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怖い話、させてくれ

作者: 大和
掲載日:2026/10/28

ジャンル:コメディ

想定上演時間:約50分

役名


酩酊午前三時

メタル@ユウキ

ヤタガラス

すふれ司

Sui

兄k@永音

淡墨 大和


男女比(♂:♀)


♂4:♀2:不問1


男性:メタル@ゆうき、ヤタガラス、兄k@永音、淡墨 大和

女性:すふれ司、Sui

不問:酩酊午前三時






本編







兄k「はーい! どうぞどうぞ! いらっしゃいませー!」


司「お邪魔しまーす。けーさん、今日はありがとうね」


兄k「いえいえ! 来てくれてありがとうございます!」


Sui「お邪魔します。けーちゃん、飲み物持ってきたよ」


兄k「あっ、Suiさん! ありがとうございます!」


酩酊「けーにき、お邪魔しまーす!」


兄k「シラフさん、いらっしゃい!」


酩酊「うわ、もういい匂いしてる。何作ったんです?」


兄k「唐揚げと、あとちょっとおつまみを!」


司「すごいじゃない。頑張ったね」


兄k「いやあ、頑張りました! ただ、ちょっとだけ問題がありまして」


Sui「問題?」


兄k「唐揚げの下味をつけてたら、しょうゆのふたが外れちゃって」


酩酊「あっ」


兄k「もう、ドバーッて!」


司「あらら」


Sui「それは結構しょっぱくなったんじゃない?」


兄k「だから一回、水で洗いました!」


酩酊「メテ?」


Sui「あはは! 下味ごと流れてない?」


兄k「えっ、やっぱりそうですか!?」


司「まあ、食べてみないとわからないからw」


兄k「そうですね! きっと大丈夫です!」


酩酊「その自信、どこから来るんです?w」


ヤタガラス「こんばんは。お邪魔いたします」


兄k「ヤタガラスさん! いらっしゃい!」


ヤタガラス「兄kさん、本日はお招きいただきありがとうございます」


司「ヤタさん、こんばんは」


Sui「こんばんはー」


酩酊「ヤタさん、こんばんは!」


ヤタガラス「皆さん、お元気そうで何よりです」


兄k「あと二人で全員ですね!」


メタル「うぃーっす! お邪魔しまーす!」


大和「どうもー。ゴン太くん、玄関開いてる?」


兄k「開いてますよ! もう入ってきてるじゃないですか!w」


メタル「けーにき! いい家だな!」


兄k「ありがとうございます!」


メタル「ちゃんと屋根がある!」


大和「おお、壁もある」


メタル「床まであるぞ!」


大和「すげえな。建築物だ」


司「家だからね」


Sui「二人とも、何を期待して来たの?w」


メタル「いや、いい家だなって!」


大和「感動してる」


酩酊「感動するところが独特すぎるw」


ヤタガラス「雨風をしのげるというのは、大切なことですからね」


メタル「そうですよね、ヤタさん!」


大和「さすがヤタさん、わかってる」


司「ヤタさん、乗らなくていいですからw」


兄k「あははは! もうみんな揃いましたね!」


Sui「とりあえず荷物置こうか」


メタル「けーにき、この辺置いていい?」


兄k「どうぞどうぞ!」


大和「ゴン太くん、これどこ置けばいい?」


兄k「何ですか、それ?」


大和「手土産」


兄k「えっ、ありがとうございます! 何を持ってきてくれたんですか?」


大和「ティッシュ」


兄k「ティッシュ!?」


大和「五箱」


メタル「生活感あるなあ!」


司「いや、普通に助かるやつじゃない」


兄k「めっちゃ助かりますけど… あ、ありがとうございます?」


大和「おう!食べ物より確実かなと思って」


酩酊「確かに、絶対使いますもんね」


メタル「じゃあ俺の手土産も見てくれ!」


兄k「何ですか?」


メタル「……馬の写真!」


司「どうして?」


メタル「いい馬だから!」


大和「おお、いい馬だ」


Sui「写真だけなの?w」


メタル「写真だけ!SNSとかには

    アップしたらいけないやつだから気をつけろよ?」


兄k「あははは… ありがとうございます! 飾っときますね!」


司「けーさん、優しいなあw」


ヤタガラス「では、そろそろ始めましょうか」


兄k「そうですね! グラス用意します!」


Sui「私も手伝うよ」


司「じゃあお皿並べるね」


酩酊「メテメテも手伝います!」


メタル「俺は何すればいい?」


司「メタルさんは、このお菓子開けて」


メタル「おっけ~!」


大和「俺は?」


司「大和さんは、そのお皿持ってきて」


大和「ほーい」


兄k「ああ、ありがとうございます! みんながいると早いですね!」


メタル「けーにき、俺もうお菓子開け終わった!」


司「じゃあテーブルに置いて」


メタル「はい!」


大和「ゆっきー、仕事早いね」


メタル「俺、袋を開けることに関してはプロだから」


大和「資格持ってる?」


メタル「二級!」


酩酊「何の二級ですかw」


司「袋開封技能士?」


メタル「それだ!」


Sui「今決まったんだw」


兄k「あははは! じゃあ飲み物も揃ったし、乾杯しましょう!」


司「みんなグラス持った?」


酩酊「持ちましたー!」


メタル「酒、準備よし!」


大和「俺も最初の一杯だけ酒で」


ヤタガラス「私も同じく、一杯だけいただきます」


Sui「その後はジュースね」


大和「そうそう。俺は飲みすぎると寝ちゃうから」


ヤタガラス「私もあまり強くありませんので」


兄k「僕も弱いんですよねえ」


司「けーさんはちゃんと自分のペースでね」


兄k「はーい!」


酩酊「メテメテは今日はお酒いただきます!」


Sui「私も飲むよー」


メタル「よし! 全員準備できたな!」


兄k「では、今日はみんな来てくれてありがとうございます!

