表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/109

第56話 意外な名前

少し歩いたところで、

「うん? 善くん、どうかしたかい?」

『どうしたの? 善』

米村さんとメタムンが立ち止まっている俺に気付いて振り返る。


「え、あ、あの……」


どうしよう。

このままでは米村さんについていかざるを得なくなる。

すでに出来上がっているグループにあとからお邪魔するのは、文字通り邪魔者扱いされるのではないだろうか。


この時の俺は追い込まれていてかなりテンパっていたので、米村さんとメタムンの前でつい本音をもらしてしまった。


「あの、お、俺、実は……人付き合いがあまり得意じゃなくって……知らない大勢の人と会うのは緊張するっていうか、その……なので出来れば俺は遠慮したいんですけど……す、すみません。メタムンも、ごめん」


ど、どういう反応が返ってくるだろう……。

本音を吐露してしまった俺は二人の反応に怯えていた。


「そっか。わかった。別に無理にとは言わないよ。人付き合いが苦手な人だっているからね。うん、大丈夫」

『謝らないでよ善っ。善は何も悪くないんだからさっ』


二人は俺の性格を理解し受け入れてくれた。

そのことに俺は心底ホッとして、膝から崩れ落ちそうになる。


「そういうことなら僕のグループのみんなと顔を合わせて紹介するのは無しにしよう。でも、善くんにはやっぱり僕についてきてもらいたいんだ」

と米村さん。


続けて、

「というのも僕のグループには善くんが探している人がいるんだからね」

わからないことを言う。


「え、ど、どういうことですか?」

「善くんは北原奏美さんという女子学生を探しているんだろう。北原奏美さんはうちのグループに所属しているんだよ」

米村さんは涼しい顔で微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