表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~  作者: シオヤマ琴
第四章 岐路

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/109

第59話 ダークキラービー

「ダークキラービーだっ!」

米村さんが叫んだ。

その声を合図にしたかのように大きな蜂型のモンスター、ダークキラービーがそれぞれ米村さんとメタムンと俺に向かって突っ込んでくる。


『ジジジジィィッ!』

「こいつらはかなり素早いモンスターだから気を付けてっ。それとお尻の針には相手を麻痺させる効果があるから絶対に刺されちゃ駄目だよっ!」

米村さんはダークキラービー相手に応戦しながら声を上げた。


『ジジジジィィッ!』

『うわぁーっ! そんなこと言われてもおいらっ、善、助けてぇーっ!』

メタムンはぴょんぴょん飛び跳ね、ダークキラービーから必死に逃げ回っている。


『ジジジジィィ――』

「邪魔だっ」

それを受けて俺は目の前に迫ってきたダークキラービーを手刀で真っ二つにすると、メタムンのもとに向かった。


そして、

『ジジジジィィッ!』

『うわぁーっ、善ーっ!!』

お尻の針をメタムンに突き刺そうとしていたダークキラービーを背後から一刀両断、これを絶命させた。


『善、助かったよ、ありがとーっ』

「米村さんはっ?」

俺は顔を上げ、米村さんの姿を目で追う。


そして米村さんを確認すると直後、

『ジジジジィィッ!』

「はぁっ!」

と米村さんはダークキラービーに剣で斬りかかり、これを一瞬で肉塊へと変えたのだった。


その太刀筋に思わず見惚れていると、

ピピー、ピピー、ピピー!

ピピー、ピピー、ピピー!

俺のスマホと米村さんのスマホがほぼ同時に音を立てて鳴った。

俺たちはスマホを手に取り、画面を確認する。


・ダークキラービーを倒したことで12980の経験値を獲得しました。

・ダークキラービーを倒したことで12980の経験値を獲得しました。

・ダークキラービーを倒したことで<奇跡のハチミツ>を入手しました。

・レベルが4上がり、レベル3822になりました。


「奇跡のハチミツ? ってなんだろう」

俺が入手したばかりのアイテムの効果を調べようとした時、

「あれ? おかしいな。獲得経験値が倍に増えている……?」

と米村さんの声。


『あー、それはおいらが一緒にいるからだよっ』

「うん? どういうことだい、メタムンくん」

スマホからメタムンへと視線を移す米村さん。


『おいらの特性で、おいらと一緒にいるとモンスターを倒した時の獲得経験値が2倍になるんだっ。だからそのせいだよっ』

「なるほどそうだったのかい、それはすごいね。おかげでだいぶ僕のレベルが上がったよ。ありがとう、メタムンくん」

『えっへへへ、それほどでもないけどねー』

体をくねくねさせメタムンが応じる。

褒められて嬉しいのが丸わかりだ。


『あ、でも大地ってどこにそんな剣持ってたのっ? さっきまでなかったよねっ?』

「あー、これかい。これは<ミニマムソード>っていうアイテムでね、使用するとき以外は小さくして持ち運べるんだよ。ほら、こうやって」

言うと米村さんは手にしていた鎖のついた剣をひと振りした。

するとどうだろう、その剣は一瞬のうちに三センチほどにまで小さくなり、米村さんはそれをまるでネックレスのように首からぶら下げた。


「こうしておけば両手が空くし、持ち運びが楽なんだよ」

『へー、そんなアイテムもあるんだぁ、面白いなーっ』


いつの間にか米村さんとメタムンはだいぶ打ち解けているようだった。

それは、俺が少しだけ疎外感を覚えてしまうほどに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] バレちゃったなw せっかく独り占めして無双できたのに…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