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異変

大猪討伐から2か月後


村長と及び周辺の村から、緊急のクエストが冒険者ギルドに入った。


この地域全体で、なにか異変が起こっているらしい。


昨日は急な雷雨で

ご神木とされる山の大木に落雷し

大木が大きく裂けた。


村人たちは動揺している。


「なにか不吉なことがあるのでは…」


落雷以外にも

動物の大移動

山火事の頻発

頭痛を訴える人々が続出


そんななか


ギルドでは村長らを含め、緊急で会議がはじまった。


「なんだ。なんだ。こんなみんな血相をかえて…

山火事があったから

動物が大移動して

煙とかで

頭が痛くなったんじゃねーのか。

ほんと。めでたいやつらだ」

ナイフを舐めながら「ウェーイ」と言いそうな

モヒカン頭の冒険者が言う。


「それじゃったらー

いいのだがの…」

と見るからに人をカエルに変えそうな魔法とか使いそうな老婆がいう。

もっている杖にはカエルのカワイイ彫刻があった。


「どうでもいいけど。ねえちゃん。そのカエルの杖…可愛いの」

とワシ


「おお。お主…目がいいの。これ亡くなった爺さんが作ってくれたんじゃ」

と老婆


「そうかそうか。爺さん。腕いいんじゃのー。これは一流の作品じゃ」

とワシ


「そうじゃろ。そうじゃろ。しかしお前さん。こんな婆さんつかまえて、ねえちゃんはないだろ。お前さん、私よりずいぶん若いじゃろ」


「ワシは85歳じゃよ」


「えーそうなのか。私は65歳じゃよ。そうか、それならねえちゃんで正しいの。わかった。ねえちゃんでええぞ。気分いいしな」


「あーそうか。じゃあねえちゃん。なんか気がかりがあるのか…」


「そうじゃな。これ。村長。もう正直にいわんか」


村長に一同が注目する。


村長が口に手を当てて「ごほん」と咳払いした瞬間、

ワシは目を輝かせて叫んだ。


「おぉーっ!? それ、手の“五本”と“ごほん”をかけた高度なボケか!?

こんな緊張した場で、やるのぉ!」


会場、一瞬沈黙。


――そして大爆笑。


「それ五本とごほん…かけてたのか

いや

それぜったいわからんわ」

とギルド長


「いや。そういうボケじゃないんです」

と収拾に乗り出す村長


ギルド中が笑いに包まれ

まったく緊張感がなくなった。


「それで村長。ボケはやめて実際どうなんじゃ」

とクールな顔のワシ


「いえ実はですね。

動物の大移動

山火事の頻発

頭痛する人々の続出

があった時

1週間ほどしてドラゴンが村を襲った

という話が他の村であるんですよ。

今回ももしかしてと…」

と村長


「しかし頭痛なんぞ。

台風前とかでもあるだろう」

とワシは冷静に指摘する。


「しかし

いまは台風の時期でもないし」

とギルド長


一同静まりかえる。


「で…そのドラゴンというのが、現れたらどんな痕跡があるんじゃ」


「大きな糞だな」

とギルド長


「大きさは?」

とワシ


「そうだな。500年クラスで、大人の男の頭くらいの大きさの糞をする」


「それだったら、昨日道路でみかけたぞ」

と恋バナの若者


「大きさはどのくらいだ」

とギルド長


「これくらいかな」

と恋バナの若者。


「それクラスなら…600とか700年クラスかもしれんな」

とギルド長


「そのクラスでどれくらいのサイズなんじゃ」

とワシ


「そうだな。同体が荷馬車くらいのサイズだな。それに大きな羽がある」

とギルド長


「で…どうやって倒す」

とワシ


「ドラゴンスレイヤーでもあれば…」

とギルド長


急に周囲がざわついた

「あの伝説の…」


「あれは実在しないのでは…」


「そもそも英雄でもない限り扱えないというし」


「もう無理ゲーじゃん」


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