   楽しく飲んで、いっぱい話しましょう! 乾杯!」


全員「かんぱーい!」


メタル「くぅーっ! おかわり!!」


大和「早っ!」


酩酊「あー、おいしい!」


司「いいねえ」


Sui「お疲れ様ー」


ヤタガラス「皆さん、お疲れ様です」


大和「いやあ、仕事終わりの一杯はいいねえ」


兄k「最高ですね!」


メタル「けーにき! 唐揚げ食っていい?」


兄k「もちろんです!」


メタル「いただきます! ……おっ、うまい!」


兄k「本当ですか!?」


司「じゃあ私も。……うん、おいしいよ」


Sui「おいしい。ちゃんと味ついてる」


兄k「よかったー!」


酩酊「メテメテも……あ、おいしい!」


ヤタガラス「非常においしいですね」


兄k「いやあ、よかったです!」


大和「ゴン太くん、これ本当に自分で作った?」


兄k「作りましたよ!w」


大和「そうか……」


兄k「何ですか、その間は!w」


大和「いや、普通においしいから」


兄k「ありがとうございます!w」


メタル「けーにき、これ店出せるぞ!」


Sui「それはちょっと言いすぎじゃない?w」


メタル「いや、店の名前も考えた!」


司「早いね」


メタル「『唐揚げのゴン太』!」


大和「いいねえ。営業時間は?」


メタル「夜中の三時から!」


酩酊「メテメテの時間じゃないですか」


大和「閉店は?」


メタル「三時五分!」


兄k「五分しかやらないんですか!?w」


司「誰も買えないよw」


メタル「幻の店だから!」


ヤタガラス「開店時間を把握するのが難しそうですね」


Sui「把握しても間に合わないと思うw」


大和「五分で全部売り切れる人気店」


兄k「あははは!」


司「ほら、ちゃんと食べなさい。冷めちゃうよ」


メタル「はーい!」


酩酊「何かもう、いつもの感じですねw」


Sui「そうだね。落ち着くような、落ち着かないような」


大和「俺たち、今日は静かにしてるつもりなんだけどね」


司「それで?」


メタル「まだ本気出してないからな!」


酩酊「出さなくていいですよw」


兄k「あははは! いやー、楽しい!」


ヤタガラス「賑やかな食卓というのも、いいものですね」


司「そういえば、ヤタさん。

  何か話したいことがあるって言ってませんでした?」


ヤタガラス「ああ、そうでした」


Sui「何のお話ですか?」


ヤタガラス「少し不思議な話を聞きましてね」


酩酊「不思議な話?」


ヤタガラス「ええ。いわゆる怪談というものです」


兄k「えっ、怖い話ですか!?」


司「おっ、いいですね」


Sui「私、聞きたい」


酩酊「メテメテも!」


メタル「おお! 怪談!」


大和「いいねえ」


ヤタガラス「ただ、少々怖い内容ですので、

      苦手な方がいらっしゃれば……」


兄k「僕、大丈夫です! たぶん!」


司「たぶんなんだw」


兄k「怖いけど聞きたいんですよ!」


酩酊「わかります。怖い話って聞きたくなりますよね」


Sui「じゃあ、ちょっと電気暗くする?」


兄k「できますよ!」


司「手元が見える程度にね」


兄k「はい! じゃあ、これくらいで」


酩酊「おお、雰囲気出た」


メタル「いいねえ!」


大和「ゆっきー、もうちょい怖くする?」


メタル「どうやって?」


大和「冷房二度下げる」


司「寒いだけだよ」


Sui「それは体感温度の問題だからw」


ヤタガラス「では、始めてもよろしいでしょうか」


司「はい、お願いします」


酩酊「なんだろなんだろ~」


(話をするシーンではその人以外は小声)


