第4話 俺、お仕事に励む
少し時間が出来たので、ちょっと書き物をしてみました
駄作ではありますが、読んでいただけたら幸いです
俺 マサオ
今は緑豊かな草原で草を探している
草原で草を探すって…
すまん、ちゃんと言わないといけないな
草では無く、薬草を探している
でもなぁ… 辺り一面草だらけの場所で特定の草を探すのって辛すぎるぞ!
朝から、草原で作業をしてる訳だが…
「無理ぃぃぃいいいいいい!」
草原の真ん中で叫ぶ俺
だって、周りは草だらけ
見渡す限り、草・クサ・くさ
全部草だぞ!
そこから、草の一種である薬草を見つけるなんて…
こんな時、姉ちゃんが居てれば何とかなりそうなんだが…
「おぃ、マサオ! ここにあるではないか!」とか言って見つけてくれそうなもんだが、あいにく便利な完璧超人はこの場に居てない
そんな訳で俺が行った事は…
適当に似ている草を片っ端から引っこ抜く
それを纏めてギルドへ持っていく
これぞマサオ式『下手な鉄砲数うちゃ当たる』大作戦
「え~っと… またあなたですか… 今、持ってきた大量の草から薬草を照合してますので… って、照合終わりました。 全てただの草みたいですね」
ここ最近、ギルドの受付嬢からの視線が冷ややかなものになっている
だって、あんなの難易度難しすぎるだろ!
「あの、余り言いたくないのですが、クエストの用紙はちゃんと読んでいますか? そこには良く解るスケッチが書かれているはずですが」
何か、説教が始まったよ
取り敢えず、俺は平謝りを繰り返す
「おぉ! マサオ! ちゃんと依頼はこなしたのか?」
俺を呼ぶ声が聞こえた
と、その瞬間、ずっと俺に説教していた受付嬢の様子が変わったぞ
うん、この光景にも慣れちまったよ
声の主は姉ちゃんだ
で、姉ちゃんの周りには女冒険者やギルドの受付嬢達、更には年端もいかない年齢の冒険者達などが群れている
うん、こういった場面ってここだけじゃなく、前の世界でもしょっちゅうあったからな…
その反面、俺は… いや、止めておこうか… なんか虚しくなってくる…
もう、今日は仕事をするのは止めておこう
…………
俺は今日も冒険者ギルドで手頃なクエスト(依頼)を吟味している
何度もここでクエストを行っている俺は、安易に決めたりはしないぞ
まずは血生臭い仕事はNG
それから、汚れる仕事もNG
もちろん、肉体労働みたいなきつい仕事なんて論外だ
ん? お前、仕事する気ないだろうって?
いやいや、そんな事ないぞ! しっかりと探せばちゃんとあるもんだからな!
『寝ているだけで報酬渡します』
ん? 何という僥倖!
ほら! あるでしょ、こういった仕事が!
「お姉さん… このクエストを…」
俺はそっとギルドの受付嬢にクエスト依頼の用紙を差し出す
良いねぇ。 俺! とっても出来る大人ぽい演出が出来ているぞ!
「あぁ~… またあなたですか… ちゃんと依頼内容とか確認したのですか?」
なんか日に日に俺の見る目が冷ややかになっている様な気が…
「ええ、この依頼こそ俺に最適なクエストです!」
俺は自身満々に答えたぜ!
すると、受付嬢は用紙を少し見たのち、すぐに俺を見る
「本当にちゃんと内容を確認したのですね?」
なんか、含んだ笑顔をちらつかせながら言ってきてるが…
だって、寝てるだけで報酬貰えるって書いていたからな!
それなら俺でもできるだろ! ていうか、誰だってできるぞ!
しかも、報酬が大銀貨2枚って美味しいだろう!
因みにこの世界の通貨について、ここで知らせておくぜ
ここ最近知ったのだが、言語や通貨はこの世界ではどこも共通らしい
もちろん、方言みたいなものや、通貨の価値基準が微妙に違っている所もあるにはあるが、皆似た様なものらしい
では通貨の基準を円換算にして教えるぞ
鉄貨 = 10円
銅貨 = 100円
銀貨 = 1000円
大銀貨 = 1万円
金貨 = 10万円
大金貨 = 100万円
白金貨 = 1000万円
大白金貨 = 1億円
てな感じだ
見ての通り、庶民は鉄貨から大銀貨を主に使用している
んで、それ以上は商人や御貴族様、又は王様が使用しているぞ
これを見て気がついた奴もいてると思うが、この町に来た時に俺が絶叫した理由が解ったよな!
