狂恋黒華(街賊悪漢 新東京屑エピローグ)
六本木の恋の交差点で・・
「突き抜けようや!」岩永
「突き抜けるっ!!」あきな
「・・・・・不謹慎にも程があるぞ・・
たかだかタクシーで通りすぎるだけで・・」はるか
タクシーで移動中の三人。
六本木・・
この辺りは大使館なども多くて
よく右翼がウロウロしてて・・
街宣車からのマイクの大声が聞こえてくる・・
「現状に満足だぞーーー!」剛健
「いいじゃねえか!変わるな~そのままー!」ゼロ
「ボンっ!!!」
「じゃあっなんで火炎瓶投げ込むんだーー!」
「なんなんだよ!?池袋行動中道って!?」
街のギャラリーは・・
「すげえな・・過激保守派って・・」
「言ってる事とやってる事の差がすごいな・・」
「ああ・・渡辺さんで革命起こして・・」
「ああ・・ユリアさんで完結したと思ったら・・・」
「来たな・・新時代右翼・・」
「・・・すげえの出てきたな・・ナベちゃんとこ・・」はるか
「東爆の子でしょ?六喧の頭と池喧の頭ね」あきな
「久しぶりにお祭り男が出て来たな」岩永
六本木では・・
「いいかお前等、喧嘩ってのは、ここ一番で勝てばいいだよ」大輝
「押忍っ」
「・・・おいっ・・ヘタレ」リオ
「・・・俺?」大輝
「何が、ここ一番だ!名前ばっか売れて、
喧嘩だってデビューしてから・・」リオ
連敗街道だ・・
「たった一回の勝利と一回の引き分けで何えらそうにしてんだ!」リオ
「こんなにも本物の不良が強いなんて思わなかったよ・・」大輝
不意打ち・・?勝ちの流李戦と。限りなく負けだった引き分けの中根戦
あとは、その辺の不良にはやられまくりだ。
「これで今の東京のトップ3っていうんだから、
アウトローの世界っておもしろいよな」大輝
「お前が言うな・・」リオ
東京のオフィス街では・・
「いや~今売れてるな新時代新聞」
「はっちゃけてるし。おもしろいよな」
「今日の日経平均・・
1万3000円を突き抜け・・止まることなんて・・」
「知らねぇよ・・か。かっこいいな新時代調は」
「この天気予報も面白いよな」
「ああ。六本木はいつも雨予報だな。」
『今日の六本木。恋に破れた涙雨70%』
「えっと、占い占い・・今日の八月生まれはっ、と・・・」
「ラッキーアイテム揺ぎ無い心だって・・難しいな・・」
会社では・・
「社長っ今日の記事これでよろしいですか?」
「・・・よしっ。オッケーそれで出して」香奈
これを見てる社員は・・
「かっこいいよな社長。」
「ああ。お水のバイトとフリーの記者から初めて、
今、売れまくりの雑誌出版社の社長だもんな」
「それに今六本木の女帝って言われてて、昼も夜も忙しいしな・・」
「本当新時代の女帝だよな。今までに無い。」
「今日行ってみようか?社長のお店」
「おおー見たい。社長のキャバ嬢姿」
「ほらっそこぉ仕事っ!」香奈
「はいっ!」
「すぐにー!」
(ふふ・・みんながんばってるよ)香奈
大阪では・・
「わはは~ちょめれるもんならちょめてみろやー」(止めれるもんなら止めてみろやー)
「飲みすぎですって親父ぃ」
お店で盛り上がる客を他所に端の方で手紙を読む若者
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元気?みんな変わらずがんばってるよ。
千夏さん愛羅さんカツオさんは、まだ何か三人で競い合ってるよ。
今、東京はなぜか右翼ブームだし・・(東爆の人)
新街宣車ラプソディー革命だってよ。
意味分かんないけど・・
あと中根君がまさかの東爆継いだよ。
まさかって言ったら失礼か。わはは。実力あるしね。
それと大事な事だけど、
亜美ちゃんが部屋借りてたみたいで・・