ヤタガラス「これは、ある男性が一人暮らしをしていた頃の話です

      その男性は、毎日仕事で帰りが遅く、

      深夜に帰宅することが多かったそうです

      ある雨の夜、男性が自宅の玄関まで来ると、

      部屋の中から奇妙な音が聞こえました」


ヤタガラス「……コツ」


ヤタガラス「……コツ」


ヤタガラス「……コツ」


兄k「……」


酩酊「……」


ヤタガラス「誰もいないはずの部屋から、

      一定の間隔で音が聞こえてくるのです」


メタル「……大和さん」


大和「……ん?」


メタル「……馬だな」


大和「……蹄か」


司「しー…聞こえてるよ」


メタル「……はい」


大和「……失礼しました」


ヤタガラス「男性は、恐る恐る玄関の鍵を開けました

      すると、音がぴたりと止まったのです」


Sui「……嫌だね、それ」


ヤタガラス「男性は部屋の明かりをつけました。

      しかし、誰もいません…

      窓も閉まっています。

      何かが動いた形跡もありません

      ただ一つ……

      閉めて出かけたはずの押し入れが

      ほんの少し開いていたそうです」


酩酊「うわ……」


兄k「嫌だなあ……」


ヤタガラス「男性は押し入れに近づきました」


ヤタガラス「そして、扉に手をかけた瞬間……」


メタル「……すみませーん」


大和「……はい、どちら様ですか」


メタル「……宅配便でーす」


大和「……そこ置いといてくださーい」


司「おい、お前ら」


メタル「はい」


大和「はい」


司「小声でも聞こえてるからね」


メタル「すみません!」


大和「続けてください」


ヤタガラス「……ありがとうございます

      男性が押し入れを開けると、そこには……

      ……見知らぬ女性が、膝を抱えて座っていました」


兄k「うわっ……!」


Sui「ええ……」


酩酊「怖っ……」


ヤタガラス「女性は、ゆっくりと顔を上げました

      その顔には……目がなかったそうです」


司「うわ……」


ヤタガラス「男性は恐怖のあまり動けなくなりました

      すると女性は、小さな声でこう言ったのです…

     『……私の目を、知りませんか』」


メタル「……眼科は二階です」


大和「……保険証お持ちですか」


兄k「ぶっ……!」


Sui「ちょっと!w」


酩酊「メタルにき!w」


司「あんたたち、何で病院にしたのよ!」


メタル「いや、目がないって言うから!」


大和「早めに診てもらった方がいいかなって」


司「そういう話じゃないでしょ!w」


兄k「あはははは!w」


ヤタガラス「……皆さん」


メタル「はい!」


ヤタガラス「怖い話をしているのですが」


大和「はい」


ヤタガラス「最後までお聞きいただけませんか?」


メタル「もちろんです!」


大和「申し訳ありません」


酩酊「メテメテ、すごい怖かったのに!」


Sui「私も! 今のはちゃんと怖かった!」


司「ヤタさん、続けてください」


ヤタガラス「ありがとうございます」

      女性は男性をじっと見つめ……

      いえ、目はないのですが、顔を向けたまま……」


メタル「……」


大和「……」


ヤタガラス「『……あなたの後ろに

      ……もう一人、いますよ』」


兄k「ええっ……」


ヤタガラス「男性は、ゆっくりと振り返りました

      すると……


メタル「……馬?」


大和「……たぶん馬」


ヤタガラス「馬ではありません」


兄k「あはははは!」


Sui「ヤタさん、即答w」


酩酊「メテメテ、もう馬が気になって仕方ないw」


司「二人とも、ほんとに静かにしなさいw」


メタル「すみません!」


大和「すみません!」


ヤタガラス「……振り返ると、そこには誰もいませんでした

      しかし、男性が押し入れに向き直ると……

      先ほどの女性も、消えていたのです」


Sui「えっ……」


酩酊「それで終わりです?」


ヤタガラス「いえ、まだ続きがあります

      男性は、その夜、怖くて眠ることができませんでした

      朝になり、押し入れを確認すると……

      中に、小さな紙が一枚落ちていたそうです」


司「紙?」


ヤタガラス「そこには、こう書かれていました

      『……次は、あなたが探して』」


兄k「うわあ……!」


Sui「嫌だ……」


酩酊「え、目を探せってことです?」


ヤタガラス「そうかもしれませんね」


メタル「……大和さん」


大和「……ん?」


メタル「……落とし物センターかな」


大和「……まず交番だろうな」


司「もう!w」


Sui「怖い話を行政手続きにするのやめて!w」


酩酊「メテメテ、もう女の人が窓口で順番待ってるところ想像しちゃったw」


兄k「あはははは!」


ヤタガラス「……なるほど」


司「ヤタさん、ごめんなさいね」


ヤタガラス「いえ。皆さんの想像力には感心いたします」


メタル「ありがとうございます!」


ヤタガラス「褒めているかどうかは、ご想像にお任せします」


大和「ヤタさん、いい返しだなあ」


酩酊「でも、怪談そのものは怖かったですよ」


Sui「うん。押し入れの女の人、普通に嫌だった」


兄k「僕、今夜押し入れ開けたくなくなりました」


司「けーさんの家の押し入れ、別に関係ないから大丈夫だよw」


メタル「けーにき、押し入れあるの?」


兄k「ありますよ!」


メタル「何入ってる?」


兄k「布団とか、掃除道具とか……」


大和「目は?」


兄k「入ってませんよ!w」


司「やめなさいw」


メタル「じゃあ馬は?」


兄k「馬も入ってません!w」


ヤタガラス「……私の話に、馬は一度も登場していないのですが」


Sui「もう準レギュラーみたいになってるw」


