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星光町物語-蒼き始まりの刻-  作者: シュガー
2/10

第2話-感染-

「グギィ…グギャァァァァァァ!」


工藤と呼ばれたその女子はみるみるエイリアンへと姿を変えていく。

少しだけあった自我も今はすでにないみたいだ。


「グブォゥァァァァ!ギェィァァァァァァァ!」


「ふう…新井。事情は後でたっぷり聞いてやるぞ。覚悟しとけ。」

そう言いながら会長はポケットから何かを取り出した。


なにか武器でもあるのかな?

そう思いみていたら出てきたものがまさかの…


木の棒だった

普通の木の棒。

どこにでもある、木の棒。


しかし会長が木の棒を握りしめるとその棒が光り…


ん…?

木の棒は骨付きのお肉。いわゆるマンガ肉というものになった。


「おっかしいな…」


だよね。ただのミスだよね。


「会長。あまりふざけないでください。元は仲間だとしても、今はもうただの獣。容赦はしません。」


うわぁ…副会長絶対不機嫌だよ…絶対千花のせいだよ…


「いきます。」


副会長がそういうと瞬きする間にエイリアンの背後にまわりこんでいた。

そして、エイリアンが副会長の方を向く前に…


パァン!


と鋭い音がして、青い爪のついた紫色の右腕が地面に落ちた。

いや、叩きつけられたの方がいいかな…?


シュガーは目の前の光景に驚きを隠せなかった。

副会長の人外すぎる動き。

さり気なくいろんなものに姿を変えている会長の手に持つ木の棒。


そしてふと顔をあげると…

エイリアンは五体満足な状態だった。

床を見る。

叩きつけられたエイリアンの右腕が転がっている。


「ちっこいつ、再生するのか…」

「しゃーねーなーふくかいちょーさんはっ」


ふと声がしたので振り返るとそこには麻生雫がいた。


「こんな雑魚も満足に仕留められないのか?」


そう言いながら雫先輩が右腕をあげると、


チュン…


という音がしてエイリアンの頭が吹っ飛んだ。


えっ…?

今起こったことがまた、理解できなかった。

多分千花も同じなのだろう。さっきから視線が明後日の方向を向いている。


「よし!やっとうまくいったぞ!」

「いいかげん変化させるのに慣れてくださいよまったく…」

「しかたないだろ、難しいんだこれは。なんならやってみるか?」

「私にできないことを知っててよく言うわね。」


会長と副会長は結構仲がいいようだ…

会長が持っていた棒は、マンガ肉でもなく、彫刻でもなく、目覚まし時計でもない、日本刀だった。


「隙あり!一刀両断!」


突然会長が刀を振り下ろすとエイリアンが真っ二つに切れた。


そして、エイリアンは真っ黒な霧になって散っていった。


「さて、新井。保健室でたっぷり話をきこうか…」


「へーへー…ってそっちのふたり組は誰すか?」

「佐藤と八乙女だ。そうだお前も2人に自己紹介をしておけ。」

「わかりやしたよ〜3年1組の新井光牙っすよよろしくな」


「さて、自己紹介もちゃんと終わったし、新井!さっさと行くぞ。」






「まず、どうして工藤が異型に変化したんだ?」


ほう、エイリアンと呼んでたあれを会長達は異型と言っているのか…


「俺は、工藤と校舎の見回りをしていたんだ。そしたら校庭にあの異型が入り込んできたんだ。」

「俺は工藤に先に会長に報告しようと言ったのだが、工藤が自分ならあれくらい倒せると意気込んで俺の静止を聞かずに突っ込んでいったんだ。」

「工藤は左肩に傷を負ったが異型を霧に戻したんだ。」

「そしたらその霧が工藤の左肩に流れこんできて…だな…」

「そのあとはお前らを知ってるだろ。俺が悲鳴をあげ、お前らが駆けつけてきた。」


「ふむ、つまり、霧になった魔物は人の傷から体に入りこみ、感染するのか。」

「つまりあれだろ?殺られる前に殺れって、やつだろ?」


新井先輩はすごい軽いな…

そして、さっきの戦いで疑問に思ったことを聞いてみる。


「会長あの、さっき木の棒を剣にしたのはいったいどつやったのですか?」

「ああ、佐藤くんはまだ知らないのか、これは僕の能力だよ。手にしたものの素材と形を変えることができる能力だ。とりあえず『物質操作術』と呼んでいるんだ。」


…………は?

能力?物質操作術?

チョットナニイッテルカワカラナイ


そんな疑問を無視し、会長は説明を続ける


「その顔だと佐藤くんはまだ能力について何も知らなかったみたいだな…

そうだな…能力と言うのはな…」

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