「う~ん… そのアホ面だと… いえ、なんでもありません。 その顔つきだとちゃんと読んでませんよね…」
おい! 今、完全に言い切ってから言い直したよな!
「あ、このクエスト依頼受理しますんで、頑張って下さいね」
なんかそそくさと何処かへ行きやがった!
ちょっとあの受付嬢にはクレーム入れないといけないな!
…………
さて、俺はクエスト(寝ているだけで大銀貨2枚)の為、町外れの小さな家の前へやってきた
ここが、今回の依頼主の家らしい
俺はこの家の主に聞こえる様に、大きな声で挨拶をする
すると、眼鏡を掛けた如何にも怪しい男が現れた
瘦せこけた長身の男
髪はボサボサ
んで、白衣みたいなコートを身に纏っている
うん… 一言で言えば『マッドなサイエンティスト』
「おぉ! 君が私の依頼を引き受けたのだね… 名前は? いや、別に名前なんてどうでも良い。 早速仕事をお願いする」
え? いや、初対面の相手なんだから一応自己紹介はしといた方が…
「さぁ、早速始めようか」
え? え? え? 全く状況が掴めないのだが…
ここって、このマッドなサイエンティストの家の裏庭だぞ?
しかも、人が一人、入れそうな大きな穴が不自然にあるのだが…
「いやいや… いきなり『始めようか』じゃ解らないですよ。 一体何をするのですか?」
いくら俺でも何も説明のないまま、変な事をされるのは嫌だ
「依頼の内容通りなのですよね? 力仕事とかは無くって、ただ寝ているだけなんですよね? それで大銀貨2枚ってことですよね?」
そうだぞ! 俺は寝ていてもクエスト達成できると聞いたから来たのだぞ!
しかも大銀貨2枚(2万円相当)って言うのも重要だぞ!
すると、マッドなサイエンティストが少し考え込む
「ふむ、そうだな… 力仕事なんてしなくて寝てるだけってのは、本当だ。 後、報酬についてもしっかり払うぞ。 なんなら今払っても良いが、しっかりと仕事はして貰うからな!」
ふむふむ… 特に問題は無い様だな
なら、早速仕事をするとしようか!
俺が快く承諾すると、目の前にいたマッドなサイエンティストが素早く俺の後ろにまわる
「チョイ!」
俺の首筋にマッドなサイエンティストの手刀がトンって当たる
もしや、この技は伝説の壁ドンならぬ『首トン』だ!
ブラウン管TV時代で良く見た、相手を気絶させる技
まさか、異世界にきて体験するとは!
…
気が付いたら俺はマッドなサイエンティストの家の裏庭に生えていた
ん? こいつ何言っているんだ? って思った奴… 俺も何言っているのか解らん
解らんが… 生えているから生えているとしか言いようがないのだ…
だって、首から下は地面の中
地上には俺の首のみ
この光景を見たら、誰だって俺が生えているとしか言いようがないと思うぞ!
しかも、何かで縛られているのか身動きが取れない!
「おぉ、やっと気がついたか! では、君の仕事を改めて説明させてくれ」
いや、説明などせんで良いから、俺を助けろ
「君には2日間飲まず食わずでここに居て貰う。 だが、安心したまえ。 周りの土から君の体に生きる為に必要な栄養や水などが供給されるはず」
こいつの言ってる意味が解らん…
何か? 俺は植物と同じってわけか?
