第七章 幼少時代 彼の封印
今宵、影滝の過去の全てが明らかに。
その時、影滝の友が駈け付ける。
疲れた影滝さんは、頬を突いても、腕を上げても、耳元で大声を出してみても、身動き1つしなかった。
影滝さんに、心配そうに寄り添う私に、木甲さんが、話を始めた。
「影滝はな・・・・」
・・・・5年前・・・・
この頃、影滝は、幼児だった。
影滝にとっては最悪の頃だろう。
影滝は、優しく、穏やかで、滅多に泣かず、滅多に怒らない、良い子だった。
けど、周りは冷たかった。
「良い子ぶってんじゃねーよ。」
「お前なんか居なきゃ良かったんだ。
「触らないで、汚れる。」
そんな事を言われ続けた。
ある時、ある神が、影滝の玉を壊した。
けれど影滝は、死ななかった。
妖怪達が集まり、新しい玉を作ったからだ。
影滝は、妖怪を神だと思っている。
「人間の思いから産まれたのが私たちだ。 じゃあ、人間の汚れや、憎しみを背負って生きている妖怪も変わらないじゃないか。」
と。
それで、先代のアマテラスが彼を封印しようと、彼を海に落とした。
そして、今のアマテラスが拾った。
ある意味、神歴史上、一番可哀相な神かもしれない。
「・・・・そういうことだ。」
「ある意味、その説、間違ってないような気がする。」
その時、玄関が開いた。
「刀の影九十九が起きたってのは本当か?」
そう言いながら、駆け込んでくる1人の男性。
「本当か、木甲。」
「本当だけど、とりあえず落ち着いて、目を覚ましちゃうから。」
私諸共、木甲さんは、二人と自分を影滝さんの部屋から隔離した。
「久しぶりだな。 兜影九十九、鉄棒」
「鉄砲?」
「てっぼう。」
私には、鉄砲に聞こえた。
「いいんだ。 皆間違えるから。 影滝が世話になっている。 アマテラス殿。」
この鉄棒と言う者が駆けつけてきた時、隔離している影滝の部屋は・・・・
次回をお楽しみに^0^