酩酊「メテメテ、逆に馬が出てくる怪談聞きたくなりました」


司「いや、そこは影響されなくていいからw」


兄k「あははは! じゃあちょっと飲み物追加しますね!」


Sui「あ、私も手伝う」


兄k「ありがとうございます!」


大和「ゴン太くん、俺ジュースもらっていい?」


兄k「もちろんです! 何がいいですか?」


大和「オレンジある?」


兄k「あります!」


大和「じゃあそれで」


ヤタガラス「私も、次はジュースをいただけますか」


兄k「はい! ヤタガラスさんは何がいいです?」


ヤタガラス「では、リンゴをお願いします」


司「二人とも一杯で切り替えね」


大和「そうそう。もう十分」


ヤタガラス「ええ。私はこのくらいがじゃないと危ないんで…」


メタル「俺はもう一杯!」


Sui「メタさん、ちゃんと水も飲んでね」


メタル「了解!」


酩酊「メテメテもお酒おかわりしようかな」


司「いいけど、無理はしないでね」


酩酊「はーい」


兄k「僕も……」


司「けーさん」


兄k「……お水も飲みます!」


司「よろしいw」


大和「ゴン太くん、飼い主に怒られた犬みたいになってる」


兄k「あはは!w」


メタル「よし、じゃあ次は俺の怖い話だ!」


酩酊「メタルにきもあるんです?」


メタル「あるぞ。これはマジであった話だ」


司「へえ、実体験?」


メタル「そう。俺が仕事から帰ってきた日のことだ

    その日はめちゃくちゃ疲れててな。

    もう飯食って寝ようと思って

    冷蔵庫を開けたら……

    ……昨日買ったはずの肉が、消えていた」


兄k「えっ」


Sui「あれ?」


酩酊「誰か食べたんです?」


メタル「一人暮らしだぞ!」


司「じゃあ、買い忘れじゃない?」


メタル「絶対に買った!」


大和「ゆっきー、その肉、歩くタイプだった?」


メタル「……歩くタイプ?」


大和「自立歩行型の肉」


Sui「ないからw」


メタル「マジか!」


大和「いや、嘘だけど」


司「大和!w」


酩酊「一瞬信じちゃったメタルにきもすごいw」


メタル「いや、ありそうな言い方するんだよ!」


ヤタガラス「それで、お肉はどこへ?」


メタル「……電子レンジ」


兄k「えっ?」


メタル「温めようと思って入れたまま忘れてた」


Sui「それ、怖いというか危ないよw」


司「食べずにちゃんと処分した?」


メタル「した!」


酩酊「メテメテ、安心しましたw」


大和「ゆっきー、今の話で一番怖いのは疲労だよ」


メタル「本当にな!」


兄k「メタルさん、休めるときは休んでくださいね」


メタル「ありがとう、けーにき!」


司「さて、ちゃんとした怖い話に戻そうか」


メタル「えっ、俺のちゃんとしてなかった!?」


Sui「実体験ではあったけどねw」


酩酊「メテメテ、ちょっと怖い話思い出しました」


兄k「おっ、シラフさん!」


司「聞きたい」


酩酊「じゃあ、メテメテが話してもいいです?」


ヤタガラス「ぜひお願いします」


酩酊「これは、ある女の子が毎晩同じ夢を見る話なんですけど…

   夢の中で、その子は長い廊下に立っていて

   廊下には窓がなくて、壁に古い写真が何枚も飾られていました」


Sui「うわ、雰囲気あるね」


酩酊「廊下の一番奥には、白い扉が一つだけあるんです

   最初の夢では、女の子は廊下の入り口に立っていました

   でも、次に同じ夢を見たときは、少しだけ扉に近づいていたんです」


兄k「えっ……」


酩酊「夢を見るたびに、少しずつ、少しずつ……扉との距離が縮まっていく」


司「それ、嫌だね」


酩酊「そして、ある晩」

   女の子はとうとう、扉の前まで来てしまいました

   扉の向こうから、声が聞こえます」


酩酊「『……開けて』」

   『……お願い、開けて』」


ヤタガラス「……」


酩酊「女の子は逃げようとしました。でも、足が動かないんです

   すると、声が急に近づいて……

   『……どうして、開けてくれないの?』」


メタル「……営業時間外です」


大和「……受付は九時からです」


司「おい、お前ら!」


Sui「あはは! また受付!w」


酩酊「ちょっとおおお!w」


兄k「あはははは!」


酩酊「メテメテ、今すごく頑張って怖くしてたんですけど!」


メタル「いや、怖かった!」


大和「めちゃくちゃ怖かった」


酩酊「じゃあ何で営業時間外にしたんですか!w」


メタル「扉が開かなかったから……」


大和「閉店かなって……」


酩酊「夢の中ですよ!w」


司「もう、ほんとにしょうがないねw」


ヤタガラス「酩酊さん、続きが気になります」


酩酊「ヤタさん、ありがとうございます!」


Sui「私も聞きたい。続けて」


酩酊「はい。女の子は、震える手で扉に触れました

   すると、鍵もかかっていないのに、扉が勝手に開いたんですよ

   でも、部屋の中には、誰もいませんでした…」


兄k「……」


酩酊「ただ、床に一枚の写真が落ちていたんです

   その写真には…………

   女の子自身が写っていたらしいんですよ」


司「うわ……」


酩酊「でも、写真の女の子は、今よりずっと年を取っていました」


Sui「えっ……」


酩酊「女の子が写真を裏返すと、そこには……」


酩酊「『……次は、あなたの番』」


兄k「うわあ……」


ヤタガラス「不気味ですね」


司「怖かったよ、メテメテ」


酩酊「やった!」


メタル「……大和さん」


大和「……ん?」


メタル「……順番待ちかな」


大和「……整理券何番だろうな」


酩酊「だから受付じゃないですって!w」


Sui「あははは!w」


司「何で何でも受付に持っていくのよw」


兄k「あはは! もう怖さが消えた!w」


酩酊「メテメテ、最後までちゃんと話せたのに!」


メタル「いや、最後まで聞いたって!」


大和「写真のところ、ちゃんと怖かったよ」


酩酊「ほんとです?」


