地名・用語解説
あいうえお順となっております。ネタバレを含むので、先に本編を読んでから読むことをお勧めします。※現在第壱ノ巻まで終了。
●あーちゃんの会
星怜学園大学天原校に存在する学生専門魔装具販売サークルの一つ。西行文佳を中心として組織され、サークル内で材料の発注から製作、販売までを行う。様々な系統の術者がごった煮で会を組織しているのもあって、伝統を重んじる魔術師達からは毛嫌いされている。購入者側も、会に所属すれば様々な特典が受けられる(協力されれば断れない場合も)。教師陣の術者や、外部の術者にも販売を行っている唯一の組織。
●明月
八神隆久の鍛えた太刀の一振。術者の霊的な力を浄化の力に変換する特性を有する。隆久が妹の事を頼む際に、朱音へと贈った。
●天燕
陰陽師が使役する式神の一種。有視界戦闘において用いられる攻撃用の式神。亜音速で直進するという点から、『陰陽術における銃弾』とも例えられる。
●天原グランドホテル
天原駅前に建つホテル。それなりに豪華な佇まいであるが、最近は不況のせいか客足が遠のきつつある。
●天原市
巨大な龍脈の上に存在する日本有数の霊地の一つ。星怜学園が市内における仕事をほぼ占有しているが、土地の特性上多数の魔術師達が工房を構えている。その力の大きさから様々な妖怪を呼び寄せるため、毎夜星怜学園の生徒達によって浄化作業が行われている。
●位相空間結界
結界の一種に分類される。その内の隔離系と呼ばれる結界。通常空間から内部空間を完全に隔離する結界で、境界線の内側を完全に複写した空間を形成する。結界を解除して通常空間に復帰した瞬間、結界内部で起きたことは一部を除きリセットされるという特性から古来より重宝されてきた術式である。習得難易度はかなり高い。
●異端者
統一協会の定める戒律を破った魔術師を指す。一般的ないい方をすれば、犯罪者に当たる。一部の例外を除いて、統一協会に加入している組織に所属する術者には、異端者の捕縛もしくは討伐の義務が生じる。
●大鷲
陰陽師が使役する式神の一種。術者が飛行するための騎乗用の式神。霊力の消費が高い。
●和神家
八神家を頂点とする、八神一門の内の一族。日本国内に存在する神刀・妖刀の所在の記録を行っており、その一環として持ち主のいない神刀や妖刀に関しては、独自で管理も行っている。また、それらのデータを参考にした、武具の製作も行っている。
●鬼
日本でも最も有名な妖怪の一つであると同時に、人に害を為す神としても描かれている非常に霊格の高い存在。
●陰陽科
総合学部の中の学科の一つ。その名の示す通り、陰陽術を行使する術者が在籍している。星怜学園の系列校全体で、二番目に人数の多い学科である。
●陰陽師
陰陽術を用いる術者達の総称。陰陽五行思想を中心に、多種多様な術体系へと発展を遂げた。
●餓鬼
生前に己が欲望に駆られながら死んだ人間や、飢えや行き倒れで死亡した人間の霊が成ると言われているもの。常に満たされない飢え、渇き、苦しみに苛まれている。霊格は非常に低い。
●学生専門魔装具販売サークル
星怜大の学生によって組織される、魔具、礼装、霊薬の類の販売を行っている組織。中には製作も行っているサークルもある。
●加工棟
装備のカスタマイズの加工が可能な場所。自室の工房には収納できない大型の機材等が置かれている。主に魔装具工芸コースの者が使用している。
●歌仙
和神家で管理されていた、持ち主のいない妖刀。和泉守兼定によって鍛えられた刀で、細川忠興がこの刀で部下を三六人斬ったとされる事から、三十六歌仙にちなんで、歌仙、歌仙兼定と呼ばれる。術者の間では、人の血を好む刀として知られている。人を斬るほど斬れ味が増すと伝えられていた事もあり、過去にこれによって多くの人斬り事件が発生した事で、封印されることとなった。
●触媒