あの… 俺、マサオ、異世界には来ていますが、哺乳類のヒト属のホモサピエンスですが…
んで、ホモサピエンスは口から栄養や水を摂取するのです
決して、手足から直接栄養を摂取はしません
「私の理論によると、この魔素が多く含まれた特殊な土から、君に直接栄養素や水分が提供されるのだ! この実験が成功すれば画期的な発明となり、私の名は未来永劫語り継がれることになる! そう、ボンクラッティの名が世界に轟くだろう!」
いや、十中八九、俺が干からびて、お前は犯罪者となって未来永劫語り継がれるぞ
…………
俺… マサル… 違った… マサオ…
俺… 死にかけ… 二日… なんとかまだ生えている… ぞ…
「そんな! そんな馬鹿なぁぁぁああああ! 私の理論が! 有り得ん!」
何か… 聞こえる… 水… 飲ませろ…
「ん? んんんんんん? この土の周辺だけ異様に草が成長している… ふむふむ… 実験は失敗であったが、それは被検体に問題があったかもしれん。 再び検証が必要ではあるが、興味深い事も判明したな!」
腹… 減った… 飯… 食わせろ…
後に超万能肥料 名称「モットモリモリ」が生まれた瞬間であった
……………
うわぁぁぁぁあああああん! いやだぁぁあああああああ!!!!!!
ハイ ボク マサオ
モウ ジンセイニ ツカレマシタ
「おい! 良いから行くぞ! いつまで泣いている気だ!」
ウウウ・・・ オソトコワイ オウチガイイ
「ええい! 私の弟だろうが! いい加減にしろ!」
ソンナコトイワレテモ オソトイカナイ
「はぁ… 仕方ない…」
「「「ボフッ」」」
お… 俺の下腹部に… 姉ちゃんの拳が… ガクッ
俺は今、姉ちゃんに抱えられ冒険者ギルドに連行されてきました…
もう、俺…
仕事嫌だ! 働きたくない! 家から出たくない!
だって… だって…
クエストすれば失敗の連続…
周囲からは白い目を浴びせられる日々
たまに成功もするけど、そういった時は、トラウマが増えている…
そんな事が半年も積み重なると流石に嫌になるってもんでしょうが!
それなのに… それなのに!
「本当にすまんが、今大丈夫か?」
姉ちゃんがギルドの受付嬢に声を掛けている
この受付嬢って、顔はやたら良いが、性格は最悪な奴だ!
「え! ア… アリサ… 様?」
なんか明らかに俺とは違う態度で姉ちゃんと話をしていやがる
「すまんが、こいつにも出来そうな仕事を探してくれないか… 礼はするので、何とか頼む」
と、姉ちゃんは頭を下げながら俺を受付カウンターの上に置く
…俺はクエストの受注用紙じゃねぇぞ!
「ア… アリサ様! 頭を上げてください! あなた様の様な方が私みたいな者へ頭を下げるなどあってはいけません!」
おい! おぃぃいいいいいいい! 俺の時には床に唾を吐き捨てていたよな!
「でも、いくらアリサ様のお願いと致しましても…」
ん? おい! 俺ってそんなに問題児って事か?
「そうですわ! 何なら、アリサ様も冒険者ギルドに登録をしてみては如何でしょうか?」
なんか、目が血走っているぞ… この女は…
というか、実は俺の姉ちゃんは冒険者ギルドに所属はしていない
かといって、何もしていない訳ではないのだ
姉ちゃんのしている事は、この町近くにあるダンジョンの調査
調査と言っても、誰かに頼まれる訳でなく、勝手にやっているだけだ
でも、これが良い稼ぎになる
特に高価なアイテムは出ないって言ってたが、そこそこの金額で売買されてるアイテムなどが良く手に入るって言っていた
実際、それらのアイテムを売った金が生活費に化けている
因みに、かなりの貯えもあるぞ
うん、その辺りは姉ちゃんが風呂に入っている時に確認済みだ
「是非とも加入しましょう! そうです、今すぐに! なんなら私が勝手に代筆しときますので!」
勝手に代筆って…
この受付嬢は何言っているんだ?
ていうか… ギルド中の若い女共が姉ちゃんを見てるじゃないか!
しかも、目の前にいるやばい受付嬢にサムズアップしている奴まで居てる
「あ… あぁ… 別に構わんが… それをするとマサオの仕事も見つけやすくなるわけなのだな?」
いや… 絶対、俺の事なんかより、自分の欲求の為に姉ちゃんを入れようとしてるぞ
「も… もちろんです! アリサ様がこのクズ… いえ、マサオ様と一緒にクエストを引き受けて下されば良いだけなので」
この女! 後で絶対に〆てやる!
「なら、頼もうか… 色々何かと面倒をかけるが、これからよろしく頼む」
キャァァアアアアアアア!
