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着替え終わるまで  作者: 似見 正樹
7/69

7、女子部員

登場人物

剣道部二年

○村瀬 翔也

本作の語り手。

○秋咲 楓

女子部員。

○八田 幸太郎

喜怒哀楽、表出人間。


「あ、村瀬くん。もう着替えたんだ。いつもそんなに早いの?」

 着替え終わって更衣室から道場に移動すると、同級生の女子部員、秋咲楓が既に座っていた。

 全く説明していなかったが、更衣室は武道場の中にあり、着替え終わったら道場に座って、他の部員が着替え終わるのを待つのが習慣となっている。いつも俺が一番最初に着替え終わって、その後にチラホラと男子部員が出てきて、最後の方に女子部員が出てくる。ちなみに、女子更衣室は元々は教員の控え室で、男子更衣室は現在進行形で物置に使われている。そのため、体育の授業で使う卓球台や大量の竹刀が置かれていたりする。

「あれ、珍しいね。秋咲さんが早いなんて」

 俺は、秋咲さんの向かいに座った。

「いつもは話しながら着替えてるんだけどね。今日は満里奈ちゃんも後藤ちゃんもいなかったから早かったの」

 満里奈ちゃんこと吉田満里奈と、後藤さんは同級生だ。更衣室には後輩もいると思うのだが、今日は後輩たちと喋らなかったのだろうか。怖いので触れないことにするけど。

「そういえば二人ともいなかったね。後藤さんは風邪で学校休みで……吉田さんは?」

 後藤さんと俺は同じクラスなので、彼女が休んでいることは知っていた。

「ああ、満里奈ちゃんは補習だって。小テストのときに休んでたから」

「あー。数学の林先生か。そういえば、八田もその補習に行ってるよ」

 八田も俺と同じクラスだ。吉田さんは欠席したから補習を受けることになったらしいが、八田は単純に成績不振が原因だ。

「そう、八田くんと同じ補習だよ。やっぱり八田くんがいないと静かだねー」

 八田はこの剣道部のムードメーカーである。

「元気な奴だからなあ」

 そう言うと、秋咲さんはクスクスと笑った。

「こうやって皆んなと話しているの?」

「え?」

 何の話か理解できなかった。そんな俺の様子を察した彼女は補足してくれた。

「村瀬くんと右近寺くんが話してるのを、この前見たの。あと別の日に、八田くんの話し声が聞こえてきて。八田くんって声が大きいから。話の内容は聞き取れなかったけどね」

 見られたり、聞かれたりしていたとは。右近寺との話は内容が無いのでいいが、八田とは聞かれたらダメな話をしていた気がする。彼女が集中して聞いてなくてよかった。

「そうそう。あ、ほら、こうやって誰かが出てくるまで話してるんだ」

 ちょうど更衣室の扉が開いた。

「じゃあ、これで終わりだね。また今度、早く着替えて話そうね」

 そう言って、秋咲さんは微笑んだ。

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