大和「うん。俺ならその写真、まず額に入れる」


酩酊「何でです!?w」


メタル「未来の自分の記念写真だからな!」


司「飾るな飾るなw」


Sui「毎日見るの怖いわw」


ヤタガラス「……ふふっ」


兄k「ヤタガラスさん、笑ってる!w」


ヤタガラス「失礼。少し面白くなってしまいました」


司「ヤタさんも、もうだいぶ慣れてきましたねw」


ヤタガラス「ええ。ただ、怪談を最後まで聞きたい気持ちは変わりません」


Sui「わかります。ちゃんと怖いのも聞きたいんですよね」


酩酊「そうなんですよ!」


メタル「じゃあ、次は絶対に邪魔しない!」


大和「俺も」


司「本当に?」


メタル「本当!」


大和「約束する」


兄k「じゃあ、今度こそ本格的なやつを!」


Sui「私、一つ知ってるよ」


酩酊「聞きたい!」


Sui「ちょっと長いけど、いい?」


司「もちろん」


ヤタガラス「ぜひ」


Sui「これは、ある女性が一人で暮らしていた頃の話です

  その人、料理が好きで、仕事から帰るとよく

  夜遅くに料理してたんだって

  ある晩、いつものようにキッチンに立っていたら、

  後ろから声が聞こえたの『……まだ?』」


兄k「……」


Sui「振り返っても、誰もいない」

  気のせいかなと思って鍋をかき混ぜていると

  また声がしたの『……まだなの?』」


酩酊「うわ……」


Sui「さっきより、ずっと近い場所から聞こえたんだって

  女性は怖くなって、火を止めた

  すると今度は、耳元で……『……早く、食べたい』」


司「……」


Sui「女性が恐る恐る振り返ると……」


メタル「……料理長?」


大和「……シェフかな」


Sui「違うから!w」


司「早い! 今回早いよ!w」


酩酊「まだ誰がいるかもわかってないのにw」


メタル「いや、料理の話だから」


大和「厨房かなって」


Sui「自宅のキッチンやって最初に言ったやろ!w」


兄k「あはははは!」


Sui「もう、ちゃんと聞いてよ!」


メタル「はい!」


大和「聞いてます」


Sui「女性が振り返ると、そこには……

  真っ白な服を着た、見知らぬ女の人が立っていたの

  その人は、ゆっくり鍋を指さして……

  『……それ、私の』って言ったんだって」


兄k「ええっ……」


Sui「女性が鍋に目を戻すと……

  さっきまで煮込んでいた料理が、全部なくなっていたの」


司「怖いね……」


酩酊「えっ、全部?」


Sui「うん。具材も、スープも、何も残ってない」


メタル「……完食か」


大和「……よく食べる幽霊だな」


Sui「いや、ちゃうねん!w」


司「もう!w」


酩酊「メテメテ、ちょっと想像しちゃったw」


兄k「あははは!」


Sui「怖い話やから! 食レポじゃないから!w」


メタル「おいしかったんだろうな」


大和「おかわり欲しそう」


Sui「もうやめて!w」


ヤタガラス「……しかし、興味深いですね」


司「どうしました?」


ヤタガラス「料理が消えたということは、幽霊が食事を必要としている可能性も……」


Sui「ヤタさんまで分析し始めたw」


酩酊「でも、幽霊が食べるなら、味付けとか気になるんですかね?」


司「あ、それはちょっと気になる」


Sui「ちょっと待って。みんな、話の方向おかしなってるw」


兄k「あははは!w」


メタル「Suiちゃん、その幽霊、次の日も来たの?」


Sui「……来たらしいよ」


メタル「おお!」


Sui「次の日、女性は怖くて料理をしなかったんだって

  すると夜中に、また声が聞こえたの

  『……今日は、ないの?』」


大和「……定休日か」


メタル「……仕入れが間に合わなかったんだな」


司「おい、お前ら!w」


酩酊「幽霊が常連客になってるw」


兄k「あはははは!」


Sui「もう無理! この話、怖くならへん!w」


ヤタガラス「……ふふっ」


司「Suiちゃん、ごめんねw」


Sui「いや、つーちゃんは悪くないですw」


メタル「いやー、いい話だった!」


Sui「怪談やって!w」


大和「俺、ちょっと腹減ったわ」


兄k「唐揚げ、まだありますよ!」


メタル「よし、食おう!」


司「あんたたち、何の影響受けてるのよw」


酩酊「でも、あの幽霊ちょっとかわいそうですね」


Sui「え?」


酩酊「毎晩ご飯待ってるんですよね?」


メタル「そうだぞ! 飯がないと怒るんだ!」


大和「食費かかるなあ」


司「幽霊の家計簿まで考えなくていいからw」


兄k「あははは! じゃあ、ちょっと休憩します?」


ヤタガラス「そうですね。喉も渇きましたし」


Sui「私もおかわりしようかな」


司「私も」


酩酊「メテメテも、もう一杯いただきます」


兄k「はい! どうぞどうぞ!」


メタル「いやー、楽しいなあ!」


大和「怪談ってこんなに笑うもんだっけ?」


司「あんたたちのせいでしょw」


メタル「いや、俺は怖がってるんだよ!」


Sui「どこが!?w」


メタル「怖いから、別のこと考えようとしてる!」


酩酊「あっ、それはちょっとわかるかも」


司「怖いと笑っちゃう人もいるもんね」


大和「ゆっきー、そういうことだったの?」


メタル「……今思いついた」


司「おいw」


兄k「あははは!」


ヤタガラス「それでは、今度は司さんのお話をお聞きしてもよろしいでしょうか」


司「私?」


ヤタガラス「ええ。先ほど、何かお話をご存じのようでしたので」


司「ああ。じゃあ一つだけ」


酩酊「おっ!」


Sui「つーちゃんの話、楽しみ」


司「これはね、実際に私が家で体験したことなんだけど

  ある日、仕事から帰ってきたら、家の中が妙に静かだったの」


兄k「……」


司「いつもなら誰かの声が聞こえるのに、その日は何も聞こえなくて

  おかしいなと思いながらリビングの扉を開けたら……

  そこには、信じられない光景が広がっていたの」