女共が一斉に叫び始めたぞ! 喜んで飛び跳ねている奴 隣同士で抱き合っている奴 …正直ウ・ル・サ・イ
ていうか… 姉ちゃんは女だぞ! 決して男じゃないからな!
身長が馬鹿高くて、色白で、顔も良いと言われているが… それでも女だ!
その証拠に後ろで編んだ髪も長いし、胸もでかいだろ?
なのに、なぜここまで騒ぐか俺には理解できん…
これが、男共だったらまだ理解はできるが…
ウォォォオオオオ!
あ… 男共も喜んでいたわ…
ちょっと待て、良く考えたらこれからは姉ちゃんと一緒にここへ来るって事だよな…
あ、俺… 相当やばい事になっているのではないか?
……………
はい、良い予想はことごとく外れ、悪い予想は確実に的中するマサオ君です
俺は今、姉ちゃんと一緒にギルドへ来ています
「ふむ、私も『駆け出し冒険者クラス』からだな。 なら最初の依頼は先輩であるマサオに任せよう」
お! あの姉ちゃんが、どんな風の吹き回しだ?
まぁ、今日は… うん、姉ちゃんも居てるしこれで大丈夫かな?
何度か失敗をした事のある『薬草採取』のクエストだ
まぁ、比較的町から近い所でする作業だから、日帰りでも十分できる内容だ
ただなぁ…
薬草を探す場所ってのが、同じような草が生い茂る草原ってのが辛いんだよなぁ…
まぁ、今回からは完璧超人(姉ちゃん)が横にいてるから失敗はないだろう…
さて、クエスト依頼用紙を持って、いざ受付へ!
「……」
え? いや、何なの? この受付嬢は?
「あ… あのぉ… このクエストを引き受けたいのですが…」
「……」
ちょっと待て!
俺と目も合わせないようにしてやがるぞ! このアマは!
ま… まて俺… 冷静に… そう、冷静に…
「す… すみません… この依頼を…」
「……」
手で俺を払うかの様に、あしらってきやがった!
このアマァアアアアア!
「おぃ! マサオ! まだなのか?」
いつの間にか、横に姉ちゃんが…
「あ! アリサ様! クエストの依頼ですね! 初めての依頼頑張って下さい! 私、応援していますから! それでですね、この依頼は…」
持っていた依頼書を俺から奪い取ったこのアマは、一瞬の間に姉ちゃんの横に立っていやがる!
ていうか、初めてこの依頼をした時は、こんなにも丁寧な説明なんてされなかったぞ!
「あ、アリサ様! クエスト行かれるのですね! 応援してます!」
「私達も応援してますから!」
「あ… アリサ様! こんど俺と一緒に飯でも行きませんか?」
おかしいぞ! 絶対におかしい!
普段、他人の事なんて興味を示さん奴らが、こんなにも姉ちゃんに声を掛けるなんて絶対におかしい!
それとだ… どこの誰かは知らんが、姉ちゃんを飯に誘っていやがったな… そいつは破産確定だ…
…………
どうも、マサオです
なんだかんだ言って、姉ちゃんと一緒に冒険者になってから数日が経ちました
色々ありました
本当に色々とありましたよ
長くなるので余り言いませんが…
一言だけ! 一言だけ言わせてくれ!
俺、やっぱり仕事は嫌いだ!
働くの嫌!
勤労なんて糞!
労働? なにそれ美味しいの?
いやだぁぁぁぁああああああああああああ!
あの能面巨大女に、陰湿女共!
更には、ムッツリ軍団の相手!
それに、それにだ!
この町の奴ら全員
いやだぁぁぁぁぁあああああああああああ!
ハァハァハァ…
うん、スッキリしたぞ
さて、今も何だかんだ言って、冒険者しています
一応俺…『駆け出し冒険者クラス』を卒業
まぁ、俺の実力って奴だな
で、今は『初級冒険者クラス』ってのになっているぞ
前のクラスと違う点は、討伐系(モンスターを倒す)のクエストが出来るって事が大きな違いだ
それと、この町の冒険者って、大半がこの初級冒険者クラス
中には中級冒険者クラスの奴も居てるらしいが、そういった奴らはこの町に所帯を持っているらしい
あ、忘れた奴も居てると思うが、この町に来る時に出会った『強面オッサンズ』も中級冒険者らしいぞ
あろう事か… あの強面3人組… 全員結婚していやがった!
