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自殺したのに異世界来たら不老不死になっていた。  作者: 三毛犬
第1章:この世界へさよならを言うために
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プロローグ

 18才の春、私は自殺した。

 4月から大学生になる予定だった。それでも私は屋上から飛び降りた。

 理由なんてあってないようなものだったので、ここでは割愛する。

 とにかく私は死んだのだ。死ぬ直前のことなんて、意識は飛んでた気がするから分かるはずはないけれど、絶対に死んだ。私の高校は5階建てだったけれど、下がアスファルトの地面だったのは確認したし、死に損なわないようにきちんと頭を下にして飛んだから。

 だから絶対に私は死んだ…………と思う。




 暖かい木漏れ日が残酷にも、仰向けに寝転がる私の顔を照らしている。


 一体何がどうなっているんだ。

 死んだはずなのに、私はまた目を覚ました。

 死にきれずに病院に運ばれてしまったのかと思ったが、硬い土の感触や周りに生い茂る木がそれを否定する。こんな超自然の病院日本にはない。

 恐る恐る起き上がって自分の身体を確認してみた。あの高さから落ちたのに、骨折していないどころか、怪我一つ見当たらない。服は横たわっていたせいで若干土が付いているが、破れたりもしていないようだ。

 辺りを見渡して、どうやら森の中にいるらしいことが分かった。死後の世界という奴なんだろうか。

 天国って森の中にあったの?いや、地獄の可能性もあるけれど。

 どっちにせよ死んだあとも意識があるなんて聞いてない。これじゃあ死んだ意味がないじゃないかと絶望しかけたとき、あることに気づく。


 心臓が動いている。


 どういうこと?死んだあとも心臓って動くものなの?身体も動いてる時点でちょっとおかしい気はしていたけど!

 パニックになればなるほど鼓動がバクバクと音を立てて響いて、今も脈打つ心臓を主張してくる。

 もしかして、死んでなかったりする?

 だとしたらここどこ?こんな森の中とか小学生以来来たこともないんですけど。

 てか何で死んでないの?私ちゃんと飛び降りたのに……!

 そのとき、脳裏にある言葉がよぎった。


 “生まれ変わり”


 冷や汗が吹き出した。生まれ変わりって本当にあるの?信じたくないけど、私の心臓めっちゃ動いてるし、汗出るし、どう考えても死んでないっぽい。

 そんな……、生まれ変わりがあるなら、死んでも死んでも永遠ループじゃん!

 あれ、でも生まれ変わりってもう一回赤ちゃんから違う人間になることでは?私どう見ても赤ちゃんじゃないし、なんなら高校の制服着てる。前世の記憶もある。

 これ生まれ変わりじゃないのでは……?

 なら何だというのか。私は最近見たアニメを思い出した。

 トラックにひかれて死んだ主人公が、全く同じ姿のまま違う場所に行くやつ。


 「トリップだ」


 思わず口から出た言葉に、自分で納得してしまった。



 そのとき、突然大きな獣のような生き物が目の前に現れた。

 驚いて息をのみ、それがなんなのか認識する前に、頭に衝撃と激痛が走る。

 そこでまた私の意識は飛んだ。


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