第8話
ぐるぐるの階段丸い部屋。ぐるぐるの階段丸い部屋。ぐるぐるの階段丸い部屋。ぐるぐるの階段丸い部屋。ぐるぐるの階段丸い部屋。
緑と便の色が混じり合った生き物のお肉が尽きました。
飲み物もありません。
それでも――
「うえに、いかない……と……」
頭がぼーっとしてきました。お腹もペコペコで、喉もカラカラ。足も動かない。頭の中には奇妙な囁き声。この声は何でしょうか? 邪魔……。
もう、何個目かわからない丸い部屋の真ん中で、私は倒れてしまいました。
どうやら、私はお肉になるようです。もし、誰かがここへ訪れたら、私からお肉をいただき、上へ連れて行ってくれるでしょう。
眠気とは違う、何もない底へ誘われるような感覚。
白く固い地面に当てた顔がひんやりしていて、少しだけ気持ちいい。
私は、私を失いそうになりました。
そこに、奇妙な音が聞こえます。
白い固い地面に当てた耳にナニカが聞こえる?
それはコツリコツリと同じ間隔です。
(これって……足音?)
私はうっすらと瞳を開けます。
すると、階段の上の方から誰かが降りてきました。
そう、上からなんです。
(上から? ダレ?)
私はそのダレカを確認しようと、瞼へ力を送ります。
ダレカは横になった私の前に立ち、こう語りかけてきました。
「おいおいおいおい、マジかよ。登る者がここまで来るなんて。しかも、こんなに幼い子が……なんでだ?」