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追記:ナジアス様は変態なのだろうか。いや、私が変態なのだろうな。(泣)

 一晩悩んだが、答えは一つしか出なかった。

“物証”とは、つまりのところ、ミレーネ様の私物を持ってこいということだろう。


 己の主が盗みを指示するとは…悪というより、変態に染まっていく…。頭が痛くなってきた。


 先程ナジアス様を起こしにお部屋に行った所、天外ベッドの天井に、ミレーネ様の写真が引き伸ばされて貼ってあったり、壁の絵がミレーネ様の肖像画に変わっていたりしていた。


己の目を疑ったが、もしやと思い、お部屋内をもっとよく見てみると、机の上のお写真が増えていたり…なぜかエメラルドをあしらった調度品が増えていたり………まだまだたくさんありそうだ。


 まるで間違い探しゲームのようである。


 よく昨日の今日でここまで出来るものだと逆に感心してしまった。



 (昨日の『忙しい』発言はこんなことをしていたからでは…)嫌な疑念が心に疼く。



 アレクセイは、己の中の“眉目秀麗俺様な主像”が徐々に崩れていくのを感じた。



 昨日のナジアス様には勉学をする時間などなかったのではないだろうか。

恐る恐る教材を覗き見る。…あれ?終わっている!?しかも、恋わずらい中の3日分までしっかり終えられている!??


 (えぇえぇええーーー!!!!!)


 アレクセイの中で、地の底まで落ちかけていた殿下の株が急上昇を遂げた。


 …もはや驚きをかくせない。


 はっ!!もしや、恋の花占いしかしないナジアス様に苛立ち、報告書についミレーネ様の好みは出来る男だと書いてしまったが、その結果…なのか!?


 …ありえない。


 色々な真偽を確かめるためにも、私は盗みを働く事を固く決意した。

 


************

 イルファン伯爵邸ではまたもや誰にも気づかれず、たやすく侵入できた。ここまで警備が甘くて大丈夫なのだろうか。人様の家の事ながら、心配になってしまった。おかげで楽に侵入させて頂いてはいるが…。


 ミレーネ様のお部屋には誰もいらっしゃらなかった。

 チャンスだ!部屋に踏み込み、無くなっても気づかれなさそうな物を物色する。クローゼットの中に何かないだろうか。


 (お、この可愛いハンカチなんて良さそうだ。たくさんあるし、一枚くらいきっとばれないは…ず?)



 「君は“昨日から”何をしているのかな?」



 突如、後ろから声がして、一瞬で腕を捻り挙げられた。床に突っ伏ししているので、心は警報を鳴らすが身動きがとれない。


 あろうことか、昨日の不法浸入までバレているではないか!アレクセイは汗が頬を伝うのを感じた。

 

 まずい事態だ。

 なぜ見つかったのか。

 この男は一体誰なのか。


 疑問は浮かべど、頭を強打したせいか、脳の処理速度は遅く、上手くものを考えられない。目の前はグワングワンと歪んでいるし、耳鳴りもする。

 目の前の男が誰なのかさえ、よく見えなかった。


 (どうかイルファン伯爵じゃありませんように!!)

 

 「君、ナジアス殿下の所の従者だよね?どうして娘の部屋にいて、クローゼットの中を漁っていたのかな?」


 ………オーマイゴッド!!最悪の結果だ…イルファン伯爵に見つかるなんて!どう切り抜けるべきか。

どうする自分!この男に嘘は逆効果だ。どう答えるべきか…。


 「君は誰に命令されて、何を探していたんだい?」


 もうだめだ。私は意を結して答えた。


 「私は自分の身分も省みず、ミレーネ様を好きになってしまいました。せめてもの思い出にと、このハンカチを盗んでしまいました。誠に申し訳ございません!」


 私はハンカチを握っていた手を開き、イルファン伯爵に申し開きをした。


 「それ、娘のパンツだけど…」


 (………え?)


 畳んであった布がファサッと開き、三角形の形を為していた。


 「こっ、これは違っ…」

   カチャッ

 「あれ?部屋の鍵が開いてるわ…。まさかお父様?」

   コンコンッ

 「お父様~?人のクローゼットの中で何をしてるのよ」

 

 (私はもう太陽の下を歩くことは出来ないだろうな)



 アレクセイは齢7歳にして、人生の終わりを感じたのであった。

 アセクセイ君の受難の回でした(´-ω-`;;)

この後、彼はどうなっちゃうんですかね(*´-`)←おいッ


 冗談?はさておき、次はもう少し早めにUP出来たらいいなと思います。



 いつもお読み下さり、ありがとうございます!

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