1話
久々にリハビリ兼ねて投稿です。
タイトルからしてアレですが、性的な描写や差別表現が頻繁に出てきます。苦手な方はご注意を。
「あんたに付いて行かなければ、こんな思いすることはなかったのに!」
彼氏の仕事絡みでパーティーに参加したら、長い付き合いだという男を紹介された。こいつがまあ、控えめに言ってクズだった。いや、あちらさんの認識でいうところの『社会の底辺』という意味では、私の方がクズかもしれないけどね。
「あいつがキミの機嫌を損ねるようなことを言ったんだと思うが、俺にとっては大事な仕事仲間なんだ。あいつを切ったら、うちの商会の経営がどう転ぶか分からないんだよ」
「それは大変。でもあの男はね、私に『金をやるから娼婦らしく股を開け』とまで言ったのよ!初対面の、しかも友人の連れに、そこまで言うような方とご友人なんて、私とは住む世界が違いすぎるわね」
「すまない、本当にすまない」
「別にデービス、あんたに謝ってほしいわけじゃないわ。あんた、あの場で自分が何と言われてたか知ってるの?『毒婦にのせられた馬鹿で愚かな男』だそうよ。私も色々と言われたけどね、お前とデービスじゃ身分違いにも程があるって、嫌というほど聞かされたわ」
目の前の彼氏、デービスは何も言わない。ただ困ったように私を見ている。困ってんのはこっちなのよ、嘘でも優しい言葉かけるとか、出来んのかよこの男は。
「甘い言葉に乗せられてホイホイ付いて行った馬鹿は私の方よ!あんたの女ってだけで、気を遣ってさ、見下してくる馬鹿どもを鼻で笑って、袖にしてやることも出来ない」
なおも何も言わず、困ったようにこちらを見るだけのデービスに、私は叫んだ。
「私はそんな我慢するだけの女になりたくないわ!」
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花街。
欲望と金、そして絶望が交錯する場所。
私はそんな肥溜めみたいな場所で生まれ育った。
母親は花街にあるそこそこ大きい娼館で客を取っていた娼婦で、父親は客のどれか。避妊に失敗してうっかりデキちまったのが私だ。親の愛情の記憶なんて欠片もない。母親は私を産んでしばらくすると、身請けされていったらしい。私には見向きもしなかったと聞いた。
うっかり子供がデキるのも、親が誰か分からなくなるのも、花街じゃ珍しくもなんともない話だけどさ。いや、勿論初めっから置いていくつもりは無くってさ、男が連れ子を嫌って止む無く、とかだったのかもしれない、と今では思うけども、置いて行かれたことには変わりはないわけで。理由なんてどうでも良く、私は娼館に捨て置かれた。
金を食うだけの男の子は適当に間引かれるか、人買いに売られる。女の子だって、適当に男衆や年寄りが面倒を見る程度。まあ、孤児よりはマシなんだろうけど、首尾よく生き残ったら、死ぬまで地獄に突っ込まれる。元々が娼館のモノだから、稼いだって返す借金も無けりゃ年季も無い。余程運良く金持ちの目に留まらない限り、病気貰って使えなくなるまで酷使される。何とも分かりやすい扱いだ。
私は多少見目が良かったからなのか、上客が多かった。下の毛も生え揃わないころに、幼女好きの変態爺を相手にしてから、この方10年以上のベテランである。クソくらえだ。
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「あら、あの坊やはどうしたんだい?」
実家に帰ると、番頭をやっていた婆が速攻で突っ込んできた。デービスは良い金蔓だったから、婆が気にするのは分かる。
「住む世界が違うってさ、夢から覚めたんじゃねぇの?」
「おや、そうかい。じゃあ、明日から入りな」
「へいへい」
翌日、私は仕事を再開した。客を取る度に、以前にも増して虚しさが募ったが、他の男に抱かれる度に、デービスのことを忘れられそうな気がした。最後の客を送り出し、身体を清めていると、ふと先日言われたことを思い出し、何故だか涙が出てきた。
「こんだけ綺麗に洗っても、私の身体は穢れているんだってさ」
じゃあ、その穢れた女を抱いた男は穢れてないのかよ。それで嫁は純潔が良い、って馬鹿じゃねぇのか。クソ、クソ、クソッ!
つられて、他の嫌な客のことも思い出す。
何回か買ったくらいで、人のことを全部知ってるような言い方しやがって。お前の相手なんか二度とするかよ!
憂さ晴らしもかねて、以前から気に入らなかった客を何人か外した。時には上位貴族ですら袖にする高級娼婦、私も数少ないそのうちの一人だった。某所に出入りするようになってから、更に裁量は増した。使えるもんは使うのだ。飼い殺しの娼婦が遠慮なんぞしても仕方ないのだから。
私の客の中で一番の変わり者がやってきたのは、デービスと喧嘩別れしてからひと月も経たない頃だった。週一回の『お勤め』の後、部屋で余韻に浸っていた私に、婆が来客を告げた。今日は客は取らない日だと、婆も知ってるはずなんだが、凄い勢いで押し切られた。
なんだかんだ言っても、婆には逆らえない。
ジュリ○=ロ○ーツじゃないよ(おい




