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一章 密会
「おいで」
キィ……バタン。
「けど、話なら普通に部屋で良かったんじゃないかい?どうせ夕食摂っていないんだろう?」
訝る成人女性の声。対し、相手の返事は無い。
「幾ら忙しい新聞記者でも、インスタントラーメンぐらいは出せるんだよ。……まぁいいか」
シャラン。
「今日誕生日だったろ?こっち来な。着けてあげるよ」
カチャカチャ……パチン。
「OK。うん、やっぱ良く似合うね。ちょっと待ってな、今鏡出してあげるから」
ガサガサッ。
「ねぇ知奈。お姉ちゃんも大事な話あるからさ、帰るのはちょっと待ってて」
「………」
「あ、そうだ。終わったらラーメン屋行こうよ。飲み会の〆によく行く美味い店があるんだ」
カチャッ……カチャッ……。
「あった。ほら、見て御覧―――知奈?」
はぁ………はぁっ……!
「どうしたの知奈!?汗びっしょりだよ!まさか、また『あいつ』に何か打たれて」
ザシュッ!!