あの子はいつも泣いていた。
私にはこの世で最も苦手な人間がいる。
私にはこの世で最も蔑む人間がいる。
私は〝彼女〟のことが嫌いだ。
嘘の笑顔を浮かべて、偽りの自分を演じ
勝手に疲れて、勝手に逃げる。
自分の事しか考えていない
自分の為にしか生きていけない
綺麗事を並べても心の中はどんよりと霞んだ色をしているに違いない
なのに私は彼女の一番近くにいつも居る
不愉快な存在をいつも間近で見続けている
離れたくても、遠ざかりたくても、それができない。
だから余計に彼女の事が嫌いになっていくのだ。