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第8話 俺、本気出す

少し時間が出来たので、ちょっと書き物をしてみました


駄作ではありますが、読んでいただけたら幸いです

クックックッ… ダークマサオだぞ


ダークマサオとは、闇の力に魅入られ、もんのすごぉい力を手に入れたマサオの事だぞ


だが、ダークマサオの力は不十分


今は時が必要なのだ!


てなわけで、魔術大会にやってきたぞ


あの忌まわしき闘技大会の会場とは違い、洗練さを感じる会場だ


まぁ、コロッセウムの様な感じがするのはどちらも同じだが、こっちは魔法障壁が張られている…らしい


だって! 目に見えんから解らんのだ!


んで、既に魔術大会は始まっているんだが、一つ解った事を言っても良いか?


こっち(異世界)に来てからちょくちょく魔法を見た事がある


そん時は、あぁこういう魔法ってなんかあるねって感じの魔法ばかりしか見た事がない


例えば…


氷のつぶてを放ったり、火の玉を投げたりってな感じだ


確かに殺傷力はあるとは思うが… 


派手さに欠ける物ばっかだった


決してゲームとかに出てくる様な「これ天災じゃん」ってなもんは見た事ない


まぁ、そんな魔法を個人が気楽に出来たら、恐ろしい世界だけどな


それで、今、魔法の扱いに自信を持っている奴らの魔法を見ても、今まで見た魔法に毛が生えた程度の物ばかりだった


因みに、姉ちゃんが見せてくれた『なんちゃってファイアーボール』に比べれば遥かにマシだが…


ちょっと魔法に対して少しがっかりしたぞ


でも… 姉ちゃんが優勝する事はないと確信できたから、ちょっと嬉しい気もするがな!


さぁて、姉ちゃんの事を崇拝する奴らのガッカリする顔が見ものだ


「それでは、次の選手はあのアリサ様です! 皆さん惜しみない喝采を!」


なぁんか、ナレーターが嬉しそうに何か言っているぞ…


くくく…


会場に姉ちゃんが間抜けな顔して現れたぞ


さぁ、マツザカ アリサよ… 貴様の『なんちゃって魔法』を町の奴らに披露するが良い


そして… 赤っ恥を晒すが良い!


「皆さんご存じ、ある日突然ビン・ギニングに現れた美しき黒の瞳をもつアリサ様! 常に魔法をかけ我々を魅了して止まない規

格外の存在! さぁ、今日はどんな魔法を皆にかけてくれるか楽しみだぁ!」


おぃ、ナレーターよ


美しき黒の瞳ってのは俺も持っているぞ!


だって、姉ちゃんと同じ目だもん


ついでに言うと、姉ちゃんは魔法使えないし…


お前らが勝手に『あぁ… アリサ様の魔法にかかってしまったわ』とかほざいているだけだからな!


まぁ、そんな事はどうでも良い…


姉ちゃんがどんな恥をかくのか楽しみだぞ


にしても、姉ちゃんの喝采がやかましい


てか、姉ちゃんも、こんなどうでも良い喝采に手を上げて応えなくても良いと思うが…


さぁて、姉ちゃんが何か構えだしたぞ


ククク… 何をする気か知らんが、本家本元の魔法と違い姉ちゃんのは只の腕力に物を言わせているだけだ


そんなのが認められ訳がない!


「うむ… では跳ぶ!」


ん? 跳ぶ?


ただ高く跳ぶってだけか? 


それはこの世界の魔法ではないと思うぞ


その証拠に周囲の反応も不思議がっているぞ


ドンッ


んなななな!


姉ちゃんが遥か天高く跳んでいっちまった!


周囲もこれには驚きが隠せてないぞ



え~… 姉ちゃんが跳んだっきり帰ってこない



ん~… まだ戻って来んが



周囲もザワついてきてるぞ


ははぁ… 恥をかくのが怖くて逃げたな!


ドッゴォォォーン


ぐほっ!


物凄い土煙をあげて姉ちゃんが着地している



一体、姉ちゃんは何がしたかったんだ?


「い~」


ん? 『い』って言ったか?


「ん~」


今度は『ん』って言ったよな?


「せ~」


で、次に『せ」か…


「き~」


それで、『き』と次に言ったよな?


ん?


続けて言うと… 


い・ん・せ・き?


え?


姉ちゃん… まさか… いや… 姉ちゃんならやってしまいそうだぞ!


俺は、急いでこの場から離れようとしたが…


ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


遥か上空から嫌な音が…


ああああああ!