魔術師が術式を行使する上で、必ずしも必要ではない道具。触媒自体はなくても術式は行使できるが、それに必要な作業工程や時間、必須となる霊的な力が格段に少なくなる。近代以降の魔術の発達は、触媒の発達と同義と言っていい。
●火凛
涼子の使用する小太刀の一振。八神隆久によって鍛えられた刀で、巫女による禊ぎが行われた刀身を用いる事で、強力な浄化の力を有している。焼き祓う事に特化されているので、炎との親和性が高い。
●清めの塩
巫女によって清められた塩。効果は清めを行った巫女の技量に依る。簡易的なお祓いに用いられる。
●禁呪
習得・行使に伴う危険性があまりに高いと判断され、習得する事が禁止とされている術式を指す。総じて習得する事が非常に難しく高度な技術を要求され、また術式を行使する際もかなりのリスクを生じる。ただし、絶大な効果を持つものも少なくなく、禁呪に指定される以前より該当術式を習得していた家系に関しては、例外的に術式の習得が許可されている。
●草壁流陰陽術
近接戦闘に特化したきらいのある術体系を成す一派。肉体強化による徒手格闘・近接武器における戦闘では、無類の強さを発揮する。過剰なほど近接戦闘に特化されたているために、中・遠距離に関しても高火力の術を有しているが他派と比べて数が少ない。肉体強化においては、一族秘蔵の術式(禁呪)を用いており、直系ほど肉体強化の強度が著しく向上する。総じて、霊力の生成量が多い。
●管狐
竹筒の中に入ってしまうほどの大きさ、またはマッチ箱くらいの大きさで七五匹に増える動物などと様々な伝承がある。主として占術に用いられる。
●倉守町市
天原駅より、在来線で下って二時間ほどの場所にある。猫屋敷家のおひざ元の市であり、猫屋敷家の権力も他の地域と比べて強い。天原市の影響力も低く、この近辺の仕事は、総じて猫屋敷家に求められる事が多い。
●紅椿
涼子の使用する小太刀の一振。
●黒鴉
陰陽師が使役する式神の一種。攻撃や偵察に用いる、汎用性の高い式神。消費する霊力が非常に低いため、多用する術者は多い。
●経絡痛
過剰な術の使用によって、霊力の流れる経絡系が損傷したことによって起きる。症状や状態は、筋肉痛とほぼ同じ。繰り返すたびに耐性がついていく。
●結界
境界線を敷く事によって、線の内側を外側から切り離す術式。境界線上・内側・外側に任意の効果を発現させる。効果の内容に関しては、術者の技量に依る。
●健康管理センター
本来は妖魔との戦闘で傷ついた術者の治療のために建てられた施設。医師免許を持った医師が常駐している。現在では生徒数の多さから一般生徒の方が頻繁に利用しており、外科・内科・歯科等がある。少ないながらも、入院施設も完備している。
●小狐丸
朱音の所有する太刀。三条宗近によって稲荷明神と共に鍛えた名刀。稲荷明神が鍛えた事も関連しているのか、獣の霊との親和性が高い。
●護符
主に陰陽師の術者が使用する、魔法陣の書きこまれたお札。主に符術や式神、占術に用いられる。
●皐月祭
星怜学園大学の文化系サークルが中心となって行う、春先に行われる小規模な文化祭。体育系サークルのような大会のない文化系サークルが、発表を行う場というのが主な開催理由である。開催は五月の第三土曜日。前日の金曜から準備が行われ、日曜日は片付けという日程になっている。なお、高等部以下の部活動や愛好会は参加しない。
●実習場
星怜学園大学天原校の術者の区画に設置されている対魔術師戦闘の可能なグランド。対物理・対魔術障壁を幾重にも張り巡らせてあるので、内部で多少激しい戦闘をしたとしても外部へ衝撃や騒音を漏らさないような仕組みとなっている。
●巡回役
日本魔術師連盟から各市町村に派遣される。担当の市町村内で起きた怪事件に、妖怪・魔物・怪異・化生と呼ばれる存在が絡んでいるかを調査し、各市町村長に報告する役割を持つ。霊的な力を見たり感じたりするのは訓練で身に着けることが可能なので、基本的に一般人が多く就任している。
●資料棟
