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千年の孤独#2
展開を悩みながら書いてます。
最終的にどうなるのかな。
もう一度取材の依頼が来たので、僕は小夜子の働いている店に赴いた。
その日、取材する嬢は小夜子と真逆のタイプで、写真撮影の時は華やかな笑顔を見せてくれたけれど、どこか無理をしているように見えた。
「りりあ」という女の子だった。
源氏名は子供の頃好きだったアニメのキャラクターから取ったと言う。
腕の内部にミミズが入っているようなたくさんの傷跡を見て、僕は小夜子の黒子さえ無い真っ白な腕を思い出したのだった。
今日も下世話な文章を纏めようと駅前の喫茶店に入ると、窓際から射す夕方の妙に眩しい朱色を浴びた小夜子の姿があった。
小夜子は確かに特徴的で、普通のよくいる風俗嬢とは違う雰囲気を持っていた。
それどころかどんな街中にいても浮いてしまうような、危うげな空気を身にまとっていた。
顔つきも身体もごくごく平凡な女なのに、僕は神々しささえ感じたのだ。
電車の音だけが耳に響く中、僕は少しの間小夜子だけを見ていた。
この世界に僕と小夜子だけしかいないような感覚だった。