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【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~  作者: シオヤマ琴
第五章 希望

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第89話 マジックバットの大群

しばらく歩くと大きな洞窟が見えてきた。

俺はそれを指差し、

「あの中にマジックバットが沢山いるはずだから、今から行って狩ってくるよ。二人はここで待っていてくれ」

メタムンと北原すみれに言い置く。


『おいらも行くよっ』

「わ、わたしもっ……」

と二人は申し出てくれるが、

「いやあ、どうかな……マジックバットはそれほど強くはないモンスターだけど、二人にとってはそうでもないかも……ここで待っていた方がいい気がするなぁ」

俺は言葉を選びつつやんわりと断った。


『え~っ、おいらも行きたいなーっ』

「わ、わたしも出来れば、お、お手伝いしたい、です……」

メタムンと北原すみれは俺を見上げて言う。

ちなみに北原すみれは現在認識阻害呪文を使用してはいない。

モンスター撃退の際、姿の見えない北原すみれを俺が誤って攻撃してしまったら目も当てられないからだ。


「二人の気持ちは嬉しいんだけど、やっぱり俺一人で行くよ。二人は適当に食事でもしてていいからさ」


俺が思うにおそらくメタムンと北原すみれではマジックバットには勝てない。

マジックバットはハードモードに移行してからは最弱クラスのモンスターに位置しているが、それでも二人には手に負えないだろう。

それくらいメタムンと北原すみれは弱いのだ。

これ以上死人を増やしたくはないので、冷たいようだがここは俺一人で行かせてもらう。


「じゃあ、そういうことだから。絶対に入ってくるなよ。あと、モンスターが現れたら大きな声で俺を呼ぶんだぞ、いいな」

『わかったよ』

「……は、はい……」

俺にきつく言われて二人は渋々これを了承した。



☆ ☆ ☆



洞窟の中に一人入っていく俺。

中は広く、天井はかなり高い。

その天井に逆さになってぶら下がっている黒い無数の物体。

それがマジックバットだった。


マジックバットたちは俺の存在に気付くと、

『キシャアアァァ!』

『キシャアアァァ!』

『キシャアアァァ!』

  ・

  ・

  ・

超高音の鳴き声を発して一斉に飛び立つ。

一匹一匹は普通のコウモリと大して大きさは変わらないが、マジックバットは羽を空中でクロスさせて小さな風の刃を作り出すことが出来た。

それにより獲物を切り刻んで食べるのだった。


数えきれないほどのマジックバットが洞窟内を旋回しながら、

『キシャアアァァ!』

『キシャアアァァ!』

『キシャアアァァ!』

  ・

  ・

  ・

俺めがけて風の刃を飛ばしてくる。

俺はそれを手で弾き飛ばしつつ、マジックバットたちの動きを見極める。

そしてジャンプすると同時に目の前に迫っていたマジックバットを一刀両断。

その流れで近くにいたマジックバットたちも次々と仕留めていった。


こんな時、大勢を一度に相手に出来る呪文などがあれば便利なのにな、などと思いながら俺はその後も一匹ずつ地道にマジックバットの数を減らしていく。

今ごろメタムンと北原すみれは洞窟の外で何をしているだろう。

俺が心配することではないかもしれないが、北原すみれはコミュニケーション能力が低いようなので、はたしてメタムンと上手くやれているだろうか。

メタムンは北原すみれに失礼なことを言っていないだろうか。


そんなことを考えているうちにいつの間にか、マジックバットは半分ほどに減っていた。

「あっ、そういえばメタムンがいた方がアイテムドロップ率が高かったんだっけ。失敗したかな」

今さらながらメタムンの特性を思い出した俺だったが、

「まあ、メタムンの身の安全を考えたらこれでよかったのかもな」

自分に言い聞かせるようにつぶやくと、残りのマジックバットたちを血祭りにあげていくのだった。

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