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童話

ぼくはパイソンカマムシ

挿絵(By みてみん)




 ぼくは虫として産まれた

 でも知的生命体だったりする

 宇宙でたまに起こる突然変異

 手足も2本は退化してほぼ4本


 パイソンカマムシ星でひとりぼっちだった

 仲間はみんなただの虫だから

 ぼくはたったひとりの自意識をもつへんなやつだった

 そんなところにあのひとたちが来てくれた


 降りてきたその銀色の宇宙船を見た時

 みんなと同じように

 ぼくは怖がった

 ぼくらを滅ぼす悪魔でも降臨したのかと思った


 あ

 悪魔ってのは

 ぼくが妄想で作った

 ありもしない悪者だったんだけどね


 宇宙船から降りてきたのは

 地球人という笑顔のひとたちで

 笑顔でぼくの仲間を駆除しようとしたけれど

 ぼくが前に歩み出るとびっくりした顔に変わった


「こんにちは」

「ぼくはパイソンカマムシです」

「ぼくの仲間は言葉を話せないけれど」

「ぼくだけがこの星で唯一の知的生命体です」


 ぼくは触覚で会話ができる

 仲間がお腹が減ってたらそれをわかってあげられる

 同じように

 ぼくは地球人の言葉が触覚でわかった


 孤独じゃないってわかった

 言葉をもつのが宇宙でぼくひとりじゃないって知った

 同じ孤独を共有する仲間ができた

 そう思ったのに


 ぼくの姿が気持ち悪かったみたいだ

 彼らはぼくを置いて行っちゃった

 いつかまた来てくれるかな

 会いたくてぼくは空に手を振った





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― 新着の感想 ―
カナCなココミ  セツナE  ( ;∀;)
黒ブチ眼鏡のイメージで描いてくださってありがとうございます! だけど・・・ 次に来たら・・・怖いかなぁ・・・。 なにしろ「地球人」だからなぁ・・・。
ひょろんとしたお目目としょぼんとした触角が可愛らしいです。 でもね、胴体の辺りのカメムシ感が。 文章もイラストもとてもキュートでほのぼのしました。
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