1.この世界との送別
トランスジェンターの『夢先 直人』はいつもつかれていた。
「はぁ…もういやだなぁ…僕友達もできないし…」
通学路の途中で一人、直人が疲れていた。
直人は高校二年生、あまりにも疲れていた。
今日も一人で学校にいくのはやっぱりきつかった。
学校にきても、案の定挨拶を交わすことはなかった。
そして、いつものように机が動かされていた。
「はぁ…またかよ…僕ほんときついし…」
そういって、またある男の子が蹴ってきた。
「いって…ったく…またいつもか…」
「お前な…女っぽいからいい加減女の子になれよ?」
やさしくいってるようにいって、僕は怖い。
実際僕もトランスジェンターだと思ってはいる。
だからってこんな仕打ちはないと思うが。
「おい、お前放課後こいよな、来なかったら…わかるよな?」
そう言われて、少し怖かったがいくことにした。
放課後、すこし怖いけどあいつのまつ屋上に向かった。
「お前女なんだろ?これ着ろ!さもなくばお前叩いていいんだぞ!」
そういって、直人にセーラー服を渡された。
「わ…わかったし…」
そういって、一旦戻って、セーラー服を着た。
「どうだ!?いいだろ!?」
そういったが、男の子は近づいて直人の顔をはないて言った。
「お前な!お前は一生女にはなれないんだよ!いい加減にしろよこのバカが!」
そういって、男の子は戻った。
雨が降ってきた。まるで直人の心を表すように、
チャイムがなって、校内に誰もいなくなった気がした。
しかし、先生にいるのをばれたくないのか、直人はセーラー服のままずっと座っていた。
20時くらいになったと思う。
流石にもう大丈夫だろうと思った。
直人は雨に打たれながらも、フエンスの方に行った。
「さよなら…こんな世界…」
そういって、直人はフエンスから飛び降りた。
そして落ちながら直人は、
「人々が平等にありますように」
そういって、直人は落ちた。