表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

閑話 拾った手帳


「なんだいこりゃあ」


 手帳を閉じて俺こと暇な大学生──四谷──は万年床に寝転がった。


 見渡す天井。乱雑に下に置かれた本。いつもの阿佐ヶ谷の安アパートだ。

 用事があって古道具屋の前を通りがかった際、この手帳を見かけた。安物っぽくない、薄い茶色の本革らしい作りの古い手帳だった。なんの革なのかは知らないが、とにかく安かったしその時は酔っ払っていたので流れで買ってしまった。

 コートに入れて1週間ほどしてからやっと買ったことを思い出して今中身を見ている。

 なんと最初のページになにか書いてあった。真ん中しかみていなくて未使用だと思ってたぞクソ。


 仕方なくどんなものなのか読んでみると、書かれた内容は旅人の日記のような話し。それもなんだか小説調な語り口だ。わざとらしいな。しかも日本語じゃん。

 というか、いかにも「異文化に僕は理解ありますよ」という顔をして書きながら微妙に見下してる雰囲気があるぞ。こういうやつが民俗学のフィールドワーク先で現地で変なトラブル起こすんだよ。

 そもそもアベナウってガイドがこうなったのは楽観視してたこいつの責任もあんだろ?

 なに「お幸せにね」みたいな感じで締めてんだこのバカ。


 ロダナウやらチャンガナウやらそんな民俗や国聞いたこともない。Google様にも引っかからない。地名や風習は完全に想像だろう。ようはこれは趣味で書かれた小説の類いだ。


 ともあれ、俺のような暇な大学生にはこういうものも貴重な暇つぶしになる。残りはあと5か6ページほど。


 まあいいさ。買った値段分楽しめれば。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