嫌な予感が当たってしもうた!


周囲もパニックになっている


逃げまどう者、その場で泣き崩れる者


会場中に怨嗟の声がこだまする


俺は悟ってしまった…


ヒトとは浅ましい生き物だなぁって事に…


巨大な火の玉が上空から落下する


ドゴォォォオオオオオオン


耳が狂いそうな轟音が辺りを支配する


しかし幸運な事か、はたまた姉ちゃんがわざとしたかは知らんが、火の玉は町の遥か彼方に落下してくれた


俺は生き残った!


やはりダークマサオは偉大だったのだ!


ついでにと言ってはなんだが、町の奴らも皆生き残っちまったがな…


チッ、そんなに俺のおかげで生き残ったのが嬉しいのかよ!


なんか、やたらと歓喜の声が聞こえてきやがる


「やったぁ… 何とか生き残っているぞ!」


「私は、アリサ様の事を信じていました!」


「俺、生き残ったからここで生活するぞ!」


何か意味不明な事も聞こえてくるが… ん?


「この事は脅威だ! すぐに国に報告せねば…」


「個人があのような事を… すぐに対処しなくては…」


なんか身分の高そうな奴らが、血相を変えてどこかへ去っていくのも見える


ともかくだ… 


これって、絶対に魔法ではないのは断言できるからな!


しかし…


この馬鹿共は生き残った事が嬉しいのか、姉ちゃんの『なんちゃってインチキ魔法』がそんなに凄いのか妙に浮かれてやがる


辺り一斉に歓声が鳴りやまない状況に陥ってしまっているんだが…


これ、誰が収拾してくれるんだ?


俺、知らねえからな!


…………………


時は来た!


ダークマサオの真髄を発揮する時だな


まぁ、それはまた後でするとして、どうにも腑に落ちない


魔術大会なのに、一切魔法をしていなかった姉ちゃんが優勝だなんて…


んで、闘技大会・魔術大会の両大会を優勝した姉ちゃんは、この国の王様って奴から何か貰っていたぞ


だけどなぁ… そんな事がいつまでも続く訳がない事を教えてやろう


俺は隣に立っていた同士に声を掛ける


「もう大丈夫だな? いけるか?」


「あぁ、いつでも行ける様にしてるぞ! では、もう良いのだな?」


「もちろんだ… 俺様の事をコケにした奴らとこの世界に制裁を!」


「ふむ… なら後悔だけはせんようにな… 実験体1号よ!」


そう同士が言うと、今までいた魔術大会の会場から姿を消した


さぁ、はじまる…


『アリサ・ミラクル・エンターテイメントショー』ならぬ『マサオ・ウルトラ・デストロイショー』がな!


ケケケケケ


さぁ、愚民共! それに俺の事を裏切りまくった世界よ! そして…


最もにっくき『マツザカ アリサ』よ!


祈る時間はたっぷりと与えたぞ


さぁ、覚悟するがいい!


ゴゴゴゴゴ


魔術大会の会場から異音が聞こえる


その音は徐々に大きくなってくる


事態に気が付いたのか愚民共が何やら騒ぎ始める


そして…


俺の本気が現れたのだ!


「姉ちゃん… いや、マツザカ アリサよ! それに愚民共! 楽しい時間はこれで終わりだ! ここからは、お前らに愚かさの代償を払ってもらう!」


俺は大声を張り上げ、会場に居る奴ら全員に向って叫んでやった


俺は会場の中央に立ち、背後には会場の地下に隠しておいた『俺の本気』が立っている


くっくっくっ


泣け! 叫べ! そして恐れろ!


裁きの時は来たのだ!


「さぁ、貴様ら、俺の本気『G・ラスボースン』に蹂躙されろ!」


「G・ラスボースンのGは、グレートのG! そして、ジャイアントのGだ!」


「Gは偉大だ! ダイナミックだ! エレガントでトレビア~ンなのだ!」


俺の後ろに立っている黒光りの巨大ゴーレム…それが『G・ラスボースン』


全長10メートルの巨体を誇る圧倒的存在感


そして超合金で出来ている黒光りするボディ


その強大なパワーは山をも砕く!


四角いフォルムは、俺の宿敵『ラスボースン』と同じだ


これが俺の切り札だ!


さぁ、姉ちゃんよ… お前の罪を裁く時間だ!


………


うははははは!


どうだ! お前ら驚いたか!


これが、ダークマサオの本気ってやつよ!


こいつを作るのに、かなりのマネーを同士に捧げる事になっちまったがな


まぁ、同士の仕事は俺が捧げたマネー以上のものだな!


