二人の少女
第2話です。
※書き直しました
騎士団の人間に助けられた場所から少し離れた場所。
「リアナごめん、せっかくのお出かけなのにこんなことになって」
黒髪の少女が申し訳なさげに言う。
「ううん。ナリスに怪我がなくてよかったよ」
白髪の少女がブンブンと首を振りながら言う。
「リアナは優しいね。もし、リアナがよかったらこれから少しお出かけの続きをする?」
「いいの? きっとリアナのせいでまたさっきみたいなことになるかもだよ?」
「大丈夫だよ。それに、さっきのはリアナと何の関係もないよ」
「でも、リアナはーー」
「リアナは私が守るから安心して。今度は絶対に」
リアナが口を開くのを指で制してナリスは柔らかい笑顔で断言した。
「……」
「やっぱり、不安だよね。ごめん、もう迷ったりしないから」
「ナリス…」
リアナは少し寂しそうな顔になる。
「リアナ…?」
「…迷ってたの?」
「…少しね。でも、それは、リアナとは関係ないことだから」
「ぷぅ…」
リアナはそんな声を出して頬を膨らませた。
「り、リアナ?」
「ナリス私に隠し事してたの?」
「そういうことじゃないよ」
「嘘、悩んでたの隠してたくせに」
「……。…だってリアナを困らせたくなかったから」
「リアナ、隠されるほうがいや」
「ご、ごめん。今度からはちゃんと全部話すから」
「約束して」
リアナは少し上目遣いに言う。
「約束するよ」
「じゃ、手」
「え? 繋いでるでしょ?」
そう言って、すでに繋いでいる手を持ち上げる。
「ううん。こうじゃなくて」
そう言ってリアナは一度離し、指を絡める形に繋ぎ直し「こう!」と嬉しそうに言う。
「これでいいの?」
「これがいいの」
そう言いながら二人はクスクスと笑いあった。