世界中のありとあらゆる魔導書や、創立以来生徒がこなして来た任務の報告書が保管されている建物。日本国内の物だけでなく、海外の書籍も多数所蔵されている。その他、連盟(日本魔術師連盟)に保管されている霊格の高い妖魔や神格との戦闘記録のコピーも保管されている。
●神道科
総合学部の中の学科の一つ。神道を扱う術者が在籍している。陰陽科の学生との結びつきが強く、人数は天原校内では中規模。
●雛鴟
陰陽師が使役する式神の一種。機械技術の発展した現在でも、通信機器の使えない場合や機械に馴染めない術者の使う、通信用の式神の一つ。
●星怜学園
正式名称は、学校法人星怜学園。表向きは単なる私立の進学校であるが、その実魔術師を育成するためのありとあらゆる設備を備えた、国内最高峰の魔術師育成校。その中で最も大規模なのが、数百名の術者生徒を有する天原校である。
●精霊魔術
西洋の四大元素を基盤とする魔術体系の一つ。世界で最も普及した魔術として知られている。
●精霊魔術師
精霊魔術を用いる術者の総称。多種多様な体系へと発展を遂げた。
●宗家筋
日本国内においては、強力な戦闘力を有する術者組織の長を勤める家系出身者を指す。その戦闘力の高さゆえ尊敬されると同時に畏怖の対象とされることもしばしば。先天的に魔術的な才能に優れた者が多く、責任の重大さも他の術者より大きい。
●総合学部
星怜学園の中で、魔術師である生徒やそれに関連する生徒が在籍している学科。一般人には秘匿されている学科であり、表向きには存在しない学科である。
●大苗路町
猫屋敷涼子の実家、猫屋敷家本家のある町。倉守町駅から、バスで三〇分ほどの場所にある。涼子曰く、自然と史跡以外は何もないが、猫屋敷家に縁のある人々が多く住んでいる。古い史跡が多いため、研究者や学者が多く訪れる。また大苗路町の元の表記は、猫屋敷家の屋敷にちなんだ大猫寺と書かれていた。
●対物理障壁
結界の一種に分類される。その内の障壁系と呼ばれる結界。境界線の外側から向かってくる物理攻撃を、境界線上で遮断する効力がある。比較的簡単に構築できるため、主に戦闘中や拠点防衛などに用いられる。魔術攻撃に対しては無力。主に、対物障壁と呼称される。
●対魔術障壁
結界の一種に分類される。その内の障壁系と呼ばれる結界。境界線の外側から向かってくる魔術攻撃を、境界線上で遮断する効力がある。比較的簡単に構築できるため、主に戦闘中や拠点防衛などに用いられる。物理攻撃に対しては無力。主に、対魔障壁と呼称される。
●黄昏の金剛九尾
協会や連盟などで用いられている陽毬の通称。記録上では一九四五年に討伐された事になっている。強力な金行の力を持ち、実体化させた刃はそれこそ斬れぬ物のない名刀のような、絶大な斬れ味を誇る。戦国時代以降の蛮行から金色の災禍として、人間・妖怪問わず恐れられていた。
●辻斬り通り魔事件
複数の市にまたがって発生した、連続傷害事件。命に別条はないものの、全員が重傷を負っている。刀のような長い刃物で斬られていた事から、辻斬り通り魔事件と呼ばれるようになる。犯人は人間に対して強い憎しみを抱いていた、翼の民の和神宗昭。
●土御門流陰陽術
日本国内では最大派閥・最大勢力と噂される流派の一つ。攻・防のバランスに優れ、近中遠距離に対応した多種多様な術を持つ。特に平安時代より強力な妖怪を式神として使役しており神格級の式神も多数存在するが、これら神格級の式神は使用が厳しく制限されている。その一方で新しい物を取り込みにくい体質であり、時代遅れの術式をいまだに用いている事も多い。総じて、霊力の制御力が高い。
●燕
陰陽師が使役する式神の一種。足が早く制御圏も広いので、主に偵察等に用いられる。攻撃力は低いので、戦闘には向かない。
●天狐
千年以上を生きた狐が、神格を得たもの。尾は四本存在し、強力な神通力を有する。なお、尾の数については諸説存在する。
●統一協会