有り得んだろう… あの顔面で…
しかも、嫁さんは全員美人だった… 更に有り得ん! リア充爆ぜろ
はい!
そんな厳しいこの世界で、俺は健気にも生きています
んで、今は俺一人で冒険者ギルドに居てますよ!
ひっそりと、一人でギルドのロビーで佇んでいます
実はですねぇ…
今、わたくしマサオ様の真の実力が開花された訳でありまして…
ななななぁぁぁぁあああんと!
私への個別依頼がきたのです!
ただし、条件がありまして… その… 姉ちゃんは同伴禁止といったものでした
しかも、依頼の説明をする時も姉ちゃんは同伴禁止
なので今、俺だけで足を運んできました
さて、俺の伝説をこれからはじめるとしましょうか
俺はギルドの中を颯爽と歩く
そんな俺の様子を羨むのか周囲からの視線が熱いぜ!
ん? なんか至る所から殺気立った視線も感じるが…
ふふふ… ここがギルドの個室部屋か…
一見変哲もない只の扉だな
だが、この扉を開けると伝説が開始
いざ! オープン!
何の変哲も無い部屋
テーブルと椅子が置かれている
余り華美な装飾はされていない
うん
明らかに只の応接室だな
けれど、只の応接室には似つかわしくない異様な雰囲気を醸し出している奴が、座っている
うん… 物凄く異様な雰囲気
だって… フルフェイスの鉄兜を被っているんだけど、それ以外は普通の男物の衣服を着てるだけ
顔以外は、至って何処にでもいてそうな出で立ち
こんな相手が普通な訳がない
しかしだ… 俺の伝説が始まる瞬間だ… 相手の話を聞くだけ聞かなければ…
「君が、マサオ君で間違いないか?」
落ち着いた大人の男性の声だな
「ええ、俺がマサオですが… あなたは一体…?」
こう言った事は、まずはお互いの自己紹介からだよな
まぁテンプレ通りって奴だな
「あぁ、失礼。先ずは先に自己紹介をしなければいけなかったのだが、そこは許してくれ」
ふむふむ、まぁ俺の心は宇宙規模にでかいから、許してやろう
「私は、秘密結社AFCのマスターと呼ばれるものだ。 そして、AFCの代表を務める者」
秘密結社AFC? 俺、KFCなら知ってるけど… AFCってのも鶏肉で何か作っているのか?
それにしても、部屋の外が妙にうるさい
「おぃ、今奴は中に居てるのか?」
「ねぇ、クズはちゃんと居てるのよね?」
ふふふ… モブ共が盗み聞きでもしているのだろう
まぁ、お前らモブと住む世界が違ってくるだろうから、俺の動向に自然と意識しちまうのは仕方ない
さて、話に集中しなければ!
ゴホン
少しマスターが咳き込む
「君には、ある人物の調査をお願いしたい」
俺は、話を促し続きを黙って聞くことにする
にしても、外野がやかましいなぁ!
「君も良く知っている君の姉… アリサ嬢についてだ…」
え? 俺の姉ちゃん?
マサオ様の事を見損なうなよ!
俺は身内の秘密をしゃべる様な薄っぺらい奴じゃないぞ!
「いや、姉ちゃんも家族なので、こう言った事は…」
俺はきっぱりと断っ…
「金貨5枚だ… これで、どうだ?」
「金貨7枚なら引き受けます!」
うん! 俺、薄っぺらい奴です!
一反木綿なんかよりペラッペラです!
「良いだろう… 契約成立だ! では内容だが…」
俺は内容を一通り聞いた
で、扉を開け戻ろうとした時
ん? 何か動いたような…
ここって、そういった怪奇現象的な何かがあるのか?
ちょっと、塩巻いておかないといけないかもしれんな!
「あいつ、もし断っていたら、闇討ちしている所だったぞ」
「ええ、私も同じ事考えていたわ。 闇討ちして、眼球に1本づつ針を打ち付けてやっていたわ」
なんか周囲から只ならぬ内容の話が耳に入ってくるが、まぁ俺の事ではないだろう!
貴重な時間を、この作品に費やして下さり感謝しています
色々と読みにくい箇所がありますが、そこはスルーして貰えれば嬉しいです
最後にもしこの作品が良ければコメント頂ければ励みになります