それが、流・・刀真君が借りてた部屋の隣。
元の拳鍔?渋谷殺戮の寮の隣。
まだ誰も開けてないから行ってみて。
荷物とか捨てるのもご家族はそちらに任せますって。
だから場所分かると思うから、鍵も入れとくねこの手紙に。
だけど隠れていきなよ。見つかると大変だから。(お祭り騒ぎになるよ)
何も要らないようだったら、そのまま置いといて。
んでまた大阪に帰ったら連絡してね。(会いたくないから)
後はこっちが片付けるから。
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(ふふ・・会いたくないから・・か。)
「お兄さんは、飲まへんの?」キャバ嬢
「・・あっ、いやっ、俺今日は親分の運転手だから・・・」
手紙を隠す若者
「・・かっこええわ・・これ電話番号・・掛けてな」キャバ嬢
「・・・・気が向いたら・・」
「もうっ・・じゃあ名刺だけでも頂戴っ」キャバ嬢
「・・電話掛けてきても出ないから俺・・」
一人ポツンとただうつむいてるだけの若者。
恋に臆病だ・・
いや相手にしてないというか・・
親分達は盛り上がるだけ盛り上がって・・
「親父っそろそろ帰らんと姐さんに怒られますよ」金山
「もうこんな時間か・・。おいっ帰るぞっ車回して来い」ヤクケン
「はいっ」
急いで外に駆けていく若者
そして貰った名刺を見るキャバ嬢
「柊・・流李・・かっこええわ、名前もぉ」キャバ嬢
あれからどれくらい経ったかも考えないようにしてる。
自分でもここなら不意を突いた時期だと思い、
隠れて東京に向かう。
六本木の亜美の部屋へ・・
「カチャ・・」
「本当に隣だ・・借りてたんだ亜美・・さすが。」柊
「ふわっ・・」
開けた瞬間に漂ってきた・・
「ふふ・・亜美ぃ・・」柊
やさしく香る亜美の匂い。
「綺麗にしてんな・・ゴミ一つ無いや」柊
亡くなる前に綺麗に掃除したのか・・
「あっ・・手紙?」柊
テーブルの上にポツンと置かれた手紙・・
「ピラっ・・」
手紙を手に取り・・
「・・・う・・うわあああん・・亜美ぃ」柊
自分がもし死んだ時の為に書かれた手紙・・
ここに巻が来るのが分かっていたのか?・・
簡単な手紙・・言葉・・
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もし私だけがが死んだら、
アナタは恋に臆病になると思うの。
新しい恋に踏ん切りが付かないんでしょ?
だがら最後に言ってあげる。
愛してるよ。巻。
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これで何か踏ん切りが付けれそうだ。
浮気って訳じゃないけど、お前にいつか会えるまで女作ろっかな。
別にお前なら他の女愛したって嫉妬しないだろ?
いやっ。言い聞かせたな自分に。汚いな俺ってまだ・・
でも、また素直に心がときめいたら、
素直になってみようかなって思う。
(ふふ・・またいつか会う日まで・・
亜美っ・・愛してたよ・・・)柊
やっと聞けた愛してるの言葉・・
確かに愛しあった二人・・。ただこの事実だけで十分だ。
部屋の扉を閉め帰りだす巻
外は、久しぶりの六本木だ。
ここで始まった恋に・・
終わった恋・・
ここの空気を感じると、
もうときめく事なんて無いはず・・なんて思ってしまう。
「トクンっ・・・!!」
六本木の夜がまた俺達を引き寄せる・・
「えっ!?巻くんっ?」香奈
怒るかな?ここは?
でも・・
素直に・・
咲けっ。
俺の情熱の恋の華・・
悪党なら・・いや、飛び切りの悪党だから・・・抱いてやる。
いや違う・・
「悪党に・・抱かれろ・・」
この街賊悪漢に・・