酩酊「……」


司「床一面に、細かく切られた紙」


Sui「……ああ」


司「ソファには、こぼれた飲み物」


兄k「……」


司「テーブルには、食べかけのお菓子」

  そして、部屋の真ん中に……

  子どもたちが立っていたの」


メタル「うわあああ!」


大和「怖っ!」


Sui「それはほんまに怖いやつやw」


酩酊「メテメテ、片付け想像しちゃった……」


ヤタガラス「それは大変でしたね」


司「しかもね」


兄k「まだあるんですか?」


司「私が

  これ、誰がやったの?正直に言ったら怒らないからって聞いたら……

  全員、こう言ったの」


司「『……知らない』」


メタル「うわぁ」


大和「じゃあ誰がやったんだよ!」


酩酊「誰もやってないのに部屋が荒れてる!w」


Sui「それが一番怖いわw」


兄k「あはははは!」


司「でしょ?w」


メタル「司さん、それはもう除霊するしかない!」


司「誰をよw」


大和「ゆっきー、まず現場検証だ」


メタル「なるほど!」


大和「足跡、指紋、食べかけのお菓子」


メタル「犯人は必ずこの中にいる!」


酩酊「普通に子どもたちですよ!w」


司「ほんとにね!w」


ヤタガラス「……それで、犯人はわかったのですか?」


司「わかりましたよ。全員です」


兄k「全員!w」


メタル「共犯か!」


大和「組織的犯行だな」


Sui「大げさすぎるw」


司「全員で片付けさせました」


酩酊「さすがですw」


兄k「あははは!」


司「……というわけで、私の怖い話は終わり」


メタル「いやー、怖かった!」


大和「一番現実的な恐怖だった」


Sui「ほんまやねw」


ヤタガラス「日常の中にも、恐怖は潜んでいるものですね」


兄k「そうですねえ……」


メタル「けーにき、どうした?」


兄k「いや、僕も一個、怖い体験したことがあって」


司「えっ、けーさんも?」


酩酊「聞きたいです!」


兄k「じゃあ話しますね

  あれは、僕が夜中に一人で家にいたときなんですけど

  寝ようと思って電気を消したんですよ

  そしたら……廊下から、足音が聞こえたんです」


Sui「えっ……」


兄k「トン、トン、トン……って」


兄k「最初は気のせいかと思ったんですけど、だんだん近づいてくるんですよ」


酩酊「うわ……」


兄k「で、僕の部屋の前で、ぴたりと止まったんです」


司「嫌だね……」


兄k「怖くなって、布団をかぶってたんですけど

  すると……ドアノブが、ゆっくり動いたんです」


ヤタガラス「……」


兄k「カチャ……カチャ……って」


メタル「……」


大和「……」


兄k「僕、もう怖くて動けなくて……」

  でも、勇気を出して『誰ですか!』って言ったんです」

  そしたら……何も返事がなかったんです」


酩酊「うわ……」


兄k「で、朝になってから確認したら……

  廊下の窓が、少し開いてたんです」


司「ああ、風で音がしたのかな?」


兄k「たぶん、そうだと思うんですけど……」


メタル「……けーにき」


兄k「はい?」


メタル「……それ、本当に風か?」


兄k「……え?」


メタル「……ドアノブまで動くか?」


兄k「……」


大和「……ゴン太くん」


兄k「……はい?」


大和「……その窓、外から開けられるタイプ?」


兄k「……えっ?」


メタル「……誰か入ってきてたんじゃないか?」


兄k「ちょっと待ってくださいよ!」


司「おい、お前ら! 変に怖がらせないの!w」


Sui「けーちゃん、大丈夫。風でドアが揺れることもあるから」


酩酊「そうですよ。怖い方向に考えすぎない方がいいです」


兄k「そ、そうですよね……」


メタル「……でもさ」


司「メタルさん」


メタル「はい」


司「やめときなさいw」


メタル「はい!w」


大和「ちなみにゴン太くん」


兄k「何ですか?」


大和「その家、昔から誰か住んでたらしいよ」


兄k「えっ!? 本当ですか!?」


大和「いや、嘘だけど」


兄k「大和さあああん!w」


酩酊「大和さん、言い方が本当っぽいんですよ!w」


Sui「ほんま、自然すぎるわw」


司「もう、けーさんを怖がらせないのw」


ヤタガラス「しかし、先ほどの足音のお話はなかなか不気味でしたね」


兄k「ありがとうございます!」


メタル「けーにき、いい話だったぞ!」


兄k「いやあ、でも怖かったんですよ、あのとき!」


大和「俺だったらドア開けるな」


司「えっ、開けるの?」


大和「うん。『何かご用ですか?』って」


メタル「俺なら『今、手が離せません!』って言う!」


酩酊「何の仕事してるんですかw」


Sui「幽霊に対応する窓口ができてるw」


兄k「あはははは!」


司「結局、怖い話が全部受付になるねw」


ヤタガラス「……そうですね」


メタル「ヤタさん、次は俺たち絶対に静かに聞きます!」


ヤタガラス「そのお言葉、何度か伺った気がいたしますが」


大和「今度こそ本当です」


司「信頼がないねえw」


酩酊「じゃあ、メテメテ提案があるんですけど」


Sui「何?」


酩酊「怖い話してる間、茶々入れた人は何か罰ゲームにしません?」


兄k「おっ、いいですね!」


司「賛成」


ヤタガラス「なるほど。それなら集中できるかもしれませんね」


メタル「罰ゲーム!?」


大和「何するの?」


酩酊「そうですね……」


Sui「次の怖い話を、その人が一人で語るとか?」


司「いいね。途中で邪魔されても文句言えない」


メタル「ええっ!?」


大和「それは厳しいなあ」


兄k「あははは!」


ヤタガラス「よろしいのではないでしょうか」


酩酊「じゃあ決まりです!」


司「次に茶々入れた人が語り手ね」


メタル「わかった!」


大和「了解」


Sui「本当に静かにしてね」


メタル「任せろ!」


ヤタガラス「では、私がもう一つお話ししましょう」