正式名称を【United Association】。日本では通称、協会と呼ばれる世界最大の魔術師統括機関。表の世界では、国際連合に相当するような組織に当たる。魔術師に関する世界共通の規約や法整備並びに、違反者等の逮捕や討伐も行う。聖十字教を始めとした教会組織も多数組み込まれているため、魔術師よりも教会の影響を強く受けている部分も多く存在する。その例の一つとして、現在の統一協会の最高責任者は教皇が務めている事が挙げられる。
●特別鬼術科
総合学部の中の学科の一つ。翼の民が在籍している。星怜学園の系列校全体で、最も人数の多い学科である。
●独鈷杵
密教において用いられる宝具の一つ(礼装)。槍状の刃が柄の上下に一つずつ付いたもの。ヴァジュラとも呼称する。
●日本魔術師連盟
第二次世界大戦以降、日本が再び国家としての主権を取り戻した折に結成された組織。日本国内においては魔術師達を統括する最大機関であり、統一協会に対しても強い発言力を有する。国内での任務の発注から受注、魔具・礼装や霊薬の輸出入、情報の収集と管理または封鎖、承認ランクの認定等々、ありとあらゆる魔術関連の物事を行っている。
●ねこ屋
大苗路町のお土産屋として人気のある和菓子店。猫屋敷家の方々の御用達のお店。肉球のマークのロゴが目印。色んなポーズをとった猫の饅頭を売っている。
●猫屋敷流陰陽術
近距離・中距離・遠距離と様々な攻撃レンジに対応した術式を多数有する一派。元々は土御門流の流れをくむ一派であるが、しばらく前から断交状態にある。土御門流からより強力に汎用性・応用性へと発展させていった結果、幅広い状況に対応できる代わりに高威力の術式はほとんど失ってしまった。
●闇霊式典
ルネサンス以降の近世欧州で開発された魔術の中で、特に兵器としての運用を前提とした物の総称、あるいはそれをまとめた書籍。現在ではその危険度から、ほとんどの物が禁呪に指定されている。
●人払い
一般人が特定の場所に近付かないようにする術の総称。各体系によって、多種多様な術式が存在する。
●憑依科
総合学部の中の学科の一つ。霊的存在を肉体に憑依させる、あるいは霊的存在を行使する術者が在籍している。数はかなり少なく、天原校全体で十数人しかいない。
●使い魔
主に西洋の魔術師が使役している特別な動物。人語を解すると同時に高い知能を持ち、簡易的な術式も高氏が可能。
●呪物
魔術師が術式を行使する上で、必要不可欠な魔具。近年では触媒の異様な発達によって、触媒の役割も兼ねる物が増加傾向にある。
●部活棟
一般生徒の区画に設けられている建物。文化部の部活動やサークルが使用している。術者の生徒も一般人を装っているので、利用する機会は多い。
●祓魔師
聖十字教関連の組織に所属する術者を指す。主として悪魔払い(東洋で言う退魔業)を行っている。エクソシストとも呼称される。魔術師とは相いれない存在であり、魔術師をもっとも嫌悪する人種としても有名。
●翼の民
古来より天原の地に存在する有翼人種。伝承では、翼を持った鬼として語り継がれている。遺伝子的にも霊的構造的にも、厳密には人間と違う作りになっている。翼を所有している点以外にも、人間の使用している霊力とはやや異なる物を使用、精霊魔術と酷似した術体系の保有、力を解放した時にはそれぞれの属性に応じて瞳と頭髪の色が変化するといった特徴を持つ。また、個体によって差異はあるものの、肉体強化の能力も保有している。
●法師陰陽師
密教の力も扱う、戦闘に特化された陰陽師。人外との戦いを前提としているため、強力な術式を多く保有している。
●魔具
魔術師が術式を行使するのに用いる道具の総称。
●魔装具工芸コース
総合学部の中の学科の一つ。星怜大の中で唯一、魔具や礼装、霊薬の類を製作しているコース。人数は、極めて少ない。高等部までは、特殊工芸デザインコースの名称を用いている。
●瑞姫
八神隆久が知人と共に製作した、妹である八神かれんに贈った杖。戦闘力の低いかれんのために、能力にブーストをかける効果を持っている。
