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誰か教えてくれ。『次』の『なろう小説』は何を書けばいいんだ?

作者: 夢野ベル子

わからない。


いまこの時点で、『次』の作品というのはいったい何を書いたらよいか。

誰か教えてほしい。


小説家というのは多かれ少なかれ世相の中から、作者が考える『要素』を抽出している。

特にライトノベルでは、読者層の欲望を要素として抽出して、それをうまく作品の中に取りこんでいる。


ここ、『小説家になろう』では、基本的にハイファンタジーと異世界恋愛モノ以外は息していないといっても過言ではない。これは書籍化ができないという意味での息していないだ。PV数や評価数もハイファンタジーが最強である。


ここで、まず『小説家になろう』におけるハイファンタジーを分類することから始めてみよう。己を知り、敵を知れば百戦危うからず。敵は『なろう小説』だ。


まず、『なろう小説』の異世界ハイファンタジーであるが、


RPG系、マインクラフト系、シミュレーション系、ソシャゲ系という分類はどうだろう。


この分類は、発想の根源がどういった『要素』にあるのかを示している。


まず、ステータス、ギルド、職業選択、このあたりをベタに用いている作品はRPG系だといえるだろう。

RPG作品の強みは、主人公の強さを数値的に表現できるところだ。

VRゲーム系列もここの分類に含まれるが、VRの場合、現実世界を描写する作品も多く、二層的な表現になる。

つまり、この系統の快感とは単純に強さに対する快感である。


次にマインクラフト系列であるが、これはモノ創り系である。そのモノはなんでもよく、例えば飛行機でもいいし、銃でもいいし、生活用品でもいい。ともかく主人公の発明によってじわじわと生活の質や主人公の地位があがっていくところに快感がある。


シミュレーションは内政系だ。マインクラフト系と接近しているところもあるが、こちらは政治的な内容も含有している。こちらの快感もマインクラフト系と似ていて自陣営が強化されていくところにある。


ソシャゲ系とは、組織的な転移をおこなうものだ。主人公は組織のトップであることが所与の属性として与えられていることが多く、部下には当然の前提として慕われている。この部下を所有している感覚が快感となる。


これに含まれない作品ももちろんある。


あるが、大半は世相の欲望を切り取る結果、上記のような系統に収束していくのではないか。


こうしてみると、いわゆる『なろう小説』と呼ばれているものの発想の根源は、ゲーム的で、古典的なファンタジーとはかなり様相が異なる。


だからといって、いまさらベタなファンタジーを書きたいというわけでもない。


わたしは『次』を書きたいということである。


小説家は常に、ほんの少し先の世相を切り出していく。


この、ほんのちょっと先というのが非常に難しい。


これは、『次』に何が当たりますかというのを予想するようなものだからだ。


ちなみに、既存の『なろう小説』から、作品が要素として取り出した『欲望』についてつらつらとあげてみる。



『異世界にいってスローライフ』→山ほどあるだろ。


『異世界いってもインターネットしたいな』→スマホスマホスマホ


『女の子といちゃいちゃしたい』→死ぬほどあるだろ。


『ちやほやされたいです』→類似作品多数


『魔法で楽ちん生活』→死ぬほどあるっていってるだろうが。


『かわいい娘を育てたい』→三十くらいはあるな。


『かわいい奴隷ちゃんといちゃいちゃしたい』→ありますよ。たくさん。


『オレTUEEEEしたい』→ランキング化されているくらいあるよ。


『じわじわとレベルアップしたいです』→まあ発想がRPGだしな。あるよ。たくさん。


『さすが主人公されたい』→オレTUEEEといっしょだね。強さより智恵を重視するとコレになる。


『オレKAWAEEEEされたい(TS・女主人公など)』→ありまくり。


『ちまちまと好きなものを邪魔されずに創っていきたい』→モノ作り系人気だよね。


『内政したいです』→たくさんありますよね。


『日本の文明力TUEEEしたい』→未開文明を文化的侵略するのって楽しいよな……わかる。


『現代知識TUEEEしたい』→これも未開文明に対しての文化的侵略よな。


『働きたくない』→特殊な能力で宝石を出したりする作品あったな。


『ざまぁしたいです』→すればいいんじゃないかな。


『復讐したいです』→そう……。


『金金金……』→騎士として恥ずかしくないのか。


うーん、ダメ。

やっぱり、新しい欲望のカタチが見えてこない。

なにか新しい欲望を見出したいのだが……もがく。もがく。


この欲望が見えてこないと、『次』の作品が創れない。


縮小再生産がオタク的発想の常だとはいえ、このままだと先細りしてしまうような気がするのだ。

けもフレは1000万再生されたし、オタは繰り返し見ているので、縮小再生産でもなんとかやっていけるのかな。あと、異性に対する興味というのは使い古されることはないので、ぶっちゃけストーリーが焼きなおしだろうがなんだろうが、女の子がかわいければ、読まれるし、売れるという見解も……。

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― 新着の感想 ―
[一言]  欲望の表現というよりキャラクターメイキングして異世界(ゲーム内世界)を冒険するオープンワールド系のゲームがそこそこ流行ってるから小説でそれを再現しようとしたら異世界転生物になったみたいな感…
[良い点] 作品の内容も面白いながら、感想欄も面白い点。 考察が深いところが良いです!! [気になる点] なろうの流行はどうなるのでしょうね。 [一言] 最近はチート作品が出回りすぎてるので、 逆にチ…
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