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凱旋の皇太弟  作者: ちあきついたち
序章
4/4

第1章①-入学

大陸暦1013年


クルックは13歳となって、軍事学校に入学した。軍事学校を巡っては皇帝や皇妃もさすがに難色を示したが、長子ガルフォングの説得もあり、入学を認めることとなった。


軍人には学校を出なくてもなることをできるが、軍事学校は卒業すると士官の道が約束されている。入学試験自体も厳しく、また入学後も4年間の厳しい訓練が待っている。対象年齢は13歳から29歳と幅広い年齢層が通う。


クルックが皇族であるからということは関係なく、家族からの妨害もはねのけて、入学試験を見事にパスしてクルックは入学を決めた。


ウラヌス皇国は5つの地方から成るが、軍事学校は北部ウンブリエル地方と西部チタニア地方に近い中央部ミランダ地方のキリングにある。ちなみに皇都デミランダルもまた中央部ミランダ地方にあり、皇都とキリングは馬車で5日間ほどの距離にあたる。

4年間は寮生活となるため、荷物一式をもってこのキリングにある軍事学校の門戸を叩いた。




クルックは入学の一日前にキリングに到着した。

指定された学生寮まで行き、入寮の手続きを終えると後ろから声を掛けられた。


「失礼します。クルック様とお見受け致します。私はシェイマス・ビスマリデと申します。北部地方のビスマリデ伯爵の六男で、このたびクルック様の従者に任命されました。以後、宜しくお願い申し上げます。」


あまり口数が多くなさそうで、無愛想な少年がクルックに挨拶をしてきた。

父の皇帝との約束で、在学時に従者を付けることを了承してしまったため、同時期に軍事学校へ入学することになっていた貴族の息子のシェイマスに白羽の矢が立った。


「すまないな。俺はクルックだ。これから4年間よろしく頼む。」


クルックが手を差し出すと、シェイマスは跪いて手を取った。これは皇国に伝わる主従の儀であり、皇族が貴族に、また貴族がその従者に行うものである。本来はもっと仰々しい段取りがあるのだが、今回は簡易的に行った。


「こんな堅苦しい関係は嫌いなんだが、シェイマスも無理しない程度にやってくれていいからな。」


ここに

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