●密教
宗教系魔術に分類される物の一つ。戦闘においては主として真言によって神格の権能を一時的に借りうけるものが多く、非常に強力なぶん、そこへと至れる者は少ない。
●密教僧
密教を扱う術者の総称。
●無縫衣
他者を体内に招き入れるという危険性から、現在では禁呪に指定されている術式の一つ。同化した者の能力に応じて、身体能力や魔術的素養を大きく拡張することができる。だが、同調や調整が非常に困難で、完全に力を発揮できるようになるには途方もない訓練が必要。互いの精神に過剰に影響を与える例もあり、禁呪に指定された一因にもなっている。
●八神家
古くは刀鍛冶、現在では高級魔具全般の製作を行っている翼の民の一族。古来より天原の地に住んでおり、現地の魔術師とも多くの交流がある。星怜学園大学天原校のある山の頂上に居を構えている。
●夜間巡回
霊格の高い天原市の街に異常がないか、担当の生徒達が街中を巡回する制度の事。主に陰の気の浄化等を行う。妖魔の類を討伐した場合は、教務課への報告義務が生じる。自分で対処不可能な場合も同様。
●妖狐
狐が長い月日を生きるにつれて、霊的な力を身につけて言ったもの。尾の数は最大で九本で、時には神に匹敵する力を有するものもいる。日本においては、玉藻前に化けた白面金毛九尾の狐が有名。近年では、金色の災禍と呼ばれた黄昏の金剛九尾が存在する。
●ランク
正式には承認ランクという名称。任務の達成率・受注可能な任務の難易度・緊急時にどれくらい柔軟な対応がとれるかどうかという、その『術者の安定度』を表すもので、直接的な強さとは完全に比例しているわけではない。このランクは国際的にも認められており、海外での活動にも役立つ。
●龍穴
星の持つ力が噴出する場所を差す。龍穴のある場所には総じて大規模な都市か、あるいは術者の工房が構えられている事が多い。
●龍脈
星の持つ力の流れを差す。それが人間で言う生命力に類するものか、魔力、霊力、妖力等と呼ばれる霊的な力なのかは、明確には区別できない。
●無幻鎧装
翼の民が戦場に赴く際に纏うとされる衣服、あるいは鎧。自らの内に思い描かれる最強の姿を核とし、身につけている衣服をベースに霊的な力によって編みあげられる。一定水準の霊的な力と、それを制御する高度な制御力を要求されるため、使える術者はあまり多くない。
●霊ヶ峰町
星怜学園大学のある区域。第二次世界大戦前後期から存在する、旧住宅地が多い。また、学園内には大規模な龍穴も確認されている。
●礼装
聖十字勢力の信徒が術を行使するのに用いる道具の総称。
●霊薬
化学とは異なる、霊的なアプローチによって人体に作用する薬品。古くは霊薬作りを専門とする家系もあったが、科学技術の発達した現代ではほぼ断絶している。そのため、一部の地域、特定の分野においては、一家系の独占状態にある事もある。
●神具級再現具
闇霊式典にも掲載されている禁呪の一つ。神代の時代・神話の時代に登場する武具や道具の能力の一部を再現する術式、あるいはその術式にいよって再現された物を指す。日本では神具級再現具、欧州ではReplicant Worksと呼ばれている。なお、レプリカントの語が当てられているのは、計画当初は“神話に登場する力を持った人間兵器”を作ろうとしていた事に由来する。
●練習符
朱音が独自の知識から開発した、見習い術者の練習用の護符。一定量の霊力を注ぐ事で、五行の内のどれかが符術として起動する仕組みになっている(発現する符術は、本人の適性が高いもの。意識的に制御した場合は除く)。雑紙にプリンターで印刷したもので、非常に安価。威力も極限まで低く抑えられていたり、過剰な霊力を逃がすような式が組み込まれていたりと、安全も考慮されている。
●分け身
陰陽術においては、式神の複製に用いられる技術。二乗式に増えていき、数が多くなればなるほど指数関数的に難易度が向上していく。




