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眠れる森の  作者: 百乃
2/9

胡蝶

廊下で、衆と話していると女の人が近づいてくる。

「衆様。」

衆が、小声で言う。

「俺の後ろに隠れろ。」

衆は、ゆっくり女の人の方に向く。

「なにか用?」

何で隠れなきゃいけないの?そう思ったけど言われた通り、衆の後ろに隠れた。

衆の身長が、私より20cmほど高かったおかげでうまく隠れられた。

「また、優様に会いに来られていたのですか?」

゛また?゛

そんなに会いに来てるんだ。

「そんなことより要件は?」

衆がいらいらしたように聞く。

「そろそろ出かけられないと、今日の会合に遅れますよ。」

「今日の会合には出ない。連絡入れておいて。」

「いいんですか?この会合は「聞こえなかった?同じこと言わせるな。」

衆が、めんどくさそうに言う。

なんの会合なんだろう?

「かしこまりました。」

女の人は納得してない様子でそう言うと、廊下を歩いていった。


「部屋に入ろう。」

そう言われて部屋に入ると衆が部屋の襖を閉める。

「ねぇ、私見つかるとダメなの?」

「だめじゃない。でも、起きてることが分かったら面倒なことになる。」

「なんで?」

「優は、比碼条ひめじょう家の後継者候補だから。」

比碼条家?後継者?

「ひめじょう家ってすごいの?」

「比碼条は、この国と、言うよりこの世界、有数の名家だ。知らない人の方が少ない。」

比碼条家なんて聞いたことないな。やっぱり人違いだと思う。

そんなことより、今何時なんだろう?変なことに巻き込まれちゃったけど、家に帰らないと。


「そうなんだ。でも私、関係ないみたいだから家に帰るね。」

とりあえず帰らないと今日は、ママ達と食事に行くことになってたし。

「帰るってどこに?」

「自分の家だよ。」

不思議そうに聞かれる。

「優の家はここだろ。」

「違うよ、私の家は蒼ヶあおいがおか1丁目15番地!」

「蒼ヶ丘?そんなところこの世界にないぞ。」

「あるよ。ここ何処?」

「ここは、沢緑甲たくりょくこう翡翠の社」

初めて聞いた。何処だろう?

「たくりょくこう、ひすいのやしろ?日本のどのあたり?」

知らない土地の名を聞いたせいか心配になってくる。

「日本?」

何この反応?

「国名でしょ。」

「ここは和玖わく国だ。」

日本じゃない?

「わく国?」

驚いてさらに質問する。

「ここ地球だよね?」

「違う。夢でも見てたんじゃないのか?」

衆は少しいらいらしたように言う。

「そんなはずなぃ。」

意味が分からない。

少し整理してみる。

私は、寝てる間にこの世界に来たってこと?

違う。

衆は、゛2年間ずっと寝てた゛って言ってた。

だとしたら゛来た゛じゃなくて゛いた゛ことになる。


考え込んでいると衆に話しかけられる。

「何が起こったのか知らないけど、優の力の影響だと思う。」

「力?」

「この力。」

そう言うと衆は、人差し指の上に小さな火の球を出した。

「なにこれ?」

「これが、俺の能力。」

「すごい。」

目の前で手品を見たような気分。

「優も使えるはずだけど。」

「ほんとに?・・・でもこれが、私とどう関係するの?」

話が本題からずれてしまったことに気づいて慌てて元に戻す。

「どんな能力は分からないけど、優がこうなったのは優の能力が関係していると思う。」

「じゃぁ、私が能力私の能力を使えば元いた所に戻れるの?」

「そうだな。でも優の力は、優にしか使えない。力を取り戻さないと帰れないだろうな。」

「じゃぁどうすればいいの?」

「力を取り戻すには、比碼条家で過ごすのが一番手っ取り早い。」。


なんだか納得できなかったが、いい案を思いつかないので、しぶしぶ衆に従うことにした。

「分かった;」



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