どうだ、姉ちゃん!


これには驚いただろう!


「はぁ、マサオ… マサオはつくづくマサオで私は情けないぞ…」


んな! 驚いてないだと?


それに… 俺はダークマサオだ! ただのマサオじゃねぇ!


「んな! 姉ちゃん! やせ我慢は無駄だぜ! 謝るなら今のうちだぞ!」


俺にも優しさがあるからな!


一応、最終勧告っていうのも言ってみた


「あのなぁ? 謝るのはマサオだぞ… 私の気が変わらぬうちに謝れば許してやるぞ」


ぬぬぬぬ… 俺がお前に謝る事など全くないぞ!


「なんで、俺が姉ちゃんに謝らないといけないんだ! 前から思ってたんだ… 姉ちゃんは俺の事を何だと思っているんだ!」


「ん? マサオの事はマサオと思っているが…」


そりゃあ、マサオで間違いは… って違う!


もう怒った!


激おこだぞ!


「姉ちゃんだと思って、俺を馬鹿にして… 姉ちゃんなんて態度も『でかけりゃ』、体も『でかい』だけの姉ちゃんじゃないか!もう、いいや! 『G・ラスボースン』目の前のマツザカ アリサを排除しろ!」


俺の叫びに応えるかの様に『G・ラスボースン』が雄叫びをあげた


「ほぉ… 私の事を『でかい』とはな… 私は、身長と筋力比によって体重コントロールをしているというのにな… マサオよ念仏は唱え終わったか?」


会場の床を踏みしめ、こちらにゆっくりやって来る


ズン・ズン・ズン


足音と共に姉ちゃんの足元にタイルの亀裂が…


姉ちゃんが物凄く怒ってる


え? え? 俺… なんか言ったか?


あ… 言ってたわ…


「『G・ラスボースン』これ以上、姉ちゃん… マツザカ アリサを近づけるな!」


俺の声に応えるかのように、『G・ラスボースン』が攻撃を仕掛けた


巨体から繰り出す鉄拳!


どうだ! いくら怒り狂う姉ちゃんでも…


「え?」


間抜けな声が咄嗟に出てしまう


あの巨体から繰り出された鉄拳を片手で受け止めたなんて…


てことは… 嫌な予感しか…


これは、あれだ… 最後の策を使用する時だ…


『G・ラスボースン』よ、お前の事は忘れないからな!


「すいませんでしたぁ~」


俺はそう叫びながら脱兎の様に逃げる


背後で巨大な何かが天に打ち上げられた様な音が聞こえたが、そんなのは無視だ!


今は、この場から離れ去る事が最優先事項なのだから!


「マ~ サ~ オ~」


いやぁぁぁあああああああああ!


真横に… 祟り神が居てるよぉ~


「姉ちゃん… ごめんね」


渾身の弟スマイル


「ん? 嫌だぞ」


姉… スマイル返し


以前もこのやり取りどこかでやった記憶が…


…………


やぁ、みんな! マサオだよ!


僕はね… 今ね… 皆の為にね…


人間的当てゲームの的になっている最中だぁぁあああああああああああ!


「姉ちゃん、すまねぇ! 許してくれ!」


「さぁ、遠慮はいらんぞ! 魔法の練習をマサオで試すのは今だけだからな!」


俺は今、柱に括り付けられ、魔法の実験台…すなわち『人間的当てゲームの的』になっている


「お前ら! 止めろって! 熱っ! コラ! 殺す気か!」


「マサオは私のマサオだ! だから少々の事では死なんから遠慮なくやってくれ!」


なに意味の解らんことを… って! まじで熱いって!


しかも… 俺の目の前に居てる奴らの顔が怖い…


これって… マジで殺るつもりの顔だ…


「解った! 解ったから謝るよ! 姉ちゃんのサイフから金盗んだのは俺だから、頼むから止めてくれ!」


「ん? それは本当か? おぃ! マサオ!」


え? その事で怒っていたのじゃないのか?


「おい! 魔法以外でも、武器の性能をテストしたい奴は、こっち来て加わっても良いぞ!」


ちょっと待て!


今でも悲惨な状況なのに、更に変なのを追加するな!


「よっしゃぁ! アリサ様の許可がでたぞ!」


「私もやりたい!」


「おっしゃぁ! 俺も参加だ!」


ちょ… お前ら! 姉ちゃんの追っかけ共じゃねぇかよ!


