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第1話 露出狂ではありません



どうも初めまして、俺は遠野トオノ ユウ


23歳独身彼女無し、けど過去にいたから決して童貞では無いぞ!


……誰に言ってるんだろう俺?


駄目だ、頭がおかしくなって来た。


だってさ? さっき俺は死んだんだよ? トラックに轢かれてバラバラになって。


それなのに今俺はどこかわからない、鬱蒼と生い茂ったジャングルの真っ只中に立っているんだよ?


しかも、素っ裸で。


何これ? いじめ? いじめ良くないよ?


あ、でも死んだら服とかは関係ないのか……わからん。


取り敢えず何か探してみるか、どうせ死んだんだし今さらどうする事も出来ないし。


何の当ても無く、俺は歩き出した。





「何も無いな」


暫く歩いたが何も無い、景色も変わらない。


日は大分傾いて来たからかなり時間は経った筈なのに。


んー大自然の広がる中を全裸で歩く。


別に露出の趣味なんて無いからこの状況で興奮なんてしないぞ決して。


……はぁ、虚しくなってきた。


せめて誰かに会わないかな? いや、会ったら不味いな、こんな姿で会おうものなら即通報間違い無しだ。


いやでもやっぱり会いたいな、死後の世界だろうから会わないのかもしれないけど一人だと心細い。


さっきからなるべく気落ちしない様に無理にハイテンションでいるけどそれも限界だ。



「誰かぁ……いないのかぁ……」


気力の込もっていない声は、木々の間に虚しく響いて行った。



「誰かいるの?」


ん?


空耳じゃない、近くから声が聞こえた。


しかも、声を聞く限り……。


近くの木の陰から、声の主が姿を現した。



「おぉ……!」


思わず声が漏れた。


金髪を後ろで一本に纏めた所謂ポニーテールの髪形に綺麗な蒼い瞳、とてつもない美人が姿を現したのだ。


けどちょっとおかしい、いや美人なのは確かなんだ。


ただ服装、何かゲームに出てきそうな革製の鎧みたいなものを着ていて腰には鞘に納まった剣を携えている。


えっ? あの、銃刀法って御存知ですか?


俺の疑問を他所に、目の前の美人さんは俺を見て目を見開き、次いで視線を少し下に移し、顔を段々と赤くして行った。



「いっ……」


「い?」


「いやあああああああああっ!?」


悲鳴と共に美人さんは腰の剣を抜き、目を瞑って抜いた剣を振り上げた。


あ、不味いな……。


振り上げた剣はそのまま振り下ろされ、俺は避ける事も出来ずに脳天からバッサリと叩き切られた。




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