兄k「お願いします!」


ヤタガラス「これは、古い旅館で起きた出来事だそうです

      山奥に、一軒の小さな旅館がありました

      その旅館には、長い間使われていない

      部屋が一つだけありました」

      部屋番号は、三〇三号室」


酩酊「……」


ヤタガラス「ある日、一人の男性が旅館を訪れました

      ところが、その日は満室だったのです

      旅館の主人は困り果て、男性にこう言いました

      『一つだけ空いている部屋があります。

      しかし、そこには泊まらない方がいい』」


Sui「……」


ヤタガラス「男性は理由を尋ねましたが、主人は何も答えませんでした

     それでも男性は、どうしても泊まりたいと言いました

     そして、その夜……三〇三号室で、奇妙なことが起こったのです」


兄k「……」


ヤタガラス「深夜二時を過ぎた頃、部屋の扉を叩く音が聞こえました」


ヤタガラス「……コン」


ヤタガラス「……コン」


ヤタガラス「……コン」


酩酊「……」


ヤタガラス「男性が『誰だ』と尋ねると……

      扉の向こうから、かすかな声がしました」


ヤタガラス「『……開けてください』」


司「……」


ヤタガラス「男性は怖くなって、布団をかぶりました」

      すると、今度は窓の外から、同じ声が聞こえたのです」

     『……開けてください』」


兄k「えっ……」


ヤタガラス「その部屋は三階でした」


Sui「うわ……」


ヤタガラス「男性は恐る恐る窓を見ました

      すると、そこには……

      真っ黒な人影が、窓に張りついていたのです」


酩酊「怖っ……」


ヤタガラス「人影は、ゆっくりと顔を近づけ……

      こう言いました

      『お客様…、お布団の追加は、いかがでしょうか』」


司「……え?」


Sui「……ん?」


兄k「……ええっ!?」


酩酊「メテ?」


メタル「……」


大和「……」


ヤタガラス「……」


司「……ヤタさん?」


ヤタガラス「はい」


司「……それ、旅館の人?」


ヤタガラス「そうです」


Sui「三階の窓から!?」


ヤタガラス「はい」


兄k「どうやって来たんですか!?」


ヤタガラス「……脚立です」


酩酊「あはははは!w」


司「ヤタさんまで!w」


Sui「ちょっと待って! 何で!?w」


ヤタガラス「……皆さんが、いつも途中で茶々を入れられるので

     今回は、最初から結末を変えてみました」


メタル「ヤタさあああん!w」


大和「やられたw」


兄k「あはははは!」


酩酊「メテメテ、すっごい真剣に聞いてたのに!w」


司「ヤタさん、そういうことするんですね!w」


ヤタガラス「……ふふっ。たまには、よろしいかと思いまして」


Sui「いやー、一本取られたわw」


メタル「よし! ヤタさん最高!」


大和「完敗だな、ゆっきー」


メタル「ああ!」


司「でも、さっきのルールどうなるの?」


酩酊「あっ、そうでした。誰も途中で茶々入れてないですね」


Sui「そうだね。二人とも静かだった」


兄k「すごい!」


メタル「だろ!?」


大和「俺たち、やればできるから」


司「やっと証明されたねw」


ヤタガラス「しかし、皆さんが真剣に聞いてくださると、語る側としても楽しいですね」


酩酊「そうですよね!」


Sui「うん。怖い話って、やっぱり集中して聞きたい」


メタル「じゃあ次は大和さんが怖い話してくれ!」


大和「俺?」


メタル「そう! 大和さんの本気の怪談!」


司「それ、絶対変なオチになるでしょw」


大和「いや、ちゃんと怖いのあるよ」


酩酊「本当です?」


大和「本当」


Sui「じゃあ聞こうかな」


兄k「お願いします!」


ヤタガラス「拝聴しましょう」


大和「これは、ある山の中にあるトンネルの話なんだけど

   そのトンネルには、夜中になると

   白い服の女性が現れるって噂があった」


酩酊「……」


大和「ある日、車でそのトンネルを通った男性がいた

   男性は、トンネルの真ん中あたりで……

   バックミラーに、白い影が映ったのを見たんだ」


兄k「うわ……」


大和「最初は見間違いかと思った

  でも、もう一度ミラーを見ると……

  白い服の女性が、車のすぐ後ろを走っていた」


Sui「ええっ……」


大和「男性はアクセルを踏んだ

   時速は四十…五十……六十キロ

   それでも、女性は離れない」


司「怖いね……」


大和「男性は必死になって、トンネルを抜けた

   そして、もう一度バックミラーを見ると……

   ……女性の姿は消えていた」


酩酊「……」


大和「安心した男性が速度を落とした瞬間……

   助手席から、声がした『……遅い』」


兄k「うわあっ!」


Sui「えっ、助手席!?」


大和「男性が横を見ると…そこには、さっきの女性が座っていたんだ」


司「……」


大和「そして、女性は……こう言った

  『……次、右です』」


酩酊「……え?」


メタル「……ナビ?」


大和「……ナビ」


兄k「えええっ!?w」


Sui「あははは!w」


司「やっぱり!w」


酩酊「メテメテ、途中までめっちゃ怖かったのに!w」


ヤタガラス「なるほど。道案内だったのですね」


メタル「しかも足速ええな!」


大和「優秀なナビだろ」


Sui「優秀すぎるわw」


兄k「あはははは!」


司「もう、怖い話を何だと思ってるのよw」


大和「いや、ちゃんと怖かったでしょ?」


酩酊「途中までは!」


メタル「じゃあ今度は俺の番だな!」


司「えっ、まだあるの?」


メタル「ある! 今度こそ本当に怖いやつ!」


Sui「さっきからそればっかりやんw」


兄k「あははは!」


ヤタガラス「では、最後の一話としてお聞きしましょうか」


メタル「お?しょうがねぇな~!