因みに、皆さん手に何か物騒な物をお持ちですが…


「よぉ、クズ~… アリサ様の履いてた靴下とか言って、よくも、お前の靴下を売りつけたよな…」


「ねぇ? そこのクソ虫君! お風呂のお湯って、アリサ様のじゃなかったのよね? どうなの? ねぇ?」


あ… こいつら… 


「ヒィイイイイ オタスケ~」


その後、俺の意識は暗く閉ざされてしまった


…………………


俺 マサオ… だよな?


あ・・・ マサオで合ってた


てな事でマサオです


え~っとですねぇ… 


姉ちゃんから酷い仕打ちを受け、只今、宿のベッドで体力回復中


で、『アリサ・ミラクル・エンターテイメントショー』は滞りなく終わったらしい


…だって、その間、俺はベッドで死体の様に横たわっていただけだったからな


後で聞いた話だと、姉ちゃんの舞台は物凄く盛り上がったらしい


どうもこの世界、娯楽が少なく姉ちゃんが手掛けた舞台が斬新だったらしい


まぁ、姉ちゃん人気も重なったってのもあるらしいが、それでも凄い人気だったって聞いたぞ


そして、最後のパレードだが、これも街道全てに人が埋め尽くされ、とんでもない事になっていたみたいだ


ま、そんなの俺の知った事じゃねぇが…


「で、実験体1号よ… これからどうするんだ?」


「あぁ、どうしようかなぁ? ところで姉ちゃんは?」


今、俺はベッドで休みながら、見舞いに来てくれたポンコツ製造… ではなくボンクラッティと話し込んでいる


「おぉ、そうだった… アリサ殿はな、今、伯爵様の所に居てるぞ」


え? 姉ちゃんがどうして領主の所に?


俺が不思議そうにしていると、ボンクラッティが話し出す


「どうもアリサ殿に国王が会いたいと言ったのが原因みたいだが… それとな、今回の実験体1号の件だが何とか上手くなりそうだぞ」


ん? どういう事だ?


あ… もしかして天に散った『G・ラスボースン』の件か?


「どうもアリサ殿の機転のおかげで、あれも祭りの一環として取り扱われたらしいぞ」


そうだったんだ… てことは、俺ってお咎め無しって事だよな!


「ただなぁ… 実験体1号よ… お前、結構えげつない金の稼ぎ方をしてたのだな。 お前から金を貰っておいて言うのも何だがあれはやりすぎだと私も思うぞ」


だって、アホ共がアホ過ぎるからな


「お前の為にアリサ殿が、詐欺にあった奴にちゃんと補填してくれたおかげで、お前の命は繋がっている様なものだからな」


う… 姉ちゃん… すまねぇ… とは全く思わんぞ!


だって、姉ちゃんが勝手に愚民共に金を渡しただけだからな


まぁ、そうだな… 全く思わん… って言うのは言い過ぎか… 少しは感謝してるかもしれん


でもなぁ… 普段から受けている仕打ちを考えると、純粋に感謝する気が起きないのも事実だ


「まぁ、色々あったが、お前ら姉弟には感謝してる。 当面の研究費用を稼がせて貰ったからな。 まぁ、また困った事があったら、この偉大なる発明家、ボンクラッティを頼るが良い」


う~ん… なんか言いたい事を言ってからマッドなサイエンティストが去っていった


ただ、色々な情報は得れたぞ


と言っても、余り良い物は無かったが…


この町で俺のバイトは出来なくなっちまった


ちょっと痛いが、まぁ『アリサ・ミラクル・エンターテイメントショー』が大成功の元、終わったって言うのがでかいな!


ドカドカドカ


なんかやけに五月蠅い足音が聞こえてきたが…


「おぃ! マサオ! 起きているか?」


「ん? なんだよ… 姉ちゃん」


なんか姉ちゃんが普段と変わらぬ無表情ではあるが、声がちょっと上ずっている


「王都へ行くぞ!」


え? いきなり… 


意味が解らん


姉ちゃん! 説明を求む!


「では、このまま行くぞ!」


ってまだ傷が治ってない俺を脇に抱え宿を立ち去っていく


なんか… こういった事ばかりだが、これからも続くのか?


俺って、一体… 姉ちゃんの何なのさ!


貴重な時間を、この作品に費やして下さり感謝しています


この話で、今回の作品は終了です


色々と読みにくい箇所がありますが、そこはスルーして貰えれば嬉しいです


今後の展開は、皆さまの反応を見て掲載を考えたいと思います


最後にもしこの作品が良ければコメント頂ければ励みになります

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