくとも動かない。
まるでこちらを観察しているようだ
そこまで考えたとき急に閃いた。
もし、あの新型エイリアンに知能かあったら?
もし、通常個体と戦わせてこちらの戦力を見極めてたら?
もし、あいつがそれを完封できるほどの作戦を練れたら?
そこまで考えたとき思わず皆に大声で伝えようと思った。
しかし、それだともし相手がこちらの言語を理解してたら?
そう思いそっとまゆちゃんに囁いた。
「新型のエイr…異型はこちらを観察して作戦を考えてる。行動パターンとかを覚えられると勝ち目がなくなってしまう。
…ってみんなに伝えられる?」
我ながら名案だ。
まゆちゃんの意識送信術ならこっそり伝えられらる。
まゆちゃんが軽く頷くと目を閉じた。
そしたら一瞬みんなの動きが止まった。
おそらくまゆちゃんの意識送信をキャッチしたんだろう。
まず動いたのは田中だった。
「フハハハハハハハハハ!我らを嵌めようって魂胆だったのか。デモゴルゴンによってはよく考えたな!だが甘い!我ら宣誓の騎士にそのような小賢しい真似など通用せんわ!我の終焉の刃によって制裁をくだしてやるわ!」
そう叫び、目にみえないような速さで空間を斬った。
………しかし、飛行型は綺麗に身を捻り田中の終焉の刃はかすりもしなかった。
…と思いきや副会長が後ろに周り込み首元を切り落とそうとした。
しかし、斬ったのは残像だった。
息をする暇もないような0.1秒を争う戦いだ。誰かの攻撃が終わると次の誰かの攻撃が炸裂する。
だがしかし、新型エイリアンには一発も当たらない。
相手の姿が見えなくなった(見失っかた)瞬間、
「先輩危ない!」
その声が聞こえたとき急にお腹に痛みを覚えた。
痛い。
熱い。
苦しい。
視界がぼやける。
声が出ない。
「シュガー!大丈夫!?」
「先輩!」
「佐藤!」
みんな心配している……
そうか……お腹を突き刺されてもう死ぬんだ…
意識が…………途………切れ……………る
シュガーは真っ白な世界にいた。
「ああ…これが…死ぬってことなんだ………」
シュガーは目を閉じた…
「………ガ………!………………きて!」
なぜか千花の声が聞こえてきた。
ふと、目を開けると千花とまゆちゃんが顔を覗いていた。
「よかった…目をさました……」
わけがわからない。
自分は死んだはずだ。
無意識に自分に治癒をかけたのか?
あのキズが治ったのか…?
それより、飛行型はどうなった?
「あれ…?ここは…?」
「先輩。ここは保健室ですよ。」
「飛行型は……?どうなった……?」
「シュガー……何言ってるの?飛行型?」
「先輩寝ぼけてるんですか?」
「今…どういう状態…?」
「田中さんと加藤姉妹が合流したところですよ。」
おかしい…加藤姉妹の片方は飛行型に喰われてるはずだ。
なにかが……おかしい……
「田中さんがすごい個性的な名前でね〜」
「田中闇刃でしょ?」
「えっ……なんで知ってるの…?」
話せば話すほど混乱してくる。
「とりあえず…僕は今なんでここにいるの?」
「先輩覚えてないんですか?会長さんが3人合流する〜って、言ったとき先輩急に倒れたんですよ?」
そこまできいてなんとなく思い出すことがあった。
主人公がタイムトラベルをしてしまい、過去を変えたことによって未来が戦争後の荒地になってしまった。
……という話だ。
もしかして自分の2つめの能力は時間旅行的な何かなのかも知れない。
そう思ったとき斎藤の声がした。
「敵襲だぁぁーーーーーー!」
「飛んでるぞぉぉーーーーーーー!」
飛行型だ!
危険だ!
早くみんなに知らせないと………