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【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~  作者: シオヤマ琴
第四章 岐路

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第57話 記憶を読み取る呪文

「? え、えっと……俺、北原のこと米村さんに話しましたっけ?」

そんな憶えはないのだが。

そもそも米村さんとはこの島では今初めて会ったばかりだし。


すると不思議そうにしている俺を見て、

「あ、ごめんごめん。そうじゃないんだ。急に変なこと言って混乱させてしまったようで悪かったね」

両手を胸の前で振り、少しだけ慌てたそぶりを見せる米村さん。


「実は僕は相手の記憶を読み取る呪文を覚えていてね、それが今まさに発動中なんだ。だから善くんには申し訳ないけど、僕には善くんの記憶が読めてしまうんだ」

と苦笑いを浮かべつつ米村さんは言う。


「記憶を読み取る呪文、ですか?」

「うん、そうなんだ。でも一度使うと一時間は効果が切れなくてね、自分ではどうしようもないんだよ。あともう少しすれば効果は切れると思うんだけど」

「そうですか」

それで話してもいないのに、俺が北原という女子学生を探しているということを知っているわけか。


「本当にごめんね」

米村さんは両手を合わせて頭を下げた。


「いや、別にいいですけど……それより、北原が米村さんのところにいるっていうのは本当なんですか?」

「うん、そうだよ。北原さんは割とレベルも高いし積極的だから率先してグループのために働いてくれているんだよ」

俺の知る北原らしいな。


「妹さんを探しているって言ってたけどね」

「あ、それなら俺、一ヶ月くらい前に北原の妹にも会いましたよ。俺その子に北原を探すって約束しちゃってて……」

「うん、そうみたいだね」

と米村さんは訳知り顔でうなずく。

どうやらまたも俺の記憶を読み取ったようだ。


『ねぇねぇ、善、どういうことっ? 二人だけで話してないでおいらにもわかるように説明してよっ』

足元で俺たちの会話に耳を傾けていたメタムンが声を上げた。

俺たちの邪魔をしないようにしていたみたいだが、我慢の限界だったらしい。


「あ、悪い。実はね、俺がこの島で初めて出会った北原奏美って女子が……」


俺はしゃがみ込むと、メタムンに北原姉妹のことを話して聞かせた。

そしてこの時にはもう米村さんについていこうと心の中で決めていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今はメタムンがムードメーカーみたいになってていいね 主人公とは真逆の、物怖じしないタイプだな
[一言] 今回は北原姉の事があるしオンオフ出来ないならしゃーないとはいえ人の記憶勝手に覗いてる人間とか全く信用ならんから仲良くしたくねぇなぁ…… 隠し事はもちろん有用な情報も勝手に盗みとられてるって事…
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