   これは、ある男が夜中に一人で山道を歩いていたときの話だ

   周りには街灯もなく、月明かりだけが道を照らしていた

   男は早く家に帰ろうと、足を速めた、すると……

   後ろから、足音が聞こえた」


メタル「……パカッ」


メタル「……パカッ」


メタル「……パカッ」


大和「……ゆっきー」


メタル「……何だ」


大和「……それ、馬じゃない?」


メタル「……」


司「あんたが言い出したんでしょ!w」


Sui「もう最初から馬やん!w」


酩酊「メテメテ、さっきから馬しか出てこないw」


兄k「あはははは!」


メタル「いや、まだわからないだろ!」


大和「蹄の音してるけど」


メタル「……そうだな」


司「認めるんかい!w」


ヤタガラス「……では、馬が登場する怪談ということでよろしいでしょうか」


メタル「はい!」


酩酊「もう怖くなる気がしないw」


メタル「いやいやいやいや、ここからだ

    男は恐る恐る振り返った

    すると、そこには…真っ白な馬が立っていた」


兄k「おお……」


メタル「しかし、その馬には……顔がなかった」


Sui「えっ……」


酩酊「うわ、それは怖い……」


メタル「男は恐怖のあまり、その場から逃げ出した

    でも、馬は追いかけてくる」


メタル「パカッ、パカッ、パカッ!」


メタル「男は必死に走った

   すると、前方に一軒の小さな建物が見えた

   男はそこへ飛び込んだ!

   助けてください! 馬が! 顔のない馬が!

   すると、建物の奥から……一人の男が現れた

   その男は、静かにこう言った『……落ち着いてください

   ここは、馬の病院です』」


司「あはははは!w」


Sui「また病院!?w」


酩酊「メテメテ、もうダメだw」


兄k「あはははは!」


大和「ゆっきー、診察券ある?」


メタル「初診です!」


司「やめなさい!w」


ヤタガラス「……ふふっ」


Sui「何で最後まで受付に戻るん!?w」


酩酊「顔のない馬はどうなったんです?」


メタル「……治療中!」


大和「よかったなあ」


司「何もよくないわ!w」


兄k「あはははは! お腹痛い!w」


ヤタガラス「……皆さん、少しよろしいでしょうか」


司「はい?」


ヤタガラス「私は、最初に怖い話を始めたとき……」

      皆さんに、少しでも怖がっていただければと思っておりました」


酩酊「はい」


ヤタガラス「しかし、今夜のお話を振り返りますと……

      押し入れの女性は眼科に案内され」


Sui「あははw」


ヤタガラス「夢の中の扉は営業時間外となり」


司「そうでしたねw」


ヤタガラス「料理を食べる幽霊は常連客となり」


酩酊「あははは!」


ヤタガラス「山道に現れた馬は病院へ搬送されました」


メタル「完璧じゃないですか!」


大和「全員、適切な対応を受けてる」


司「何の話なのよ!w」


兄k「あはははは!」


ヤタガラス「……怪談というものは、これほどまでに形を変えるものなのですね」


Sui「いや、この二人がいるからですよw」


酩酊「メテメテ、最初は本当に怖かったんですけどねw」


司「でも、今日はよく笑ったね」


兄k「本当ですね!」


メタル「よし! 次回も怪談大会だ!」


大和「次はもっと怖いやつ用意しよう」


Sui「絶対またふざけるやろw」


メタル「そんなことないって!」


司「今日何回それ言った?w」


酩酊「メテメテ、もう信用できないですw」


ヤタガラス「……次回は、馬が登場しないお話を探しておきます」


メタル「ええっ!? ヤタさん!」


大和「馬、出禁か」


兄k「あはははは!」


司「さて、そろそろ片付けようか」


Sui「そうやね。けーちゃん、残った料理はどうする?」


兄k「あ、冷蔵庫に入れておきます!」


酩酊「メテメテ、お皿集めますね」


ヤタガラス「では、私もお手伝いいたしましょう」


メタル「よーし! 片付けまでが飲み会だ!」


大和「ゆっきー、今日一番まともなこと言ったな」


メタル「俺はいつでもまともだぞ!」


司「その発言が一番まともじゃないのよw」


兄k「あははは! いやー、今日は本当に楽しかったですね!」


Sui「ほんま、怪談は全然怖くならへんかったけどなw」


酩酊「メテメテ、ちゃんと怖い話聞きたかったですw」


ヤタガラス「次の機会には、ぜひ最後までお聞きいただきたいですね」


メタル「ヤタさん、次は馬が出てくる話にしましょう!」


ヤタガラス「……馬が出てくる怪談を探しておきましょう」


大和「ついに公式採用されたw」


司「もう、あんたたちのせいだからね!w」


兄k「あははは! じゃあ、そろそろ電気戻しますね!」


大和「あ、ゴン太くん」


兄k「はい?」


大和「押し入れ、ちゃんと閉めとけよ?」


兄k「……えっ!?」


兄k「えええええええ!!

   ちょっと待ってくださいよおおおお!!」


終わり

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